人生の一大イベントともいえるマイホームの購入。いつかは戸建て住宅を建てたいと思っていても「どのタイミングで購入するのがベストなのかわからない」という方が多いのではないでしょうか。
当コラムでは、家を買うタイミングや失敗しないためのポイントをご紹介します。購入のメリットとデメリットもまとめていますので、住宅購入を検討中の方はご一読ください。
この記事のまとめ
子どもの誕生や親との同居などのライフイベントをきっかけに、家を購入する方は少なくありません。しかし、これらのライフイベントだけでなく、国内・国際情勢、金利・税制改正なども総合的に判断して、家を買うタイミングを検討しましょう。
家を購入するメリットは、家賃を払い続ける必要がないことや資産となることです。また、バリアフリー化が可能なことも魅力です。その一方で、頭金や諸費用がかかる、住み替えしにくいなどのデメリットもあるため、どちらの側面も理解しておきましょう。
購入に当たっては、予算を明確にし、長い目で見て住みやすい家を選ぶことが重要です。住宅ローン商品を選ぶときは、専門家に相談するのもおすすめです。
【項目別】家を買うタイミングはいつ?
年齢や子どもの誕生などを住宅購入のタイミングだと考えている方も多いですが、どれかひとつだけを切り取って決めるのはおすすめできません。住宅購入の際は、ライフイベントだけでなく、年齢・世帯年収・金利などの項目を総合的に判断して購入することが重要です。
まずは、それぞれの項目ごとにおすすめのタイミングを見ていきましょう。
ライフイベント
家を買うタイミングで多いのが、ライフステージが変わるときです。よくある4つの動機を以下にまとめました。
結婚
最も多いのが、結婚を機に家を購入するケースです。新居での幸せな生活をイメージして、家を買う方も少なくありません。また、将来的に家族が増えることを見越して、家を買う方も多いでしょう。
なかでも、特に多いのが20~30代のカップルです。結婚をきっかけに家を買うケースでは、夫婦で初めて生活する空間を自由に決められるだけでなく、早い段階から収入を家賃に回さずに済むことも魅力です。
働き始めて間もない若い世代では「ローンを返済できるか不安」「安い家しか建てられないのでは」と感じる方もいるでしょう。
しかし、共働きであれば債務者に何かあったときの資金面の不安を小さくできますし、夫婦共同でローンを組むことも可能です。お互いに働くことで、購入可能な家の選択肢を広げることもできるでしょう。
参照元:家を買うタイミングは早めがおすすめ!理由をデータで解説|株式会社groove agent
子どもの誕生
家を購入するタイミングとして結婚と並んで多いのが、子どもの誕生です。アルヒ株式会社が行ったアンケートによると、子育て世帯の半数以上が、子どもの誕生前後に家を購入していることが分かります。内訳は「妊娠中」が23%、「乳幼児のとき」が33%です。生活スペースを確保するため、子どもが生まれることによる近所への影響をなくすために、持ち家を求める方が多くなっています。
また、より良い環境で子育てをしたいと考えて持ち家を購入する方も少なくありません。そのようなケースでは、学校・病院・公園・スーパーなどの周辺施設が充実しているか、大きくなったときに通学しやすいかなどを重視して家の購入を決めるのが一般的です。
参照元:住宅購入のタイミング”を調査!そのときの「子どもの年齢」はいくつだった??|アルヒ株式会社
親との同居
高齢化が進んだことで、親の見守りや介護などを目的に同居をするケースも増加しています。もともと暮らしていた賃貸マンションなどで同居することもありますが、家族全員が生活するには手狭だと感じることもあるでしょう。
また、バリアフリーでない場合も多いため、介護する側・介護される側両方が快適に暮らせるように、さまざまな工夫を凝らした家を購入するケースも珍しくありません。
二世帯が一緒に暮らす場合は、子世帯にもさまざまなメリットがあります。親世帯が元気であれば家事や子育てのサポートを得られますし、土地にかかる相続税を抑えられる可能性もあります。
老後への備え
老後のことを考えた上で家を購入するケースもあります。このタイミングでの購入は、子どもが独立し、定年退職後のことを考えるようになる40~50代の方に多く見られます。
30歳のときに子どもが誕生した場合、大学を卒業するのは50代半ばです。学費などにかかっていたお金が必要なくなり、金銭的な余裕が出てくる年代であるといえます。
