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お花見の魅力を知り尽くす「桜ウォッチャー」が伝授!もっとお花見が好きになる楽しみ方とは?

お花見の魅力を知り尽くす「桜ウォッチャー」が伝授!もっとお花見が好きになる楽しみ方とは?
中西 一登

監修者

桜ウォッチャー

中西 一登

1964年愛媛県生まれ。これまでに、九州から北海道まで桜前線を追いかけること5回。訪れた桜名所は日本で1,850箇所以上。アメリカやネパールでも桜を撮影。また、2001年9月から281ケ月(23年以上)、日本のどこかで色々な種類の桜が見られることを知り、桜観察を続けている。一本桜も桜並木も大好き。

春の訪れを告げる桜の季節、美しい桜の花を眺める「お花見」は日本人にとって特別なイベントです。純粋に桜の美しさを堪能したい方、お弁当を広げ、お酒を飲みながら、春の陽気を満喫したい方など、楽しみ方はさまざまです。本記事では、お花見をより深く楽しむためのコツを、全国の桜を知り尽くす「桜ウォッチャー」中西一登さんに教えていただきました。

まずは桜の開花時期をチェックしよう

まずは桜の開花時期をチェックしよう

お花見の計画を立てる際、せっかくなら桜が最も美しい状態で楽しみたいものです。「まだ桜が咲いていなかった」「満開じゃなかった」という状況を避けるためには、まず開花予想を掲載しているウェブサイトをチェックすることから始めましょう

私がいつも参考にしているのは、「日本気象協会」「ウェザーニュース」「ウェザーマップ」の大手3サイトです。どのサイトも場所ごとに詳しい情報が記載されています。これらのサイトをチェックしつつ、計画を早く決めすぎず、正確な開花予想が出るギリギリのタイミングで調整するのが良いと思います。花が咲いていない桜の木の下で宴会をする羽目になるのは悲しいですからね。

また、桜の「開花日」には重要なポイントがあると中西さんはおっしゃいます。

開花日がそのまま桜の見頃というわけではありません。関東以南の場合、気温が平年並みであれば開花日からおおよそ7日後が見頃となります。例えば、4月1日が開花日なら、4月8日頃が見頃です。そして、その見頃の期間は1週間から10日間ほど。ただし、見頃を迎えた桜は雨や強風によって散ってしまうことがあります。
そのため、気温の変動の可能性があるので、見頃のタイミングに照準を合わせつつ、さらに数日間の猶予を持たせておくのがおすすめです。なお、東北から北海道にかけての見頃は、開花日からおおよそ5日後と、関東以南より少し短めになります。

花見の前にするべきことや心得とは?

花見の前にするべきことや心得とは?

限られた時間の中で最高の花見を楽しむためには、花見の前にやっておくべきことや当日心がけたいポイントを知っておくことが大切です。お花見場所に関する情報収集やあると便利な持ち物など、お花見に出かける前にやるべきことをまとめました。

場所に関する事前調査をしっかりと

花見に関するルールは施設ごとに異なるため、「何が良くて、何がだめなのか」を事前にしっかり調べておくことが大切です。

私が都内で一番おすすめする桜スポットは『新宿御苑』ですが、ここではお酒の持ち込みやカラオケ装置の持ち込みが禁止されています。そのほかにも細かいルールがあり、ボールなどの遊具は子ども以外は使用NGだったり、ピーク時の特定日は事前予約制(2024年時点)が設けられていることもあります。
そのため、施設のルールを事前に調べずに行くと、せっかく持参したお酒が持ち込めなかったり、他の参加者に迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。ですので、必ず施設のホームページや、大手のお出かけ情報サイトなどを事前にチェックして下さい
例えば、駐車場代はかかるのか、24時間立ち入り可能なのか、といったことがわかります。ただ、それだけで網羅しきれないこともあるため、直接問い合わせをするか、幹事が実際に足を運んで確認することが必要かもしれません。また、SNSで目的の公園や施設を検索すれば、最新の情報が得られることもありますよ。宴会主体で花見を計画する方は、桜情報サイトに「宴会」のタグが付いていることがあるので、場所の候補として利用できると思います。

持っていくと便利なアイテムとは?

