更新日
公開日

ひな祭りとは?歴史や由来・楽しみ方を徹底解説

ひな祭りとは?歴史や由来・楽しみ方を徹底解説
セゾンのくらし大研究 編集部

執筆者

セゾンのくらし大研究 編集部

豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

女の子のすこやかな成長を願ってお祝いする日として知られる「ひな祭り」。今回はひな祭りをもっと楽しむために、歴史や由来、お祝いの方法についてご紹介します。ひな人形の飾り方や行事食について知り、年に一度の行事を大切な家族とともに楽しみましょう。

ひな祭りとは?歴史や由来・楽しみ方

ひな祭りとは?歴史や由来・楽しみ方

三月三日のひな祭りは、中国から伝わった五節句のひとつで、正しくは「上巳(じょうし、じょうみ)の節句」といいます。

五節句はその他に、五月五日の「端午の節句」、七月七日の「七夕の節句」などがありますが、節句には季節が変わる節目という意味があり、邪気が入り込むと考えられていたため、中国では水辺で穢れを祓う習慣があったといいます。

ひな祭りの歴史

ひな祭りの歴史

ひな祭りの歴史は古く、その起源は平安時代中期(約1,000年前)にまでさかのぼります。当時の人々は疫病や天災を恐れ、三月の初めの巳の日に、「上巳の節句」と呼ぶ、無病息災を願う祓いの行事をしていました。お祓いには陰陽師を招き、天地の神に祈り、季節の食物を供え、人形(ひとがた)、あるいは形代(かたしろ)と呼ぶ、紙や藁で作った素朴な人形に災厄を託して海や川に流しました。

また、その頃、貴族をはじめとする上流階級の家庭の女児たちの間で、お人形遊び(ひいな遊び)が流行っていました。紙で作ったお人形(ひいな)と身の回りの道具を模した玩具を使って、いまでいう“おままごと”を楽しみました。

「上巳の節句」に行われた祓いの行事と、平安時代に始まるお人形遊びとが、長い間に結びついたのが、現在の「ひな祭り」と言われます

ひな祭りが別名「桃の節句」と呼ばれるのは、ちょうど桃の開花時期に重なることに加え、中国では桃の木が邪気を祓ったり、子孫繁栄をもたらしたり、その実が不老長寿をもたらすと考えられてことも理由とされています。

ひな人形の由来

ひな人形の由来

女の子の誕生を祝してひな人形を準備する習慣があるように、ひな人形を生まれた子供の形代わりと考えて、災いがふりかかりませんように、すこやかに成長して幸せな人生を送ることができますようにという切なる想いを込めて飾ります。

飾り方や片付け方などをおさらいしましょう。

ひな人形を飾る時期

ひな人形を飾るのは、立春(二月四日)頃から二月中旬にかけてが一般的です。

ひな人形はもともと身にふりかかる厄を人形に託して海や川に流すものだったことから、水にまつわる「雨水」のはじまりの日に飾ると良縁に恵まれるという説もあります。雨水は2月18日か19日に当たることから、立春から雨水の日を目安に飾ると良いでしょう。

ひな人形を片付ける時期

ひな人形を片付けるのは、三月三日の節句が済んだら、なるべく早めに、遅くとも三月中旬までの天気のよい、乾燥している日に片付けるのがよいとされています。

片付けが遅れると婚期が遅れるという話もよく耳にします。人形に託した厄が戻ってくるという考えから来ていると考えられますが、根拠はありません。

また、ひな人形を手放す際には、全国各地で行われている人形供養を受け、納めてもらうようにしましょう。

ひな祭りを彩る行事食・由来

ひな祭りを彩る行事食・由来

ひな祭りに食べるとされる行事食がいくつかあります。それぞれに込められた意味や由来をみていきましょう。

ちらし寿司

日本では古くからお祝いの席にお寿司を楽しむ風習がありましたが、中でもちらし寿司は見た目も華やかで豪華なため、女の子のすこやかな成長を願うには最適ということで定番メニューになりました。

