さまざまな方に参列いただく結婚式ですが、親族の方に納得してもらえるような席の順番を考えたり、決めたりするのは大変です。
また、結婚式の席次で親族の席次を決める際は、マナーや注意点があります。これらをしっかり守り、来てもらう親族の方々に嫌な思いをさせないようにしましょう。加えて、マナー以外にも、両家の親族の人数が合わない場合や高齢者や妊婦の方がいる場合など、さまざまな場面に合わせて適切な対応をする必要があります。
このコラムでは、親族の席次の決め方に関するマナーや注意点について説明していきます。
1.結婚式における親族の基本的な席次マナー
多くの親族の方に結婚式に来てもらう際に、席次決めで困ることがあるかと思います。親族の席次においても上座と下座、新郎新婦との関係性を考える必要があります。
また、席次以外にも左右どちらに座ってもらうかであったり、コロナ対策として密にならないよう席の間隔を一定保つなどの配慮も重要です。
以下では、結婚式における親族の基本的な席次マナーを説明します。
- 上座と下座
- 新郎新婦たち本人との関係性で席次が決まる
- 席次だけでなく左右どちらに座るかも大切
- 【コロナ対策】密にならないような席間隔を保つ
1-1.上座と下座
新郎新婦に最も近い席が上座で、最も遠い席が下座となります。上座には主賓や上司などの年上や目上の方、下座には年下や家族が座るのが一般的です。上座と下座は、どの結婚式場であっても基本的に変わらないので、知っておくべきマナーの一つといえます。
しかし、なかには上座と下座を意識せず、新郎新婦による家族への感謝の気持ちとして、会場中央に新郎新婦の家族が座る場合もあります。そのため、前もって親族の方に確認をしておくことが大切です。
1-2.新郎新婦たち本人との関係性で席次が決まる
基本的に、席次は新郎新婦たちと出席する親族の関係性によって決まります。例えば、親や兄弟など新郎新婦と血縁関係の近い方は、ゲストではなく招く側の立場となります。そのため、下座に座ることが一般的です。
1-3.席次だけでなく左右どちらに座るかも大切
高砂席(新郎新婦が座っている席)に向かって左側が新郎側で、右側が新婦側となります。新郎が婿入りするのであれば、この逆です。しかし、両家の考え方や地域によってもどちらに座るのかが異なるので、新郎新婦だけで決めずに、両家の親に相談しましょう。
1-4.【コロナ対策】密にならないような席間隔を保つ
コロナ対策として、密にならない席間隔を保つことが重要です。式場側も充分に対策をしていますが、席次を決めるときに配慮するようにしてください。密になっていると、良い思いをしない方もいます。また、テーブルの数や部屋の大きさについても考慮すると良いでしょう。
2.配置されるテーブルの形状・レイアウト別の席次
式場によって、円卓型や長方形のくし型、オーバル型などさまざまなテーブルの形状があります。また、形だけではなくレイアウトも式場によって異なります。そのため、式場のテーブルなどの配置状況に応じて、席次を考える必要があります。
以下では、テーブルの形状やレイアウト別に席次ルールを紹介していきます。
- 円卓型
- 長方形のくし型
- オーバル型
2-1.円卓型
円卓型のテーブルでは、新郎新婦で関係者を分けることが一般的です。新郎新婦がいる側にそれぞれの親族が分かれて座ることになります。新郎新婦に近いテーブルは上座、遠いテーブルは下座です。
また、円卓型では複数のテーブルになることが多いです。そのため、上座と下座はテーブルごとにも決める必要があることに気を付けましょう。会場の中央側が上座、外側が下座になります。
しかし、円卓型ではどのテーブルであっても、上座に座る方は新郎新婦に背を向けて座るということに気を付けましょう。新郎新婦が話す際には、上座の方は都度振り向く必要があります。そのため、本来上座に座る人への配慮が必要な場合もあるでしょう。上座下座の慣習にとらわれず、臨機応変な対応をすることも大切です。
2-2.長方形のくし型
長方形のくし型のテーブルの場合、複数の長テーブルに分かれ、それぞれ、新郎新婦で関係者を分けるのが一般的です。高砂席から見て前方の中央が上座、後方の外側が下座になります。最も下座が両親で、その次に兄弟や姉妹になるように並びます。また、祖父母に関しては父方の祖父と父方の祖母が並んで座ることができるように席次を決めるのが一般的です。
親族の席を決めた後は、ゲストの年齢を考慮して席次の順番を決めていきます。年齢以外にも人間関係などの問題もあるため、両親に確認するのが良いでしょう。隣の方と話が合わないと、ゲストの方も疲れてしまうので、隣同士の関係性に考慮することが大切です。
2-3.オーバル型
