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ドル建て保険のメリット・デメリットは?向いている人や今後の動向も解説!

ドル建て保険のメリット・デメリットは?向いている人や今後の動向も解説!
セゾンのくらし大研究 編集部

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ドル建て保険は米ドル建てで運用される生命保険で、円建て保険にはない高い貯蓄性のために注目されています。しかし、為替変動の影響を受ける、円建てにはない費用がかかるなどの注意点への理解も必要です。

この記事では、ドル建て保険の特徴やメリット・デメリット、どんな人に向くかなどを解説します。米ドルでの資産運用に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
(本記事は2023年12月25日時点の情報です)

この記事を読んでわかること
  • ドル建て保険は米ドル建てで運用される生命保険で、円建て保険より高い利回りを期待できる
  • ドル建て保険には為替変動リスクがあり、受け取り時に円高になると為替差損を被る
  • 通貨分散などの分散投資をしたい場合、ドル建て保険だけでなく投資信託の積立も検討すると良い

ドル建て保険とは?

ドル建て保険とは?

ドル建て保険とは、払い込んだ保険料を米ドルで運用する外貨建て保険の一種です。保険料の支払いや保険金や解約返戻金の受け取りも米ドルで行われます。

ほとんどのドル建て保険は掛け捨てではない貯蓄タイプで、保険料の払い方には一時払いと平準払い(月払いや年払い)があります。

円建て保険との違い

ドル建て保険と円建て保険は同じ保険種類であれば、保険料を支払って死亡時や満期時に保険金を受け取るような基本的な仕組みは同じです。

円建て保険は保険料の支払い、保険金の受け取りが円で行われるため為替変動の影響を受けません。一方、ドル建て保険は保険料の支払いも保険金の受け取りも米ドルがベースとなるため、為替変動の影響を受けます。

米ドルは日本円より高金利なため、同程度の保険金に対する保険料はドル建てのほうが安くなり、期待できる利回りもドル建てのほうが高くなります。

低金利が続く日本で注目度が増している

ドル建て保険は、低金利が続く日本の円建て保険より高い利回りを期待できることから、注目されています。日本では2016年の日銀のマイナス金利政策(マイナス金利付き量的・質的金融緩和)で超低金利が続き、円建て保険でもお金はほとんど増えなくなりました。

一方、アメリカでは2022年から急激に金利が上昇し、日米の金利差が大きく開き、米ドルで運用するドル建て保険が注目されるようになったのです。

外貨建て保険には米ドル建て以外に、保険会社によっては豪ドルやユーロ建ての商品もありますが、米ドル建てが一般的です。

ドル建て保険の今後の動向

ドル建て保険が人気を集めるに従い、契約者保護の体制も整備されてきています。

2022年には外貨建て保険について、対象外となっていた「標準責任準備金」の積立が義務づけられました。責任準備金によって保険会社の支払い能力が確保され、契約者が安心してドル建て保険に加入できます。

また、2022年4月以降は外貨建て保険の募集には、外貨建保険販売資格が必須となりました。外貨建て保険の販売に資格を条件としたことで、リスクなどの説明不足によるトラブルの防止が期待できます。

ドル建て保険の種類

ドル建て保険の種類

ドル建て保険は円建て同様に終身保険、養老保険、個人年金保険があり、いずれも貯蓄型の保険です。それぞれの特徴について解説します。

終身保険

終身保険は被保険者が死亡または高度障害状態になった際に保険金が支払われ、保障は一生涯続きます。終身保険は保険期間が決まっている掛け捨ての定期保険と異なり、貯蓄性がある点が特徴の1つです。

保険を解約した際には、期間の経過に応じた解約返戻金を受け取れます。

養老保険

養老保険とは被保険者の死亡時には死亡保険金を、満期まで生存した場合には満期保険金を受け取れる生死混合の保険です。終身保険同様に解約時には解約返戻金を受け取れますが、養老保険の保障は満期とともに終了します。

養老保険には、10年満期や15年満期のような期間が定められる年満了と、60歳までや65歳までのような年齢で区切る歳満了があります。

個人年金保険

個人年金保険は保険料払込期間後に、契約時に定めた年齢から年金原資を受け取れる貯蓄型の保険商品です。年金を受け取る期間は終身や一定期間(5年、 10年など)といったタイプがあります。

年金受取開始日以前に被保険者が死亡すると、払い込んだ保険料に応じた死亡給付金を受け取れます。

ドル建て保険のメリット

ドル建て保険のメリット

ドル建て保険は、保険機能に高い貯蓄性を兼ね備えた金融商品です。ここでは、ドル建て保険のメリットを解説します。

【ドル建て保険のメリット】

  • 円建て保険よりも利回りが高くなる可能性がある
  • 為替差益の恩恵を受けられることがある
  • 保障を準備しつつ資産運用ができる
  • 生命保険料控除の対象になる

円建て保険よりも利回りが高くなる可能性がある

米ドルは日本円より高金利での運用ができるため、ドル建て保険は円建て保険より高い利回りが見込めます。超低金利の続く日本において、預貯金や円建て保険のように国債で運用する金融商品では、お金をほとんど増やせません。

