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分散投資のポートフォリオとは?基本的な考え方や作り方を解説

分散投資のポートフォリオとは?基本的な考え方や作り方を解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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資産運用においては、分散投資が非常に重要です。しかし、どのようにポートフォリオを組み、管理していけば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。資産を賢く管理し、リスクを最小限に抑えながら利益を最大化する方法を知っておくことは非常に重要です。

この記事では、投資初心者や自己資産を効果的に管理したい方に向けて、分散投資とポートフォリオについて詳しく解説します。

(本記事は2023年12月18日時点の情報です)

この記事を読んでわかること
  • 分散投資では、投資対象・投資時期を分散させることが必要
  • 異なる資産や地域を組み合わせることでリスクを管理し、バランスの取れたポートフォリオを組むことが大切
  • 経済状況や市場の変化に応じて投資戦略を調整し、柔軟に対応する戦略を練る必要がある
  • 長期的な視点で資産を守るためにもリスク管理は重要

「分散投資」「ポートフォリオ」とはなにか?

「分散投資」「ポートフォリオ」とはなにか?

「分散投資」と「ポートフォリオ」は、投資戦略における2つの重要な概念です。ここでは、両者がどのように投資家のリスク管理と資産形成に役立つのか解説します。

分散投資とは

分散投資とは、異なる種類の資産や市場に資金を分けて投資することです。1つの投資が不振に終わったとしても、他の投資で損失を補うことができるため、全体のリスクを減少させる効果があります。

様々な投資先に分散することで、不確実な市況下でもより賢い投資戦略を構築できるでしょう。

ポートフォリオとは

ポートフォリオとは、投資家が持つ資産の組み合わせやその比率のことです。

リスクとリターンのバランスを考慮しながら、最適な資産配分を目指すことがポートフォリオの目的です。ポートフォリオを通じて投資目標やリスク許容度に合わせた戦略を立てることができるため、長期的な資産増加につなげられます。

分散投資の方法

分散投資の方法

分散投資を成功させるためには、適切な方法を選択する必要があります。単に多くの資産に投資するだけでなく、戦略的にリスクを分散させることが重要です。ここでは、効果的な分散投資の方法を解説します。

投資する対象を分散する

投資対象を分散させることは、リスクを管理し、安定したリターンを目指すために欠かせません。投資対象を多様化することにより、市場の変動に強いポートフォリオを構築することができます。

資産

異なる資産(例えば、株式、債券、不動産など)に分散投資することで、市場の変動に対するリスクを軽減させることが可能です。資産によって価格の動きが異なるため、一部の資産運用が不調でも他の資産でカバーできる可能性があります。

銘柄・業種

特定の銘柄や業種に集中せずに、多様な銘柄や業種に投資することで、特定の業界や会社のリスクに左右されにくくなります。

地域・通貨

地域や通貨を分散することにより、地政学的リスクや通貨リスクを分散させることができます。これにより、一国の経済状況や通貨価値の変動がポートフォリオ全体に与える影響を軽減できるでしょう。

投資する時期を分散する

市場のタイミングに左右されないためには、時期を分散して投資することが重要といえるでしょう。一定の間隔で定期的に投資することで、市場の高値や安値での購入リスクを分散するわけです。

これは、長期的な視点から安定した投資成果を目指す際に効果的です。例えば、毎月一定額を投資する積立投資は、市場の上下動による影響を減らしつつ資産を着実に増やしていく方法としておすすめできます。

このアプローチにより、市場の変動を利用しつつ長期的に資産を築くことが可能です。

資産の値動きが異なるほど分散投資の効果は高い

資産の値動きが異なる点は、分散投資の効果を高める重要な要素です。異なる価格動向を持つ資産を組み合わせることで、市場の変動リスクを効果的に軽減できます。

例えば、株式市場が低迷していても、債券や不動産など他の資産が値崩れしていなければ、全体のポートフォリオを安定的に保つことが可能です。

1種類の資産価値が下落しても、他の資産でその損失を補える可能性があるため、分散投資はリスク管理の強力な手法のひとつといえるでしょう。

リスクとリターンのバランスとは

リスクとリターンのバランスとは

 投資において、リスクとリターンのバランスを適切に取ることは極めて重要です。リスクを避けすぎるとリターンも低くなりがちですが、過度にリスクを取れば予期せぬ大きな損失を招く可能性があります。

リスクとリターンのバランスを理解し、投資目標やリスク許容度に合った運用戦略を立てることが大切です。

資産ごとのリスクを知っておくことが重要

ポートフォリオを構築する際には、各資産のリスクレベルを理解することが欠かせません。

例えば、株式は高リターンが期待できますが、市場の変動によるリスクも大きい傾向があります。一方、国債などの債券は比較的値動きが安定していますが、リターンは低めです。

