トイレの流れが悪くなったときに大切なことは、ご自身で直せる問題なのか、それとも専門会社に依頼しないといけないのかを適切に判断することが大切です。ご自身で簡単に解決できる症状であれば、すぐに問題なく使用できるようになることもあります。
しかし逆に、プロでないと修理できないような症状にも関わらず、ご自身で対応しようとした場合、他の箇所の故障を招いたり、対応した時間や、間違えて買った部品などの無駄になりかねません。「実はトイレの流れがなんとなく悪いかもしれない…」とお困り方は、この記事の内容を参考にしてみてください。
トイレの流れが悪くなる前兆
トイレの流れが悪くなる前には、必ず何かしらの異変が起きます。ボールなどの大きな異物を流してしまった場合は前兆なくいきなり詰まりますが、それ以外は何かしらの前兆が起きた後に詰まる場合が多いです。トイレの流れが悪くなる際に発生する前兆は2種類あります。それは、配管が原因で発生するものと、タンク内部の不具合が原因で発生するものです。
配管が原因で発生する場合は、『コポコポ』といった音がトイレやキッチンの洗面台など複数箇所で発生します。タンク内部のトラブルが原因の場合は、水を流した後の聞き慣れない音や、『チョロチョロ』とわずかに水が流れ続ける音が発生します。
不具合のほとんどは、聞き慣れない音を前兆に少しずつ悪化していくので、いつもと違う音を聞き取った場合、配管やタンクの不具合を疑い早めに対応しましょう。
トイレの流れが悪くなる原因
トイレの流れが悪い原因を突き止められれば、適切な対処方法で問題を解決することができます。原因を元にご自身で解決できない問題と判断できれば、無駄な時間を使うことなく専門会社に依頼することもできます。まずは、トイレの流れが悪くなるいくつかの原因を確認しましょう。
【トイレの流れが悪くなる原因】
- タンクの水量が少ない
- 便器内の詰まり
- 排水管の詰まり
- 水圧不足
タンクの水量が少ない
タンクの水量が少ないと、便器内に流れる水が少なくなるので、必然的にトイレの流れも悪くなります。「タンクにペットボトルを入れて節水」という節水方法が有名ですが、この場合はペットボトルを抜くことで改善します。しかし、そういった節約術などを実践していない場合は以下のような問題が発生している可能性があります。
【タンクの水量が少ない原因】
- 地震や衝撃で水位調整が故障
- フロートバルブやボールタップの破損
これらが原因で流れが悪い場合、部品を取り寄せるなどして修理をする必要があるので、専門会社に依頼するか、賃貸住宅の場合は管理会社に連絡しましょう。
便器内の詰まり
便器から排水管までの途中で何かが詰まっていると水の流れが悪くなります。便器から排水管までの途中で何かが詰まってしまった場合、水を流した後にトイレットペーパーや排泄物が戻ってくるといった症状が起きます。
このような症状を確認した場合は、詰まりを改善するための対処法を試してみましょう。『トイレの詰まりを直すには?原因から詰まりの直し方まで解説』で詳しく紹介しています。うまくいかなかった場合は専門会社に依頼するか、賃貸住宅の場合は管理会社に連絡することをおすすめします。
排水管の詰まり
排水管が詰まってしまった場合も、便器から排水管の間で何かが詰まった時と同様に水の流れが悪くなります。症状も似ていて、水を流した後にトイレットペーパーや排泄物が戻ってきます。ただし、排水管が完璧に詰まった場合は、水が全く流れなくなって便器に水が溜まっていくので『試しに流す』といった行為を何度もしないようにしましょう。
排水管で何かが詰まってしまった場合は、特殊な器具が必要になる可能性が高いので、すぐに専門会社へ依頼するか、賃貸住宅の場合は管理会社へ連絡するようにしましょう。
水圧不足
タンクから水を流す圧力が弱いと、トイレの水の流れが悪くなります。トイレの水を流すレバーには大と小がありますが、このレバーが壊れていると流す量が少なくなり流れが悪くなります。レバーの故障が原因の場合は、専門会社へ依頼し修理してもらいましょう。
また、レバーの使い分けが適当ではない場合も、流れが悪い原因として挙げられます。例えば、排便時に小のレバーだと水圧が足りずに流れが悪くなることがあります。節水をする習慣により、小しか使わない方によくある現象で、正しく大小を使い分けられているか確認してみましょう。
トイレの流れが悪い時の対処法
トイレの流れが悪くなる原因には何があるのかを確認できたら、次はそれらを解決するための対処法を確認しましょう。簡単なものであれば、ご自身でやってみるのも良いでしょう。
【トイレの流れが悪い時の対処法】
- バケツやペットボトルで勢い良く流す
- ぬるま湯で詰まったものを溶かす
- ラバーカップで詰まっているものを押し出す
- 重曹を使って詰まっているものを溶かす
- 大家さん・管理会社に連絡する
- 専門会社に依頼する
基本的には何かが詰まっていることが原因でトイレの流れが悪い場合のみご自身で対処できます。それ以外の場合は専門会社に依頼することをおすすめします。
バケツやペットボトルで勢い良く流す
