アパートを借りる際に、間取りや立地のほか階数を重視する方も少なくありません。特に2階以上が好まれるケースが多く、1階より家賃が高くても選ばれる傾向にあります。そこで、この記事では、アパートを探している方に向けて、1階はやめた方がいい理由と、1階でも住みやすくするポイントをお伝えします。
アパートの1階は危険?やめたほうがいいといわれる理由
アパートの1階が危険といわれる理由はなんでしょうか。1階で考えられるリスクや問題を5つ解説します。
防犯性の低さ
アパートの周囲は塀などで囲われていることも多いのですが、1階は上の階に比べて侵入がしやすく、逃げやすいと言われています。また、ベランダに干した洗濯物なども見えやすく、ひとり暮らしなのか、女性なのかなど、住人の情報が推測されやすい環境です。そのため、不審者に狙われる可能性が高くなります。
また、アパートにしっかりと囲いがあり、外から見えにくい場合でも、侵入してしまえば目撃されにくいといえるため、空き巣の標的になりがちです。
プライバシーの問題
1階は人の目の高さにベランダや窓があることがほとんどのため、通行人から中を見られやすいといえます。特に人通りの多い道路に面していれば、遮光カーテンなどをしていても人目が気になるでしょう。
家でリラックスして過ごしたいという方には不向きと言えます。また、窓の大きさや位置などによってはカーテンを開けられない部屋もあるかもしれません。特に女性の場合は、覗かれたり盗撮されたりするリスクもあるため、しっかりとした防犯対策が必要です。
虫の侵入リスク
1階は地面から近いこともあり、上の階と比べ、虫の侵入リスクが高い傾向にあります。中でも2階以上では侵入しにくいバッタや蟻、わらじ虫が侵入することがあります。
また、周囲に公園や池があったり、敷地内に家庭菜園や庭があったりする場合は、虫が発生しやすいため、侵入の心配があるでしょう。そのほか、虫が寄り付きやすいゴミ置き場が近くにあれば、清掃が行き届いているかなどチェックすることをおすすめします。
日当たりが悪くなりやすい
1階は上の階に比べると日当たりが悪い場合が多いです。立地や窓の位置にもよりますが、周囲の建物の陰になりやすいため、建物が多いエリアや高いビルなどがある場合は特に注意しましょう。
日当たりが悪いために、洗濯物が乾きにくかったり、冬場に室温が上がらず暖房費が高くなったりすることもあります。また、太陽光が入りにくいと体は日光を十分に浴びることができず、生活リズムを整えにくい点も心配です。
湿気がこもりやすい
1階は地面からの影響を受けやすいため、湿気がこもりやすいといわれています。特に雨や雪が降ると地下や地面の湿気に影響され、室内湿度は高くなりがちです。
また、1階は防犯などの観点から窓を開ける機会が少ない傾向にあります。そのため、換気が十分にできず、湿気がこもりやすくなるでしょう。さらに、湿気が多いとカビや食中毒の原因となる細菌の発生など健康への影響が懸念されます。
アパートの1階に住むメリットもある!
では、アパートの1階に住むメリットはあるのでしょうか?実は、「家賃が安い」「階下を気にしなくていい」「災害時に避難しやすい」などの5つのメリットがあるので、紹介しましょう。
家賃が安い傾向
一般的に1階部分は上の階よりも家賃が安い傾向にあります。物件が新しくても、1階と2階以上で家賃が異なる物件は少なくありません。その理由は、防犯やプライバシーの点で心配が多かったり、日当たりが悪かったりすることで人気がないからだと考えられています。そのため、少しでも家賃を抑えたいという方には、1階は魅力的でしょう。
荷物の出し入れが楽
1階は階段の上り下りがほとんどないので、外に出やすく荷物の出し入れが楽と言えます。引っ越しはもちろん、日常的な買い物やゴミ出しなどの際にも移動しやすいでしょう。車がある場合は、重い荷物を運ぶ時、駐車場までの距離が近くなるのもメリットです。
また、上層階に住んだ場合はエレベーターがあれば楽ですが、故障して使えなくなった場合は大変です。1階ならエレベーターの故障の影響を受けずに済みます。
下の階への騒音や振動を気にしなくて良い
1階は下の階に住んでいる人がいないため、生活音や足音に気を遣う必要がありません。特に小さな子どもがいる家庭では、注意しても走り回ったり、飛んだり跳ねたりしてしまうものです。アパートなどの集合住宅では、騒音トラブルが生まれやすい傾向にあります。そのため、騒音になっていないかと気にせず生活できるのは嬉しいポイントです。
