歯のトラブルを抱えていても「治療費が高くなるのではないか」と、歯医者に行けずにいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。高額な治療費は家計を圧迫するため、できるだけ費用を抑えたいですよね。
このコラムでは、歯医者の治療費に悩んでいる方に向けて、7つの対処法を解説します。治療費の相場やトラブルを放置するリスクも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。


歯医者の治療費が決まる4つのポイント

歯医者で治療を受ける際は、主に以下の4つのポイントによって治療費が決まります。
- 保険適用の治療・自由診療の治療
- 虫歯や歯周病の進行度
- 治療に使う被せ物・詰め物の種類
- 前回の受診日からの期間
ただし、治療費は一律というわけではなく、治療を受ける歯医者によって金額が異なります。歯科治療は「混合診療」が認められているためです。
混合診療とは、保険診療と自由診療を組み合わせて提供される医療サービスを指します。これにより、患者は希望に応じて保険適用内の治療から自費の自由診療に移行できます。自由診療の金額は医療機関が自由に決められるため、歯医者によって金額に違いが生まれるのです。
歯医者の治療費の考え方が分かったところで、次項から治療費が決まるポイントを詳しく見ていきましょう。
保険適用の治療・自由診療の治療
上述のとおり、治療内容が保険適用か自由診療かどうかは、歯医者の治療費を決める基準のひとつです。保険適用内・適用外に含まれるものの一例を確認してみましょう。
【保険適用】
治療内容 | 特徴 |
---|---|
CRインレー | 詰め物(白色のプラスチック) |
銀のインレー | 詰め物(奥歯用・銀色の金属) |
金属冠 | 被せ物(一般的な銀歯) |
硬質レジン | 被せ物(歯科用プラスチック) |
硬質レジン前装冠 | 被せ物(見た目:レジン、内側:金銀パラジウム合金など) |
メタルコア | 歯の土台(銀合金) |
レジンコア | 歯の土台(レジン) |
【保険適用外】
治療内容 | 特徴 |
---|---|
ゴールドインレー | 詰め物(金属) |
オールセラミッククラウン | 被せ物(陶器) |
メタルボンドクラウン | 被せ物(見た目:セラミック、内側:金属) |
ジルコニアセラミッククラウン | 被せ物(見た目:セラミック、内側:ジルコニア) |
ゴールドクラウン | 被せ物(金合金・白金加金) |
ゴールドコア | 歯の土台(金合金・白金加金) |
ファイバーコア | 歯の土台(ガラス繊維強化樹脂) |
保険適用に該当する治療であれば、自己負担は治療費の1〜3割です。一方で、保険適用外の自由診療を受ける場合は全額が自己負担となります。
虫歯や歯周病の進行度
歯医者の治療費は、虫歯や歯周病の症状がどれほど進行しているかによっても異なります。進行度は「初期(軽度)・中度・重度」の3段階あり、症状が重いほど費用と時間がかかるのが一般的です。
例えば、初期の虫歯治療であれば、虫歯部分を削って詰め物をすれば完了です。一方、中度の場合は神経を抜いたり、重度まで進行すると抜歯したりする必要が生じます。
治療に使う被せ物・詰め物の種類
治療に使用する被せ物や詰め物にはさまざまな種類があり、どれを選ぶかも治療費が決まるポイントです。保険適用であれば安価で済むケースもありますが、強度や見た目の良さに優れた自由診療のものを選ぶ場合は治療費が高くなりがちです。
また、種類ごとにメリット・デメリットがあるため、選ぶ際は費用と特徴の両面から検討する必要があるでしょう。
前回の受診日からの期間
治療費が決まるポイントとして、前回の受診日からの期間も挙げられます。初診料は「初」と書くことから初回の受診のみにかかると思われがちですが、場合によっては2回目以降でも請求される場合があります。
例えば、過去に受診して治療が完了した歯医者に再度来院することもあるでしょう。この場合、前回の受診日から3ヵ月以上が経過していれば、再び初診料がかかるのが一般的です。
【項目別】歯医者の治療費の相場

