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住宅ローンの残高証明書はどんなときに必要?再発行もできる?

住宅ローンの残高証明書はどんなときに必要?再発行もできる?
セゾンのくらし大研究 編集部

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残高証明書は、住宅ローンを借り入れしている金融機関から毎年郵送される書類です。「どんなときに必要なのか?」「保管するべきなのか?」などの疑問を持つ方もいるでしょう。

本記事では住宅ローンの残高証明書についての概要や届く時期、住宅ローン控除の際の使い方、再発行の方法

などを解説します。住宅ローンの残高証明書についてくわしく理解したい方や、住宅ローン控除の対象となっている方はチェックしてください。

この記事を読んでわかること
  • 住宅ローンの残高証明書は、住宅ローン控除申請に必要な確定申告の手続きや年末調整の際に使用するもの。
  • 万が一なくしたり、繰り上げ返済した際は、金融機関のWEBサイトや取引店舗に再発行を依頼することができる。
  • 年末調整に再発行が間に合わない場合は、ご自身で確定申告するか勤め先に相談すると良い。
住宅ローン相談窓口
住宅ローンの相談窓口

住宅ローンの残高証明書はどんな書類?

住宅ローンの残高証明書はどんな書類?

まずは住宅ローンの残高証明書とはどんな書類か、具体的にどんな内容が記載されているのかご紹介しましょう。

住宅ローンの残高証明書とは年末時点のローン残高を証明する書類

住宅ローンの残高証明書とは、年末時点のローン残高を証明する書類です。発行元は、住宅ローンを借り入れしている金融機関や住宅金融支援機構(フラット35を利用した場合)です。一般的には、圧着はがきなどで普通郵便としてポストに届きます。

「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」または「融資額残高証明書」とも称されるこの書類は、住宅ローン控除の適用を受ける際の確定申告や年末調整に使用されます。

住宅ローンの残高証明書の記載内容

住宅ローンの残高証明書に記載されている項目は主に下記のとおりです。

  • 借り入れをしている方の氏名と住所
  • 借入金の内訳(住宅のみ・土地等のみ・住宅及び土地等の3種類)
  • 年末時点での借入金の残高
  • 当初の借入金の残高
  • 返済期間
  • 居住用家屋の取得の対価等の額または増改築等に要した費用の額

なお、国税庁の公式サイトでは「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」の見本を確認できます。金融機関発行の書類もほぼ同様の書式のため、ぜひ参考にしてみてください。

参照元:国税庁「申告所得税関係」

住宅ローン相談窓口
住宅ローンの相談窓口

住宅ローンの残高証明書はいつ届く?

住宅ローンの残高証明書はいつ届く?

「住宅ローンの残高証明書はいつ届くのか?」と心配されている方もいるのではないでしょうか。ここからは残高証明書が届く時期の目安をご紹介します。

通常10月頃から発送が開始される

住宅ローンの残高証明書は、一般的に毎年10月中旬前後を目安に金融機関から発送されます。

例えば、三菱UFJ銀行では、以下のスケジュールで2024年度分の残高証明書が発送されました。

借入日作成基準日発送予定日
2024年9月30日(月)まで9月末2024年10月9日(水)
2024年10月1日(火)~12月30日(月)12月末2025年1月15日(水)

参照元:三菱UFJ銀行「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」の発送時期が知りたい。

発送時期は金融機関によって前後するため、細かなスケジュールについては借入先の金融機関に確認をとりましょう。

契約した年は契約月によって発送時期が異なる

先述のとおり、残高証明書の一般的な発送時期は毎年10月中旬前後です。しかし、住宅ローンの借り入れを行った初年度については、契約した月によって発送時期が変わるため注意しましょう。

金融機関によっても異なりますが、1~9月に借り入れを行った場合は10月中旬頃発送、10~12月に借り入れを行った場合は翌年1月中旬頃発送となるケースも見受けられます。

フラット35では入居日によって発行時期や方法が異なる

「フラット35」とは、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する、最長35年の全期間固定金利の住宅ローンです。

フラット35を利用した際は「融資額残高証明書」が住宅金融支援機構から発送されます。時期と方法については通常の金融機関と異なるため注意しなければなりません。。

2024年度におけるフラット35の融資額残高証明書の発行スケジュールは、以下のとおりです。

住宅ローンの契約締結時期金融機関における入居確認等融資額残高証明書の発行方法
2015年1月1日から
2023年12月31日まで
2015年1月1日以降2024年10月2日に
機構から郵送
2024年1月1日から
2024年8月31日まで
2024年1月1日から
2024年8月31日まで
2024年10月2日に
機構から郵送
2024年9月1日から
2024年12月31日まで
ご返済窓口の
金融機関にて発行
住宅ローンの契約締結日の翌年2025年10月上旬に
機構から郵送予定
2024年9月1日から
2024年12月31日まで
2024年9月1日から
2024年12月31日まで
2025年1月30日に
機構から郵送
住宅ローンの契約締結日の翌年2024年10月上旬に
機構から郵送予定

