「戸建てを購入するのはデメリットだらけなの?」マイホームの購入を検討しているものの、こんな不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
このコラムでは、戸建てのデメリットについて考え、その解消方法や戸建てのメリットを解説します。最後まで読むことで、戸建てのメリットとデメリットを理解できるでしょう。戸建てに住むか、マンションで暮らすかでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
戸建てのデメリットとしては、維持管理の負担、防犯上のリスク、交通利便性の低さなどが挙げられます。
戸建てのメリットは、広々とした空間が得られることや、騒音トラブルの少なさ、資産となる土地を取得できることなどです。通勤通学の利便性、周辺環境や治安、災害危険度などを考慮しながら、ご自身に合った理想の住居を選ぶことが大切です。


戸建てのデメリットとは?

注文住宅や分譲住宅の特徴と、分譲マンションの特徴を比較した結果、マンションに分があると考える方が一定数いるため「戸建てはデメリットだらけ」といわれることがあります。
戸建てがマンションに劣る点としては、以下のようなことが挙げられます。
- 維持管理をご自身で行う必要がある
- 防犯リスクが高い
- 交通の利便性が低い物件が多い
- 売却しづらい
- 階段の上り下りがストレスになる
- 自然災害のリスクもある
- 近隣住民との付き合いがある
ここでは、これらのデメリットについて解説します。
維持管理をご自身で行う必要がある
維持管理について、マンションでは清掃や修繕など管理組合が担う部分が多いですが、戸建ては基本的に全てご自身で行う必要があります。雨漏りや水漏れなどの突発的なトラブルが発生した際、対応可能な事業者を探す手間も生じるでしょう。
外壁塗装や屋根などの大規模修繕は、定期的に実施するものです。不動産情報サービスのアットホーム株式会社が新築戸建てを購入して30年以上住む方を対象にした修繕に関する調査では、住宅修繕にかけた合計費用は平均615.1万円にのぼりました。
マンションなら管理組合が修繕積立金を集めて管理してくれますが、戸建ては将来の出費を意識して自ら計画的に積み立てなければならないことはデメリットといえます。
害虫対策も自分で行う必要があります。気密性や階層の高さからマンションは一般的に虫が出にくいといわれています。もし害虫が発生しても建物の古さや設備などが問題である場合は管理会社が対応するのが一般的です。例えば、共有部分の定期的な消毒や専門会社による駆除サービスなどが挙げられます。
一方、戸建てはマンションと比較して管理に手間がかかる傾向があります。換気扇や室外機のホースからも虫は入ってくるため、フィルターやキャップで隙間を塞がないといけません。
10~15年の周期で外壁の塗装が必要といわれています。屋根は屋根材の種類によって異なりますが、早いと10年程度の周期でメンテナンスしないといけません。
また、庭の維持管理は家づくりの大切な要素です。きちんと手入れされた庭は、景観が良いだけでなく、防犯面でも効果的です。防犯ライトやカメラを適切に設置し、植栽を定期的に手入れすることで、防犯意識の高い家に見えるでしょう。特に庭木の剪定をこまめに行うことで、見通しの良い、明るい環境を保つことができ、近隣の方々との良好な関係づくりにもつながります。
参照元:2023年『一戸建て修繕』の実態調査|アットホーム株式会社
防犯リスクが高い
警察庁の「住まいる防犯110番」によると、2023年の侵入窃盗の発生場所別認知件数は、戸建てが30.5%と最も高い割合でした。他の住居では3階建て以下の共同住宅が7.3%、4階建て以上が3.8%となっています。
戸建ては基本的にマンションよりもプライバシーを確保しやすい分、犯罪者に狙われやすい傾向があります。窓の開けっ放しや玄関鍵の閉め忘れなどに注意しましょう。
オートロックや監視カメラなど、マンションと同様のセキュリティ対策を施す場合、すべて自己負担となる点もデメリットとなります。