庭つきのケースもある
アパートによっては1階の住人専用の庭が設けられているケースもあります。管理規約の範囲内で楽しむことができるので、ガーデニングや家庭菜園を考えている方は庭付きのアパートを探すのもおすすめです。
また、小さな子どものいる家庭では、外遊びが安心してできるスペースにもなるでしょう。水遊びや虫探しなど、室内ではできない遊びが楽しめるかもしれません。その他、庭を活用して洗濯物を干すことも可能です。上層階よりも家賃が安いのに庭が付いていると、お得感もありますね。
災害時の避難がしやすい
災害時には玄関以外に窓やベランダからも外に出やすいのも、1階ならではのメリットです。上層階であれば、階段で降りる時間などもかかりますが、1階なら緊急時に素早く避難できるでしょう。また、建物の構造にもよりますが、地震時には上層階に比べて揺れ幅が少ない傾向にあります。家具の転倒や破損などの被害も上層階よりは抑えられるでしょう。
アパートの1階に住むなら!選び方のコツ
1階にはメリットもデメリットもあることがお分かりいただけたと思います。では、1階に住む場合のアパートの選び方のコツを3つご紹介しましょう。
セキュリティ設備をチェックする
どの物件でもセキュリティ設備が重要です。オートロックやモニター付きのインターホンがついているかなど、セキュリティ設備がどのくらい整っているかチェックしましょう。防犯対策として、録画機能付きのインターホンもおすすめです。
また、1階は空き巣などに狙われやすいため、シャッターや雨戸も完備されていると安心です。留守や就寝中にシャッターを閉めていれば、不審者の侵入を未然に防ぐことができます。
周辺の環境をチェックする
防犯性を考えるうえで、周辺環境のチェックも大切です。地域の治安情報については、警視庁や自治体による犯罪情報マップや交通事故発生マップを参考にしましょう。犯罪が発生した場所を確認することで、危険のある場所を避けることができます。
犯罪が多発している場合、そのエリアに住むのは避けたほうが無難でしょう。また、警察署や交番を確認しておけば、すぐに助けを求められます。その他、街灯の数や最寄り駅からのルートなども、事前に確認するのがおすすめです。
建物自体の造りをチェックする
オートロックやインターホンがあっても、施錠されていない裏口や非常階段などがあれば侵入されるリスクが高くなります。また、建物が周囲から見通しの悪い場所にある場合は、人目に付きにくいため、空き巣に狙われる可能性もあります。そのため、他に侵入経路がないかどうかや、ベランダや部屋が道路から見えやすいかどうかなどを確認しましょう。
アパートのエントランスにオートロックがない場合は、死角になる通路がないかどうかのチェックをおすすめします。1階は、外からの見通しが良いとプライバシー面も気になりますが、見通しの良さは防犯面では強みにもなるため、できるだけ防犯面とプライバシー面の両方がカバーできる建物を選ぶといいでしょう。
アパートの1階に住む際に自分でできる対策は?
では、実際にアパートの1階に住む際に、できるだけ快適に住むための対策を4つ紹介します。
防犯対策を強化する
まずは防犯対策を強化しましょう。自分でできる玄関や窓、ベランダの防犯対策は次のとおりです。
玄関の防犯対策
玄関はピッキング対策がされた鍵に変更したり、鍵を増やしたりすることが有効です。また、ドアスコープ(覗き穴)とドア内側にあるサムターンにカバーをかけ、対策をしておきましょう。ドアスコープカバー、サムターンカバーは、いずれもホームセンターで手に入るのでチェックしてみてください。
窓の防犯対策
手軽にできる対策は、防犯フィルムです。防犯フィルムによって窓ガラスが割れにくくなるため、時間がかかり侵入を諦める可能性があります。また、強い力で割ろうとすれば大きな音が出る点も、空き巣や不審者が諦めやすくなる要素です。
その他、窓のレールに補助錠をつけておけば、窓が割られてしまっても侵入までの時間稼ぎに繋がります。その他おすすめなのが、二重窓の設置です。建材に傷をつけずに設置できるタイプもあるため、賃貸でも許可がとれるケースがあります。
ベランダの防犯対策
ベランダや庭には防犯砂利を巻いておきましょう。砂利がこすれる音で、不審者の存在に気付くことができます。また、動くものに反応して明かりがつくセンサーライトを付けておけば、夜間に侵入しようとした不審者への威嚇にもなります。在宅中であれば誰かが通ったことに気付けますし、留守中でも不審者は嫌がるでしょう。
