車を新たに購入する際に、ディーラーや金融機関を通してローンを組む方は少なくないでしょう。しかし、車を購入時のローン申請がスムーズに通らないケースもあります。
本コラムでは、どのような場合にローン申請が通りにくいのか、また、ローン申請を通りやすくする方法はあるのかを考えていきます。
車のローン申請が通らないときの対処法もご紹介していくので、車の購入を考えている方やローン審査が心配な方はぜひご確認ください。
車のローンが審査に通らないのはなぜ?主な理由とは
車の購入において、ローンを組むには審査があり、誰でも組めるものではありません。車のローン審査が通らないケースや通りにくいケースを解説していきます。
収入が少ない
ローンはお金を借りることです。ローンを組む際には、返済能力があるかどうかが重視されるため、ローン返済を見込める程度の収入があるかどうかは大事な審査基準のひとつです。収入が少ないと、返済能力が足りないと判断され申請は通りません。
車購入時に借り入れる金額によって収入の目安は異なりますが、一般的には「前年度の年収200万円以上」がベースです。個人事業主の場合は年収ではなく「所得金額」が審査対象となります。
年金収入のみの場合はローンが組めないケースもあるため、該当する方はディーラーや金融機関へ事前に確認しておくと安心でしょう。
収入が安定していない
車のローンの審査では、安定した収入があることもひとつのポイントです。企業の正社員や公務員など、正規雇用の方は安定的な収入があり返済能力があるとみなされ、審査が通りやすいのが特徴です。
一方、自営業をしている方や個人事業主、アルバイト・派遣社員・フリーターといった非正規雇用の方の場合は、収入が安定していないとみなされてしまい、審査に通らないことがあります。
今現在の借入金が多い
車のローンだけでなく住宅ローンやクレジットカード会社のキャッシングも利用しているなど、借入金が多い場合はローンが通らないことがあります。
年収と借入金額のバランスが重視され、車のローンに加えて他の金融機関からの借入金も考慮して返済能力があるかどうか判断されるためです。
他の金融機関のローンも含めて借入金総額が年収の一定以上の割合を占めると、ローン審査が通らない、といった線引きが設けられているケースもあります。
勤続年数が短い
先述したように、安定した収入はローン審査の際の重要な判断ポイントです。安定した収入を得ているかどうかを判断するために、勤務年数が審査基準となるケースもあります。車のローンの審査で一般的に問われる勤続年数は、同じ職場に勤めて1年以上もしくは2年以上であることです。
連続勤務年数が少ない、社会人になりたて、転職したばかり、といった場合は審査に通りにくい可能性があることを心に留めておきましょう。
信用情報機関に事故情報がある
車のローンの審査では、信用情報も重要な審査基準です。自己破産や、ローンの未払い、支払い遅延といった信用情報機関における事故情報があると、審査に通る可能性が低くなります。
直近の5年から10年以内に自己破産や債務整理をした、ローンの返済、公共料金、税金、携帯電話料金などにおいて、未払いや支払いが大きく遅延した経験がある、といった方は注意が必要でしょう。
年齢が適していない
車のローン申請に際しては、返済能力を加味して年齢制限を設けているディーラーや金融機関がほとんどです。
<年齢制限の例>
- 借入時に満18歳以上、完済時に満70歳未満
- 借入時に満18歳以上かつ満66歳未満、完済時に満71歳未満
- 借入時に20歳以上かつ80歳未満、完済時に80歳未満
このように、金融機関により設定年齢は異なります。
申込内容に虚偽や不備がある
車のローン申し込みの際に、事実に反する内容を申告した場合は、審査が通らないことも覚えておきましょう。申込内容に虚偽があると信頼を失います。年収を多く記載する、退職した企業を勤務先として記載するなど、嘘の申告は言語両断です。
また、意図的でなくても必要な書類に不備があると審査に通らないことがあるため、書類をそろえる際は気を付けましょう。引っ越しをしたため本人確認書類に書いてある住所と現住所が違う、直近のものではない源泉徴収票を用意してしまったなどは、起こりやすいミスです。
