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戸建てとマンション、どっちに住む?それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説

セゾンのくらし大研究 編集部

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住宅の購入を意識し始めたら、物件は戸建てが良いかマンションが良いか悩む方がほとんどでしょう。そこで本コラムでは、戸建てとマンションそれぞれの特徴について紹介し、メリットとデメリットについても解説します。長く安心して暮らせる住宅購入のためにも、ご自身にとってどちらを選ぶと良いのか参考にしてみてください。

この記事のまとめ

戸建てとマンションのどちらに住んだらいいか、悩んではいませんか。こちらではそれぞれの特徴やメリット・デメリットも紹介し、ランニングコストや資産価値については双方を比較し解説しています。
戸建ては郊外にあるため、静かな環境で学校など教育施設が整っています。騒音を気にせず、敷地内に駐車場の確保ができます。マンションは駅から近いなど利便性の高さが最大のメリットです。スーパーや病院など生活関連施設も近隣に多く存在するため、安心して長く住みやすい環境です。戸建てかマンションか、ライフスタイルに応じて柔軟に検討していきましょう。

戸建てとマンションの違い

戸建てとマンションでは、それぞれ特徴が違います。ここからは、戸建てとマンションの特徴について、法定耐用年数も含めて解説していきます。

なお、法定耐用年数とは、国が目安として提示している償却資産の耐用年数のことです。家など減価償却資産が利用に耐えうる期間の目安として使われています。耐用年数は、家の価値を測る指針にも使われます。

戸建ての特徴

戸建ての特徴として、以下の内容が挙げられます。

  • 地域の中心部よりも、広い敷地面積が確保できる郊外に立地することが多い
  • 建物の四方すべてに窓が取り付けられるため風通しが良い
  • リフォームなどを自由に行える
  • マンションよりも法定耐用年数は短いが、売却の際に土地の価値は残る
  • マンションのように積立修繕金はないがすべて自主管理となる

なお木造戸建ての場合、法定耐用年数は22年とされています。

マンションの特徴

マンションの特徴として、以下の内容が挙げられます。

  • 駅や商店の近くなど利便性の高い場所に立地していることが多い
  • 修繕積立金の負担があるが、日々の維持管理はマンション管理会社が代行する
  • 戸建てよりセキュリティ対策が取られている(エントランスがあり管理人がいる等)
  • 耐用年数が長いため、将来的な売却や賃貸が戸建てよりも円滑
  • 自由なリフォームができない場合がある(管理規約に従わなければいけない)
  • 騒音に注意する必要がある

一般的なマンションでは鉄筋コンクリート造が多く、国が定める建物の法定耐用年数は47年とされています。戸建ての耐用年数と比較すると2倍近く長いことがわかります。

戸建てのメリット・デメリット

ここからは、戸建てのメリットとデメリットについて解説します。メリットだけでなく、デメリットもあらかじめ把握しておくことで、早めに対策を取ることができます。より快適な住まい選びをするためには、メリットとデメリットの両方を知っておくことをおすすめします。

戸建てのメリット

  • 騒音が気にならない
  • 物件も含めて敷地内を自由に使える
  • 修繕積立金や管理費がかからない
  • ペット飼育や楽器演奏など共同住宅では制限されることが自由にできる
  • 敷地内に駐車場が確保できる

戸建ての最大のメリットは、騒音を気にしないで良いことです。特に小さな子どもがいる場合には、マンションなど共同住宅での騒音が気になるものです。一方、戸建てであれば隣の家との距離も開いていることから、日常生活における騒音は気になりません。

同様に、マンションでは禁止されていることが多いペット飼育や楽器演奏も戸建てでは可能です。必要であれば敷地内に駐車場を確保することもでき、リフォームも自由にできることから、より自分の理想に近いマイホームを持つことができます。

戸建てのデメリット

  • 郊外に立地することが多いためマンションよりも利便性に欠ける
  • 世帯ごとにセキュリティ面の対策が必要
  • 日常的に自主管理が必要
  • 将来戸建てを処分する際にマンションよりも売却が難しい

