空き巣犯は、侵入できそうな家をあらかじめ入念に下見し、ターゲットとなる家にマーキングを残すことをご存知ですか。マーキングや空き巣に入られる前兆について理解することで、被害に遭うリスクを抑えられます。今回は、マーキングされやすい場所や空き巣犯が実際に活用しているマーキングの一例、マーキングされた場合の対処法などについてご紹介します。空き巣犯に狙われない家を目指したい方は、参考にしてください。
実は多い空き巣被害!マーキングに注意
実は意外と多い空き巣被害ですが、マーキングについて理解して対策することで、被害に遭う可能性が低くなります。まずは、マーキングとは何か理解していきましょう。
侵入窃盗の手口として空き巣は多い
侵入窃盗の手口はさまざまですが、主に家人の不在時に侵入される「空き巣」、家人の就寝中などに侵入される「忍び込み」、家人が在宅中に侵入される「居空き」があります。この3つが侵入窃盗事件の半数近くを占めていますが、その中でも多い手口が空き巣です。
2020年(令和2年)の侵入窃盗事件の手口別認知件数をみると総数44,093件に対して、そのうち空き巣は31.5%と全体の約3割を占めていることが分かります。家を留守にしている不在時に狙われる空き巣には、狙われやすい家の特徴があるといわれています。そのポイントは、「留守中か」「侵入しやすい家か」「逃げやすい場所か」の3つといわれています。
参照元:警察庁|令和2年の 刑法犯に関する統計資料
空き巣の前兆マーキングに注意
実際に空き巣被害に遭う前兆として、郵便ポストなどに「マーキング」と呼ばれる印が確認されるケースがあります。マーキングとは、空き巣犯が侵入する家をリサーチしていく過程で、ターゲットに定めた家に、自分にだけ分かるようなマークを残しておくことです。
同じ家を何度も確認しなくても良いように、家族の情報を暗号化し、メモのように残しておきます。つまり、自宅にマーキングがあると空き巣に侵入される危険性があるのです。空き巣被害に遭わないためにも、普段から自宅周辺をよく意識して見ておくことが大切になります。
空き巣犯がマーキングする理由2つ
空き巣犯は、侵入する前に入念な下見を行います。その際に付けられるのがマーキングですが、一体何のためにマーキングするのでしょうか。ここでは2つの理由をご紹介します。
空き巣犯が警察につかまるリスクを下げるため
空き巣犯がマーキングする理由の1つは、警察につかまるリスクを下げるためです。空き巣犯は、侵入する家をなんとなく選んでいるわけではありません。侵入したときに住人に見つかって逮捕されないように、事前に侵入できそうな家を調べておきます。
その際、対象となった家に残すのがマーキングです。マーキングをつけておくことで、後日家の中に誰もいなくなったタイミングを見計らって侵入します。下調べをして得た情報を忘れないように残しておき、警察に捕まるリスクを下げて犯行に及ぶのです。
空き巣グループで情報を共有するため
2つ目の理由は、空き巣グループで情報共有するためです。空き巣犯は単独とは限りません。最近では、偵察係や実行係など役割分担をして集団で犯行に及んでいるグループもあります。その場合、下見をした者が同じグループの他のメンバーに情報共有するための手段として、マーキングが活用されるのです。
もともとマーキングは、新聞配達員や訪問販売員が作業効率を上げるために、情報を把握する方法として使われていたといわれています。しかし、空き巣犯に利用されるケースもあるため、理由もなくマーキングが見つかったら早急に対処しましょう。
空き巣犯にマーキングされやすい場所
空き巣犯にマーキングされやすい場所には特徴があります。ここでは、マーキングされやすい場所についてみていきましょう。ぜひ自宅のマーキング対策の参考にしてください。
外から確認しやすい玄関周り
家の外から確認しやすい玄関周りは、再度訪れたときにも見つけやすいため、空き巣犯にマーキングされやすい場所のひとつです。特にマーキングされやすいのが郵便ポストで、宅急便や郵便局員を装えば、誰にも怪しまれずに済みます。
また、玄関ドア付近にあるインターフォンや表札も、マーキングされる危険性があります。インターフォンを鳴らして在宅か不在かを確認し、そのままマーキングできるからです。インターフォンは住人が押す機会が少ないためマーキングに気付きにくいという点も、空き巣犯にとっては好都合といえます。毎日、目にする玄関周りですが、小さなマークには気付きにくいでしょう。郵便ポストや表札の裏側部分、インターフォンの側面などを定期的に確認することが大切です。
住人が見逃しやすい場所
ガスメーターや電気メーター、配管などもマーキングされやすいため注意しましょう。普段からメーターや配管を意識して利用する住人は少ないため、見逃してしまうことが多いのです。戸建ての場合、敷地から離れた場所にメーターがあると、目が届きにくいためマーキングされる可能性が高くなります。
集合住宅の場合、どの部屋のメーターか判断が難しいので、マーキングされる可能性は低いですが、念のため確認した方が良いでしょう。空き巣の犯行手口として、マーキングの存在が広まったことから、マーキングの場所も多様化しています。日常的に意識して見ない場所も、不審なマークがないか警戒が必要です。
空き巣犯のマーキングの例を紹介!
