マンションを購入したいけれど、1階は避けたいと考えている方も多いのではないでしょうか? マンションの1階はデメリットが多いといわれ人気がない傾向にあります。一方で、1階にしかないメリットがあるのも事実です。
本記事では、マンション購入を検討している方のために、1階のメリットとデメリットを説明します。マンションの1階を購入するなら、デメリットを解消する方法を知っておき、メリットを存分に味わいましょう。
この記事のまとめ
マンションの1階には、騒音や振動が気になる、セキュリティ面が不安、日当たりが悪い、虫が入りやすいなどのデメリットがあります。 一方で、専用庭やテラスが使えるマンションの1階は人気の物件です。1階は階下に足音が響く心配がないので、小さな子どもがいる家庭でも安心して住めます。マンションの1階のデメリットは、自分で対策することによって解消できます。物件を選ぶときに注意しておくことで、1階でもメリットの多い物件を購入することも可能です。購入後に後悔することのないよう、マンションの1階のメリット、デメリットを知っておきましょう。
マンションの1階に住むデメリットとは?
マンションを購入するとき、1階は避けたほうが良いといわれることがあります。一般に、マンションでは高層階ほど人気があり、1階は値段も安くなっていることが多くなっています。マンションの1階にはどんなデメリットがあるのでしょうか?まずは、マンション1階のデメリットとして考えられることをまとめてみます。
騒音や振動の影響を受けやすい
マンションの1階は、高層階に比べて騒音や振動の影響を受けやすくなっています。物音が気になるかどうかは立地にもよります。特に、以下のような音が気になるかもしれません。
道路の音
1階は道路が近いため、車の通る音や振動が気になりがちです。車がそれほど通らない道路でも、通行人の話し声が気になることはあります。もしマンションの前が交通量の多い道路なら、排気ガスが気になることもあります。
線路の音
近くに線路が通っていれば、電車の走行音に悩まされるかもしれません。電車は毎日運行しているため、一度気になり始めると、毎日落ち着かないことになります。夜中には電車は走っていないかもしれませんが、点検作業が行われることはあり、物音が気になることがあります。
生活音
1階に住んだ場合、上の階の足音が気になることがあります。上の階に子どもがいれば、走り回る音が響くかもしれません。生活音は一度意識すると常に気になってしまうものです。日常的にストレスを感じてしまうこともあるでしょう。
盗難や不審者の侵入のリスクが高い
マンションでも盗難や不審者の侵入などの犯罪が起こることがあります。マンションを選ぶときには、セキュリティを重視しておかなければなりません。マンションの1階では、セキュリティ面の不安を感じることがあります。
マンションの1階へは、エレベーターを使わずに侵入できます。移動距離が短いのは住む方にとっても便利ですが、犯罪者にとってもメリットになるのです。1階は、空き巣や窃盗のターゲットになることも多くなってしまいます。
セキュリティ対策のため、オートロックシステムを導入しているマンションも多いでしょう。オートロックなら、表玄関からの侵入はある程度防げます。しかし、1階はマンションの裏手から塀を越えて敷地内に入られてしまう可能性があります。
日当たりや風通しが悪いことがある
マンションでは、住戸の高さによって日当たりや風通しが変わります。高層階であれば日当たりや風通しに問題はないでしょう。一方、1階は日が当たらなかったり、風通しが悪かったりします。
日当たりや風通しが悪いと、部屋の中に湿気がこもりやすくなってしまいます。梅雨の時期には当然湿気が上がりますが、室内外の気温差が大きい冬場も結露で部屋がジメジメしがちです。日当たりや風通しが悪い1階は、すぐにカビが生えてしまうことがあるため、こまめな湿気対策が欠かせません。
虫が入りやすい
マンションの1階では、窓やベランダから虫が入ってくるという問題もあります。特に、専用庭があったり、マンションの植栽があったりする場合には、虫が多くなってしまいます。近くに飲食店やスーパーがあれば、そこからも虫が入りやすいでしょう。
網戸があれば、部屋に虫が入ってくるのをある程度は防げます。しかし、窓とサッシの間にすき間があったり、網戸の一部が破れていたりして、虫が部屋に入ってくることはあります。1階では防虫対策も考えなければなりません。
マンションの1階に住むデメリットを解消する方法
ここまで述べたとおり、マンションの1階に住んだ場合には、デメリットに感じることがいくつかあります。しかし、マンションの1階のデメリットは、自分で対策することで軽減できます。マンションの1階のデメリットを解消する方法を知っておきましょう。
カーテンなどで防音効果を高める
マンションの1階に住めば、騒音の影響を受けやすくなります。まずは、マンションを選ぶときに、防音性をしっかり確認しておきましょう。防音性にはマンションの構造や位置、間取りが関係してきます。
