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単元未満株は配当金をもらえる?始め方や注意点なども一挙解説

単元未満株は配当金をもらえる?始め方や注意点なども一挙解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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本来、株式投資は100株を1単位(単元)として購入するのが基本です。しかし、単元未満株といって、1株から株を購入することもできます。しかし、単元未満株の場合配当はどうなるのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、単元未満株とは何か、配当の扱いはどうなるのかなど、単元未満株にまつわる疑問にお答えします。単元未満株に興味がある方はぜひ参考にしてください。

(本記事は2023年12月23日時点の情報です)

この記事を読んでわかること
  • 単元未満株とは、通常の株式取引における最低単位=1単元より少ない株式
  • 単元未満株でも自益権は認められるので配当は受け取れるうえ、銘柄によっては株主優待も受け取れる
  • 一方で、議決権がないなど共益権については一定の制限を受ける
  • 単元未満株式に投資したい場合は、手数料や銘柄数を吟味したうえで証券会社を選ぶことが大切

単元未満株とは?

単元未満株とは?

最初に、単元未満株とはどのようなものなのか解説します。

単元未満株は1株から購入可能

単元未満株とは、通常の株式取引における最低単位=1単元より少ない株式のことです。

現在、全国の証券取引所で取引される内国株式の場合、1単元は100株で統一されています。そのため、1株~99株で売買する場合、単元未満株として取引することになると考えてください。

単元未満株は、通常の株式投資とは違い、少額の資金から始められるというメリットがあります。例えば、1株3,000円の株式を購入したい場合、通常の株式投資では少なくとも30万円(=100株×3,000円)を用意しなければなりません。実際にはこれに加えて手数料がかかる場合もあります。

一方、単元未満株であれば、1株から購入できるため、3,000円+手数料があれば問題ありません。また、1株単位で購入できるため、少額で幅広い銘柄に分散投資ができる点も、単元未満株への投資ならではのメリットです。

ローリスクで始められる株式投資ともいえるため、投資初心者の方にも向いています。

なお、単元未満株の売買は、すべての証券会社で扱っているわけではありません。扱い自体がない証券会社もあるため、単元未満株投資をしてみたい場合は、対応している証券会社で口座を開設しましょう。

ミニ株と単元未満株の違い

単元未満株と混同されがちな言葉に「ミニ株」があります。これは、10株単位で株式を売買する取引方法です。ただし、実際は両者を同じような意味で使っていることもあります。

単元未満、ミニ株を取引できるサービスの名前は証券会社によって異なるため、事前に内容とともに確認しておきましょう。

単元未満株の配当の有無とは

単元未満株の配当の有無とは

「通常の株式投資では配当が受け取れるけれど、単元未満株ではどうなるの?」と思う方も多いかもしれません。結論からいうと、配当金は受け取れますが他の権利は制限されるので、詳しく解説します。

配当金は受け取れる

単元未満株には、通常の株式と同様に株主権(自益権)があります。これに対して、後述する議決権など株主全体に利益が及ぶ権利が共益権です。

配当金は受け取れる

単元未満株であっても、配当を行っている銘柄を選択していれば、保有している株式数に応じて配当を受け取ることが可能です。例えば、1単元に対し5,000円の配当を行っている銘柄の場合、1株保有していれば50円が配当として受け取れます。

なお、自益権には株主優待や残余財産分配請求権も含まれます。残余財産分配請求権とは、企業が解散する際に、負債を弁済したうえで残った財産について分配を受ける権利です。

株主総会における議決権はない

単元未満株を保有している株主(単元未満株主)の場合、株主総会における議決権は認められません。議決権は1単元の株式について認められる仕組みだからです。

一方、単元未満株主であっても、利益配当請求権や書類閲覧謄写、株主代表訴訟提起権などの権利はあります。ただし、会社によって単元未満株主は株主代表訴訟を提訴できない旨定款で定めている場合もあるため、事前に確認しておきましょう(会社法847条1項)。

単元未満株の始め方

単元未満株の始め方

単元未満株投資の始め方について解説します。基本的な手順は以下のとおりです。

【単元未満株投資の始め方】

  • 単元未満株を取り扱う証券会社を選択
  • 選択した証券会社で口座開設する
  • 投資資金を入金
  • 銘柄を選択
  • 単元未満株の売買を行う

単元未満株を取り扱う証券会社を選択

まず、単元未満株の取り扱いがある証券会社を選びましょう。証券会社によっては取り扱い自体がないケースもあるためです。

また、取り扱いがある証券会社であっても、扱う銘柄数や手数料などのコストは異なります。手数料が高いとその分利益が減ってしまうため注意が必要です。

銘柄数が多いか、手数料などのコストが低いかという点を念頭に証券会社を選びましょう。

選択した証券会社で口座開設する

証券会社を選んだら、口座開設の手続きをします。具体的な手続きは証券会社によっても異なりますが、簡単に済ませたいならオンライン申込がおすすめです。指示に従って必要事項を入力し、マイナンバーカードなどの身分証明書や必要書類などをアップロードすれば完了します。