参照元:住まいる防犯110番(データで見る侵入犯罪の脅威)|警察庁
交通の利便性が低い物件が多い
交通利便性の低さも戸建ての欠点です。高層物件など土地を有効活用できる集合住宅は、大きな資金を確保しやすく、駅近など好立地で建設しやすいのが最大のメリットといえます。
戸建ては1軒分の住居を建てられる土地を基本的に1世帯で確保しなければならないうえ、広めの土地が必要です。このため駅やバス停から距離がある場所や郊外に建てることになり、通勤通学などには不便となるケースが多くなりがちです。
売却しづらい

戸建ては新築が好まれる傾向があり、マンションに比べて売却しづらいという特徴があります。間取りや設備などをご自身で決められることを戸建てのメリットに感じる方は多く、他人が決めた注文住宅が魅力的に映らないケースがあるためです。
また立地の良い物件が多いマンションは、中古市場で資産価値が維持されやすいのに対し、戸建ての価格は下落が速いことも売却しづらい要因です。戸建て住宅は「築後20年で価格はほぼゼロになる」ともいわれます。
価格下落の速さを意識して早い段階で売却を考えるケースもありますが、その場合はローン残高も多く、売却資金で完済できないリスクもあります。
ライフスタイルの変化で生活の拠点も変わり、売却しなければならないケースも考えられます。その際、長期間売れない場合は、新しい住まいの住居費と両方の出費となり負担が大きくなってしまうでしょう。
階段の上り下りがストレスになる
2階建てや3階建ての戸建ての場合、階段の上り下りがストレスになる点もマンションと異なるデメリットです。
掃除や洗濯といった日常の家事の移動は意外に多く、上り下りを負担に感じる方もいるでしょう。元気なうちは問題なくても年齢を重ねると足腰が弱り、安全面でもリスクが増します。
階段の上り下りが億劫で2階や3階に足が向かなくなると、せっかくの住居にデッドスペースが生まれることにもなります。
平屋であれば階層がなく、段差をなくすことでバリアフリーに対応可能です。とはいえ、エレベーターやホームリフトを導入することで、2階以上の戸建てでもバリアフリーにできます。
自然災害のリスクもある
自然災害のリスクも戸建てのデメリットです。地震や台風、集中豪雨などによる被害が発生した場合、基本的に戸建ての補修はすべてご自身で行わなければなりません。
洪水や豪雨による浸水リスクは、高さがあるマンションより戸建てが大きい点も注意が必要です。地震や土砂災害に対しても、木造の戸建てはマンションより被害が大きくなる可能性があります。
近隣住民との付き合いがある
近隣住民とのお付き合いも、人によっては戸建てのデメリットになります。既存のコミュニティに入っていく煩わしさや不安を抱く方もいるでしょう。
また、基本的には戸建てはプライバシーは守られやすいですが、外構の作り方や窓の位置などによりプライバシーが守られない可能性があります。例えば、シャッターの開閉音や車の出し入れで起床時間や帰宅時間を推測できてしまいます。
さらに、ご近所トラブルに遭ったとしても自力で解決しないといけません。賃貸住宅やマンションの場合、通常は管理人や管理会社が間に入ってくれます。実際に2018年度の調査では、トラブルの処理方法として「管理組合内で話し合った」「マンション管理業者に相談した」が大半です。
とはいえ、国土交通省の調査によると、特にトラブルがないマンションは2023年度は16%で減少傾向にあります。トラブルの理由として、「居住者間のマナーをめぐるトラブル」が60.5%と最も多く、マンションだからといって近隣住民とトラブルがないわけではありません。
マンションにしても戸建てにしても、普段から近隣住民と良好な人間関係を構築しておく必要があります。
参照元:平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状|国土交通省
令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状|国土交通省
戸建てのデメリットを解消するには?