お花見を存分に楽しむためには、事前の準備も大切です。美しい桜を眺めながら快適に過ごすためには、ただ桜を見に行くだけではなく、便利なアイテムを持参することで楽しさがぐっと増します。

中西さんおすすめの必須アイテム

消毒グッズ

ウェットティッシュやアルコールスプレーなど

スマホ用のミニ三脚

桜と一緒に写真を撮る時に便利。100円ショップで売られているような安価なものでも十分

モバイルバッテリー

自分だけでなく、誰かの充電が切れそうになった時にも役立つ

ランプ

夜桜鑑賞で明るさが足りない時に便利。夜間の移動や片付けの際にも利用可能

段ボール(車移動など、持っていける荷物に余裕がある場合)

レジャーシートを敷く際、地面がアスファルトだった時使うと、お尻が痛くなりにくい

春特有の気温差に注意。体温調整ができる服装を

春は日中は暖かくても、夜には真冬並みに気温が下がることがあります。特に桜が見頃を迎える時期、東京の場合、日中は16〜17度まで気温が上がる一方で、夜には東京でも真冬の日中並みである7〜8度まで下がることもあり、気温差が非常に大きいのが特徴です。

そこでおすすめしたいのが、軽量のダウンジャケットです。寒くなった時にさっと着用でき、小さくたたんで持ち運びができるのもメリットです。さらに、使い捨てカイロを持参すると良いでしょう。

「桜ウォッチャー」が教える、お花見を最大限に楽しむためのコツ

「桜ウォッチャー」が教える、お花見を最大限に楽しむためのコツ

お花見は、ただ桜を眺めるだけでなく、その空間をどう楽しむかが鍵です。お花見をいつもより充実させるためのコツを「桜鑑賞を楽しみたい人」「宴会を楽しみたい人」向けにアドバイスします。

桜鑑賞を楽しみたい人へのアドバイス

桜は朝早くに見るのがおすすめ

桜が一番元気な状態なのはズバリ朝なのだそう。日中の暖かさで失った水分を、夜の間に根から吸い上げることで、水分が十分に行き渡り、花や葉が張りのある状態になるためです。

また、お花見の時間帯として混雑しがちな日中を避け、朝の早い時間帯であれば、比較的混雑せずゆっくり鑑賞することができるといえそうです。

写真は周りの風景を入れよう

桜の写真を撮るときは、アップばかりにこだわらないのがおすすめです。特にソメイヨシノは、例えば九州でも北海道でも見た目が同じなので、アップだけではどこの桜か分からなくなってしまうこともあります。

周りの景色を取り入れることで、その場の雰囲気や特徴を写真に残すことができます。たとえば、池やお城、背景の山々など、桜と一緒に全体を撮影すると、その瞬間をより鮮明に思い出せる一枚になりますよ。

写真の明るさ調整に気を付ける

桜を撮影すると、写真の露出が暗くなりがちで、後から見返すと「暗い印象だな」と感じることが多いかもしれません。特に、桜の美しいピンク色がグレーがかってしまうことがあります。

スマホで撮影する場合は、撮影時に明るさを調整してみてください。画面をタップしてピントを合わせた後、明るさをスライドで調節すると、目で見たままの鮮やかな桜の色に近づけることができます。少しの工夫で、写真の仕上がりが大きく変わりますよ。

「桜の図鑑」片手に楽しもう

桜の種類やその違いをもっと知りたいという方は、桜の図鑑を一冊用意するのがおすすめです。スマホで調べるよりも、まとまった情報が見やすく、手軽に比較しながら学ぶことができます。身近で見られる桜の種類はおよそ70種類程度のため、図鑑を使えば意外と簡単に調べられ、桜についての知識をより深めることができます。

宴会を充実させたい人へのアドバイス

場所取りの下調べは徹底的に

会社の宴会などで幹事を任された方は、良い場所を確保できるかが大きな責任になるかも知れません。都内の公園などでは、場所取りが熾烈な争いになることも珍しくなく、朝早くから準備しなければならない場合もあります。

さらに、場所を確保してシートを敷くだけでその場を離れると、ルール違反とみなされ、シートを撤去される公園などもあるため注意が必要です。夜に開催する場合は、前日の同じ時間帯に現地を訪れ、どの程度混雑しているか、場所が取れそうか確認するのもひとつの手です。

デリバリーサービスを使うのも便利

みんなでワイワイ宴会を楽しみたい時、料理のバリエーションが豊富だったり、いつもよりちょっと豪華な料理があったりするとテンションが上がりますよね。最近では幅広いメニューが頼めるデリバリーサービスも人気で、自宅以外の場所に届けることも可能です。しかし、公園の入り口までの配達に限られることもあるため、事前に「どこまで配達してもらえるのか」を確認しておきましょう。

