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開業届を出すデメリットはあるの?開業手続きの仕方も含めて解説

開業届を出すデメリットはあるの?開業手続きの仕方も含めて解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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開業届を出すと失業保険がもらえなくなる可能性があるなどのデメリットがあります。一方で、出すことのメリットもあるため、どちらが良いのか一概にはいえません。本コラムでは、開業届を出すメリットやデメリットのほか、そもそも開業届を出す必要はあるのか、提出するかどうかの判断は何を考慮して選べば良いのかについて解説します。

1.開業届を出すデメリット

開業したときは、税務署に開業届を提出します。しかし、開業届を出すことでデメリットを受けることもあるため注意が必要です。例えば、開業届を出すと青色申告できるようになりますが、青色申告は帳簿付けが複雑です。その他にも次の2つについてデメリットとして挙げられるでしょう。

  • 失業保険を受け取れなくなる
  • 専業主婦・主夫は配偶者の扶養に入れない可能性も

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1-1.失業保険を受け取れなくなる

失業保険(雇用保険の基本手当)は、雇用される予定や就職の内定を受けていない失業状態のときに受給できます。ただし、就職する予定がない場合や会社の役員に就任している場合、あるいは自営業の方は受給できません。

個人事業主として開業届を出すと自営業になるため、失業保険の受給要件に該当しなくなってしまいます。

現在、失業保険を受け取っているときは受給期間が終わってから開業することも検討すると良いでしょう。しかし、失業保険を受給するために開業の時期を逃すのも本末転倒といえます。事業計画が明確に決まっており、利益が見込めるときは、時期を逃さず開業することも大切です。

参照元:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」

1-2.専業主婦・主夫は配偶者の健康保険の扶養に入れない可能性も

配偶者が加入している健康保険制度によっては、開業届を出している専業主婦・主夫は扶養対象外となることもあります。また、開業届を出していても扶養対象となれる健康保険制度であっても、一時的でなく継続的に経営状態が良くない場合以外には扶養対象になれない健康保険もあるため注意が必要です。扶養条件については各健康保険組合などが決めていますので事前に条件を確認しましょう。

配偶者の扶養の範囲で働きたいと考えている方は、開業しないという選択肢も検討できますし、開業を前提とする場合には、国民健康保険に加入して保険料を納付することも検討しましょう。

2.開業届を出すメリット

開業届を出すことには、メリットもあります。主なメリットとしては、次の3つが挙げられるでしょう。

  • 青色申告できる
  • 社会的信用を得やすくなる
  • 屋号名義の口座を開設できる

それぞれのメリットについて、詳しく解説します。

2-1.青色申告できる

開業届と青色申告承認申請書を税務署へ提出することで、青色申告できるようになります。青色申告とは確定申告の方法のひとつです。収入や経費に関する取引状況を記録した複式簿記の作成と保管の義務が生じますが、次のようなメリットが期待できます。

  • 家族への給与を経費にできる
  • 所得控除額を増やせる
  • 赤字を翌年以降に繰り越せる

それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

家族への給与を経費にできる

青色申告を選択しているときは、家族への給与を経費として扱うことができます。給与は全額経費計上できるため、課税所得額が減り、節税につながります。開業届を出さないと、そもそも青色申告できないため、家族への給与は経費計上も当然できません。家族へ支払った給与を経費として課税所得額を減らしたい方は、青色申告の選択を検討しましょう。

・所得控除額を増やせる

青色申告しているときは最大65万円の青色申告特別控除が適用されます。青色申告特別控除が適用されると、課税所得額が最大65万円減り、その分、所得税や住民税を減らすことが可能です。

なお、青色申告を選択しないときは自動的に白色申告となります。白色申告では複式帳簿の作成や保管の義務がないため、帳簿作成は簡便化できる点はメリットといえるでしょう。しかし、白色申告でも帳簿を正しく作成することや一定期間保管することは義務付けられているため、青色申告と比べて大幅に手間が減るというわけではありません。

参照元:国税庁|記帳や帳簿等保存・青色申告

・赤字を翌年以降に繰り越せる

青色申告しているときは、赤字を翌年以降3年間にわたって繰り越し、その年度の課税所得額を減らすことができます。例えば、今年の赤字が300万円であれば、翌年の課税所得額から赤字分を差し引き、課税所得額を減らすことが可能です。

翌年だけでは赤字を全額消化できない場合は、翌々年、さらにその翌年と繰り越せるため、長期にわたって節税できるでしょう。ただし、赤字分を差し引き、翌年の課税所得額がプラスになったときは、所得税を納付する必要があります。

2-2.社会的信用を得やすくなる

開業届を税務署に提出すると、開業届の控えを受け取ります。開業届の控えは事業を行っている証明書として提出できることがあり、金融機関に借り入れを申し込むときにも有効です。

また、開業届を出さずに事業を行うときは、本業が別にある場合を除き、仕事を証明することが難しいケースもあるでしょう。開業届の控えは仕事を証明する書類としても活用できるため、より社会的信用を得やすくなります。

2-3.屋号名義の口座を開設できる

開業届には屋号を記載する欄があります。銀行口座を開設するときに開業届の控えを提出すれば、屋号名義の口座を開設することも可能です。プライベートと仕事の口座を分けられるため、資金管理しやすくなるというメリットもあるでしょう。

また、口座名が個人名ではないことで、取引先や顧客が安心しやすくなるというメリットもあります。例えばECサイトを運営し、お客様からの入金方法の一つとして口座振り込みを選択できるとしましょう。口座名が個人名の場合、お客様によっては不安を感じて購入をためらうため、販売の機会を失うかもしれません。

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3.そもそも開業届を出す必要はある?

開業届を出すメリットとデメリットについてご紹介しましたが、そもそも開業届を出すかどうかは選択できるものなのでしょうか。開業届の提出ルール、開業できないケースなどについて見ていきましょう。

3-1.開業日から1ヵ月以内に提出するのがルール

所得税法では、開業したら1ヵ月以内に提出することが義務付けられています。そのため、開業届を提出するとデメリットを被る場合でも、開業したときは税務署に開業届を提出しなくてはいけません。

開業届は国税庁のホームページからダウンロードできます。印刷して記入し、税務署の窓口に直接提出するか、郵送で提出しましょう。なお、窓口で直接提出する際には本人確認書類を提示します。郵送提出のときは本人確認書類の写しを添付しましょう。

参照元:国税庁「個人事業の開業・廃業等届出書

3-2.副業禁止のサラリーマンの開業は難しい

開業届を提出すれば、誰もが個人事業主として事業を行うことができます。しかし、勤務先で副業を禁止されている場合は、開業届を出して仕事を始めることは難しいといえるでしょう。

会社員の方は、開業届を提出する前に、就業規則で副業についてどのように定められているか確認します。副業を禁じられている場合は規則を守り、副業をしないようにしましょう。どうしても副業をしたい場合、あるいは開業して個人事業主として働きたい場合は、退職するか、副業が可能な職場への転職も視野に入れましょう。

おわりに

開業届を出すかどうかは本来選ぶものではありません。開業したときは開業届を1ヵ月以内に税務署に提出することがルールです。実際に開業届を提出することで受けられるメリットも多く、節税や利益増を実現することができます。期限を守り、正しく手続きをするようにしましょう。

また、副業禁止の勤務先に勤めている方は、副業をしないことがルールです。開業の意思が強く、綿密な事業計画を立てている場合は、退職や転職も視野に入れることができます。開業届を出すデメリットよりもメリットが多いことを理解し、期限内に正しく手続きをしましょう。

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