戸建てのデメリットを解消して利便性を高める対策をご紹介します。維持費の負担や防犯上のリスクを軽減する方法を取り入れることで、戸建てのデメリットを克服できる可能性があります。
無理のないローンで維持費を確保する
無理のない範囲で住宅ローンを組み、住宅の維持費を確保することで、大規模修繕などの維持費の負担を和らげることが可能です。将来の支出を見越して現金を蓄えておきましょう。
一般的に住宅ローンの理想的な返済比率は手取り収入の20%程度とされます。教育や介護などライフスタイルに合わせて収入と支出を想定し、無理のない範囲で継続できる返済計画を立てましょう。
クレディセゾンが提携するiYellグループの「住宅ローンの相談窓口」では、住宅にまつわるさまざまなニーズに対応する商品提案が可能です。ぜひご検討ください。


改修時にどうしても資金が不足する場合は、リフォームローンを検討するのも良いでしょう。セゾンのリフォームローンは、来店不要でWEBで24時間申し込みが可能です。
自宅を修繕する必要が生じた際には、ぜひご検討ください。


セゾンのリフォームローンについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
セキュリティを強化する
セキュリティを強化することで防犯リスクを軽減し、安心できる家に改善できます。戸締りには日ごろから注意が必要ですが、侵入経路になる割合が高い窓を防犯ガラスにしたり、雨戸や防犯シャッターを設置したりすることで防犯対策の強化が可能です。
動きを感知して点灯するセンサーライトや防犯カメラも不審者対策として効果を期待できます。さらに対策を強化したい場合は、セキュリティサービスへの申し込みも検討しましょう。
車や自転車で利便性をアップさせる

交通利便性の低さという戸建てのデメリットに対しては、カーシェアリングや自転車のシェアリングサービスを活用することも、利便性を高める選択肢です。自宅や駅のそばでサービス拠点があることが条件になりますが、必要な時に手軽に利用できるため、車や自転車の購入・維持費の負担を軽減できます。
15年以上住むつもりで分譲戸建てを購入する
売却しづらいという戸建てのデメリットを緩和するためには、15年以上住むつもりで分譲戸建てを購入しましょう。住宅金融支援機構のフラット35利用者調査によると、2023年度の分譲戸建ての購入価格は平均3,603万円でした。例えば金利1.0%で35年間の借り入れを行うと、15年で約1,500万円を返済できる計算になります。地域や周辺環境にもよりますが、15年住むことで建物部分の返済はほぼ終了している可能性も出てくるのです。
なお戸建てを購入する際は、間取りや外観を注文者の好みで建てる注文住宅より、万人受けしやすい建売りの分譲戸建てを選ぶ方が、売却時に売れやすくなります。
家事動線やバリアフリーを意識する
家事動線やバリアフリーを意識した設計にすることも重要です。キッチン、リビング、浴室など生活の中心となるスペースを効率的に配置することで、移動の負担を軽減できます。
階段は安全面からも手すりを設置したり、勾配を緩やかにしたりする工夫も必要です。階段の上り下りが負担にならないよう、日ごろから散歩やジョギングなどで足腰を鍛える習慣も大切です。
外構でプライバシーを確保したり事前に近隣環境をリサーチしたりする
住宅街の戸建ては近隣との距離が近い場合、プライバシーが保たれない懸念があります。そのため、外構や庭の作り方でプライバシーを確保することが重要です。目隠しのためにフェンスや植栽を設置すると良いでしょう。
また、どのような住民がいるのか、深夜に騒音がないかなど事前に近隣の環境をリサーチして自分に合う環境かどうか確認しましょう。日中だけでなく、夕方や夜に確認することも大切です。騒音だけでなく、車や人の往来、街灯の明るさ、周辺の治安などにも注意しましょう。
直接、住民に様子を聞くのも良いでしょう。以下の項目を聞いてみるとどのような環境か把握できます。
- 騒音や臭気はないか (例)この辺りは静かな方ですか?
- 事件や事故はないか (例)この地域は住みやすいですか?
- 町内会費用・行事について
- ゴミ屋敷や近隣トラブルの原因となる人物はいないか
戸建てにはメリットも多くある
戸建てにはメリットもあります。ここでは主に8つのメリットについて解説します。
- 広々とした空間に住める
- 騒音などの近所トラブルが発生しづらい
- 資産となる土地が手に入る
- 心地良くコストのかからない住環境が手に入る
- マンションよりも安く購入できる可能性もある
- 管理費や修繕積立金が必要ない
- いつでも家事ができる
- 災害時に避難しやすい
広々とした空間に住める
