ユニットバスのサイズの表記は独特です。「わが家の浴室に合うサイズがどれかわからない」とお悩みの方もいるでしょう。だからといって、なんとなく合いそうなサイズを選んでしまうとフィットしないかもしれません。
今回は、ユニットバスのサイズについて解説します。ご自宅の浴室やライフスタイルにマッチするサイズの選び方も提案しています。浴室リフォームを検討中の方は、内容を参考に快適なバスルームを手に入れませんか。
この記事のまとめ
ユニットバスとは、工場で製造された浴槽や床といったパーツを現場に搬入し、その場で組み立てて完成させる浴室です。そのため、サイズは規格で決まっており、ご自宅の浴室の広さに合わせてオーダーメイドすることはできません。
ユニットバスのサイズは、数字4桁、もしくは坪数で表記されます。数字4桁の場合、浴室の内寸を表します。例えば、浴室の短辺が1400mm、長辺が1600mmであれば「1416」となるのです。坪数表記は、浴室の壁の厚みを含まない外寸に対応するサイズとなっています。
「親子で入浴したい」のであれば1.25坪サイズ以上、「入浴介助が必要」であれば1.5坪サイズ以上など、ユニットバスのサイズを選ぶ際はライフスタイルを考慮しましょう。
ユニットバスのサイズとは?
浴室の壁や床、浴槽などを工場で一体化して生産し、現場で組み立てるユニットバス。「システムバス」とも呼ばれることがあります。まずは、ユニットバスのサイズを理解しておきましょう。
ユニットバスの特徴
ユニットバスは、浴槽や床など浴室のパーツを事前に工場で作っていることから、サイズは一定の規格になっています。そのため、ご自宅の浴室の広さに合わせてオーダーメイドするのではなく、規格サイズのものをはめ込むように組み立てるのです。
ユニットバスのサイズの計測と表記方法
ユニットバスのサイズは、浴室(内寸)の短辺と長辺の寸法から4桁の数字で表記されます。例えば、短辺が1,400mmで長辺が1,600mmの場合は「1416」、短辺が1,600mmで長辺が2,300mmの場合は「1623」といったように表されるのです。
また、4桁の数字以外に「0.75坪サイズ」「1坪サイズ」など坪数でも表記されます。これは、浴室(外寸)の床面積に対応するユニットバスのサイズになっています。
ここで気になるのが、ユニットバスのサイズになぜ数字表記と坪数表記があるのか。それは、浴室の壁の厚みが関係しています。浴室の坪数には壁の厚みが含まれていません。
「わが家の浴室は1坪だから1坪用のユニットバスにしよう」とサイズを選んでしまうと、フィットしない可能性があるのです。そこで、浴室の壁の厚みを差し引いた内部の広さが把握できるよう、4桁の数字表記も併用されています。
戸建てとマンションではユニットバスのサイズが違う?
ユニットバスのサイズは規格で決まっていますが、実は戸建てとマンションで設定寸法が異なっています。その理由は、戸建てとマンションの浴室の特徴に違いがあるためです。
戸建ての浴室は、マンションより天井や床下が高く作られている傾向があります。戸建て用のサイズはマンション用より大きめに設定されており、浴槽のサイズの選択肢が多いのが特徴です。
一方、マンションの浴室は戸建てに比べて天井や床下にあまり奥行きがありません。そのため、マンション用のユニットバスは戸建て用よりコンパクト、かつ洗い場が細長い形状の長方形型がメインとなっています。
では、戸建てとマンション、それぞれにフィットしやすいサイズをチェックしてみましょう。
戸建てとマンションそれぞれにおすすめのサイズ
戸建て用とマンション用の一般的なユニットバスのサイズを、それぞれ表にまとめました。
【戸建て用】
【マンション用】
100mm単位で細かく規格が設定されていることがわかります。このようにユニットバスのサイズは豊富にありますが、戸建てでは1坪、マンションでは0.75坪のサイズが多く採用されています。
ただし、サイズ表記が同じであっても、どのメーカーのユニットバスでもご自宅の浴室に対応できるとは限りません。ご自宅に合うかどうかは、メーカーやリフォームのプロに確認すると安心でしょう。
参照元:遠鉄のリフォーム|お風呂の広さはどれくらいが標準?ユニットバスの規格サイズを解説
リフォームガイド|ユニットバスのサイズを完全解説!あなたに最適なサイズはこれだ!
