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【実例】「捨てないお片づけ」美的収納で 家を片づけたら痩せて健康になった

湯淺 真理子(美的収納プランナー)

執筆者
湯淺 真理子(美的収納プランナー)

一般社団法人美的収納プランナー協会理事 「私の人生、このまま終わっちゃうの?」自己肯定感が低すぎて鬱になりかけた直後、美的収納と出会う。自宅を徹底的に整え、2014年美的収納プランナー資格取得。以来100軒以上の収納サービスに携わる。 一人ひとりに寄り添う収納講座も好評。目指すは女性も住まいも美しい社会。趣味はワイン。好きが高じて、葡萄から育てる活動も。

50 代は多くの方にとって変化の多い時期です。「子どもの成長」「親や実家の心配」「健康や老後への不安」など、前もって考えなくてはならないことがたくさんあります。でも日常生活が忙しく、なかなかじっくり考える時間があまりなく、できれば考えたくない現実です。しかし、そのまま過ごしていると、なんとなくの後半人生を迎えることになってしまいます。

気力も体力もある今こそ、まずは人生の棚卸しをして、「これからどのように過ごすか」という課題に真剣に向き合い、快適な毎日を手に入れていただきたいと思います。

そのためにはまず家全体のお片づけがおすすめです。とはいっても、家全体ともなると膨大すぎて何から始めたら良いのかわからない方もいらっしゃるでしょう。では、プロに依頼するとしたらどうなるの?という方のために、『美的収納』という片付け術に出会ったことで、人生をより一層輝かせた方々に登場していただきます。ご自宅の変化により、ご自身がどう変わっていったのか?を語っていただきます。「今回は美的収納で家を片づけて人生が変わった」という K 様にお話を伺いました。

『捨てないお片付け』を提唱している美的収納の片づけ術とはどのようなものでしょうか。美的収納プランナーの湯淺真理子が K 様と対談しながらご紹介します。

.美的収納をしてみようと思ったきっかけ

湯淺―ご自宅を片付けてみようと思った理由を教えてください。

K様―「友人がたまたま美的収納について話しているのを小耳に挟みました。ちょうど家のなかが片づけかず、イライラを抱えていた時だったので思わず飛びつきました。」

湯淺―どんなことがお悩みでしたか?

K様―「私はフルタイムで夜勤などの変則的な出勤もある多忙な毎日でした。夫と当時高校生の娘、中学生の息子と 4 人暮らしでしたが、片づけても、片づけてもすぐに散らかってしまうのが悩みでした。夜勤から帰宅して、荒れた我が家を見るのはとても辛かったです。」

湯淺―多くの方々が片づけても、片づけても散らかることにについて悩んでいらっしゃいます。私たちはそのようなリバウンドが起こらない収納システムをご自宅に作るお手伝いをしています。そういったシステムを作れば、リバウンドはしません。

湯淺―ところで、お忙しい方には私たちが片付ける収納サービスをおすすめするのですが、K 様は「やり方を学びながら、ご自分で片付ける」美的収納講座に申し込まれたのですよね?

K様―「そうです。やり方を知っているほうが後々役立つ気がしたので申込みしました。一緒にやろうといってくれた友人がいたことも大きかったですね。グループレッスンは他の方のお悩みや解決策も聞くことができ、切磋琢磨し合えるので、最後まで離脱することなく修了することができました。講座を選んで正解でした!」

湯淺―ありがとうございます。美的収納の講座は座学の後にご自宅で実践、それについて講師がきめ細かくアドバイスをするというレッスンなので、手を動かしていただければ必ず結果が出ます。少人数制ということもあり、ご好評をいただいております。

湯淺―やってみていかがでしたか?

K様―「振り返ってみると、美的収納は人生の棚卸しなのではないかと感じています。自分がどんな風に生きたいのかを自分に問い直す良い機会になりました。持ち物が自分の『人生を映すもの』だということがわかりました。」

湯淺―かなり深いご理解をいただきました。本当にその通りだと思います。

K様―「それと、美的収納メソッドもそうですが、先生が厳しくないのも私には合っていました。TVや片づけ術の本では『3年使ってなかったらもう使わない』とか『捨てましょう』と言っていますが、美的収納ではそういうことはまったくなく、生徒の気持ちに寄り添ってくださるので、とても安心して取り組むことができました。

湯淺―ご自身以外の方に「捨ててください」と言われると悲しくなりますよね。ものに対する思いはご本人にしか分からないので『捨ててください』という考えはありません。「片付け=捨てなきゃいけないでしょう?」と思っていらっしゃる方にも安心していただけると思います。

K様―「また最初は家のなかをさらけ出すのが恥ずかしかったのですが、レッスンが進むと不思議と躊躇する気持ちは消えていきました。最後に受講生みんなでbefore→after を振り返ったり、お互いの家に遊びに行ったりすることもありました。自分から引き出しを開けて「ほら、見て」と自慢し合ったりもして、とても楽しかったです。」

2.家を片付けたら痩せて健康になった

湯淺―捨てなくても大丈夫とはいっても、持ち物の厳選ではどうお感じになりましたか?