こうした資産間の違いを把握し、リスク許容度に合ったバランスを見つけることが、効果的なポートフォリオ管理のために非常に重要です。

年齢によって適切なポートフォリオは異なる

年齢によって適切なポートフォリオは異なる

ポートフォリオと一口にいっても、年齢によって投資戦略とリスク許容度は変わります。例えば、若いうちは投資できる期間も長くなるためリスクを取る余地がありますが、高齢になれば資産を目減りさせず、安定した利益を重視する必要があるでしょう。

ここでは、年代ごとに適切なポートフォリオについて解説します。

20~30代

20~30代の投資家なら長期にわたって投資できるため、一時市況が悪化しても長期間のうちに回復することを見越してリスクを取ることが可能です。

ポートフォリオの大部分を、成長性の高い株式や積極運用を行う投資ファンドに割り当てることで、高リターンを狙える可能性があります。この時期は比較的リスク許容度が高く、市場の下落に対する耐性も強いため、積極的な資産運用が有効です。

20~30代のおすすめのポートフォリオ

40~50代

40~50代では、資産の安定性と成長のバランスを取ることが重要です。例えば、株式と債券を適切に組み合わせ、リスクを抑えつつ安定した収入を生み出すポートフォリオを目指しましょう。

この時期は、将来のための安全な資産形成と、資産を増やすための戦略を両立させることが必要です。

40~50代のおすすめのポートフォリオ

60代~

60代からは、退職後や老後の生活に備えて、資本の維持と定期収入の確保に焦点を当てましょう。例えば、株式市場の変動リスクを避け、債券や固定収入証券などの低リスク投資への割当を増やします。

この年代のポートフォリオでは、安定性とリスク軽減を最優先に考えることが重要です。

60代~

ポートフォリオを組む手順

ポートフォリオを組む手順

ポートフォリオを組むプロセスは、投資目標達成のために非常に重要です。具体的には、目標や方針の設定、最終的には具体的な投資先を選定するまでの一連の手順を含みます。適切なポートフォリオは、ご自身の目的に沿った効果的な資産運用のために欠かせません。

目標や方針を設定する

効果的に資産運用を行うためには、投資目標を設定する必要があります。老後資金、教育資金の確保など具体的に設定し、必要な資金額と期間を明確にしておきましょう。

目標や方針が決まったら、必要な投資金額や期待利回りを計算し、投資戦略を立てる際の指針とします。金融庁「資産運用シミュレーション」などのツールを活用することで、より具体的な計画を立てることが可能です。

資産の配分を決める

計画的に資産を増やすためには、適切な資産配分が欠かせません。

例えば、20年で2,000万円を貯めるのが目標の場合、必要な利回りを達成するために株式、債券、不動産などの資産への投資が有効です。投資期間やリスク許容度を考慮し、バランスの取れた配分を行うことで、リスクを管理しつつ効率的に目標に近づくことが可能になるでしょう。利回りに基づいて適切なポートフォリオを構築する必要があります。

投資先を決める

資産配分計画ができたら、具体的な投資先を選びましょう。市場の動向、各資産の特徴、投資コストなどを考慮して、最適な銘柄やファンドを選びます。

ポートフォリオに合致する投資先を選ぶことは、資産運用を成功させるための重要なステップです。

ポートフォリオは定期的に見直そう

ポートフォリオは定期的に見直そう

ポートフォリオの定期的な見直しは、適切な投資戦略を立てるために欠かせません。運用成績によって適切な資産配分方法は変動するため、定期的な再評価が必要です。このプロセスを「リバランス」と呼び、資産の配分を元の戦略に戻すことを指します。

また、ライフスタイルや目標の変化に応じて資産配分を調整することを「アセット・アロケーション」と呼びます。

リバランスやアセットアロケーションを適切に行い、ポートフォリオを投資目標やリスク許容度に応じて調整することで、より効果的な資産運用が可能になるでしょう。

分散投資に迷ったときは

分散投資に迷ったときは

資産運用において分散投資は非常に重要ですが、具体的にどのようにすれば良いのかわからないという方も少なくありません。どのように資産を分散させ、リスクを管理しつつリターンを最大化するかという点は、慎重に判断する必要があります。

投資信託を利用する

投資信託は、個人が資産を運用する際に便利な手法です。投資信託とは、株式、債券、不動産など複数の資産を組み合わせたファンドへの投資を意味します。

投資信託を利用することで、個別の銘柄選びや資産配分の計画の手間を大幅に軽減できるでしょう。ご自身のリスク許容度や投資目標に合ったファンドを選べば、専門家が運用を行っているため、リスク管理の面でも安心です。

プロに相談する

資産運用へのニーズや目標は人それぞれ異なるため、最適な形で分散投資を行うことはそう簡単ではありません。

分散投資に迷ったら、資産運用のプロに相談することをおすすめします。プロのアドバイスを受けることで、個別の状況に合わせた戦略を立てることが可能です。リスク管理や退職後の資産形成手段の最適化も可能になるでしょう。

おわりに

資産運用においては、分散投資が非常に重要です。しかし、目標設定や資産配分、投資先の選定を適切に行うことは簡単ではありません。また、ポートフォリオは一度組んで終わりではなく、適宜見直していく必要があります。

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