戸建てのメリットのひとつは、広々とした空間に住めることです。住宅金融支援機構の「2023年度フラット35利用者調査」によると、住宅面積の全国平均は、注文住宅が119.5平方メートル、分譲住宅が101.6平方メートルであるのに対し、マンションは66.2平方メートルでした。
戸建ては居室以外でも、駐車場や庭も確保できることもメリットです。広々とした空間で部屋数を多くできることから、子どもが複数いるなど世帯人数が多い場合にもおすすめです。
参照元:2023年度フラット35利用者調査|住宅金融支援機構
騒音などの近所トラブルが発生しづらい
戸建ては隣家とはある程度の距離があるため、騒音などの近所トラブルが発生しづらいこともメリットです。
マンションの場合、隣家との仕切りは壁だけであり、騒音や臭いなどのトラブルが生じやすく、子どもが走り回るなどして階下の住民に迷惑をかけることがあります。
一方、戸建てならそれらの心配はあまり必要ありません。ペットの飼育や音楽鑑賞、楽器演奏といった趣味を楽しみたい方も戸建てのほうが向いているといえるでしょう。
資産となる土地が手に入る

戸建て住宅を購入する際、通常は土地も一緒に取得します。経年劣化で価値が目減りしていく建物と異なり、土地は時間の経過につれて価値が上がる可能性もあり、高い資産性が期待できます。
また、マンションは、ご自身の判断だけで建て替えたり売却したりすることはできません。土地を所有する戸建てなら、自由に建物を建て替えられるため、将来的に家族構成が変わった際や、新たな住まいを建てる可能性を考えた際にも柔軟な対応が可能です。
心地良くコストのかからない住環境が手に入る
戸建てのメリットには、心地良い住環境が手に入ることも挙げられます。戸建ては郊外や駅から離れた場所に立地するケースが多く、マンションに比べて利便性に欠ける場合があります。しかし、反対に静かでのびのびした暮らしができるのは大きなメリットになり得るでしょう。
土地を自由に使えるため庭を設けて家庭菜園やバーベキューを楽しめる他、子どもたちが安心して遊べるスペースも確保しやすいなど、子育て世帯にもおすすめです。
また、マンションのように月々の維持管理費がかからず、駐車場が敷地内にあれば駐車場代もかかりません。一般的には、30年間住み続けたときの戸建てのメンテナンス費は1,000万円程度であるのに対し、マンションの維持費は1,500万円ほどかかるといわれています。
戸建ては外壁や内装の修繕を、マンションは水回りの修繕を想定した計算です。マンションは管理費や修繕積立金の負担が大きいため、必要な修繕をしたとしても戸建てのほうがコストがかかりません。
また、駐車場と家の出入口が近かく移動に時間がかからなかったり、注文住宅であれば間取りの自由度が高い点はメリットになるでしょう。
さらに、ペットを飼いたい方にも戸建てはおすすめです。ペット可のマンションもありますが、共有スペースの廊下を歩かせてはいけないといったルールが定められているケースもあります。
また、小型犬や猫しか飼えなかったり、小型犬は2頭まで、大型犬であれば1頭のみなどサイズで頭数を制限されたりするケースが多いです。
戸建ての場合、庭でペットを遊ばせることができます。マンションほどペットのにおいや音が気にならないため近隣への配慮もしやすいでしょう。
マンションよりも安く購入できる可能性もある
戸建てはマンションより安く購入できる可能性もあります。立地が重視されるマンションより、郊外や駅から離れた場所を選べば土地代が安くなるケースがあるからです。
近年は戸建てに比べてマンション価格が高騰しています。国土交通省の不動産価格指数(2024年6月分)によると、不動産価格指数は戸建てが119.2であるのに対し、マンションは201.4と大きな差が生じています。
日本銀行の大規模金融緩和で富裕層による高額物件の購入や投資目的の売買が活発になっていることなどを背景に、2013年ごろからマンション価格の上昇が続いてきました。比較的落ち着いた市場環境にある戸建ての方がマンションより買いやすい傾向があります。
参照元:不動産価格指数|国土交通省
管理費や修繕積立金が必要ない
戸建てには、管理費や修繕積立金が必要ないというメリットもあります。住宅ローンの返済に加えて、管理費と修繕積立金で毎月数万円の支出をすることは家計にとって負担です。
管理組合で時期を決めるマンションの大規模修繕と異なり、戸建ては個人の判断で実施時期や内容を決められるのも利点です。
マンションは個人の判断でのリフォームは困難です。なぜなら管理組合に工事を申請して許可をもらわないといけないケースや、リフォーム内容が制限されるためです。フローリングを変える際は遮音性能に規定があったり、管理規約や給排水管の関係で水回りの位置は大幅に変えられなかったりします。そのため、リフォームの内容は制限されてしまいます。