マーキングの多くは、記号のようなもので記されています。では、一体何をマーキングで残しているのでしょうか。ここでは、マーキングで記される内容やマーキング方法、実際に報告されている代表的な一例をご紹介します。
どんな内容がマーキングされているの?
マーキングは、空き巣対象となった家の情報を暗号化したメモのようなもので、「住人の性別」「家族構成」「不在の時間帯」「金目のものの有無」「侵入のしやすさ」などの情報を、シールを利用したり、アルファベット・数字・記号を使って記されたりすることが多いようです。シールを使ったマーキングでは、文房具店で購入できるような色付きのシールを用いられるケースがあります。
シールは色ごとに意味を表し、空き巣対象の家の状態に応じてシールの色を変えていて、文字で残すよりも違和感がないため、気付かれにくいのが特徴です。またシールの場合、「最初からあったものかな?」と見過ごしてしまう危険性があるので注意しましょう。アルファベット・数字・記号を使ったマーキングは、手法としてよく使われています。これらを組み合わせることで暗号化し、第三者にはわからないように記録しているのです。
記号の意味をチェック
実際のマーキングでは、どのようにアルファベットや数字、記号が使われているのでしょうか。マーキングの一例をご紹介します。
- M…男性(Manの頭文字)
- W…女性(Womanの頭文字)
- F…家族(Familyの頭文字)
- S…独身・ひとり暮らし(Singleの頭文字)
- SS…土日休み(Saturday・Sundayの頭文字)
- 学…学生
- 赤…赤ちゃんがいる
- ○…侵入しやすい
- ×…侵入できない
- △…可能性あり
- 数字単体(20・30)…年齢
- 数字複数(7-19)…時間帯
例えば、「WS8-19○」のような記載であれば、「ひとり暮らしの女性、8時〜19時まで不在で侵入しやすい」といった意味になります。一見アルファベット・数字・記号が羅列しただけのように見えますが、しっかり情報が記載されているのです。
紹介したマーキングは一例のため、実際のマーキングにはほかにもさまざまな種類があります。本当の意味はマークを残した人物にしか分かりませんが、マーキングは一般の方には理解するのが難しい記号で記されているのは事実です。「こんな記号あったかな?」と気になったときは、空き巣のマーキングを疑って対策しましょう。
マーキング以外の前兆や注意ポイント
空き巣の前兆となるサインには、マーキング以外にもあります。ここでは、マーキング以外に気をつけたい前兆や注意ポイントについてみていきましょう。
タバコの吸い殻に注意
不自然な場所にタバコの吸い殻が複数落ちている場合は空き巣に注意しましょう。空き巣の下見は、家の周りをさっと見るだけでは情報量が少ないため、一定時間その場にとどまって見張っている場合もあります。そのため、タバコを吸っている空き巣犯であれば、同じ場所にタバコの吸い殻が複数落ちている可能性もあるのです。
タバコを吸わないのに、吸い殻が落ちていたときは、空き巣犯が下見をしていることも考えられるので用心しましょう。そのまま吸い殻を放置していると、家に関心がないとみなされ、空き巣の対象になる可能性が高くなるため、吸い殻はすぐに片付けるのがポイントです。
石やインターフォンで留守確認するケースに注意
空き巣犯は、侵入する家が在宅か不在かをさまざまな方法で確認しますが、その方法のひとつに窓に石を投げたり、インターフォンを鳴らしたりして留守確認する場合もあります。インターフォンを鳴らして確認する方法では、怪しまれない程度に何度か繰り返され、もし在宅だったら、営業セールスなどに装ってバレないようにすることもあるのです。
窓に石が当たる音が聞こえたり、インターフォンが鳴って外に出たら誰もいなかったりした場合は、空き巣犯に狙われているかもしれません。空き巣犯は顔を見られたくないため、録画付きのモニターインターフォンを設置するだけでも効果があります。
SNSの更新は慎重に
近年では住人が更新したSNSの情報をもとに、留守の確認をするケースも増えているのです。例えば、「○月○日から、△△へ旅行!」「イベントで△△に来ています」といった内容で不在期間が分かってしまいます。さらに過去に投稿した写真の位置情報や背景から自宅を特定されてしまい、不在期間中に空き巣被害に遭ったというケースもあります。