戸建ての特徴でも触れましたが、広い敷地が必要となる戸建てでは、中心部よりも郊外に立地することが多い傾向にあります。したがって、駅から遠い場所に立地している場合や、病院や学校、スーパーから遠い場合があります。

家族の年齢が増すにつれて、利便性に欠ける地域への居住が不便に感じることも想定されます。しかし、いざ戸建てを手放そうとしても、マンションよりも需要が低く売れにくいでしょう。

マンションのメリット・デメリット

マンションのメリットとデメリットについて解説します。

マンションのメリット

  • 間取りがワンフロアであるためバリアフリー性能が高く暮らしやすい
  • 駅やスーパーなど生活に必要な施設の近くに立地していることが多い(利便性が高い)
  • エントランスと自室の二重セキュリティで防犯上安心できる
  • 共用部分の維持管理をしなくてよい(修繕積立金により)
  • 立地が良く耐久年数も長いため資産価値が下がりにくい

購入した家には長く住み続けたいものですが、生活するうえで不自由がでてきたら住み替えを検討するかもしれません。マンションでは、利便性が高く、間取りがワンフロアであるためバリアフリー性能も高いので、高齢になっても住み続けられます。

マンションでは修繕積立金の費用負担はありますが、その分共用部分の維持管理はマンション管理会社に委託できます。さらにセキュリティ面も安心で、少なくともエントランス部分と自室部分の2ヵ所は施錠されています。マンションによっては管理人も常駐しており、さらに安心です。

マンションのデメリット

  • 戸建てよりもマンションが人気であるため良い部屋からすぐに売れてしまう
  • マンションは人気のため、中古であっても価格が高騰している
  • 騒音問題やマンション内でのトラブルが心配
  • マンション内のルールに従って自室も使わなければいけない(敷地内禁煙など)

現在、中古マンションであっても立地の良い場合はすぐに売れてしまう状態が続いています。関連して、新築マンションでも分譲開始とともに条件が良く眺望が良い部屋から売れています。これらのことから、近年は慢性的にマンション価格が高騰している状態です。

騒音問題に関しては、マンションの大きなデメリットです。上下左右に居室がある状態ですので、多少の生活音はお互い様であると考える方もいれば、音に敏感な方もいます。マンションというひとつの建物にさまざまな方たちが住んでいることから、騒音も含めた近隣トラブルが絶対にないとはいえません。

このようなトラブルを少しでも減らすために、マンションでは使い方のルールが規約によって定められています。たとえ分譲マンションを購入したとしても、自室の使い方について規制を受けることがあります。

戸建てのメリット・デメリットでも触れましたが、マンションの多くはペット飼育や楽器演奏ができません。

また、喫煙に関する規制を設けているマンションも増えています。敷地内禁煙を掲げていて、ベランダでの喫煙ができないだけでなく、自室の換気扇の下で喫煙をすることも規制されていることがあります。

このように、マンションは規約に基づいて生活するルールになっています。

それぞれにかかるランニングコストは?

戸建てとマンション、それぞれどのようなお金がどれくらい必要になるのでしょうか。必要な費用を見ていきましょう。

管理費・修繕費

マンションは毎月必要な管理費や修繕積立金などがあり、長い目で見ると高くなるケースがあります。一方、戸建てでは必要に応じてメンテナンス費が必要となります。

例えば、マンションの管理費や修繕積立金が毎月20,000円とします。年間360,000円必要で、30年で1,080万円という大きな出費になります。一方、戸建てでは、このような管理費や修繕積立金は不要です。住宅や設備、外構など所有する敷地内のトラブルが発生した場合にのみ、実費負担をすればいいです。

固定資産税

一般的には、マンションよりも戸建てのほうが土地に対する固定資産税の負担は高めです。なぜなら、戸建てのほうが土地の面積が広いからです。ただし固定資産税は市区町村が管理する地方税のひとつです。そのため都心の一戸建てと地方の一戸建てでは、面積が同じでも全く異なります。

ただし、建物の固定資産税で比較した場合には、償却期間の長いマンションのほうが固定資産税は高いまま推移します。そのため、土地と建物の固定資産税を合算して考えたときに、マンションと戸建てのどちらで税負担が少なくなるかは一概にはいえません。