防音力があるのは、鉄筋コンクリート造りで、隣接する住戸との間の壁や床が厚いマンションです。また、左右に住戸がある部屋よりも、角部屋の方が生活音は気になりません。隣接する住戸がある場合には、接している部分が浴室やキッチン、収納スペースなら、音が伝わりにくいでしょう。
騒音は外部で起こるものも多いので、窓もチェックする必要があります。窓サッシの遮音性能が高く、防音仕様の窓ガラスを使っているマンションなら、より安心です。
入居後も、防音効果を高めるため、できる対策をしましょう。遮音性の高いカーテンを使えば、防音性を高められます。
防犯対策の徹底
マンション1階に住むいちばんの不安はセキュリティ面という方も多いでしょう。防犯対策を徹底すれば、1階でも安心して暮らすことができます。自衛のために、防犯グッズを活用しましょう。
1階の場合、空き巣は窓から侵入してくるケースが多くなります。警察庁の統計によると、3階建て以下の共同住宅に侵入する手口で多いのは、「無締まり(47.1%)」に次いで「ガラス破り(28.0%)」となっています。また、空き巣犯は侵入に5分かかると半数が、10分を超えるとほとんどがその場から撤退するというデータもあります。
空き巣の被害に遭わないためには、窓からの侵入を防ぐことが大切です。窓から簡単に侵入できないよう、ガラスの内側に防犯フィルムを貼っておくと良いでしょう。窓の鍵を二重ロックにしておくとより安心です。
ベランダや専用庭など侵入されやすい場所には、センサーライトを設置しておく方法があります。人が近づくと明るく照らすので、周囲の方が不審者に気づく他、不審者を威嚇する効果も期待できます。
参考|住まいる防犯110番
インテリアや照明を活用して日当たりを補う
周囲に光を遮る物がない高層階と比べ、1階は日当たりや風通しが悪いことがあります。昼間も部屋の中が暗いと、気分も暗くなってしまうでしょう。
カーテンを工夫すれば、部屋の中が明るくなり、グッと印象が変わります。オレンジ、黄色、緑、ピンクなどの明るい色のカーテンを吊るしましょう。日光の色に近い白のカーテンは特におすすめです。
部屋の中に物が多いと、暗くなり、風通しもますます悪くなります。日当たりをさえぎる障害物をなくし、整理整頓して空間を広げる工夫をしましょう。暗い色の大きい家具は圧迫感があるので、明るい色の背の低い家具に買い替えるのもおすすめです。スマートかつシンプルに暮らすことを心がけましょう。
防虫対策で虫が入らないようにする
マンションの1階は虫が入り込みやすいため、防虫対策が必須です。虫の主な侵入経路は、玄関、ベランダ、排水溝、通気口です。虫は湿気のある場所や汚れた場所を好むので、こまめな掃除や換気をしましょう。
ハーブ類など香りが強い植物は、虫を寄せ付けません。玄関付近に置いておくと防虫効果があります。また、防虫スプレーを常備し、虫が現れたらすぐに退治できるようにしておきましょう。
マンションの1階でもメリットはある
デメリットが注目されがちなマンションの1階ですが、上層階にはないメリットもあります。マンションの1階で暮らすメリットを知っておきましょう。
庭やテラスなどを利用しやすい
マンションの1階の住戸には、ベランダではなく専用庭がついていることがあります。広めのテラスと専用庭が使える物件は、むしろ人気です。上層階のベランダは狭くなってしまいますが、1階は家の外を広く使えることが多く、開放感を味わえます。
庭があれば、マンションに住んでいながら、戸建て気分が味わえるでしょう。ガーデニングを楽しんだり、家庭菜園で野菜を育てたりもできます。庭にテーブルを置けば、ティータイムには外でくつろげるでしょう。子供がいれば、家庭用プールを出して遊べます。ペット可のマンションなら、専用庭でペットを走り回らせることができるのも大きなメリットです。
荷物が運びやすい
マンションの1階に住めば、外出の際の移動距離が短くて済みます。重たい荷物を持って帰ったときにも、すぐに玄関にたどり着けます。ベビーカーで出かけるときにも、1階なら楽に出入りができます。
マンションの1階の場合、引っ越しの際の荷物の搬入や搬出もスムーズです。1階なら、大きな家具や家電を窓から搬入することもできます。トラックとの間の移動距離も短いため、引っ越し費用を抑えられることもあります。
コストが抑えられる
マンションは大きな買い物です。かかる費用はできるだけ抑えたいという方や、予算内でできるだけ良い物件を買いたいと考える方が多いでしょう。マンションを購入する場合、上層階ほど値段が高くなるのが一般的です。全く同じ間取りでも、1階を選べば安く購入できるケースがあります。
なお、専用庭が使える場合、共用部分になるため、使用料が発生します。しかし、専用庭の使用料は月数百円から1,000円程度のことが多いため、購入費用を抑えられるメリットのほうが大きいでしょう。
移動時間が短縮できる
マンションの高層階に住む場合には、エレベーターを使って移動しなければなりません。規模の大きなマンションでは、急いでいるのにエレベーターがすぐに来ないという事態も起こりがちです。特に、朝は出勤時間が重なるため、エレベーターの待ち時間は深刻な問題です。