ひな祭りは水辺に関係しているという考えもあることから、海の幸を多用できることもちらし寿司が選ばれた背景にはあるようです。

蛤(はまぐり)のお吸いもの

蛤は、対の貝殻しか合わないことから、夫婦が仲良く添い遂げる姿が思い浮かべられ良縁の象徴とされています。

ひな祭りに蛤のお吸いものが供されるのは、良い結婚相手と結ばれて、仲睦まじく過ごせますようにという親から子への想いが込められているのです。

菱餅

菱餅は、中国の上巳節で食べていた母子草を入れたお餅がそのルーツとされています。

このお餅が日本に伝わるとよもぎ餅となり、江戸時代に菱の実を入れた白が、明治時代にクチナシを入れた桃色が加わって、緑、白、桃色の3色となりました。それぞれに意味を持ち、緑は厄除けを、白は子孫繁栄を、桃色は魔除けを表しています。

下から順に緑、白、桃色と重ねられるのが基本で、雪の下には新芽が芽吹き、桃の花が咲いている”様子を表現しています。

ひなあられ

ひな祭りを彩る菓子の定番といえば、ひなあられを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。淡い色合いが愛らしく、ほんのり甘い味わいが特徴です。一般的に白、緑、桃色に色付けされており、白は雪、緑は木の芽、桃色は生命を表しています。

関西では塩や醤油で味付けされている場合もあり、地域によって特徴が異なるのも面白いところです。

甘酒

お祝い事にお酒はつきものですが、元々は三月頃に開花を迎える桃が、百歳を表す「百歳(ももとせ)」に通じることから、桃の花を酒に浸した 「桃花酒」を飲む風習がありました。江戸時代から白酒が好まれるようになり定着していきましたが、子供も楽しめるようにと甘酒も行事食として定番化しました。

全国各地のひな祭り行事をチェック

全国各地のひな祭り行事をチェック

現在も全国各地で、さまざまなひな祭りのイベントが開催されています。地域の歴史や特性を活かしたひな祭りの伝統が伝承されていたり、町を挙げてひな飾りが披露されたりと、それぞれに特徴があるのも魅力です。いつか訪ねたい、歴史あるひな祭りイベントをいくつかご紹介します。

下鴨茶寮の流し雛(京都府京都市)

海外からの観光客も多い京都では、人形に厄を移して水に流し、無病息災を祈る古来からの行事として下鴨茶寮で流し雛が行われています。

平安装束のおひな様に扮した男女が、桟俵にのせたひな人形を御手洗川に流す神事の後、一般の参加者も、境内御手洗川で桟俵(有料)を流すことができるため、毎年多くの観光客で賑わいます。

備中たかはし町屋通りのひな祭り(岡山県高梁市)

江戸時代の雰囲気を色濃く残す岡山県高梁では、毎年4月の桜の時期に、備中高梁城下町「町屋通りの雛祭り」が開催されます。会場では江戸後期から現代までの雛人形約70組が飾られ、情緒溢れる街並みと共に観光客を楽しませています。

越前大野ひな祭り町屋通りのひな祭り(福井県大野市)

歴史は浅いものの、約1,000体ものひな人形が並ぶ「春を彩る越前大野ひな祭り」は注目のひな祭り行事です。

家庭で不要になったひな人形を引き取っていた玩具店を中心に、市民有志の実行委員会がさまざまな趣向を凝らして展示し、その圧巻の姿はニュースなどでも取り上げられる風物詩となっています。

厄を払い、家族とともにすこやかな成長を願おう

時代と共に家庭の在り方は変化していきますが、ひな祭りは、家族の大切さを再確認すると共に、日本の伝統や文化を身近に感じることができる行事です。

ひな人形を家族で一緒に飾ったり、行事食の由来などを子どもたちに伝え、女の子のすこやかな成長を願う日にしてみてはいかがでしょうか。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

よく読まれている記事

みんなに記事をシェアする