また、40~50代で家を購入するのは、子どものいる世帯だけではありません。ひとり暮らしの方であっても、将来を見据えて賃貸ではなく持ち家に住みたいと願う方が多くいます。
ただし、この年代の方は住宅ローンを組みにくい可能性もあります。くわしくは次の項目でご説明しますので参考にしてください。
年齢
国土交通省による2021年度の「住宅市場動向調査」では、初めて注文住宅・分譲戸建住宅・分譲マンションを購入したタイミングで最も多いのは、30代であることがわかっています。また、中古戸建住宅を初めて購入する方の平均年齢は43.2歳、中古マンションは43.6歳です。2回目の住宅購入は40~50代の方に多くなっています。
一般的に、家を購入するときは住宅ローンを組むことが多いでしょう。銀行によって借りられる条件は異なりますが、20歳以上70歳未満、80歳までに完済することになっているケースがほとんどです。住宅ローンを借りられるのは最長で35年です。つまり逆算すると、45歳までに家を購入するのが良いということになります。
それ以降にローンを組む場合は借入期間が短くなるため、毎月の返済額が大きくなります。70代での支払いは収入面での不安もあるでしょう。そのため、年齢的にはできるだけ若いときに家を購入するのがおすすめです。
参照元:国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」、家を買うタイミングはいつ?今が買い時か判断しよう【2022年版】株式会社Speee
世帯年収
「住宅市場動向調査」では、注文住宅を初めて購入するときの世帯年収の平均が733万円であることもわかっています。世帯年収とは、その世帯全体の年収の合計を指します。
この世帯年収はあくまでも全国平均です。三大都市圏(東京大都市圏・名古屋大都市圏・大阪大都市圏)においては、816万円と大きく跳ね上がります。
これらの都市圏では、なぜ初回購入時の平均世帯年収が高くなるのでしょうか。東京都を例に見てみると、地価が上昇し続けており住宅の販売額も高くなっています。そのため、注文住宅を購入する際の世帯年収も、他の地域と比べてより高い必要があるといえるでしょう。
ただし、これだけの世帯年収がなければ家を買えないということではありません。
家族構成
家族構成の変化も、住宅購入のきっかけであるといえるでしょう。前述の調査によると、注文住宅を購入した世帯の平均居住人数は3.3人です。また、分譲戸建住宅は3.6人、分譲マンションは2.7人となっています。
タイミングとしては、結婚生活が安定して子どもが生まれたとき、親と同居を開始するときなどが考えられます。子どもと生活するときと、親と同居するときでは、それぞれ必要としている家も異なるでしょう。
どのような暮らしを送っていくのか、どのような設備が必要なのかを考えた上で、家づくりをしていくことが求められます。
国内情勢・国際情勢
国内情勢や国際情勢なども、家を買うタイミングを考慮する上で重要なポイントです。
例えば、オリンピックのような大きなイベントがあるときは、主要施設が建設されインフラの整備も進むことで不動産価値が上昇傾向になります。そしてイベントの開催後には景気が後退し、家の価格が一時的に値下がりする傾向にあります。
しかし、終了後もなだらかに不動産価値が上昇を続けたロンドンオリンピックの例からも分かるように、必ずしもそのとおりになるわけではありません。
近年では、新型コロナウイルスの影響でウッドショックが起こり、建材や設備機器の納期遅延、価格上昇などが問題となっています。また、ロシアのウクライナ侵攻なども、建材不足や価格上昇に拍車をかけている現状があります。
このように、世の中の情勢により住宅価格が上昇することがあるため、動向をよく見ることが重要です。
金利や税制改正など
家の購入を検討している方にとって大きなポイントとなるのが、金利です。近年の傾向を見てみると、20年以上低金利が続いています。
日本の景気を回復させるために、今後も低金利政策は続くと考えられています。金利タイプを全期間固定金利(借入期間中の金利が一定になるタイプ)にしておけば、金利上昇局面でも低い金利のまま住宅ローンを返済することができるでしょう。
また、住宅ローン控除についても知っておく必要があります。2022年の税制改正により、控除の割合が1.0%から0.7%になりました。その代わりに新築の場合は、控除を受けることができる期間が延長されて13年となっています。
参照元:個人所得課税|財務省
家を購入するメリット
家を購入するメリットを以下にまとめました。
