歯科矯正をしたいけれどもお金がないときに利用できる方法を4つ紹介します。また、お金がないときは、クリニック選びにも注意が必要です。どのようなポイントで選べば良いのか解説します。ぜひ参考にしてください。
歯科矯正にはどの程度のお金がかかる?
国民皆保険制度の日本では、原則として医療費には公的医療保険が適用され、自己負担額は実際にかかった医療費の1~3割となります。しかし、医療機関で行われている治療や診療すべてに対して保険が適用されるわけではありません。
公的医療保険が適用されるのは緊急性が高い治療や病気に限られているため、美容目的などの行為については保険適用外となります。
歯科矯正も、基本的には美容目的で行われる行為です。そのため医療保険が適用されず、全額自己負担となります。歯科矯正を始める前と矯正中、矯正後にどの程度の費用がかかるのか、具体的に見ていきましょう。
歯科矯正を始める前にかかる費用
歯科矯正を始める前に、どのような方法で矯正するのか計画を立てるために、詳しく検査をする必要があります。口の中の状態を専用のカメラで撮影するだけでなく、レントゲン撮影やCTなどもすべて自己負担で行うので、50,000~80,000円ほどかかるでしょう。
矯正についてのカウンセリングについては無料で実施しているクリニックもありますが、レントゲンなどの医療機器を使った検査に関しては有料となることが一般的です。カウンセリングを行う前に、検査費用についても尋ねておきましょう。
歯科矯正にかかる費用
検査結果や矯正を受ける本人の希望に基づき、歯科医師は治療方針を決定します。疑問点がある場合は、この時点できちんと質問しておきましょう。治療方針に納得した場合は、矯正治療が始まります。
歯科矯正にはいくつか方法があり、それぞれ費用や治療期間が異なるため注意が必要です。また、クリニックによっても費用は大きく差があります。検査をする前に大まかな費用目安について確認しておきましょう。矯正方法別の基本料金と治療期間の目安は以下のとおりです。
治療方法 | 治療期間の目安 | 費用の目安 |
歯の表側にブラケットを装着 | 1~3年 | 80万~100万円 |
歯の裏側にブラケットを装着 | 1~3年(前歯のみは数ヵ月~1年) | 100万~150万円 |
マウスピースによる矯正 | 1~3年(前歯のみは数ヵ月~1年) | 80万~100万円 |
矯正治療中は、基本料金とは別に矯正器具を微調整したり歯のクリーニングをしたりと、処置費用がかかることがあります。基本料金にすべて含まれているクリニックもありますが、1回当たり5,000円~10,000円程度の処置費用を請求されることもあります。事前に確認しておくことが大切です。
費用が割高になるケース
矯正中は歯に器具を装着しているため、歯磨きに手間がかかり、普段よりも虫歯にかかりやすくなります。しっかりと磨いていても虫歯になって治療が必要になることもあるでしょう。
矯正治療中に虫歯の治療も行うときは、公的医療保険が適用されません。これは、保険適用の治療と保険適用外の処置を同時に行うことは違法とされているためです。そのため、通常であれば1~3割の自己負担で受けられる虫歯の治療も、全額自己負担となります。
また、矯正の過程において、抜歯が必要になることがあるかもしれません。治療のために必要な抜歯であれば通常は保険が適用されますが、矯正治療においては抜歯も保険適用外です。予想以上に虫歯治療や抜歯が高額になることもあるので、事前にそれぞれの場合どの程度費用がかかるのか確認しておきましょう。
メンテナンスにかかる費用
矯正は歯並びを動かす処置のことです。器具を外して放置しておくと元に戻ってしまう可能性があります。そのため、矯正治療が終了した後も、一定期間メンテナンスが必要なケースが少なくありません。リテーナーと呼ばれる装置を一定期間装着し、矯正した歯並びに固定していきます。
リテーナーの費用が基本料金に含まれていないクリニックもあるため、事前に確認しておきましょう。別途リテーナーの費用がかかる場合は、5,000円~60,000円ほどが目安となります。
なお、通院の頻度は月に1~2回ほどで、メンテナンスの期間は基本料金のほかに1回当たり5,000~10,000円程度の処置費用がかかることが一般的です。メンテナンス期間が長引くと費用もかさむ傾向があります。
歯科矯正は何歳までに始めるべき?
歯科矯正を始める年齢は特に決まっていません。しかし、始めるタイミングによっては治療期間が短くなったり、治療したのにもう一度矯正する必要が生じたりするため、時期を見極めることが大切です。
中高校生のうちに始めた方が良い?