バケツやペットボトルで勢い良く流す方法は、水に溶ける異物(トイレットペーパーや排泄物)が詰まっている場合に有効です。この方法は、バケツやペットボトルに入れた水を勢い良く便器に向かって流し入れることで、奥に詰まっている異物に圧を加え押し流します。手順は以下のとおりです。
【勢い良く流す方法の手順】
- 便器底に水が溜まっている場合、手桶などで水を出す
- バケツやペットボトルに入れた水を勢い良く流す
- 水の水位が上がらなくなるかを確認する
- 上がってきた場合は1・2を繰り返す
- 水位が上がらない場合は溶け始めた合図なので、レバーで水を流してみる
これを何度か試して改善しない場合は、詰まっている量が多い可能性があるので、その他の方法を試してみる必要があるでしょう。
ぬるま湯で詰まったものを溶かす
ぬるま湯で溶かす方法は、水を勢い良く流す方法と同様で、水に溶ける性質の異物が詰まっている場合のみ有効です。流し方は『バケツやペットボトルで勢い良く流す』で説明した方法と同じことをしますが、この際に使用する水をぬるま湯に変更します。
お湯の温度は高過ぎると便器にダメージを与えてしまうので、50℃前後を目安にして準備しましょう。ぬるま湯で勢い良く流して改善しなかった場合は、ぬるま湯を便器に貯めた状態で15分ほど放置するのも有効な方法です。
ラバーカップで詰まっているものを押し出す
ラバーカップ(スッポン)を使って詰まっているものを押し出す方法です。この方法なら水に溶けにくいものが詰まっていても、うまく奥へ押し出すことができれば解決する可能性もあります。ラバーカップを使用すると便器内の水が周りに飛び散るので、便器の外周をビニール袋で覆ったり、便器周辺にタオルを敷いたりしておきましょう。
ラバーカップの使用方法は『ラバーカップを排水口に押し当てて穴をふさいだら、一気に引き抜く』だけです。これを何度か繰り返した後に、水を流して水位が上がってこなければ解決です。もし上がってきてしまった場合は、もう一度水を取り除いてラバーカップを使用します。
ラバーカップで改善しない場合は『真空式パイプクリーナー』を使用するのもおすすめです。真空式パイプクリーナーならラバーカップよりも強く引き抜くことができるので、解決する可能性が高まります。
重曹と酢を使って詰まっているものを溶かす
重曹と酢を混ぜたぬるま湯を便器に流し入れることで、水溶性の異物をぬるま湯よりも効果的に溶かすことができます。重曹と酢は正しい分量で混ぜる必要があるため、以下の方法を参考に行なってください。この作業は、換気扇を回したり窓を開けて行いましょう。
【重曹と酢を使って異物を溶かす方法】
- 便器内にある水を取り除く
- 重曹約150gを便器内に入れる
- お酢約100mlを入れる
- 泡が出てきたのを確認出来たら、便器の半分くらいに達するまで45℃くらいのぬるま湯を入れる
- そのまま蓋をして1時間ほど放置
- 1時間経過したら、水を高い位置から流し入れて確認する
- 水位が上がってこなければ、レバーで水を流し、流れればOK
お湯を入れる際は熱湯だと便器を傷めてしまう場合があるため、必ずぬるま湯を入れるようにしてください。
大家さん・管理会社に連絡する
もし、お住まいの家が賃貸の場合は大家さん、もしくは管理会社に連絡しましょう。何も伝えずにご自身で専門会社へ修理を依頼してしまうと、契約によってはご自身で費用を負担しなくてはいけなくなる可能性があります。それを避けるためにも、まずは大家さんか管理会社に連絡し、今後の対応をどうするべきか確認を取っておきましょう。
プロに依頼する
対処法を試しても解決できなかった場合は、プロに依頼しましょう。専門会社に依頼する際はどういった症状なのかを整理し、連絡する際に説明できるようにしておくと、やり取りがスムーズに進みます。トラブル発生時の写真や動画を撮影しておくのもおすすめです。
セゾンの駆けつけサービスでは、住まいに関するさまざまなトラブルに最短即日で対応しています。トイレの詰まりの除去は8,000円(税別)から承っており、事前見積もりもできるため安心してご利用いただけます。
詰まらないように普段から手入れをする
トイレが詰まった時の対処法を解説してきましたが、詰まらないに越したことはありません。トイレを詰まらせないようにするためには、日頃から正しい使い方を続けることが大切です。
例えば、トイレットペーパーを一度にたくさん流さないようにしたり、水に溶けにくいティッシュペーパーやオムツを流さないようにしたりすることが挙げられます。
排水管の太さは常に一定なので、それを超える容量の異物が流れてきたら高い確率で詰まります。日頃からトイレの使用方法を意識するようにしましょう。
おわりに
トイレの流れが悪くなると、用を足せなくなってしまい非常に不便です。トイレの流れが悪くなりそうな前兆を見逃さないようにしましょう。変な音が便器内やタンクから聞こえてきたら注意です。もし、水の流れがいつもよりも悪く感じるような症状が起きたら、すぐに対処しましょう。完全に詰まる前であれば、解決する確率は高いです。対処法を実施しても解決しなかった場合は『セゾンの駆けつけサービス』へご相談ください。