一方、アメリカは政策金利が日本より高く、ドル建て保険のリターンも円建てより高くなります。

為替差益の恩恵を受けられることがある

ドル建て保険で保険金や解約返戻金を受け取る場合、為替差益を得られる可能性があります。為替差益とは、為替変動によって生じる利益です。保険金などを受け取るタイミングで契約時より円安だった場合、為替差益を得られます。

例えば、1米ドル100円のときに1万ドル分(日本円で100万円分)の資産を購入したとしましょう。これを1米ドル110円になったタイミングで売却すると110万円になり、10万円が為替差益となります。なお、計算を単純にするため運用益は考慮していません。

保障を準備しつつ資産運用ができる

ドル建て保険は、保障を準備しながら資産運用もできる金融商品です。ドル建て保険の多くは貯蓄タイプであり、支払った保険料以上のリターンを期待できます。

また、保険期間中に万一のことがあれば、保険金を受け取れます。

保障は外貨預金のような運用商品にはない、保険ならではの機能です。ドル建て保険は円建てより高いリターンと、いざというときの保障を得られる「一石二鳥」の金融商品といえるでしょう。

生命保険料控除の対象になる

外貨建て保険の保険料も、円建て保険同様に生命保険料控除の対象になります。生命保険料控除とは、1年間に払い込んだ生命保険料のうちの一定額を、所得から控除する制度です。課税される所得が減ることで、所得税・住民税の負担が軽減されます。

外貨建て保険の日本円換算の保険料は、保険会社で計算して控除証明書に記載してくれます。ただし、外貨建て保険の控除証明書の送付に関する対応は保険会社によって異なるため、確認が必要です。

ドル建て保険のデメリット

ドル建て保険のデメリット

ドル建て保険にはメリットもありますが、無視できないデメリットもあるため「やめたほうがいい」という人もいるようです。ここでは、知っておきたいドル建て保険のデメリットについて解説します。

【ドル建て保険のデメリット】

  • 為替差損が発生するリスクがある
  • 為替手数料がかかる
  • 金利変動リスクがある

為替差損が発生するリスクがある

ドル建て保険では、為替差益を得られる可能性がある反面、為替差損を被るリスクもあります。

為替差損は、保険金などの受け取り時の為替レートが契約時より円高に振れた場合に生じます。一般的に保険契約は長期にわたるため、将来の為替レートは予測できません。そのため、ドル建て保険に加入すると為替リスクを負うことになるのです。

為替手数料がかかる

ドル建て保険では、保険料の支払いや受け取り時に為替手数料が発生します。

為替手数料は1米ドル単位でかかり、保険料を支払う際には保険料に上乗せされる仕組みです。

例えば、保険料が100米ドル、保険料支払い時の為替レートが1米ドル130円で、1米ドルあたりの為替手数料が0.5円だとしましょう。その場合、為替手数料込みで支払う保険料は13,050円(100米ドル×130.5円)です。

また、保険金などを受け取る際には、為替手数料が差し引かれます。

為替手数料は保険会社によって異なります。為替手数料が高いとドル建て保険の利回りを低下させる要因となるため、加入する前にいくらかかるかを確認しておくことが大切です。

金利変動リスクがある

ドル建て保険には利率が変動する商品と固定の商品があり、利率が変動するタイプの場合、アメリカの金利動向に影響を受けます。アメリカの金利が上昇すればドル建て保険の利回りも高くなりますが、逆に下落すれば利回りも低くなる点に注意が必要です。

また、ドル建て保険の場合、金利変動があると市場価格調整によって解約返戻金を調整する商品がある点も理解しておきましょう。市場価格調整では、契約時より解約時の市場金利が高くなっていると解約返戻金が減額され、低くなっていると増額されます。

ドル建て保険はどんな人に向いている?

ドル建て保険はどんな人に向いている?

ドル建て保険がおすすめなのは、以下のような人です。

【ドル建て保険が向いている人】

  • 保険商品で投資をしたい人
  • 円以外の通貨に分散投資したい人
  • アメリカへの留学や移住を予定している人

家計のやりくりが苦手で投資に回すお金を準備できない人なら、平準払いのドル建て保険を利用することで自動的にドル建ての資産を作れます。

ドル建て保険に加入することは、円以外の通貨への分散投資を意味します。また、アメリカへの留学や移住の予定があれば、ドル建て保険に加入すると現地では為替変動の影響を受けません。

しかし、為替リスクがあまり理解できない人や加入してもすぐに解約する可能性のある人には、ドル建て保険は向きません。投資信託の積立のような、別の方法で資産運用を検討すると良いでしょう。

おわりに

ドル建て保険はアメリカの政策金利の上昇により貯蓄性が高まり、注目されるようになりました。しかし、ドル建て保険には為替変動リスクがあり、金利や為替動向の長期的な予測はできません。加入する場合、十分にリスクを理解する必要があります。

資産運用を長期でお考えでしたら、ドル建て保険だけでなく、投資信託の積立も検討してみてはいかがでしょうか。

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