歯並びに問題がある場合、年齢とともに徐々にずれが大きくなることがあります。中高校生のうちに矯正治療を始めれば、ずれが少なく済み、治療期間が短くなることもあるでしょう。また、治療期間が短いと、処置回数も減るため、処置費用を節約できます。
中高校生は歯周組織の新陳代謝が活発なため、大人と比べると歯が移動しやすいことが多いです。治療期間の短縮化と処置費用の軽減につながるでしょう。
抜歯のリスクが少ないことも、中高校生で矯正治療を始めるメリットです。大人は顔の骨格がほぼ完成しているため、歯のずれを矯正して正しく並べるスペースを確保できないことがあります。このような場合には歯を複数本抜くこともあり、身体的にも負担がかかるでしょう。
一方、中高校生は顔の骨格がまだ完成していないため、歯を正しく並べるスペースも確保しやすい傾向があります。抜歯をせずに矯正治療を行いやすいため、身体的な負担も軽減できるでしょう。
歯と歯茎が丈夫であれば大人も可能
中高校生は矯正治療に適した時期ですが、それ以降のタイミングでも、矯正治療を始められないわけではありません。歯と歯茎さえ丈夫であれば、50歳、60歳でも矯正治療は可能です。
歯並びが気になるときは、まずはクリニックに相談し、歯と歯茎の状態を検査してもらうことが大切です。
子どもは歯科矯正が2回必要なこともある
顔の骨格が完成していない子どもの頃は、歯並びは早く整う傾向があるため、小学生から歯科矯正を始めるケースもあります。小学校の中学年あたりから歯科矯正を始めるときは、2段階に分けて実施することが一般的です。
8~10歳の乳歯が混在しているタイミングで1回目の矯正を実施して、歯がきれいに並ぶスペースを確保し、すべて生え変わる11歳くらいのタイミングで歯並びを整えます。
なお、子どもによっては特に調整しなくても歯がきれいに並ぶスペースが確保されていることもあるでしょう。歯科医師に相談し、もっとも合う方法で矯正治療を始めていきましょう。
歯科矯正のお金がないときに利用できる4つの方法
歯科矯正は医療保険が適用されないため、全額自己負担となります。矯正の方法やクリニックによっては100万円を超えることもあり、負担に感じるかもしれません。しかし、タイミングがずれると矯正治療が長引くことや、矯正自体ができないこともあるため注意が必要です。
矯正治療を始めたくてもお金がないときは、次の4つの方法を検討してみましょう。
- クレジットカードのキャッシング
- カードローン
- デンタルローン
- 貯金をしてから歯科矯正を始める
それぞれの方法について具体的に解説します。
クレジットカードのキャッシング
歯科矯正の支払い方法はクリニックによっても異なりますが、基本料金を一括で支払い、処置費用やメンテナンス費用はその都度支払うケースも多いです。1回当たりの処置費用は無理なく支払えても、最初の基本料金が払えず、矯正治療に踏み切れないという方もいるでしょう。
矯正治療の基本料金の支払いが難しいときは、クレジットカードのキャッシングを利用する方法も検討できます。キャッシングとは、クレジットカードを活用した借り入れの方法で、ATMでの利用や指定口座への振込みによりすぐに利用できるため、急いでいるときにも使いやすい手段といえるでしょう。
SAISON CARD Digitalは、国内初のナンバーレスクレジットカードです。お申し込みからカード利用までは最短5分です。また、インターネットを活用した振込キャッシングを使用でき、ご契約後最短20分で指定した口座への振り込みが可能です。
SAISON CARD Digitalは、デジタルカード以外にもプラスチックのカードも発行されますが、表にも裏にもカード番号を記載していないため、盗み見されるリスクや紛失してしまった際の不正利用のリスクを軽減できます。クレジットカードを利用したくても悪用されるのが不安と感じている方は、ぜひご検討ください。
クレジットカードによる歯科矯正費用の支払い方法はキャッシングだけではありません。クリニックによってはクレジットカードの分割払いにも対応しているケースもあります。一括払いが難しいときは、分割払いの利用を検討してみましょう。
カードローン
クレジットカードにもよりますが、ショッピング利用できる金額に比べて、キャッシング利用できる限度額が低く設定されている傾向があります。そのため、高額の商品やサービスに対してショッピング利用はできても、高額を借り入れることが難しいケースも少なくありません。
お持ちのクレジットカードのキャッシング限度額では歯科矯正の基本料金を支払えないときなどは、カードローンを検討してみることができるでしょう。カードローンは、クレジットカードとは異なり借り入れ専用のカードです。そのため、クレジットカードより借り入れの目的で利用しやすいでしょう。
クレディセゾンではまとまった金額の借り入れにも利用できるカードローン「MONEY CARD(マネーカード)」があります。利用上限額内なら何度でも借り入れと返済を繰り返し利用することができます。
マネーカードもSAISON CARD Digitalと同じく、ATMでの利用と指定の口座への振り込みの両方に対応しています。最短、お申し込みの当日の借り入れも可能なため、お急ぎのときにも利用を検討してみてください。
デンタルローン
クリニックによってはデンタルローンに対応していることがあるため、事前に相談してみましょう。デンタルローンとは歯の治療費用に利用できるローンのことで、金融機関などがクリニックと提携して提供しています。クリニックの窓口で申し込めることが多いため、金融機関に出向く手間がかからず、比較的利用しやすいでしょう。
クリニックでデンタルローンを提供していない場合は、金融機関のデンタルローンも検討できます。自分自身で金融機関に問い合わせる必要はありますが、支払い方法の選択肢が広がるでしょう。
ただし、クリニックが提供しているかどうかに関わらず、デンタルローンを利用するときには審査があります。審査結果によっては利用できないこともあるため、注意が必要です。
高校生や大学生もデンタルローンを組める?