シートを敷く場所に注意を。桜への配慮も大切

桜の木の下にシートを広げて宴会をするシチュエーションが多いと思いますが、桜の根を守るために、枝の真下を避けてシートを敷く配慮をして欲しいと思います。実は桜の根は枝の下の範囲まで広がっており、根は地表に近い浅い部分を伸びているため、その上に座るだけでも負担をかけてしまいます。長時間座ることで根に圧力がかかり、土の通気性が悪くなります。桜の根は空気を好むため、こうした状況は根にとって良くありません。

桜の枝が伸びる範囲までは根が広がっていると考え、そのエリアにはシートを敷かない配慮をしましょう。

お花見をもっと楽しむために知っておきたいこと

お花見をもっと楽しむために知っておきたいこと

お花見をもっと楽しむためには、桜について少し知識を深めることも大切です。桜には多くの種類があり、それぞれ開花時期や特徴が異なります。また、桜にまつわるちょっとしたトリビアを知ることで、お花見がより特別な時間になるでしょう。

日本には350種類以上の桜がある!

ひとえに「桜」といっても、さまざまな品種があることをご存知でしょうか?

日本にある桜の種類は350種類以上あるとされ、その中で私たちの身近で見られるのは70~80種類ほどといわれます。

一番多く目にするのは有名な「ソメイヨシノ」で、日本で植えられている桜の8割以上、推定100万本はあるといわれています。

また、「河津桜」は、2月上旬から咲き始める早咲きの種類でこちらも名前をよく目にします。「大寒桜」という種類は、ソメイヨシノの10日くらい前に咲く桜として知られ、「そろそろソメイヨシノが開花するぞ」という目印にもなってくれているんですね。ソメイヨシノの開花よりも前にさまざまな種類の桜が見られるのも、その多さゆえの恩恵なのではないでしょうか。

ソメイヨシノの見頃を逃しても大丈夫!

全国にある桜の8割以上を占め、お花見の桜=ソメイヨシノ、といっても過言ではありませんが、ソメイヨシノの見頃を逃してしまってもお花見のチャンスはまだまだあると中西さんはおっしゃいます。

ソメイヨシノの次に見頃を迎えるのは「八重桜」と呼ばれるものです。正式には八重桜というのは種類名ではなく、「八重咲きに花を付ける桜の総称」です。お花見のピークはソメイヨシノの見頃と一致するので、八重桜が咲く頃には人出もぐっと減り、ゆっくりとお花見を楽しめるチャンスかもしれません。

桜は1年中どこかで咲いている?

桜は春に咲く品種が圧倒的に多いですが、春以外にも花を付ける品種も少なからずあります。

中には季節を間違って咲いてしまうものもありますが、春だけでなく、夏、秋、冬に咲く桜が全国にはあるんですよ。夏に咲く桜はレアですが、例えば、「四季桜」「十月桜」「子福(こぶく)桜」「不断桜」といった種類が秋から翌春にかけて断続的に全国各地で咲きます。もし興味がある方は、春以外に咲く桜を見つけてみてください。

昔は、お花見=豊作祈願だった?

お花見、というとお酒や食事を大勢で楽しむ「宴会」を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。昔から桜の木の下で飲食をする行為には現代とは異なる大切な意味があったようです。

「種まき桜」と呼ばれる桜が全国に何十本もあります。ここでの「種」とは主に稲を指し、その昔、桜の花の様子が種まきの時期を知らせる合図となっていました。そして、桜の下でその年の豊作を願いながら宴を開くのを習わしとしていた集落がいくつもあったことでしょう。
昔の人々のこうした風習に思いを馳せながら、桜の下で宴会を楽しむのも、お花見の新たなやり方かもしれませんね。

まとめ:今年のお花見を最高の思い出にしよう

今年のお花見を最高の思い出にしよう

桜の開花を祝い、親しい人々と過ごすひとときは、日本人にとって特別な意味を持つ時間です。桜そのものの美しさをじっくり鑑賞する方もいれば、桜の下で賑やかに宴会を楽しむ方もいて、お花見の楽しみ方は人それぞれです。今年は、目的に合わせたお花見の楽しみ方を改めて知り、心に残るひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか?

桜は植えてすぐに花を咲かせるものではありません。植えてから花が咲くまで早い種類でも最低5年、花の見栄えがするようになるには10年以上の期間が必要です。

春になると身近な場所で桜を楽しめるのは、長い時間と歴史、そして多くの人々の努力が積み重ねられてきたからこそです。そんな貴重な場所を大切にしながら、桜の木や花を敬い、その美しさや素晴らしさを存分に堪能しながらお花見を楽しんでいただきたいと思います。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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