- 賃貸に家賃を払い続ける必要がない
- 住宅ローン完済後は毎月の居住費が安く済む
- 資産になり社会的信用度も高まる
- 好きなようにカスタマイズした家で快適な生活を送れる
- 介護などを目的としたバリアフリー化も可能
- 住宅ローン契約者に万一のことがあった場合は団信加入者は支払いが不要になる場合も
住宅ローンを完済したあとにかかる居住費は、固定資産税や管理修繕費のみです。家賃を払い続ける必要がある賃貸とは異なり、老後は生活に余裕ができるでしょう。
住宅ローンの契約者に何かあった場合のことを心配する方も多いかもしれません。そのようなときのために用意されているのが、団体信用生命保険です。契約者が死亡や高度障害状態になるとローン残高が0円となるため、家や家族を守ることができます。
家を購入するデメリット
メリットの多い住宅購入ですが、デメリットもいくつかあります。
- 購入する際に頭金や諸費用がかかる
- 住宅ローンを組む際は審査をクリアする必要がある
- 購入後は固定資産税などの税金を納める必要がある
- ライフスタイルや家族構成が変わったときの住み替えが難しい
- メンテナンス費用がかかる
- 売却時に買い手がつかない・希望価格で売れない可能性がある
住宅ローンは、誰でも組めるわけではありません。年収や勤続年数の他、健康状態などによって審査を通過できないこともあります。また、安定した職業に就いているかどうかも審査基準のひとつです。新しい仕事を始めて3年以内の方は、審査に通らない可能性があります。
また、住宅は老朽化していきます。定期的にメンテナンスが必要となり、その度に費用もかかるでしょう。新築のときには不具合がなくても、修繕が必要なところは次第に増えていきます。そのため、修繕費も増えていくことが予想されます。
住宅には資産であるがゆえのデメリットもないわけではありません。不動産価格の下落などの影響を受ける可能性があり、希望価格で売却できないということも起こり得ます。
家の購入で失敗しないための注意点
「家の購入で失敗した」という事態を防ぐためには、どのようなことに注意したら良いのでしょうか。購入する前に最低限知っておきたいポイントを、見ていきましょう。
客観的な視点から家の購入について考える
まずは、客観的な視点を持つことが必要です。家の購入を検討し始めると、冷静に考えられなくなってしまうことがあります。今後にかかる費用などを考えると、家を購入しない方が良いケースや、新築ではなく中古住宅が良いケースがあります。
ご紹介した家を買うタイミングを参考にして、本当に今家を買うべきなのかを客観的に考えることが重要です。家族ともよく相談した上で計画を進めていきましょう。
予算を明確に
希望をすべて満たす家は、高額になりやすく予算をオーバーすることもあります。希望条件に優先順位をつけて、予算を考えながら本当に必要なものを見極めていくことが大切です。
家を購入する際は、土地や家の費用以外にもさまざまな費用がかかるため、そのあたりも考慮しておくことも必要です。
長い目で見て住みやすい家を選ぶ
家は、そのときだけ住みやすければ良いわけではありません。この先20年、30年というスパンで暮らしていくことを考えてみましょう。その間には、家族が増えたり、介護が必要になったりすることもあるかもしれません。長期的な目で見て、生活に見合った家を購入しましょう。
ご自身に合った住宅ローンを選ぶ
住宅ローンの借入先や金利タイプには、さまざまなものがあります。そして、何を選択するかによって、返済額ももちろん変わってきます。
また、住宅ローンを選ぶ際は、諸費用を含めた総返済額や団体信用生命保険の保障内容の他、付帯するサービス、さらには金利上昇リスクなどにも目を向けることも重要です。
しかし、これらをすべてご自身で把握して、住宅ローンを比較するのは困難です。負担を軽くして、ご自身にぴったりの住宅ローンを選ぶためには、一度専門家に相談してみるのも良いかもしれません。
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おわりに
家を買うタイミングはそれぞれです。結婚や親との同居などをきっかけに購入する方が多いですが、この先住宅ローンを支払っていくことを考えると世帯年収や国内・国際情勢なども考慮する必要があるでしょう。その際には、家族とよく相談しながら客観的に判断していくことが求められます。
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