未成年が矯正治療を受ける場合には、保護者の同意が求められます。また、デンタルローンを組む場合も、治療を受ける高校生本人ではなく保護者がローンを組むことになるでしょう。
デンタルローンによっては、ローンを組める対象年齢を18歳以上としているケースがあります。しかし、未成年が利用するときには保護者を連帯保証人とする必要があり、未成年だけでローンを組むことは難しいでしょう。
貯金をしてから歯科矯正を始める
デンタルローンやカードローンは、いずれも審査があり、審査結果によっては利用できないこともあります。審査通過が難しいときには、歯科矯正に必要な金額を貯金してから矯正治療を始めましょう。
ただし、矯正治療は始めるタイミングによって、費用総額や治療期間が変わることもあります。できるだけ早く治療を始めたい方は、月々の貯金額を多めに設定しておきましょう。月に30,000円を貯蓄すれば3年以内に100万円以上、月に50,000円を貯蓄すれば2年以内に100万円以上を貯めることができます。
歯科矯正のお金がないときのクリニックの選び方
歯科矯正の費用に不安があるときは、クリニック選びにも注意が必要です。クリニックによっては、矯正治療を受ける方が費用を払いやすいようにさまざまな支払い方法を用意していることがあります。支払いの負担が軽くなる主な方法としては、次の3つが挙げられるでしょう。
- デンタルローン
- 都度払い
- 窓口分割払い
これらの方法を提供しているクリニックは、比較的費用を支払いやすいと考えられます。それぞれの方法について、おさらいも含めて簡単に見ていきましょう。
デンタルローンを利用できるか
デンタルローンを利用できると、比較的低金利で歯科矯正の費用を借りられます。また、金融機関に行かなくても申し込めるため、手間をかけずにローンを組めるというメリットもあるでしょう。
都度払いが利用できるか
基本料金を一括で支払わない「都度払い」を利用できるクリニックもあります。都度払いとは、レントゲンを撮影した、矯正器具を付けたなど実施した治療内容に応じて費用をその場で支払う方法です。まとめて高額な治療費用を支払う必要がありません。
ただし、都度払いを利用しても、器具代として80,000円、マウスピースを交換するのに30,000円、というように毎回少なからず費用がかかります。自分に合う方法で、矯正治療を受けるようにしましょう。
窓口分割払いを利用できるか
クリニックによっては、窓口で分割払いできることがあります。その際、金融機関の審査は不要なため、誰もが利用できるという点がメリットです。また、ローンではないため金利がかからない点もメリットといえるでしょう。
ただし、窓口分割払いに対応しているクリニックは限られます。矯正治療を始める前に、窓口分割払いが可能かどうか確認しておきましょう。
おわりに
健康的な歯並びは、財産といえるでしょう。自分自身はもちろんのこと、子どもの歯並びについても一度考えてみましょう。歯並びが良くなると見た目の美しさだけでなく、歯磨きがしやすくなったり、虫歯や歯周病にかかりにくくなったり、さまざまなメリットがあります。
予算を立てた上で支払い方法を決めて、矯正治療を始めることが大切です。クリニックによっても費用総額は異なるため、いくつかのクリニックで相談し、比較検討すると良いでしょう。