虫歯治療と一口にいっても、虫歯の進行度や治療の内容によって相場が異なります。ここでは、以下の4つの項目ごとに治療費の相場を紹介します。
- 初診時にかかる費用
- 虫歯治療にかかる費用
- 抜歯にかかる費用
- 部分入れ歯・ブリッジ・インプラントにかかる費用
ご自身が治療を受ける際の参考にしてみてください。
初診時にかかる費用|3,000〜4,000円
歯医者を初めて受診する際は、レントゲン代などを含めた初診料として3,000〜4,000円程度かかるのが一般的です。初診料の主な内訳は以下のとおりです。
- 初診料
- レントゲン代
- 歯周基本検査
- 歯科疾患管理料
- 歯科外来診療環境体制加算費用 など
ただし、初診料は保険点数の改正や歯の本数、歯医者ごとの料金設定などによって差があるため、上記はあくまで目安として考えておくといいでしょう。
虫歯治療にかかる費用|1,500~15,000円
虫歯の範囲が歯の表面のエナメル質にとどまっている場合、通常は虫歯部分を削って詰める治療を行います。支払う金額は1,500〜3,000円程度となるケースが多いです。
エナメル質より下層の象牙質まで虫歯が進行している場合は、まず虫歯を削る治療から始まります。その後、削った箇所の形に合わせて詰め物を作り、詰め物を接着剤で固定します。
保険適用であれば治療費は数千円程度が一般的ですが、自費扱いの詰め物を使う場合は高額になりやすいです。
主な自費扱いの詰め物の費用相場は以下を参考にしてください。
詰め物の種類 | 費用相場 |
---|---|
ゴールドインレー | 5万〜8万円 |
オールセラミックインレー | 4万〜8万円 |
ハイブリッドセラミックインレー | 2万〜5万円 |
虫歯がかなり進行している場合は、根管治療と呼ばれる神経の治療が必要です。保険適用であれば1回あたり2,000〜7,000円程度、保険適用外であれば10〜15万円程度かかります。
ただし神経を抜いたあとは、消毒のために複数回通院するのが一般的なため、通院回数が増えるほどに金額がかさむと覚えておきましょう。
神経の治療が完了すれば、土台を作ったあとに被せ物を装着します。保険適用の場合はおよそ1万円以下ですが、自費扱いの被せ物はさらに高額な費用がかかります。
被せ物の種類 | 費用相場 |
---|---|
オールセラミッククラウン | 8〜15万円 |
メタルボンドクラウン | 8〜15万円 |
ジルコニアセラミッククラウン | 8〜15万円 |
ゴールドクラウン | 8〜12万円 |
抜歯にかかる費用|1,500〜3,000円
歯科治療ではなるべく歯を残すことが重要とされていますが、場合によっては歯を抜かなければいけないケースもあります。抜歯治療には保険が適用されるため、簡単な治療であれば治療費は1,500〜3,000円程度です。
ただし、抜歯する位置や治療の難易度によって金額が異なります。抜歯する際は基本的に1回の通院で済みますが、消毒や様子の確認を行うために、抜歯後にも数回の通院が必要となる場合が多いです。
部分入れ歯・ブリッジ・インプラントにかかる費用|1,200~800,000円
部分入れ歯は金属とプラスチックで作った金具を用いる方法で、手術せずに治療できるのが特徴です。金具の材質を何にするかによって保険診療または自由診療となり、前者は1,200円程度から、後者は8〜80万円となっています。
ブリッジとは、抜歯した箇所の両サイドの歯に橋渡しをするように、連結した人工の歯を装着する方法です。保険が適用される場合は2万円程度から受けられますが、保険適用外で受ける場合の相場は5万円程度からとなっています。
インプラントとは、顎の骨に歯根を埋め込んで人工の歯を装着する方法です。保険適用外となるため、治療を受ける際は高額になります。一般的な目安では、1本あたり20〜40万円程度かかります。ただし、歯医者によって差が出やすい点には注意が必要です。
歯の治療を先延ばしすることによる経済的リスク

虫歯や歯周病などの口内のトラブルを治療せずに放置すると、症状の悪化は避けられません。症状が悪化すればするほど、治療費はさらに高額になる傾向にあります。
特に虫歯や歯周病は、自然治癒する可能性が限りなく低い病気です。これらの病気が進行すると、歯の喪失にも繋がる可能性があります。歯を失った場合、インプラント治療は1本あたり20〜40万円と特に高額になるため、症状が軽いうちに治療を受けることで費用負担を抑えられます。
症状の悪化だけではなく、経済的な負担の増大を防ぐためにも、早めに治療をはじめることが最善といえるでしょう。
歯医者の治療費が払えないときの7つの対処法