一方、戸建ては基本的に制限はなく、自分の都合の良いタイミングや希望の金額内でリフォームできます。間取りを大幅に変更したり、増築したりすることも可能です。
ただし、外壁補修や設備更新などの大規模修繕は、トータルで数百万円かかります。想定外の修繕への備えも必要であり、戸建ての場合も修繕に備えて資金を積み立てておくことは大切です。


いつでも家事ができる
マンションや賃貸アパートでは上下階や隣室への配慮が必要なため、深夜に洗濯したり早朝に掃除をしたりするのは避けるべきでしょう。日中忙しく家事ができない方にとっては、自分の都合で家事ができないのは大きなデメリットといえます。
しかし、戸建ての場合、音漏れはあまり気にならないため、深夜に洗濯乾燥機を回しておいて、朝には乾いているといった効率的な家事ができます。ロボット掃除機に掃除をしてもらうことも可能でしょう。特に共働きの子育て世代や夜勤がある方、自由な時間に家事をしたい方にとって家事の時間が限定されないのは大きなメリットです。
災害時に避難しやすい
戸建ては高くとも3階建てまでが主流のため、上下階の移動が少なくすぐに避難しやすいです。エレベーターしかないマンションやエレベーターの台数が少ないマンションの場合、地上におりるまでに時間がかかって避難しにくい場合があります。
とはいえ、戸建てでも地震や洪水などで被災するリスクが考えられます。そのため、廊下や階段に物を置かずに避難経路を確保したり、十分な耐震性を備えた住宅を建築したりすることが重要です。
戸建てが向いている人

以下に当てはまる方は、戸建てが向いているでしょう。
- 郊外でのびのびと暮らしたい
- 間取りにこだわりたい
- 庭や駐車場がほしい
- 暮らしに合わせて増改築したい
- ちょっとした生活音が気になる
- 資産となる土地を手に入れたい
郊外でのびのびと暮らしたい
駅に近い立地に建てられることが多いマンションと比べ、居住地を柔軟に選択できるのが戸建ての良いところです。居住地を選べるため、郊外でのびのびと暮らしたい方には戸建てがおすすめです。
また、住宅街の静かな環境での暮らし、自然豊かな環境での子育てを求める方には戸建てのメリットは大きいでしょう。庭でガーデニングや家庭菜園をしたり、バーベキューなども楽しめます。
間取りにこだわりたい
マンションは効率的な間取りが多く、万人受けする作りになっているため個人に合わせた間取りとはなりません。
注文住宅は間取りの自由度が高く、自分好みのこだわった間取りにすることも可能です。階段下に収納スペースや居心地のいいヌックを作って空間の有効活用をしたり、効率的な家事動線にしたりできます。
庭や駐車場がほしい
マンションの駐車場は自宅の出入口から遠く、忘れ物があったり重い荷物を抱えて移動したりするのが大変です。
一方、戸建てで敷地内に駐車場があればマンションより近いルートで家の中と外を行き来できます。屋根をつければ雨が降っていても出入りしやすいでしょう。また、戸建ては庭があることが多く、庭でバーベキューをしたり飼っている犬を走らせたりできます。
暮らしに合わせて増改築したい
マンションより柔軟なリフォームをしやすいのは戸建てです。子どもが巣立ったあとに間取りを変更することも1階のみの生活にすることもできます。戸建てはリフォームの内容は希望どおりにいくことが多く、建て替えや増築にも対応が可能です。
マンションは共有部分の玄関ドアの外側やサッシなどは自由に工事できません。管理組合の許可が必要な場合もあり、マンションのリフォームは制約が多いのです。
ちょっとした生活音が気になる
戸建ては窓を開けたとき、外部の騒音が気になるケースがありますが、マンションは上下、左右の部屋からの生活音が気になる場合があるでしょう。ドアの開閉や水道の利用などの音が漏れてくるマンションの場合、ちょっとした生活音が気になることも考えられます。
他人の生活音が苦手な方は戸建てがおすすめです。
資産となる土地を手に入れたい
木造戸建ての耐用年数は22年である一方、鉄筋コンクリート造りのマンションの耐用年数は47年です。そのため、戸建てのほうが資産価値が下落するのが速いといえます。もし資産価値を保てる住宅を購入したければ、戸建てよりマンションが良いでしょう。
しかし、戸建てであっても、土地代が高かったり、立地が良かったりするエリアは資産価値が保たれやすくなります。条件が良ければ戸建てでも資産価値の高い土地を手に入れられます。
理想的な戸建てを購入するために覚えておきたいポイント
最後に理想的な戸建てを購入するために覚えておきたいポイントを解説します。通勤通学の利便性、周辺環境やハザードマップを確認することなど、あらかじめ判断するポイントを押さえておくことで、後悔しない物件選びを実現できるでしょう。
通勤通学の利便性を確認する