オーバル型は、大きな一つの楕円形テーブルであるため、親族のみの結婚式など規模の小さいカジュアルな結婚式に向いています。しかし、オーバル型は円卓型とくし型のルールが混ざっているので、上座と下座を決めるのが難しいテーブルの形状です。基本的に新郎新婦側にそれぞれの親族を配置します。加えて、高砂席から近い席を上座として遠い親族を、遠い席を下座として親や兄弟などの近い親族を配置します。
自然と新郎新婦と兄弟が近い席になるため、新郎新婦にとっても安心感があり、華やかな雰囲気を提供してくれます。また、こちらも上座と下座に囚われる必要がなく、近年では新郎新婦の隣に両親が座るというスタイルも流行しています。
3.親族の席次を決める際の注意点
両家の親族の人数が合わないときやテーブルの大きさを変更するとき、両家を混合した相席テーブルを作るとき、高齢者や妊婦、子ども連れの場合など、親戚の席順を決めるときにはさまざまな注意点があります。それぞれの条件に合わせて詳しく説明していきます。
3-1.両家の親族の人数が合わないとき
両家の親族の人数が合わないときは、両家混合にしたテーブルを配置することがあります。しかし、相手によっては関係性や初対面であるなどの理由で配慮が必要な場合がありますので、充分に注意をしてください。友人同士などであれば、混合テーブルでも問題ないでしょう。
・テーブルの大きさを変更する
席次を決めるにあたって、どうしても思ったような配置とならない場合、テーブルの大きさを変更する必要があります。その場合、早い段階で結婚式場に相談することが大切です。
・両家混合にした相席テーブルを作る
両家の親族の人数が合わないとき、ひとつのテーブルに両家が混ざっている場合があります。人数的に仕方がありませんが、相席テーブルを作る場合は、同じような年代の方に集まってもらうなど配慮をする必要があります。
3-2.高齢者、妊婦、子ども連れの方への配慮
一般的に目上の方には上座に座ってもらうことが多いのですが、テーブルの形状によって、上座は新郎新婦と反対の方向を向いていることがあります。高齢者の場合、毎回後ろを振り返るのは、身体に大きな負担がかかります。そのため、高齢者をお招きする場合は、体勢を変えなくて良い席に配置することが大切です。
また、妊婦や子ども連れの場合は、あまり移動せずに済む入り口近くの席に配置すると良いでしょう。特に子ども連れの場合はどうしても子どもが騒いでしまったりするため、すぐに外へ連れ出すことができる配置にすることが良いでしょう。
また、子どもが幼児の場合は、授乳室などの施設があるかどうかも確認しておくと喜ばれます。
4.親族に対する席札や席次表の肩書きや敬称は?
親族間の場合であれば、普段は下の名前で呼ぶなど、肩書きや敬称などはあまり気にしていないこともあるでしょう。しかし、いざ結婚式となると、どのように記載すれば良いか分からないという方も多いのではないでしょうか。
席次表の敬称の注意点として、両親や兄弟・姉妹には「様」を付けなくても問題ありませんが、祖父母や叔父・叔母などはゲストなので「様」を付けるようにしましょう。
また、肩書きに関しては、新郎新婦との関係性を記載する必要があります。ただし、カジュアルな結婚式である場合は、記載しなくても問題ありません。
自身が行う式によって、肩書きや敬称の有無を決めるようにしましょう。
5.席次表は両親にも事前に確認してもらう
新郎新婦で席次表を作成した後に、必ずチェックをしてもらうことが大切です。誰にチェックを頼むか迷うこともあると思いますが、両親に事前に確認してもらうことをおすすめします。
親族間の人間関係などは、両親が把握していることが多いです。例えば、同じ立場の親族であってもあまり仲が良くないなど、表向きでは把握できない情報もあります。
このような親族間の情報は、両親の方がよく知っているでしょう。また、ゲストである親族の名前をもう一度親にチェックしてもらうことができます。叔父や伯父など間違えやすいこともあるので、複数人でチェックをすることが大切です。
マナーも大切ですが、席次表を見たときにゲストが気分を害さないようにすることも大切です。席次表を印刷するまでに、両親にもチェックをしてもらうことをおすすめします。
また、漢字などが間違っていないか、親族であれば年賀状などを使ってチェックしましょう。ゲストを招いている以上、席次表ひとつをとっても丁寧に作成することで、ゲストへ感謝の気持ちとして伝わります。
おわりに
ここまで結婚式における親族の席次表について説明をしてきました。席次表については、親戚と新郎新婦との関係によって、親族の方が左右どちらに座るか、上座と下座どちらにするかなど、さまざまなマナーがあります。さらに、両家の親族の人数が合わない場合や高齢者や妊婦が親戚にいる場合では、さまざまな注意点があります。
親族間においての人間関係は両親の方が詳しい場合もあるので、席次表は最終的に両親にも事前に確認してもらうようにしましょう。