K様―「最初は確かに悩むのですが、『捨てるもの』を選ぶのではなく『大好きなもの』から選ぶので、気持ちが楽でした。何度もやっているうちに自分の好みや考え方が分かってくるので、何が自分の人生に必要なのかすぐに判断ができるようになり、選び取る時間がどんどん短くなりました。結局、答えは全部自分の中にあるのですよね。」

湯淺―やみくもに捨てるだけだと、必ずまた同じようなものを買ってきてしまって、リバウンドしてしまうのです。K 様の場合、家だけでなく、カラダにも劇的な変化がありましたね?

K様―「家中から医薬品を集めたときに、常備薬以外にも湿布や処方された薬、特に痛み止めの薬がたくさんあることに気付きました。もちろんあちこちに存在しているとは知っていましたが、集めると相当な数になりました。その時に『どうして私はここまで体に鞭打ちながら頑張っているのだろう』と泣けてきました。肩が凝れば湿布を貼り、頭痛があっても痛み止めを飲んで会社に行く。それが当たり前だと思っていましたが、掘り下げて考えてみると実は色々な重圧を感じて、勝手にそこから逃げられないと苦しんでいることに気付きました。」

湯淺―講座中にそのお気持ちを吐露してくださったのですよね。当時は社内で女性初のポストを任されていらして、大変なプレッシャーでしたよね。

K様―「無理をしていた自分の姿を直視した瞬間でした。あの涙は、その後の人生をどうしたいか?をしっかり考えるきっかけになったような気がします。本当は家にも自分自身にも満足はしていなかったけれど、結局『まぁ、こんなものか』と心の底で諦めていたのかもしれません。持ち物についても、それが好きかどうかなんて考えたこともなく、ずっと前からあるし、捨てるのも片付けるのも億劫だからそこにある。そういったものがいかに多いかを痛感しました。』

湯淺―美的収納でご自宅を整えたあと、カラダ改善に取り組むのですよね?確か、7キロ減量して、薬も不要になったと聞いて、とても驚きました。その頃から始められた山登りでリフレッシュもできて、なんとお仕事も希望の部署に異動されたのですよね。トントン拍子に人生が好転していくなぁと感心していました。

K様―「そうなのです。自分でも別人のようになりました。山登りは父の趣味だったので、たまには父と子どもたちも一緒に山に出掛けて親孝行もできるようになりました。今では毎週どこかの山に登っています。それからトレーニングのために朝起きたら布団の横ですぐにストレッチをしています。空間や動線を工夫するようにもなりました。」

湯淺―講座の中で、ご両親とのエピソードやお子さんたちの思い出のお手紙なども拝見させていただき、嬉しい気持ちになりました。K 様はそれらもしっかり分類・厳選して、どう収めるか?をしっかり決断されましたよね。

K様―「はい。子どもの思い出と自分の思い出をしっかり分けました。子ども自身には思い入れがなくても、私が取っておきたいと思ったものは、いつでも眺められるように自分の寝室に思い出コーナーを作ることにしました。たくさん読んだ絵本、作品、写真。常に目に入るので幸せな気持ちになります。」

湯淺―K 様の愛情の深さに私も感銘を受けました。思い出があるものがたくさんありましたが、「とりあえず取っておく」ものはひとつもなく、取っておくからにはきちんとした理由があり、それに相応しい保管方法を考え出しましたよね。

■ご自身の寝室に設えた思い出コーナー

湯淺―それから、ご自身の思い出のものは段ボールに入ったまま開けられることなくお引っ越しを繰り返していたそうですが、その段ボールたちもしっかり開けて「どうされるか」を決められたのですよね。

K様―「はい!ついに家の中から段ボールが消えました!それどころか、ものをたくさん捨てた感じはしないのに、プラスチックの引き出しなどの収納用品が次々と不要になるのは不思議でした。」

 湯淺―皆さん驚かれますが、収納用品が場所を取っている場合も多いのです。

3.暮らしがラクになるシステム作り

湯淺―ところで美的収納をされて、一番気に入っているエリアはどちらですか?

