資金繰りが急を要する状況で「銀行融資の審査が間に合わない」「銀行融資を断られてしまった」という経験はありませんか?そんな時に頼りになるのが、ノンバンクのビジネスローンです。法人・個人事業主を問わず利用でき、スピーディーな審査が魅力のノンバンクのビジネスローンには多くのメリットがある一方で、デメリットやリスクも存在します。
本記事では、ノンバンクのビジネスローンのメリット・デメリット、さらにはサービスの選び方までわかりやすく解説します。
ノンバンクのビジネスローンとは
ビジネスローンとは、法人や個人事業主が事業資金を調達するために利用できる金融商品です。会社の運営資金や事業拡大に必要な資金が不足した際に、活用されることが多くなっています。
ビジネスローンは銀行だけではなく、銀行以外の金融機関であるノンバンクでも提供されています。スピーディに資金調達が必要な場合は、ノンバンクのビジネスローンを利用するとよいでしょう。
ノンバンクとは
ノンバンクとは、銀行以外の金融機関を指します。信販会社や消費者金融などが代表的なノンバンクです。ノンバンクでは銀行と異なり預金業務を行わず、主に貸付けやクレジットカードの発行をしております。
信販会社 | 消費者金融 |
---|---|
・個人および法人の支払代金を立て替え、後から請求する ・ビジネスローンの他にクレジットカードやキャッシングを提供 | ・個人および個人事業主を対象に金銭の貸付を主に行う ・ビジネスローンの他にカードローンやフリーローンを提供 |
銀行のビジネスローンとの違い
ノンバンクのビジネスローンは、銀行が提供するビジネスローンと異なる特徴があります。
ノンバンクのビジネスローン | 銀行のビジネスローン | |
---|---|---|
金利(年) | 3〜18%程度 | 2〜15%程度 |
融資限度額 | 10〜500万円程度 | 10〜1,000万円程度 |
融資スピード | 最短即日 | 2営業日〜1週間程度 |
適用法令 | 貸金業法 | 銀行法 |
金利はノンバンクのほうが高めな傾向にあるものの、審査が柔軟で少額かつ緊急性の高い資金調達に適しています。
一方、銀行のビジネスローンは低金利で、比較的高額の融資が可能ですが、審査に時間がかかることも少なくありません。
なお、基本的にはどちらも無担保・無保証人で融資を受けられます。
ビジネスローンの種類
ビジネスローンは借入方法によって「カードローン型」と「証書貸付型」の2種類に分けられます。
カードローン型は借入限度額の範囲内であれば、何度でも繰り返し借り入れができる方式です。主に少額の融資の場合に用いられます。すぐに借入をしなくても融資枠だけを確保しておけるため、急な出費がある場合にも活用しやすいのが特徴です。
一方の証書貸付型は契約時に借入額を決定し、計画的に返済していく方式です。高額の融資の場合に用いられることが多く、金利もカードローン型よりも低い傾向にあります。
ノンバンクのビジネスローンで借入をする3つのメリットとは?
ノンバンクのビジネスローンは、一般的な銀行融資(プロパー融資)に比べて柔軟でスピーディーに対応してもらえることが特徴です。とくに中小企業や個人事業主にとっては、銀行融資が難しい場合に有力な資金調達手段になるでしょう。ここでは、ノンバンクのビジネスローンが持つメリットについて詳しく解説します。
申し込み時の必要書類が少ない
ノンバンクのビジネスローンの大きなメリットのひとつは、申し込み時に必要な書類が少ないことです。
銀行融資(プロパー融資)と比べると、必要書類には以下のような違いがあります。
ノンバンクのビジネスローン | 銀行融資(プロパー融資) |
---|---|
・2〜3期分の決算書 ・商業登記簿謄本 ・本人確認書類 ・印鑑証明書 | ・2〜3期分の決算書 ・試算表 ・資金繰り表 ・事業計画書 ・銀行取引明細表 ・納税証明書 ・商業登記簿謄本 ・本人確認書類 ・印鑑証明書 |
ノンバンクのビジネスローンでは決算書や本人確認書類など、最低限の書類提出で申し込めるケースが多くなっています。
一方、銀行融資では決算書に加え、資金の流れや財務状況を細かく把握できる書類の提出を求められることが少なくありません。
また、ノンバンクのビジネスローンは提出書類が少ないため、審査も早く即日融資を受けられるケースも多くあります。銀行融資の場合、融資決定までに数日から数週間かかることが一般的であるため、スピーディーに資金調達できる点がノンバンクの大きなメリットと言えるでしょう。
独自審査により申し込みの間口が広い
ノンバンクのビジネスローンは、独自の審査基準を採用していることが多く、銀行融資に比べて申し込みやすいという特徴があります。銀行では過去の財務状況を重視して審査が行われるため、赤字企業や小規模事業者が融資を断られるケースは少なくありません。
