住宅ローン控除の手続きをすると、所得税額や住民税額の一部が還付されることがあります。初年度の還付はいつ実施されるのか、どのような手続きが必要なのかまとめました。還付金をシミュレーションする方法もご紹介するため、ぜひ参考にしてください。
1.住宅ローン控除の初年度は確定申告が必要
住宅ローン控除の制度を利用するためには、初年度は確定申告が必要です。なお、初年度とは住宅ローンの返済が始まった翌年を指します。住宅ローン控除は最大13年間適用され、適用期間中は毎年申告手続きをすることが必要です。
勤務先で年末調整ができるのであれば、2年目以降は確定申告する必要がありません。税務署から送付される「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」や金融機関から送付される「年末残高等証明書」を使い、年末調整の際に手続きをします。個人事業主の方など、年末調整をしない方は、2年目以降も引き続き確定申告が必要です。税務署と金融機関から送付される書類を使い、適切に手続きをしましょう。
なお、控除制度には「所得控除」と「税額控除」があります。所得控除とは課税所得を減らすための控除で、税額控除は所得税の税額を減らすための控除です。住宅ローン控除は税額控除のため、控除額分がそのまま所得税の税額から減ります。
2.住宅ローン控除の初年度の還付金の受け取り時期
住宅ローン控除の手続きが受理されると、還付金が1ヵ月~1ヵ月半ほどで口座に直接入金されます。口座入金以外にも、ゆうちょ銀行や郵便局の窓口で受け取ることが可能です。
オンラインで確定申告できるe-Taxを利用した場合は、2~3週間で還付金を受け取れます。また、通常の確定申告は2月半ばから3月半ばですが、e-Taxは1月から申告可能です。早く還付金を受け取りたい方はe-Taxの利用も検討してみましょう。
住宅ローンを選ぶ際、「返済のしやすさ」も見逃せないポイントのひとつです。例えば、固定金利型の住宅ローンであれば、完済時まで同じ金利・同じ返済額が適用されるため、計画的に返済できるでしょう。借りる前に総返済額を計算できるのも、固定金利型の特徴です。
フラット35は固定金利型の住宅ローンです。最長35年間借りられるため、無理のない返済を続けやすいでしょう。セゾンのフラット35(保証型)は自己資金を準備することで低金利が適用される住宅ローンです。自己資金の割合が増えると、より低金利が適用されるため、総返済額を抑えることができます。
また、繰り上げ返済の手数料がかからないこともセゾンのフラット35(保証型)の特徴です。余裕があるときはこまめに繰り上げ返済を実施し、返済期間や毎月の返済額を減らすことも可能です。ぜひご検討ください。
参照元:国税庁「税金の還付」
2-1.還付金のシミュレーション例
住宅ローン控除により還付される金額は、以下の3つの金額のうちもっとも少ないものになります。
- 所得税額と住民税額の合計額(住民税額は課税所得額によって上限額が決まる)
- 住宅ローン控除の上限額
- 住宅ローンの残高の0.7%
例えば、課税所得額350万円の方が4,250万円の住宅ローンを借り、年末時点での住宅ローン残高が4,200万円、消費税10%で5,000万円の認定住宅を購入した場合について考えてみましょう。
なお、住民税額からの控除上限額とは、課税所得額の5%と9万7,500円のいずれか少ない金額です。この場合であれば課税所得額の5%は17万5,000円のため、住民税額からの控除上限額は9万7,500円となります。所得税は27万2,500円で、住民税額からの控除上限額との合計額は37万円です。
住宅ローン控除の上限額は3つの種類があり、次のように分けられます。
- 中古住宅・増改築:控除上限額は14万円または20万円
- 新築・分譲住宅:認定住宅など一定の条件を満たす:控除上限額は35万円
- 新築・分譲住宅:一定の条件を満たない:控除上限額は14万円または21万円
この場合は、2つ目の控除上限額35万円に該当します。また、住宅ローンの残高の0.7%は29.4万円です。以上により、3つの金額のうちもっとも少ない「住宅ローンの残高」である29.4万円が還付されます。
所得税額と住民税額からの控除上限額の合計 | 37万円 |
住宅ローン控除の上限額 | 35万円 |
住宅ローンの残高の0.7% | 29.4万円 |
2-2.還付金が思ったよりも少ない理由
還付金が思ったよりも少ないときは、対象となる住宅が中古住宅である可能性が考えられます。また、そもそも所得税額や住民税額が少ない場合も、還付上限額が少なくなる点にも注意しましょう。
参照元:国税庁「所得税の税率」
参照元:国土交通省「すまい給付金」
3.2年目以降の受け取り時期
確定申告で住宅ローン控除の手続きをする場合は、2年目以降も申請後1ヵ月~1ヵ月半ほどで還付金を受け取ることが可能です。e-Taxを利用すると2~3週間ほどで受け取れます。年末調整で手続きをするときは、会社にもよりますが、12月や1月の給与に反映されることが一般的です。
4.住宅ローン控除の手続きを忘れずに行おう
住宅や所得税額、住宅ローンの残高にもよりますが、住宅ローン控除を申請することで年間最大35万円の還付金を受け取れます。手続きを忘れずに行い、還付を受けられるようにしておきましょう。