歯のトラブルを抱えて治療が必要でも、経済的な事情で治療を躊躇する方は珍しくありません。歯医者の治療費が払えないときは、以下の7つの対処法を試してみてください。
- 支払いについて歯科医に相談する
- 保険適用の治療を受ける
- クレジットカードで支払う
- 金融機関から借り入れをする
- 国の制度を利用して負担を軽減する
- 家族や友人にお金を借りる
- 一時的に痛みを抑える方法を試す
治療費の支払いが難しいからといって治療を先延ばしにすると、症状がどんどん悪化するかもしれません。早めに治療を受けられる方法がないか考えてみてください。
支払いについて歯科医に相談する
歯医者の治療費を払えないなら、まずは歯医者に支払いについて相談しましょう。支払い可能な日にちを具体的に伝えれば、交渉がスムーズに進む可能性があります。
また、相談するタイミングは診察を受ける前が適切です。治療が始まってからでは、医療費の未払いとしてトラブルにつながる可能性があります。相談に応じてくれるかどうかは歯医者次第ですが、何もしないよりは正直に伝えてみることをおすすめします。
保険適用の治療を受ける
自由診療には、よりご自身の希望に沿った治療を選べる魅力がありますが、その分、治療費が高額になる傾向があります。
一方で、保険適用の治療では、自由診療と比べて経済的な負担を大幅に軽減できます。ただし、ご自身の症状が保険適用の治療で問題ないことが大前提です。保険適用の治療では対処できない状況であれば、自由診療が必要になる可能性もあります。
なお、治療を受ける際には、歯科医師に保険適用の治療を希望する旨を治療が始まる前に伝えましょう。
クレジットカードで支払う
治療費の支払いにクレジットカードを利用するのもひとつの手です。引き落とし日までにお金を用意できるのであれば、クレジットカードで治療費を支払いましょう。リボ払いが利用できれば、支払いの負担も軽減されます。クレジットカードで支払えるかどうかは歯医者によって異なるため、診察を受ける前に確認することが大切です。
クレジットカードを新たに申し込むなら「SAISON CARD Digital(セゾンカードデジタル)」がおすすめです。公式スマホアプリ「セゾンPortal」上にデジタルカードの番号が表示される仕組みとなっており、最短5分で手続きが完了します。
歯医者の治療費は高額になることもありますが、SAISON CARD Digitalはリボ払いやボーナス払いにも対応しているため、お財布事情に合わせて支払い額を調整できます。ボーナス払いは一括または2回払いを選択可能です。
プラスチックカードにカード番号が表示されないナンバーレスカードのため、セキュリティ性面でも安心で、第三者による不正利用を防ぎやすいのも特徴です。歯医者の支払いにクレジットカードを利用するなら、機能性が充実したSAISON CARD Digitalを検討してみてください。

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金融機関から借り入れをする
歯医者の治療費が払えない際の対象法として、金融機関から借り入れをする方法もあります。治療費の補填に利用できるのは、主に以下の3つです。
- フリーローン
- デンタルローン
- カードローン
フリーローンは利用目的が制限されないため、歯医者の治療費にも利用できます。ただし、一度の契約につき借り入れできるのは1回のみで、追加で融資を受けたい場合は改めて審査を受ける必要があります。とはいえ、追加融資を受けられない分借入額が膨らみにくく、毎月の返済計画を立てやすい点はメリットとも捉えられるでしょう。
デンタルローンは歯科治療に特化した医療ローンのひとつです。歯医者と信販会社が提携することによって提供されています。また、金融機関が目的別ローンの一種としてデンタルローンを用意しているケースもあります。
デンタルローンの主な目的は、高額になりがちな保険適用外の治療費をカバーすることです。一般的にはカードローンよりも低金利で借りられますが、審査を申し込む際は歯科治療に利用することを証明する書類などの提出が必要です。
カードローンとは、銀行やクレジットカード会社などが提供しているキャッシング専用のカードです。フリーローンと同じく、カードローンは用途に制限がなく、限度額の範囲内であれば、追加融資にも対応しています。歯科治療は複数回の通院が必要になることもあるため、追加で借り入れができるのは大きなメリットでしょう。
なお、カードローンを利用する場合は、セゾンのカードローン「MONEY CARD GOLD(マネーカードゴールド)」がおすすめです。全国各地のATM(銀行・コンビニの提携ATMを含む)で利用できるほか、カードが手元にあれば最短数十秒で指定の金融機関口座に振り込みが可能です。年会費無料のため、「いざというときの1枚」として所有しておくのもいいでしょう。
歯医者の治療費の支払いにカードローンを利用したいなら「MONEY CARD GOLD」の申し込みを検討してみてください。