リショップナビ|ユニットバス(お風呂・浴室)の一般的なサイズやおすすめは?リフォームする際にチェックしたいポイント
ユニットバスのサイズを選ぶ時のポイント
規格であらかじめ大きさが決まっているユニットバスですが、サイズ選びの際に考慮しておきたいポイントが3つあります。それぞれ確認していきましょう。
浴槽のサイズ
ユニットバスの場合、標準仕様の浴槽の短辺(奥行)は700mm程度に作られています。したがって、浴槽の広さは長辺をメインに考えてみてください。
身長にもよりますが「ゆったり足を伸ばしてお湯に浸かりたい」という要望があれば、浴槽の長辺は1,400mm以上あるのが理想です。長辺が1,400mm以上の浴槽を設置するには、ユニットバスは1616サイズ(1坪サイズ)以上になるでしょう。このような、標準仕様の浴槽におけるサイズ感の目安をまとめました。
サイズ | サイズ感の目安 |
~1,000mm | 足を伸ばしにくく、少し窮屈に感じやすい |
1,000mm~1,300mm | 身長160cm程度の方がゆったり入りやすい |
1,400mm | 身長180cm程度の方がゆったり入りやすい |
1,600mm | 親子入浴ができる・足を曲げずに入りやすい |
浴槽は標準仕様以外にワイドタイプも展開しています。「親子で入浴したい」「介護のため大人2人で入る場合がある」といったケースでは、標準仕様より浴槽の短辺が100mm~200mm程度広いワイドタイプを選ぶのがおすすめです。
洗い場のサイズ
身体や髪の毛を洗う、洗い場の広さも重要です。浴槽の短辺はほぼ一定のため、浴室(ユニットバス)のサイズが大きくなれば、洗い場の面積も広がります。洗い場のサイズ感の目安も見てみましょう。
サイズ | サイズ感の目安 |
0.75坪サイズ | ひとりでの使用は問題ないが、少し窮屈に感じやすい |
1坪サイズ | 適度な広さ |
1.25坪サイズ | 親子同時に身体を洗いやすい |
1.5坪サイズ | ひとりで使用すると広く感じる・入浴介助がしやすい |
浴槽の形状
ユニットバスの浴槽の形状には、いくつか種類があります。ここでは、ストレート型・シェル型・デルタ型・楕円型の4タイプを紹介します。
【ストレート型・楕円型】
形状 | スタンダードな長方形(楕円)の浴槽 |
特徴 | ・他のタイプに比べて容量が少ない ・水深が深いので肩までしっかり浸かれる ・洗い場の面積を広く確保できる |
【シェル型】
形状 | 貝殻のような半円型の浴槽 |
特徴 | ・浴槽の容量が大きいので親子入浴に向いている ・半円部分にステップがついていて半身浴が可能 ・洗い場のスペースが狭い傾向がある |
【デルタ型】
形状 | 直角三角形の浴槽 |
特徴 | ・浴槽の容量がやや多い ・ステップがあるので半身浴ができる ・浴槽の中で足を伸ばしにくい |
他にも、浴室の角に浴槽を設置する「コーナー浴槽」、浴槽が湾曲している「アーチ浴槽」などさまざまな形状があります。それぞれの特徴を把握しておけば、ご家庭のニーズに合う浴槽を見つけやすいでしょう。
ライフスタイル別!ユニットバスのサイズや仕様のおすすめは?