※出典元の和暦表示を西暦に変換しています。

出典元:フラット35「住宅ローン減税を受けるための「融資額残高証明書」の発行

またフラット35では、利用者専用のWEBサイトにて融資残高等証明書のデータをダウンロードできます。サイトを利用されている方は活用してみましょう。

住宅ローンの残高証明書は住宅ローン控除を受ける時に必要

住宅ローンの残高証明書は住宅ローン控除を受ける時に必要

ここからは、住宅ローンの残高証明書がどのようなときに必要か解説します。

住宅ローン控除のおさらい

そもそも住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んで住まいを新築・購入・リフォームや増改築をすると所得税や住民税の控除が受けられる制度のことです。住宅ローン減税とも呼ばれ、正式名称は「住宅借入金等特別控除」といいます。

新築住宅で13年間・中古住宅やリフォームで10年間、年末時点での住宅ローン残高の0.7%に当たる金額が所得税から控除されます。また、所得税から控除しきれなかった分は住民税から差し引かれます。

控除の対象となるのは、金融機関が取り扱う一般的な住宅ローンやフラット35などです。住宅ローン控除を受けるためには、以下の要件を満たさなければなりません。

  • 住宅ローンの返済期間が10年以上、分割して返済するものであること
  • 住宅取得後6ヶ月以内に入居し、以後引き続き居住していること
  • 家屋の床面積(登記面積)が40㎡以上であること
  • 床面積の2分の1以上が、専ら自己の居住の用に供されるものであること
  • 民間の金融機関や独立行政法人住宅金融支援機構などの住宅ローン等を利用していること(親族などからの借り入れは対象外)
  • 控除を受ける年分の合計所得が2,000万円以下であること

また認定住宅の場合は、追加で以下の要件を満たす必要があります。

  • 家屋の床面積(登記面積)が50㎡以上であること
  • 長期優良住宅建築計画の認定通知書(又は低炭素建築物新築等計画の認定通知書)及び住宅用家屋証明書などにより証明されたものであること

さらに、住宅ローン控除を受けるためには手続きが必要です。内容は次項で解説します。

参照元:国土交通省「住宅ローン減税」、国税庁「マイホームを持ったとき

住宅ローン控除の申請に残高証明書が必要

会社員の場合、住宅ローン控除の適用を受けるための手続きは1年目と2年目以降で異なり、1年目は入居した翌年3月までに「確定申告」をする必要があります。

確定申告は1年間の所得を税務署に報告し、納める税金を申告して納税するための手続きのことです。基本的に2月16日から3月15日までに行う必要があります。会社員は勤め先を通して毎月税金を払い年末調整を行いますが、前述のとおり住宅ローン控除の初年度はご自身で確定申告を行います。その際に必要な書類のひとつが、金融機関から送付される住宅ローンの残高証明書です。

2年目以降は、会社員の場合は確定申告の必要がなく、勤務先の年末調整で手続き可能です。税務署から10月下旬ごろ送付される「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」・「年末調整のための住宅借入金等控除証明書」とともに残高証明書を勤務先に提出します。

一方、個人事業主の場合は2年目以降も確定申告が必要です。ただし、必要な書類は1年目より少なく、「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」と残高証明書の2種類のみで済みます。

参照元:国税庁「住宅ローン控除の適用に係る手続(年末残高調書を用いた方式)について

住宅ローンの残高証明書が届いたあとにローン残高が変更になった場合の対応策

住宅ローンの残高証明書が届いた後に一部繰り上げ返済をした場合は、ローンの残高が変わってきます。こちらでは、ローン残高が変わった際の対処法を紹介します。

9月以降に繰り上げ返済をした場合は再発行を

一般的に、9月以降に住宅ローンの一部を繰り上げ返済した場合、変更後のローン残高は残高証明書に反映されません。繰り上げ返済後の残高が反映された残高証明書が自動的に送られてくることはないため、すぐに金融機関に再発行を依頼する必要があります。届くまでに1週間程度かかるため、年末調整に間に合うように依頼しましょう。

年末調整までに再発行が間に合わないときは?

再発行の手配から手元に届くまでにはある程度の日数を要する場合が多くあります。依頼する時期によっては、勤め先の年末調整までに住宅ローンの残高証明書が届かないこともあるかもしれません。その際は焦らず、以下の2パターンの対処法を実施してください。

勤め先へ相談する

まずは、勤め先の総務や経理部門など、年末調整を行う部署に相談して年末調整の手続きを待ってもらえるか相談してみましょう。一般的に年末調整は年内に行われるものですが、源泉徴収票の発行前の翌年1月末までであれば年末調整を行うことが可能です。

また、年末調整をすでに行っていた場合も上記の期間であれば内容を修正してもらえるでしょう。給与から天引きした所得税などの税金を国に納付する期間は、一般的な企業では給与支給月の翌月10日となっています。ただし、給与を受給する社員が9人以下の小規模の企業の場合は半年に一度であることが多く、年末調整の修正が大きな負担となることもあります。