他にも、玄関前に珍しい昆虫などを見つけた住人が「玄関前に珍しい○○がいた!」と投稿した画像から情報収集され、空き巣のターゲットになったケースもありました。SNSは不特定多数の方に見られるので、家や部屋の中、居場所、スケジュールなど個人情報が特定できるような投稿をする際は慎重に行いましょう。
マーキングや前兆を見つけたときの対処法とは
自宅でマーキングや前兆を発見したときは、どう対処したら良いのでしょうか。最後に基本的な対処法をご紹介します。
マーキングはすぐに消す
マーキングを見つけたらすぐに消しましょう。マーキングをつけた本人以外に情報の拡散を防ぐためです。他の空き巣グループに見つかって情報を共有されると、空き巣のターゲットになるリスクがあります。またマーキングを放置していると、空き巣犯から防犯意識が低い家とみなされ、犯行を実行される危険性も高まります。
マーキングをすぐに消すことで、空き巣に狙われていると気付いているアピールにもなるので、もしもに備えて写真として証拠を残してから消しましょう。消す方法としては、油性ペンには除光液、シールにはシール剥がしやハンドクリーム、傷には補修剤がおすすめです。賃貸住宅の場合は、家主や管理会社に連絡しましょう。マーキングを消した後は、交番や警察に相談しておくと安心です。周辺地域の見回りを強化してくれることもあります。
防犯性の高いカギや防犯グッズを活用する
防犯性の高いカギや防犯グッズを活用するのもおすすめです。警察庁が運営するWEBサイト「住まいる防犯110番」では、侵入に5分以上かかると侵入者の約7割が犯行を諦めることがわかっています。このことから防犯性の高いカギは、侵入するのに時間がかかり、犯行を諦める防衛対策になるのです。他にも、防犯ステッカーや防犯カメラなどの防犯グッズは防犯意識の高さをアピールし、見られるのが嫌いな空き巣犯が侵入を諦める要素にもなるでしょう。
参照元:警察庁|住まいる防犯110番
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防犯カメラの設置
空き巣が嫌がる家にするには防犯カメラの設置が有効です。人目を気にする空き巣にとって防犯カメラは、犯行記録が残る危険性があるだけでなく、「見られている」という感覚がするため下見段階で敬遠する傾向があります。このように空き巣犯罪の抑止効果が見込める防犯カメラは一般的に導入コストが割高なため、ダミーカメラや防犯カメラの存在をアピールするステッカーを利用する方もいるでしょう。
しかし、空き巣のなかにはダミーカメラを見破る者もいるため、無防備な家として逆に印象付けてしまう危険性があります。空き巣被害に遭わないためには、記録可能な防犯カメラの設置など確実な防犯対策グッズがおすすめです。
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セキュリティ会社のサービスを活用する
ご自身では防犯対策に自信がないという方は、プロのセキュリティ会社のサービスを活用すると良いでしょう。セキュリティ会社の警備システムを導入している家庭は、空き巣犯にとって「防犯意識の高い家」という印象になります。侵入を感知されると緊急通報されるリスクもあることから、空き巣犯もわざわざ侵入しようとは思わないでしょう。
また、セキュリティ会社では定期的に巡回を行うため、空き巣犯が巡回中の警備員やガードマンと遭遇したというケースもあります。24時間365日対応が可能で、異常を感じたらいち早く察知し、早急に警備員が駆けつけてくれる安心感があります。ご自身で防犯意識を高めつつ、万が一に備えてセキュリティ会社への防犯依頼も検討すると良いでしょう。
おわりに
空き巣を未然に防ぐために、空き巣犯の間で活用されているマーキングには日頃から警戒しましょう。マーキングは、郵便ポストやインターフォンなどの気付きにくい場所やメーターや配管などの見逃しやすい場所に残されているので、定期的に確認することで空き巣対策につながります。また、空き巣犯に狙われないように、自宅の防犯対策を整えるのも重要です。「この家は侵入できない」と空き巣犯に認めさせた者勝ちでしょう。
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