マンションの1階に住めば、階段もエレベーターも使う必要がありません。急いでいるのにエレベーターが来ないストレスを感じることもないでしょう。ゴミを出しに行くのにも時間がかかりませんし、忘れ物をしてもすぐに取りに帰れます。
1階なら災害の際にも、エレベーターを使わずすぐに外に避難できます。もし玄関が使えなくても、窓から外に出られるのも安心です。移動時間がかからず、出入りがスムーズなのは、マンションの1階の大きなメリットです。
下階との騒音トラブルがなくなる
マンションで生活する場合、近隣の住戸に迷惑をかけないよう、騒音に気をつけなければなりません。特に、下の階への騒音は、自分では気づきにくいこともあり、注意が必要です。室内を歩き回る音も、階下へはかなり響くことがあります。
特に、子どもがいる家庭では、子どもが走り回る音が下の住戸に響いてしまいがちです。とはいえ、子どもをじっとさせておくのは難しいでしょう。常に騒音のことを考えていると、ストレスになってしまいます。
マンションの1階に住めば、階下への騒音を気にする必要がありません。子育て中はただでさえ周りに気を遣ってストレスを感じるものですが、階下に配慮しなくていいのは大きなメリットでしょう。
マンションの1階を選ぶ際のポイント
ここまで、マンションの1階に住む場合のメリット、デメリットについて説明してきました。敬遠されがちなマンションの1階ですが、上層階にはないメリットもあります。また、マンション1階のメリットは物件によって異なります。購入前にしっかりチェックしておきましょう。
ここからは、これからマンションの購入を考えている方のために、マンションの1階を選ぶ際の注意点を説明します。
セキュリティ面
マンションの1階は出入りがしやすいため、不審者の侵入も起こりやすくなります。1階は上層階に比べて空き巣の被害に遭う可能性も高くなっています。マンションのセキュリティ面は充分に確認しておきましょう。
住人以外が勝手に出入りできないよう、マンションにはオートロックシステムがあるほうが良いでしょう。玄関やエレベーター付近に防犯カメラが設置されているかも確認しましょう。入口が複数ある場合には、すべての入口にオートロックや防犯カメラが導入されているかをチェックします。管理人が常駐していればより安心です。
鍵もチェックしておきましょう。簡単に複製される鍵であれば、オートロックでも安心できません。複製されにくいディンプルキーや電子キーが採用されているマンションがおすすめです。
マンション自体の防犯性だけでなく、地域の治安もチェックしておく必要があります。犯罪発生マップを確認しておきましょう。
設備面
マンションの1階を選ぶなら、1階だからこそ利用できる設備があるかどうかに注目したいものです。特に、専用庭やテラスがある住戸は魅力的です。最近は、専用庭が広いなど1階の魅力を活かしたマンションもたくさん登場しています。マンションでも戸建て気分を味わいたいなら、専用庭やテラスが使える物件を探してみましょう。
なお、1階の住戸なら必ず専用庭が利用できるとは限りません。1階でも上層階と同様のベランダしか利用できない物件もあります。ベランダは避難経路としても使われるので、大きな物は置けないのが一般的です。ベランダが狭ければ、1階を選ぶメリットも少なくなってしまいます。
専用庭がある場合でも、物置やフェンスの設置が禁止されていることはあります。この場合、自分で収納用の倉庫を用意したり、目隠しフェンスを設置することができません。1階の住戸で利用できる設備やルールについては、購入前にしっかり確認しておきましょう。
立地面
日本では年間を通じてさまざまな災害が起こります。マンション選びの際にも、災害のリスクに注目しておくことは重要です。災害のリスクは、建物の立地によって変わってきます。
河川の近くにマンションがある場合、大雨の際に河川が氾濫する危険性があります。1階なら浸水してしまう危険性があるでしょう。特に大雨や台風が発生しやすいエリアでは、河川近くのマンションの1階は避けたほうが無難でしょう。
災害のリスクについては、ハザードマップで確認できます。ハザードマップでは、浸水だけでなく、土砂災害や高潮、津波などのリスクも参照できるようになっています。購入を検討しているマンション周辺のハザードマップは、必ずチェックしておきましょう。
マンションの立地は、騒音や振動、虫の多さなどにも関係してきます。周辺の道路や車の通行量、人の通行の多さ、線路の状況や電車の運行状況、近隣の店舗・施設の営業時間なども確認しておくと良いでしょう。
おわりに
マンションを購入するなら、1階はデメリットが多いので避けたいと思っている方も多いでしょう。しかし、マンションの1階にもメリットはあります。特に、専用庭やテラスがある物件は、人気です。1階は上層階より安く購入できることが多いため、狙い目かもしれません。
マンションを購入する際には、資金計画を立てておく必要があります。マンション購入時には、住宅ローンの頭金のほか、諸費用もかかってきます。住宅ローン借入後は長期間返済が続くため、無理のない返済計画を立てなければなりません。
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