光熱費

間取りがワンフロアでコンパクトであるため、マンションのほうが気密性・断熱性に優れており光熱費削減になります。一方で、最近ではZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とよばれる省エネ(創エネ)住宅も増えているため、戸建てでも光熱費が安く済むケースが増えてきました。

駐車場代

駐車スペースの確保ができる戸建てでは、駐車場代がかかりません。マンションでは、敷地内に専用駐車場があることは少なく、利用できる場合でも毎月の駐車場代が徴収されるため無料ではありません。

もっとも、利便性の高いマンションに居住する場合はマイカーが不要な世帯が多いともいえます。しかし、小さな子どもがいる世帯や、高齢者世帯ではマンションに居住していてもマイカーを保有することもあるでしょう。

マンション内に駐車場がない場合には、近隣で月極契約をする他なく費用負担はかさみます。

戸建てとマンションの資産価値について

ここからは、マンションと戸建ての資産価値についてわかりやすく説明します。マンションも戸建ても、築年数とともに資産価値が下がります。築年数経過に伴う住宅や設備の価値が少しずつ下がるからです。

しかし、マンションの場合は戸建てに比べると下がり方が緩やかであり、万が一住まなくなった場合でも売却が比較的スムーズです。マンションでは住まなくなった場合に売却することだけでなく、賃貸物件として家賃収入を得ることもできます。

繰り返しになりますが、マンションの最大のメリットは利便性の高さです。そのメリットを生かすことで、さらに資産価値は上がります。

一方、戸建てでは耐用年数が経過するごとに家自体の価値はマンションよりも急激に下がっていきます。しかし、土地の価格は残るため、家を解体して更地として売却することもできます。

一般的に戸建てのある地域は街並みが落ち着いており、学校や図書館など公共施設に恵まれ住みやすい環境というメリットがあります。そのため、中古物件を購入後リフォームやリノベーションを施し、家族で住みたいと考える若い世帯も少なくありません。

特に子どもがいる世帯では、騒音を気にせずのびのびと子育てができるメリットもあります。戸建てなら駐車場の確保もしやすいため、郊外であっても住みやすい環境といえます。このことから、特に子育て世代にとっては、戸建てのほうが資産価値は高いといえるのではないでしょうか。

ライフスタイルの変化に合わせる

戸建てとマンションのどちらを選んだらいいかは、ライフスタイルの変化に応じて臨機応変に進めていくことをおすすめします。ここからは、年代別に住居スタイルのおすすめを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

30~40代

住宅ローンを利用して住宅を購入する場合、一般的な返済期間として30~35年を設定することがほとんどです。したがって、年齢が若ければ若いほど長期の住宅ローンを組むことができます。関連して、借り入れの金額も大きくなるため物件選びの選択肢が広がります。

そのため、結婚や子どもの誕生、成長に合わせて住まいを自由に選ぶことをおすすめします。結婚したばかりで生活が不安定な時期に、無理して住宅を購入する必要はもちろんありません。家族のイベントに合わせて、タイミングを見て購入時期を決めてはいかがでしょうか。

50代以降

50代以降では、子どもが独立しはじめる時期に差しかかります。住環境でいえば子ども部屋が不要になります。子どもの独立時期に合わせて、リフォームしても良いでしょう。また、定年退職に合わせて住みやすい地域に引っ越すことも選択肢のひとつです。

年代や家族環境に合わせて臨機応変に住環境を変えていくことで、暮らしはより快適になります。年代ごとに、家に対して求めるものが変わるのは当然です。その時に応じて、何を優先した生活をしたいのか意識すると、より良い住環境づくりができるのではないでしょうか。

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おわりに

戸建ては、郊外に立地していることが多いですが、その分騒音を気にすることがなく、敷地内に駐車場の確保もできるメリットがあります。マンションは駅から近いなど、利便性の高さが最大のメリットです。また耐用年数が戸建てよりも長いことから、将来的に手放す際も安心です。

一方、マンション内の規約にしたがって生活する必要があり、必ずしも好きなように生活できるとは限りません。戸建てとマンションのどちらを選ぶかは、家族環境や何を優先したいかによります。ライフスタイルに合わせて、柔軟に対応していきましょう。

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