通勤通学の利便性は物件選びで重要なポイントです。利便性が高い物件は、毎日の生活にストレスが少なく、時間の節約にもつながります。その分、価格も高めになりますが、許容範囲内で利便性を確保することは快適な暮らしに欠かせません。
通勤通学ルートを確認し、駅からの距離やバスの本数などをよくチェックしましょう。通勤先や通学先が変わる可能性に備え、複数の路線を使える立地を選ぶことも理想です。
主に自家用車を利用するのであれば、自宅の駐車場や付近の道路の道幅など、実際の乗車をイメージすることも大切です。
周辺環境や治安を確認する
周辺環境や治安の確認も重要です。病院や学校、公園、スーパーなど生活に不可欠な施設は近くにあるか、治安は確保されているかなど、安心して暮らすためのチェックは欠かせません。
治安については、警察や自治体が公表している犯罪情報や交通事故発生状況を示すマップの他、不動産会社などの情報で把握しましょう。
周辺環境も治安も、実際に街を歩いて確認することが大切です。警察署や交番の位置も確認し、万が一の際の対応をスムーズに行えるかイメージしてください。
ハザードマップを確認する

自治体などが作成しているハザードマップの確認も大切です。ハザードマップは自治体のWEBサイトなどで閲覧可能です。地震や土砂災害、水害、津波などの自然災害が発生した際のリスク度合いを把握できます。
低地や山間部、海岸近くなど一定のリスクがある地形で物件購入を検討する際は、ハザードマップで危険度を理解することで、浸水対策や耐震性の強化、避難経路の確認などの対策を検討できるでしょう。
間取りの優先順位を決定してから物件を選ぶ
理想の戸建てを購入するには、間取りの優先順位を決定してから物件を選ぶ必要があります。間取りについては、すべて希望どおりとするのは難しいものです。物件を探すに当たっては、優先順位を決めてスタートする方がスムーズに進むでしょう。
まず、現在の家族構成や将来的な計画を踏まえ、必要な部屋数や広さを決めます。子どもが生まれたり、親と同居したりするなど、暮らす人数の変化に合わせて柔軟に対応できる間取りを選ぶことも大切です。
ライフプランや家計の見直しをする
ライフプランや家計の見直しをするのも重要です。必要な生活費や今後想定される支出を把握し、いつまでにいくら貯めれば良いのかを確認します。返済が厳しくなりそうな住宅ローンを組んだり、予算に合わない物件を購入したりするのは避けましょう。
また、将来的に予想される修繕・改築の資金も貯めておかないといけません。住宅の修繕箇所として外壁や屋根が代表的で、以下のような費用がかかります。
外壁塗装 | 屋根修繕 |
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・30坪:60~100万円 ・40坪:80~130万円 ・50坪:100~160万円 | ・塗装:30~70万円 ・葺き替え:100~170万円 ・カバー工法:80~150万円 |
外壁塗装は約10年ごとに必要といわれています。その都度足場を組む必要があり費用がかさむため、外壁塗装と屋根の修繕を同時に行うケースもあります。屋根の修繕は部分補修や雨どいの交換などで済む場合は、数千円~数万円程度です。
通勤通学の利便性や周辺環境、庭の手入れを最小限にしたいなど、人によって優先順位はさまざまです。どの項目を重視するか優先順位をつけて戸建て住宅を購入しましょう。
住宅性能評価を受けている
住宅性能評価を受けているかどうかチェックしましょう。住宅性能表示制度は、良質な住宅を安心して取得できるために作られた制度です。構造の安定や劣化の軽減、防犯など10分野の安全性をあらわします。違法な建築物には性能評価書は交付されないため、素人でも工事が基準どおりに行われているか確認できます。
また、地盤が柔らかい土地は災害時に被害を受ける可能性が高くなるため、埋立地や盛土をしている土地は選ばないようにしましょう。
資産価値を保つために木造以外の鉄筋コンクリート造りや鉄骨造りを検討するのも選択肢です。どちらも耐震性や耐火性に優れ、耐用年数は47年と、木造の22年と比較すると長いです。柱や梁の強度が高いため、間取りの自由度も高くなります。
おわりに
戸建ての購入を検討する際には、メリットとデメリットをしっかり理解し、ご自身の暮らし方、考え方に合うかどうかをよく考えることが重要です。
デメリットのほうがメリットよりも大きいと感じる場合でも、適切な対策を講じることで快適に暮らせる可能性も出てきます。大きな金額を支払うことになる戸建ての購入は人生の大きな決断です。最適な選択ができるように、充分に情報収集を進めて検討することをおすすめします。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。