なお、口座開設の完了までにかかる時間は、証券会社によってまちまちです。最短だと2営業日程度で完了しますが、書類の不備などのトラブルがあった場合はさらに時間がかかるため、細心の注意を払って手続きしてください。

手続きが完了すれば、口座番号やログインパスワードが記載された用紙など必要書類一式が届きます。中身を確認し、問題がなければ次に進みましょう。

投資資金を入金

必要書類一式を受け取ったら、証券口座に投資資金を入金します。投資資金の入金には、銀行振込かクイック入金を使うのが一般的です。

銀行振込の場合、証券会社が指定した入金専用口座へ投資資金を振り込みます。

一方、クイック入金とは利用者の預金口座から証券口座へ、インターネットバンキングを使って入金する方法です。基本的に24時間即時入金ができるため、急いでいる場合にも向いています。クイック入金を使う場合、証券会社によって対応している銀行が異なるため、事前に確認しましょう。

銘柄を選択

投資資金を入金したら、銘柄を選択します。ただし、証券会社によって単元未満株として売買できる銘柄は異なるので、欲しい銘柄の扱いがあるかどうか事前に確認してください。

なお、単元未満株で投資する際は、通常の株式取引だと多額の投資資金が必要になる大型株や、100株以下でも株主優待が受けられる銘柄を選ぶのがおすすめです。

単元未満株の売買を行う

銘柄を選んだら、単元未満株の売買に移ります。

単元未満株は、通常の株式取引とは異なり、信用取引はできません。信用取引とは、現金や株式を担保として証券会社に預けたうえで資金や株式を借り、株式の売買を行う取引のことです。

また、リアルタイム注文に対応していない証券会社もあるため、約定価格(売買した価格)が予想と違う可能性がある点にも注意が必要です。何時に買った場合、いつの株価が反映されるのか、必ず確認しましょう。

単元未満株が100株になったらどうなる?

単元未満株が100株になったらどうなる?

単元未満株は1株から購入できるので、一度に必要な投資資金額はさほど大きくありません。このような性質から、追加で投資を続ける方も多いです。そのため、気が付いたら同じ銘柄の株を100株購入していたということも起こり得ます。

このように、単元未満株を買い足していき、単元株数の最低単位である100株/口になった場合、単元未満株として売買することはできません。通常の単元株として扱われるため、銘柄によっては株主優待がもらえます。

実際のところ、1単元以上の保有をしていないと受けられない株主優待が欲しくても、単元株として購入するには多額の資金が必要で難しいこともあるかもしれません。そのような場合は、まず1単元で単元株をコツコツと購入していき、100株になるのを目指すのもひとつの方法です。

また、単元株を保有していれば、議決権が得られます。議決権が得られれば、その会社の株主総会に参加したり、決議に加わって票を入れたりすることも可能です。

単元未満株の注意点とは

単元未満株の注意点とは

単元未満株は少額から複数の銘柄に分散投資ができる便利な方法です。しかし、いくつか注意すべき点もあるので、詳しく解説します。

【単元未満株の注意点】

  • 売買時間のタイミングが限定される
  • 単元株より手数料が割高
  • 銘柄に限りがある

売買時間のタイミングが限定される

単元未満株の注意点として、売買時間のタイミングが限定される場合があることが挙げられます。

例えば、「7時~10時半までの注文の場合は、当日後場始値(12時半時点での価格)が約定価格となる」など、注文した時間によって約定価格が決まる仕組みになっている証券会社も多いのが実情です。

このような証券会社で単元未満株の売買をする場合、取引時間内に大きな値動きが生じたとしても、思った約定価格が適用されるとは限りません。思った価格で売買できずに利益が出せなかった(損をした)ということもあり得るので注意が必要です。

単元株より手数料が割高

単元株より手数料が割高なことも、単元未満株の売買を行う際の注意点として挙げられます。

単元未満株の手数料の相場は、50~100円程度です。ただし、約定代金に一定の割合をかけて決まる仕組みが主流なので、取引する株数が多いほど手数料が高くなります。

単元未満株を複数回に分けて購入し、結果として1単元になった場合、結果的に最初から単元株を購入したほうが手数料は安くなる可能性はゼロではありません。

銘柄に限りがある

単元未満株は通常の株式取引とは異なり、取引できる銘柄が少ないのがデメリットです。

具体的な取扱銘柄や銘柄数は証券会社によって異なるため、単元未満株投資を始める際は、目的の銘柄を取り扱っているかどうかしっかりとリサーチしておきましょう。

おわりに

単元未満株でも、単元株と同じように株式数に応じて配当は受け取れます。議決権はありませんが、株主優待は企業によっては受け取ることが可能です。株式投資をお得に行いたいとお考えでしたら、単元未満株でも株主優待が受け取れる銘柄を選ぶと良いでしょう。

また、投資に詳しくなるためには実践してみるのが効果的です。数千円程度から始められる単元未満株投資なら、失敗してもダメージはそこまで大きくないので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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