快適な浴室にするには、家族構成や浴室に求める使い勝手を考慮し、浴室(ユニットバス)のサイズ・仕様を検討する必要があります。ここでは、ライフスタイル別におすすめのサイズや仕様をまとめました。
親子で入浴する場合
親子で入浴するなら、長辺が1,600mmの浴槽が入り、洗い場の広さもしっかり確保できる1.25坪以上のサイズがおすすめです。前述のとおり、ワイドタイプの浴槽を選択肢に入れても良いでしょう。1.25坪以上あれば、親子同時に使っても窮屈に感じにくい洗い場のスペースも確保できます。
バリアフリー化や介助が必要な場合
「親の介護で入浴介助が必要」あるいは「将来を見据えて浴室をバリアフリーにしておきたい」という場合、入浴介助のしやすさを重視してユニットバスのサイズや仕様を検討してみてください。
入浴介助を視野に入れるのであれば、ユニットバスは1.25坪サイズ以上が理想です。1.5坪サイズであれば余裕を持って介助しやすいでしょう。浴槽の高さは、またいで中に入りやすい400mm程度がおすすめです。
ほかにも、次のような工夫をしておくと使い勝手が向上し、入浴介助がスムーズに行えそうです。
- 脱衣所から浴室にかけての段差をなくす
- 出入りしやすいように広い間口にする
- 力を入れなくても開閉しやすいように引き戸を採用する
- 車椅子でも動きやすい洗い場の面積にする
- 滑りにくい・底冷えしにくい床材を選ぶ
- 浴室内に手すりを設置する など
参照元:リノコ|ユニットバス(システムバス)のサイズと選び方を徹底解説!最適なお風呂の大きさとは?
ヒートショック対策をする場合
入浴する際に気をつけたいのが、ヒートショックです。ヒートショックとは、温度変化に伴って血圧が急上昇・急降下することにより、身体にダメージが加わる現象です。ヒートショックが起こると、めまいや心臓発作といった症状があらわれ、最悪の場合、死に至るケースもあります。
ヒートショックが起こる例を見てみましょう。冬場の寒い時期、暖房で温まった部屋から寒い浴室に行き、熱い湯船に浸かるとします。暖かい部屋にいる時は低かった血圧が、服を脱いで寒い浴室に入ったことで急上昇。
そこから熱い湯船に入ると、一気に血圧が低下します。このような血圧の急激な変化がヒートショックを招くため、対策が必要です。特に血圧のコントロール機能が低下する高齢者は、ヒートショックのリスクが高いので注意しなければなりません。
ヒートショックを予防するには、浴室の温度を高くし、部屋間の温度差を軽減することが重要です。浴室を温められるよう、浴室暖房乾燥機を導入しましょう。断熱性や保温性に優れたユニットバスを選べば、ヒートショック対策が強化できます。
ユニットバスをリフォームする時のポイント
ご自宅の浴室をユニットバスにリフォームする際、サイズ以外にも確認しておきたいポイントがあります。次の4点を確かめてから、リフォームを進めてください。
ユニットバスの搬入経路の確認
ユニットバスは、完成されたパーツを現場で組み立てるとお伝えしました。そのためには、できあがった状態の壁や天井などのパーツが家の中を通れなければなりません。通路や出入口の間口が狭いと、搬入できない可能性があるのです。
ユニットバスを搬入するには、通路の間口が650mm以上、廊下などの曲がり角が750mm以上を確保する必要があります。ユニットバスのパーツをスムーズに搬入するために、浴室までの経路に十分なスペースがあるか確かめておきましょう。
ユニットバスのリフォームにかかる費用
リフォーム費用がいくらになるか、気になる点ではないでしょうか。ユニットバスのリフォーム費用相場は、工事内容によって異なります。
もともとユニットバスだった浴室を新たなユニットバスに入れ替える場合の費用は、およそ70万~150万円が目安です。従来のタイル張りの浴室をリフォームしユニットバスに変更するとなると、95万~150万円くらいかかると承知しておきましょう。従来工法の浴室をリフォームするには、タイルなどの撤去や土台の工事が必要となり、費用がかさみやすいのです。
参照元:遠鉄のリフォーム|お風呂(浴室)リフォームにかかる期間はどれくらい?お風呂が使えないのは何日が目安?