しかし、ノンバンクでは、現時点での事業の状況や将来の売上見込みなどを考慮して審査が行われるため、柔軟に対応してもらえる可能性があります。
ただし、すべてのケースで融資が受けられるわけではなく、代表者に過去の延滞歴がある場合などは審査が厳しくなることもあります。
担保や保証人不要で申し込める
ノンバンクのビジネスローンは、基本的に担保や保証人を必要としないため、気軽に申し込める点もメリットのひとつです。資産を持っていない中小企業や個人事業主にとっては、申し込みするハードルが大きく下がるでしょう。
また、法人が銀行などで融資を受ける場合は、経営者個人が会社の連帯保証人となる「代表者保証」を求められることが多くあります。しかし、ノンバンクのビジネスローンでは、代表者保証が不要とされる場合があります。
ただし、審査の結果によっては不動産や売掛債権、自動車などの担保を求められることもあります。また、担保を提供することで、借入限度額の増加や金利の低減が見込める場合もあるため、事業の状況に応じて適切な選択をすることが大切です。
ノンバンクのビジネスローンで融資を受けるデメリット
ノンバンクのビジネスローンは銀行融資と比べると金利が高くなりやすい点や、融資限度額が制限されやすい点に注意が必要です。ここでは、ノンバンクビジネスローンを利用する際の主なデメリットを解説します。
金利が高めに設定されている
ノンバンクのビジネスローンは担保や保証人を不要としていることが多く、貸し倒れのリスクをカバーするために金利が高めに設定される傾向があります。
以下は銀行融資とノンバンクのビジネスローンの金利を比較した表です。
種類 | 金利の目安 |
---|---|
銀行融資(プロパー融資) | 年1〜3%程度 |
銀行のビジネスローン | 年2〜15%程度 |
ノンバンクのビジネスローン | 年3〜18%程度 |
ノンバンクのビジネスローンは金利が高い傾向にあるため、返済が長期に及ぶ場合や借入額が大きくなると、利息の負担が重くなる可能性があります。そのため、資金計画をしっかり立てたうえでの借り入れが重要です。
希望金額の融資を受けられるとは限らない
ノンバンクのビジネスローンでは多くの場合、銀行融資に比べて融資上限額が低く設定されています。銀行融資では数億円単位の融資が可能な場合もありますが、多くのビジネスローンでは、500〜1,000万円程度が融資の上限額です。
ノンバンクの一部の事業者では、数千万円単位の融資が可能とされています。しかし、企業業績や返済能力によっては、少額しか借りられないケースも少なくありません。
そのため、希望する資金が十分に調達できない可能性も考慮し、ビジネスローン以外の資金調達手段も検討しておくとよいでしょう。公的融資やファクタリングなど、複数の資金調達方法を組み合わせることで、資金不足に陥るリスクを軽減できます。
ノンバンクのビジネスローンを比較する時の7つのポイント
ノンバンクのビジネスローンは、事業者によって審査基準やサービス内容が大きく異なります。「金利が高く返済負担が重くなる」「必要なときに資金が手に入らない」など、思わぬリスクに直面する可能性もあるので、慎重に検討しましょう。
ここではノンバンクのビジネスローンを比較・検討する際に、押さえておきたいポイントを7つ解説します。
- 申込条件
- 融資までのスピード
- 金利
- 融資限度額
- 手続きの簡便さ
- 担保や保証人の有無
- 事業者の信頼性
最適なビジネスローンを選べるように、ひとつずつ押さえておきましょう。
申込条件
申し込み条件を満たしていなければ、融資の申込自体ができません。
特に下記の点については、申し込み前に必ずチェックしておきましょう。
- 年齢
- 年商(業績)
- 個人事業主の対応可否
- 赤字決算や税金滞納への対応可否
- 開業資金としての利用可否
融資までのスピード
ビジネスローンを選ぶ際、融資までのスピードも重要です。とくに取引先への支払いが迫っている場合など、緊急の資金繰りが必要な場合には、即日融資に対応している事業者を選びましょう。
即日融資を実現するには、営業日の午前中に申し込むことや、書類に不備がないように準備しておくことがポイントです。ただし、申し込み内容によっては審査に数日かかることもあるため、余裕を持って早めに申し込んでおくと安心でしょう。
金利
金利は総返済額に大きく影響するため、重要な比較ポイントのひとつです。一般的に、ノンバンクのビジネスローンは金利が3〜18%程度に設定されており、融資額が少なくなるほど金利は高くなる傾向にあります。