K様―「食器棚です。最初に手をつけた場所なので印象に残っています。それまでは、粗品や景品、実家からもらってきた食器がごちゃごちゃしていましたが、自分の『好きなもの』だけにしたら、すごく気分が上がるのです。その後、ご飯茶碗やマグカップなどもお気に入りに買い替えて、ますます幸せな気持ちで暮らしています。」

湯淺―『好きなものに囲まれて暮らす』という経験をしていただけて嬉しいです。講座中に『好きな食器』についてお伺いしたときに、「なぜそれを選んだか?」がとても明確でしたよね。そういう方はその後の厳選も速いことが多いです。

■能登で買い求めた「大好き」な輪島塗のお椀

湯淺―では、一番ラクになったことはどのようなことですか?

K様―「取捨選択です。無駄なものを一切買わなくなりました。自分の人生に何が必要で何が大切かをしっかり考えられるようになりました。」

湯淺―断言されましたね!こちらも明確。美的収納は思考の整理ができるともいわれています。「やりたいこと」と「やらなければならないこと」がハッキリしますよね。

湯淺―1番工夫したところはどちらになりますか?

K様―「クローゼットです。先生おすすめのハンガーで揃えたら、クローゼットの中がスッキリしました。『掛ける収納』を教わったことで、洗濯から干して取り込んだ後の片付けまでが劇的にラクになりました。」

湯淺―美的収納すると洗濯が一番にラクになる。皆さんそうおっしゃいます。当時中学生だった息子さんのクローゼットもとってもスッキリしましたよね。畳んで机の上に積んだままの衣類はなくなりました。

Before:畳んだ衣類が常に机の上に積まれている 

 After:掛ける収納にしたら洗濯がラクになった

湯淺―私が面白いなと思ったのは、リビングの出窓のところにご家族が色々なものを「ちょい置き」してしまう。それを避けるために、グリーンを飾られましたよね。モヤモヤ空間があっという間に素敵なスペースになりました。ご自宅が整ってくると、今までは「風景」だった場所が突然モヤモヤと気になるようになります。

Before:ついついちょい置きしてしまうスペース

After:整っているとキレイがキープできる  

湯淺―それからオークションサイトに出品して、売れるまで待機している書籍を玄関収納にまとめられましたよね。必要な書籍と一緒に本棚に並べておくと全体量がわからなくなってしまうので、分けたのは良かったと思います。玄関ということで発送までの動線もラクになりましたね。

湯淺―ご家族の反応はいかがでしたか?

K様―「最初は煙たがられていたかもしれません(笑) 持ち物の住所がわかるようになるので、『あれはどこ?』と聞かれなくなりました。聞かれたとしても私は全てを把握できているので、すぐに答えることができます。ものを探す無駄な時間がなくなりましたね。洗剤などの在庫を抱えることも減りました。それから、夫が大事にしている数学の雑誌が納戸に詰め込まれていたのですが、先生に『探しやすく出し入れしやすいようにきちんと収めてみて』と言われて、棚板を調節して真っ直ぐ立ててみたら、とても喜ばれました。自分が好きなものを大事にされると嬉しいものですね。」

湯淺―美的収納は別名、「思いやり収納」です。ご家族の誰にとってもわかりやすく便利な場所を探す、そして愛情を持って収めるのもポイントです。

■ただ取っておく「もの」から「大事なもの」に変化する

  

.どう生きていくかを考えるきっかけになった

湯淺―K 様が感じている美的収納の魅力はどんなものですか?

K 様―「きっかけは家を片づけたいと思ったことでしたが、それだけではありませんでした。自分の人生を見つめ直すことができます。家じゅうにある自分の持ち物をすべて把握し、見直すことで、これまでどう生きてきたか、これからどう生きていきたいかを考える時間を持つことができました。『家を片づけたら確実に人生変わるよ!』とおすすめしたいです。」

湯淺―ありがとうございました。実は私も美的収納で人生が変わったひとりです。何かを変えたい方は人生の棚卸しである美的収納をおすすめします。次回からも、美的収納で人生が変わった方たちにインタビューしていきたいと思っています。

(聞き手:美的収納プランナー 湯淺真理子)

今回の美的収納 3つのポイント

  • 目的は「片づけ」ではなく、「人生の棚卸し」と考える
  • 「捨てるもの」ではなく「大好きなもの」から選ぶ
  • 子どもの「思い出」とご自身の「思い出」をしっかり分ける

美的収納への問い合わせ■

美的収納プランナー協会では

・ご自宅に伺って片付けさせていただく美的収納作業サービス

・片づけ方を学んでご自宅で実践する講座

をご用意しております。

K 様が受講された講座は現在「美的収納ベーシック講座」「美的収納アドバンス講座」となっております。詳細は美的収納プランナー協会 HP(担当:湯淺)まで

https://biteki-storage.com/

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