害虫対策
1階は害虫が入ってきやすく、玄関周り、ベランダ、排水口や通気口などが侵入経路となります。網戸に破れがあれば補修したり、排水口は清潔さを保てるようこまめに掃除したりしましょう。虫が嫌う植物を育て、ベランダや玄関周りにおいておくのも効果的です。
カーテンは遮光タイプがおすすめ
カーテンは家の中のシルエットが見えない遮光タイプがおすすめです。どんな人が住んでいるか、外から確認できないよう対策することは防犯面でもプライバシー面でも重要になります。
ミラーレースカーテンは、太陽光の反射を利用して外から室内の様子が見えないようになっています。ただし、夜は外から室内が見えてしまうので、夜間は遮光カーテンをするなど対策をしてください。中には、女性らしい柄や色のカーテンを付けていると狙われる場合もあるので、注意しましょう。
洗濯物はできるだけ外に干さない
晴れの日でも洗濯物は外に干さないことが重要です。特に、女性がひとり暮らししていることがわかれば、空き巣に狙われたり、犯罪に巻き込まれたりする可能性があります。また、外に干した洗濯物は盗まれる可能性もあるので注意しましょう。
アパートの1階に住むならホームセキュリティサービスもおすすめ
自分でできる対策を紹介しましたが、しっかりと防犯対策をしたい場合は、ホームセキュリティサービスがおすすめです。
ホームセキュリティサービスとは?
ホームセキュリティサービスとは、家への不審者侵入や火災・ガス漏れなど感知をすると警備会社やアプリに知らせてくれるシステムです。中には警報音を鳴らしたり、警備員が家へ駆け付けてくれたりするサービスもあります。賃貸でも契約できるサービスはありますが、許可なしに設置すると契約違反となる場合があるので、必ず大家さんや管理会社に相談してから設置しましょう。
ホームセキュリティサービスを選ぶ際のポイント
では、どんなホームセキュリティサービスを選ぶと良いのでしょうか。選ぶポイントを3つ紹介します。
自宅から緊急発進拠点が近い、拠点数が多い
選ぶポイントの1つ目は、自宅から緊急発進拠点が近いかどうかです。緊急発進拠点とは、サービスによって呼称は異なりますが、緊急時に警備員が待機している場所を指します。
そこで、警備会社を絞り込む際に参考にしたいのが緊急発進拠点の多さです。拠点数が多いほど、警備員の移動距離は短くなり迅速に現場に迎えます。緊急発進拠点は防犯上の観点から公開されていない場合も多いため、担当者に口頭で確認する必要があります。
また、サービスを選ぶ判断材料として、事業規模の目安にもなるでしょう。
契約数が多い
契約数の多さは、ホームセキュリティ業界における実力や人気、知名度の目安となります。ホームセキュリティは契約者の命にかかわるサービスであるため、低品質な機械やサービスであれば契約者数にも影響しているでしょう。そのため、契約者数が多い会社は、高品質のサービスを提供しており安心感があるといえるでしょう。
無理のない範囲の料金
ホームセキュリティサービスを利用するには月額利用料の他に工事費などの初期費用、機器のレンタル費用や保証金などがかかる場合があります。できるだけ安く利用したいと考える方もいますが、必要なサービス内容が含まれているかどうかも重要です。無理のない範囲の料金で、必要なサービスを選びたいとお考えの方も多いでしょう。
おすすめのホームセキュリティサービスSecual
そこで、初めてホームセキュリティサービスを利用したいという方におすすめなのが、「Secual」です。初期費用は23,000円(税込)、月額料金は1,078円(税込)とリーズナブルなので、ぜひチェックしてみてください。
Secualは警備員が駆け付けるサービスはありませんが、窓の閉め忘れや人感センサーによる不審な動きをアプリに通知してくれます。また、侵入や窓の開閉などを検知すると、室内で大音量のブザー音が鳴り不審者へ警告します。セキュリティのオン/オフはアプリで操作し、工事不要で設置できる点も魅力です。
おわりに
アパートの1階に住むのはやめた方がいいとされる理由と、1階に住むメリット、住みやすくするポイントを紹介しました。防犯やプライバシー、害虫の侵入などにおいてデメリットが多い1階ですが、上層階に比べて家賃が安い、階下を気にしなくて良いなどのメリットがあります。防犯対策や害虫対策を行えば、1階でも快適に住むことができるでしょう。ホームセキュリティサービスなどもぜひ活用してみてください。