ユニットバスのリフォームにかかる工事期間
ユニットバスのリフォームに必要な工事期間も、工事内容に左右されます。ユニットバスから新しいユニットバスにリフォームするのであれば、3~5日程度で終了します。従来工法の浴室からユニットバスへ交換するには、1週間前後の時間を要するでしょう。
浴室のリフォームで使える補助金・助成金制度
浴室のリフォーム費用を抑えるために、補助金や助成金制度を活用するのもひとつの手です。ここでは、介護保険と自治体、国が行う事業を見てみましょう。
【介護保険】住宅改修
介護保険サービスのひとつに、住宅改修の補助があります。具体的には、手すりの設置や段差の解消などが対象となります。補助額は改修費用の9割相当額で、上限は200,000円です。
ただし、介護保険サービスを利用するには、要介護認定(もしくは要支援認定)を受けていなければなりません。また、補助金の申請には「住宅改修が必要な理由書」の添付を求められていることから、浴室リフォームについてケアマネージャーと相談し、生活状況に見合った適切なリフォームプランを立てる必要があります。
自治体の補助・助成制度
浴室リフォームの補助や助成を行っている自治体があります。例えば、東京都世田谷区では「世田谷区環境配慮型住宅リノベーション推進事業補助金」があり、高断熱浴槽の設置や窓の断熱改修にかかる工事を対象に、補助金を支給していました。(2023年3月現在、募集は終了しています。)
ご自身が住む自治体に浴室リフォームに対応した補助・助成制度があるかは、市区町村のWEBサイトまたは役所の窓口でご確認ください。
【国】長期優良住宅化リフォーム推進事業
既存住宅の長寿命化・省エネ化を目指して行うリフォームに対し、補助金を支給している制度です。建物の構造体躯の劣化対策や耐震・断熱の性能向上の一環として、従来工法の浴室をユニットバスへ交換する場合、補助対象になるケースがあります。単なるユニットバスの交換では補助の対象にはなりません。
なお、2023年3月現在、令和4年度(2022年度)分の長期優良住宅化リフォーム推進事業の募集は終了しています。国土交通省から令和5年度(2023年度)の「長期優良住宅化リフォーム推進事業に関する事務事業を実施する者の公募」が公示されていることから、令和5年度も引き続き実施されると見込まれます。
最新の情報は「国立研究開発法人 建築研究所」のWEBサイトで最新情報をチェックしてみましょう。
リフォームの費用にお困りの方は「セゾンのリフォームローン」にお任せ!
浴室をリフォームするには、それなりのお金がかかります。浴室リフォームの相場で紹介したように、100万円を超えるケースもあるでしょう。そうなると、費用の捻出方法をよく考えなければなりません。
高額なリフォーム費用を支払う方法として、リフォームローンを組むのもひとつの方法です。そこでおすすめしたいのが、セゾンのリフォームローンです。セゾンのリフォームローンでは、最高500万円まで借り入れ可能となっています。担保や保証人の設定が必要なく、来店せずにWEBサイトから申し込めるため、気軽に利用できます。浴室のリフォーム費用でお困りの際は、ぜひセゾンのリフォームローンにご相談ください。
おわりに
ユニットバスはサイズが決まっているため、ご自宅の浴室に合った大きさを選ばなければなりません。さらに、家族構成や生活スタイルも考慮する必要があるでしょう。ユニットバスのサイズの捉え方を把握し、どのサイズがフィットするのか、要望に沿うにはどのくらいのサイズが適切なのか、検討してみましょう。浴室をお得にリフォームするなら、補助金の申請も視野に入れてみてください。今回紹介した内容を参考に、より快適に過ごせる浴室を手に入れませんか。