ご自身で確定申告する

勤め先に年末調整の相談をしづらい場合は、ご自身で確定申告を行うという方法もあります。確定申告には「源泉徴収票」が必要であるため、ひとまず勤め先で年末調整を行い、源泉徴収票をもらってから2月16日~3月15日の間に確定申告を行いましょう。

源泉徴収票と新たに発行された残高証明書、印鑑があれば手続き可能です。マイナンバーカードをお持ちなら、スマホやパソコンから申告することもできます。

住宅ローン残高証明書の再発行方法とは

住宅ローン残高証明書の再発行方法とは

住宅ローンの残高証明書を再発行するには、借入先の金融機関に連絡して再発行の依頼をしなければなりません。再発行は、残高証明書を紛失した場合や、前述のように繰上げ返済などでローン残高が変更された場合に依頼可能です。

こちらでは、再発行の方法や注意点などを紹介します。

取引店舗やWEBサイトを介して依頼しよう

再発行の手続き方法は、主に以下のとおりです。

  • 金融機関の取引店舗へ直接連絡を入れる
  • コールセンターやWEBサイトを介して依頼する

例として、三菱UFJ銀行・三井住友信託銀行では再発行手続き専用のフリーダイヤルが用意されています。金融機関によって受付先はさまざまですので、まずは公式WEBサイトを確認してみましょう。

再発行された残高証明書は、お住まいの住所に郵送で届けてもらうか、店舗で受け取るか選べるケースがあります。店舗で受け取る場合は本人確認書類などの準備を忘れないようにしましょう。

参照元:三菱UFJ銀行「「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を再発行したい。」、三井住友信託銀行「住宅ローンの年末残高等証明書の再発行方法を教えてください

手数料が必要となる場合もあるため気をつけよう

住宅ローンの残高証明書を再発行する場合、金融機関によっては手数料がかかる可能性があります。例えば、りそな銀行では、通常の再発行手数料は無料ですが、急を要する場合には手数料がかかるケースがあることを公式サイトに掲載しています。

再発行手数料は金融機関により異なりますが、数百円~数千円程度であるケースが多いです。再発行は一般的に窓口や電話、インターネットバンキングにて申請できますが、具体的な方法は住宅ローンの借り入れ先に確認しておきましょう。

参照元:りそな銀行「令和6年「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」の郵送について

住宅ローン相談窓口
住宅ローンの相談窓口

住宅ローンの残高証明書が届かないときの4つの対処法

住宅ローンの残高証明書が届かないときの4つの対処法

住宅ローンの残高証明書が届かない場合、いくつかのケースが考えられます。以下の4つのポイントを確認してみましょう。

住宅ローン控除の期間が終了していないか確認する

住宅ローン控除を受けられる期間が終了している場合は、残高証明書は作成されません。まずはお住まいの住宅に入居した年と月をチェックし、減税の適用期間が過ぎていないか確認しましょう。

なお、住宅ローン控除の期間が終了するタイミングは、入居を開始した年などによって10年もしくは13年です。以下の表は、住宅ローンの控除期間をまとめたものです。

出典元:国土交通省「住宅ローン減税

条件により異なりますが、新築であれば13年間、中古住宅であれば10年間と覚えておくとよいでしょう。

届出住所に変更がないか、変更の手続きが完了できているか確認する 

残高証明書は、金融機関に届出をした住所に郵送されるため、お住まいの住所や氏名などの個人情報が間違っている場合は届きません。金融機関に登録した住所の変更が完了しているかを確認し、変更されていない場合は手続きを行いましょう。

名義人の住所は金融機関にとって大切な情報であるため、間違っている場合はすみやかに届け出ることが大切です。

繰り上げ返済後の借入期間を確認

返済期間を短縮するため、住宅ローン控除の期間中に繰り上げ返済を行った方もいるでしょう。その際、初回返済日から最終返済日までのローンの借入期間が10年未満に短縮された場合は、住宅ローン控除の対象から外れます。

それにより残高証明書が発行されないことが考えられます。住宅ローンの残高証明書が届かない場合は、ローンの借入期間を確認してみましょう。

ローンの借り換えの時期を確認

住宅ローンの残高証明書の作成基準日の前に、他の金融機関にローンの借り換えをしたケースも考えられます。その際、借り換え前の金融機関では残高証明書が発行されない場合があるため、新しく契約した金融機関に確認してみましょう。

住宅ローンは借り入れ期間が長く、生活の変化などによりローンの支払いが難しくなる場合もあるでしょう。そんなときには、住宅ローンのや借り換えや生活資金などライフステージに合わせたお金の悩みや疑問を、プロのアドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。

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おわりに

住宅ローンの残高証明書は、住宅ローン控除申請における確定申告や年末調整の際に使用する重要な書類です。届いたら大切に保管し、紛失やローン残高の変更により再発行が必要になった場合はすぐに金融機関に手配しましょう。必要な書類はしっかりと管理し、住宅ローンの大きなメリットである住宅ローン控除を賢く利用することが大切です。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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