ローンを申請する機関により、必要な書類も異なります。書類の確認は充分に行いましょう。
車のローン審査を通すコツ
車のローン審査には、通りやすくするコツがあります。「審査に通るか不安」「ちょっと厳しいかな…」といった印象があるときなどは、事前に対策を講じてみるのもひとつです。
各ローンの申し込み条件を事前にチェックする
車のローン会社によって、審査基準や条件は異なります。例えば、勤続年数や、年齢制限などはさまざまです。
各ディーラーや金融機関の条件を事前にチェックして、ご自身にマッチしたローンを探すと、審査落ちのリスクを軽減できるでしょう。
今現在の借入金を減らす
「すでに借入金があり車のローン審査が通るかどうか心配」という方は、ローンやキャッシング利用分をできるだけ返済するのもひとつの手段です。借入金を減らして収入とローンのバランスをとっておくと、審査に通りやすくなります。
クレジットカード会社のキャッシングの返済を終えてから車を購入するなど、タイミングをずらしてローンを組む方法も有効でしょう。
信用情報機関に問い合わせて自身の情報を事前にチェックする
信用情報機関におけるご自身の情報を事前に確認し、何か解決しておくことができる情報がないか確認してみましょう。「支払いを忘れていた」「実は滞納金があった」といった状況が発生しているケースもあるかもしれません。
必要に応じてローン審査の前に信用情報機関に問い合わせて、確認しておきましょう。信用情報を扱う機関は3つあります。
<信用情報機関>
- CIC(指定信用情報機関)
- JICC(日本信用情報機構)
- KSC(全国銀行個人信用情報センター)
機関により申し込み方法や手数料は異なります。
転職を避ける
車のローンを申し込む予定がある方は、収入の安定性確保のため、転職を避けておくことも大切です。勤続年数のリセットで審査に通らない、といったケースを避けましょう。審査前はもちろん、審査中の転職も避けたほうがベターです。
車のローン申請と転職を同時期に考えている方は、ローン申請を優先し、審査を終えてから転職するのがおすすめです。
仮審査を活用する
ローンを申請する前に、仮審査を受けて自身の状況を把握する方法もあります。仮審査とは、落ちても信用情報機関に履歴が残らず、本審査よりも短い期間で結果が分かる審査です。
借り入れ可能かどうかの目安が分かると同時に、金利の目安や借入可能額の目安も分かるため、ローンを申請する金融機関の選定や借入希望額を調整したりする際に役立ちます。
審査に通るか不安な方は、ぜひこの仮審査も活用してみてはいかがでしょうか。
車のローンが通らない場合の対処法
車のローン審査に通りやすくするための対策を講じても、ローン申請が通らないケースもあるかもしれません。万が一、車のローンが通らなかった場合の対処法もご紹介していきましょう。
ローンの申し込み金額を下げる
これまでにご紹介したように、ローン審査では年収と借入金額のバランスが重視されます。収入に見合った金額であれば審査に通りやすくなります。そのため、一度審査落ちした場合でも、申し込み金額を下げることで通る可能性もあるのです。
ローンの申し込み金額を下げるための具体的な方法としては、より安い車に変更する、中古車を検討するなどさまざまな手段があります。今乗っている車があれば下取りに出したり買取りに出したりして、新しい車の購入費用に充てるといった方法を検討しても良いでしょう。
頭金を準備する
前項に関連して、ローンの申し込み金額を下げる方法として、頭金を多めに準備する手もあります。ある程度まとまった金額の頭金を準備してローンの申し込み金額を下げることができれば、無理なく返済できると判断され、審査に通る可能性がアップするでしょう。借入金が少なく済む分、支払う利息も下げられるので一石二鳥です。
誰かに保証人になってもらえるようお願いする
保証人を立てることで審査が通りやすくなるケースもあります。「収入や仕事が安定していないために車のローンが通らなかったのではないか」と気にしている方にとっては保証人の存在は心強いでしょう。
保証人を立てた場合、申請者本人だけでなく、保証人の返済能力も審査対象です。借入金が少なく、ローンの返済、公共料金、税金、携帯電話料金などにおいて、未払いや遅延といった事故情報がない方にお願いしましょう。