ただし、金利は審査によって変動するため、高額の借入をするからといって下限金利が適用されるとは限りません。さらに、印紙代や事務手数料などがかかる事業者もあるので、金利や手数料などのコストは高めに見積もっておいたほうが計画的に返済できるでしょう。
なお、一部の事業者では一定期間の無利息サービスを提供している場合もあるので、そのような特典が利用できるかも確認してみてください。
融資限度額
希望する融資額が事業者の融資限度額内であるかは、ローン選びの重要なポイントです。ビジネスローンでは下限を30〜50万円、上限を500〜1,000万円としているケースが一般的です。一部の事業者では5,000万円以上の融資を提供している場合もあるものの、これらは主に法人向けとなります。
自社の資金ニーズに合った融資限度額を提供している事業者を選びましょう。
手続きの簡便さ
本業が忙しい場合、融資手続きに時間を割けないこともあるでしょう。そこで、手続きの簡便さもローン選びの重要なポイントになります。
ノンバンクのビジネスローンでは手続きを簡略化した商品が多く、とくにオンラインで完結できるサービスが人気です。WEB上で申し込みから振込まで完結できるサービスや、提出書類が最小限に抑えられているビジネスローンなら手続きがスムーズに進みやすく、店舗に出向く手間や時間を省けます。
担保や保証人の有無
ノンバンクのビジネスローンは基本的に担保や保証人が不要です。しかし、代表者保証が求められるケースは少なくありません。また、サービスによっては保証人が必要なケースもあるので、契約前に条件を確認しましょう。
また、有利な条件で融資を受けたい場合は、有担保のビジネスローンを選ぶのもひとつの方法です。以下は代表的な有担保のビジネスローンです。
- 不動産担保ローン
- 売掛債権担保ローン
- 動産担保ローン
- 介護報酬・診療報酬担保ローン
事業者の信頼性
ノンバンクのビジネスローンを利用する際は、事業者の信頼性についても必ずチェックしましょう。「誰でも申し込み可能」「ブラックでもOK」などの宣伝をしている事業者には注意が必要です。これらの事業者はヤミ金である可能性が高く、利用すると法外な利息を要求されたり、犯罪に巻き込まれたりする可能性があります。
貸金業者として営業するためには、財務局長または都道府県知事への登録申請が必要です。
そのため「登録貸金業者情報検索サービス」で貸金業登録番号を確認できれば、信頼できる業者と判断できるでしょう。
参考までに、株式会社セゾンファンデックスは登録貸金業者として登録番号「第00897号」にて登録しています。
なお、無登録事業者が「関東財務局長(X)第00XXX号」のように、登録があるように見せかけるケースもあります。ホームページ上に番号の記載があるからといって安心せず、実際に届け出がされているか、番号と事業者名が一致しているかなどを確認しましょう。
高額の借入に対応しているノンバンクのビジネスローンなら不動産担保ローンがおすすめ
ノンバンクのビジネスローンは原則として担保不要で気軽に利用でき、迅速に資金調達できることが特徴です。しかし、希望額を借りられないケースや金利負担が重くなるケースもあり、不便さを感じる場面もあるでしょう。
そんな時におすすめなのが「不動産担保ローン」です。不動産を担保にすることで、低金利でまとまった資金を借りられます。
「セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン」は、100万円から最大5億円までの幅広い融資限度額を提供しています。緊急の資金繰りから大規模な設備投資まで幅広い資金ニーズに答えられるのが大きな特徴です。
また融資年率は2.75〜9.9%と、一般的なノンバンクのビジネスローンよりも低めに設定されています。
法人・代表者が所有する不動産だけでなく、その親族が所有する不動産も担保にすることが可能です。
申し込み実績は年間7,000件以上、全国対応しているため、高額の借り入れを希望する方はお気軽にご相談ください。
資金調達の手段としてノンバンクのビジネスローンは有効な解決策に
ノンバンクのビジネスローンは融資までのスピードが早く、基本的に担保・保証人不要で申し込めます。さらに、審査基準が銀行融資とは異なるため、資金調達の選択肢が限られている中小企業や個人事業主にとっては、心強い味方になるでしょう。
一方で、金利が高めに設定されている点や、融資限度額が低い点はデメリットになることもあります。複数の事業者を比較検討し、自社に合ったサービスを選ぶことで、事業の継続や成長に必要な資金を確保しやすくなるでしょう。
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