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国の制度を利用して負担を軽減する
歯医者の治療費の支払いによって家計が圧迫される場合は、国の制度を利用して負担の軽減を図りましょう。主な制度として以下の3つが挙げられます。
- 医療費控除
- 無料低額診療制度
- 高額療養費制度
医療費控除とは、1年間(1月1日〜12月31日)の医療費の合計額が10万円を超えた場合に、一定額が所得から控除される制度です。歯医者の治療費や医薬品の購入費用などが対象ですが、審美目的の治療には適用できません。
医療費控除の対象となる金額の求め方は「医療費の合計額−高額療養費や生命保険の保険金などで補填される金額−10万円」で、上限は200万円です。なお、1年間の所得が200万円以下の方は、総所得額の5%の金額と定められています。
無料低額診療制度とは、低所得世帯で、一時的に医療機関の診療を必要とする場合、無料または低額で診療を受けることができる制度です。適用が認められれば治療費が免除または減額されます。ただし、あくまで生活が整うまでの一時的な対処法であり、永久的に治療費の負担が軽減されるわけではありません。
また、無料低額診療を行なっているかどうかは歯医者によって異なるため、制度を利用したい場合は事前に確認しておくことが大切です。
高額療養費制度とは、1ヵ月あたりの治療費が一定額を超えた場合に、自己負担限度額を超過した分の払い戻しを受けられる制度です。歯医者での治療費のほか、他の医療機関で支払った費用も合算して請求できます。上限額は年齢や所得によって異なるため、ご自身の区分は厚生労働省のサイトで確認してください。
家族や友人にお金を借りる
上記の対処法を利用するのが難しい場合は、家族や友人にお金を借りることも視野に入れましょう。家族や友人に借りる際は、利子がつかなかったり、返済期限を考慮してもらえたりする可能性があります。
ただし、お金のトラブルは今後の関係性に大きく影響するため、返済について甘い考えをもたないように注意が必要です。期限をきちんと守り、確実に返済することを徹底しましょう。また、双方の認識の食い違いからトラブルに発展しないように、金額や返済期限について借用書を交わしておくのもおすすめです。
一時的に痛みを抑える方法を試す
どうしてもお金を工面できないなら、まずは一時的に痛みを抑える方法を試しましょう。例えば、歯に圧迫感がある場合は、歯ブラシやデンタルフロスなどを使って食べかすや汚れを取るのが有効です。
痛みを感じる場合は冷やしたタオルなどを用意し、頬に当てて痛い部分を冷やしましょう。氷のうを包んだタオルや冷却シートを使うのもおすすめです。症状を悪化させないためには、歯磨きを丁寧に行い、洗口液で口の中を清潔することも大切です。
ただし、これらはあくまで一時しのぎの方法であるため、痛みが軽減されたからといって放置するのは良くありません。根本的な治療ができるのは歯医者のみであることを忘れず、お金の目処がついたらすぐに治療を受けましょう。
歯医者の治療費を抑えたいなら日常のケアが大切

歯の治療費を抑えるためには、日常の口腔ケアが重要です。歯を健康な状態にしておくのはもちろん、異変を感じた際に早めに治療しておけば、治療にかかる費用を節約できるでしょう。
歯の健康を維持するためには、毎日の歯磨きに加え、定期的に歯ブラシを交換したり、口腔状態に合わせた歯磨き粉を使ったりするのが有効です。デンタルフロスや歯間ブラシを使うと、歯ブラシだけではカバーできない食べかすなども除去できます。
歯医者での定期検診やブラッシング指導なども受けながら、日常のケアを徹底するように意識しましょう。
おわりに
歯医者の治療は混合診療が認められていることから、一律で治療費が決まっているわけではありません。特に自由診療は歯医者ごとに料金を決められるため、治療費が高額になるケースもあります。
経済的な事情で治療費を支払うのが難しければ、クレジットカードやカードローンを利用したり、国の制度を活用したりするのがおすすめです。トラブルを抱えたまま放置すると、症状が進行してさらに治療費がかさむことにもなりかねないため、早めの受診を心掛けましょう。
歯医者の治療費の支払いにカードローンを利用したいなら「MONEY CARD GOLD」の申し込みを検討してみてください。


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