親や配偶者といった親族に連帯保証人を依頼するケースが一般的ですが、高齢者や、年金で暮らしている方の場合は認められないこともあります。
事故情報が解消されるまで待つ
信用情報において事故情報がある方の場合は、事故情報が解消されるまで待ってから申請をやり直す方法もあります。事故情報を含む信用情報の登録期間は、一般的に5年から10年といわれ、一生残るものではありません。
時間はかかりますが、事故情報が登録されている方は、車の購入タイミングを数年ずらすことも検討してみましょう。
料金の未払いや遅延がある場合は、一括返済することで信用回復につながるケースもあります。こういった場合は、まずは完済して問題解決を図りましょう。
カーリースを利用する
車購入においてローンの審査に通らない場合は、思い切って購入ではなくカーリースを活用するという選択肢もあります。カーリースとは、契約者のためにリース会社が購入した車を、月々定額料金を支払って借りる仕組みです。
カーリースをする際にも審査がありますが、車購入時のローン審査に落ちた方でも通りやすい特徴があります。車両の本体価格に加えて自動車税や自賠責保険などの経費も月々の料金に含まれていて、一時的にまとまったお金を準備しなくて済むことがメリットです。
他のローンを利用してみる
車のローンには、ディーラーローンや金融機関のローン、クレジット会社によるカードローンなど多様な種類があります。ローンを組むことができる機関の選択肢は実は豊富です。
機関により条件が異なり、初めに申し込んだ車購入におけるローンが通らない場合でも、違うローンに変えれば通る可能性もあります。
<代表的なローン>
- ディーラーローン
- 銀行ローン
- カードローン
ディーラーローンとは、車を購入する際にディーラー側で用意しているローンです。車を担保に、信託会社やカード会社などディーラーが提携している先から借り入れをします。ディーラーローンは比較的審査が通りやすいといわれる反面、金利は3%から6%とやや高いのが特徴です。
銀行ローンはディーラーローンよりも審査が厳しい傾向がありますが、金利は1%台から4%ほど、返済期間もディーラーローンよりも長いといった特徴があります。
購入希望の車を変更する
どうしてもローン審査に通りたいときは、思い切って購入希望の車をより安い車種へ変更すれば、借入申請金額を減らすことができ、審査通過につながります。新車にこだわりがなければ、中古車から選ぶなどでも車の購入費用を抑えることが可能でしょう。
場合によってはローンを組まずに一括で購入できるケースもあるかもしれません。
購入希望の車のグレードを下げる
購入する車の車種の変更や中古車に対して抵抗がある場合は、購入希望車種を変えずに、グレードを落とす方法もあります。
おすすめのローンサービス
車を購入する際のローンサービスの選択肢は多種多様です。ディーラーローンや金融機関ローンの他にクレジットカード会社のローンなども視野に入れてみてはいかがでしょうか。
フリーローンといい、利用目的が問われない借り方もできます。
クレディセゾンのMONEY CARD(マネーカード)
クレディセゾンの「MONEY CARD(マネーカード)」は、資金の利用目的が自由であることに加え、年会費・入会費が0円であるため、保有コストがかかりません。融資額も最大300万円です。全国のコンビニ・ATMで利用できるため、急な支出にも備えられます。
資金の利用目的が自由なので、車の購入資金に充てることも可能です。
マネーカードについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
おわりに
車のローンが通らないときには、収入が足りない、返済能力が足りないと判断される、信用情報において事故情報があるなど、さまざまな理由があります。
スムーズに審査が進むよう、頭金を工面する、車種を変更するなどの方法で申し込み金額を減らしたり、保証人を立てたり工夫をしてみると良いでしょう。
借入先をひとつに絞らず、ご自身にマッチする機関を探したり、フリーローンなども視野に入れて検討したりすることもおすすめです。