タワーマンションは「タワマン」とも呼ばれ、近年人気があるスタイルのマンションです。タワーマンションに憧れている方や、住んでみたいと考えている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、これからタワーマンションの購入を検討している方のために、タワーマンションのメリットやデメリットについて詳しく説明します。本記事を読めば、タワーマンション購入時に注意しておくべきポイントがわかりますので、ぜひ参考にしてください。
この記事のまとめ
タワーマンションには、眺望の良さや充実した共用設備、安心のセキュリティなどメリットがたくさんあります。一方で、洗濯物を外に干せないことや、エレベーターでの移動に時間がかかること、管理費等のコストが高くつくことなど、デメリットに感じる点もいくつかあります。タワーマンションのデメリットを知らないまま購入すると、入居後に後悔することがあります。タワーマンションを購入するときには、事前にデメリットを知ったうえで、ポイントを押さえた選び方をすることが大切です。
タワーマンション購入で後悔する方も多い?
タワーマンションとは、20階建以上かつ高さ60メートルを超える超高層マンションを指すのが一般的です。都市部に多く、眺望や立地の良さ、充実の設備、スタイリッシュな外観などが魅力となっています。
多くの方が憧れるタワーマンションですが、デメリットがないわけではありません。高層階に住めば移動時間もかかるうえに、充実した施設がついているため、一般的なマンションよりも管理費等のコストも高額です。「何となくカッコいい!」という理由だけで購入すると、住んでみて「イメージと違った…」と思うことがあります。
タワーマンション購入後、後悔している方も多いようです。これからタワーマンション購入を検討しているなら、デメリットについても知っておきましょう。
タワーマンションのデメリット
タワーマンションは、住む前は便利で快適に思えるでしょう。しかし、実際に住んでみると、不便に思うことも出てくるものです。タワーマンションに住んでみて「後悔している」という方も少なくありません。
これからタワーマンション購入を考えているなら、メリットだけでなくデメリットについても確認しておきましょう。以下、タワーマンションのどんな点を不満に思っている方が多いのか、購入者の声を参考に、デメリットを挙げてみます。
洗濯物を外に干せない
タワーマンションの高層階では、ベランダに洗濯物や布団を干せません。物を置くことも禁止されています。高層階のベランダから物が落ちたら非常に危険ですから、やむを得ないでしょう。外観上の理由から、低層階でもベランダに物を出せないことが多くなっています。
タワーマンションに住んだら、洗濯物は乾燥機を使うか、部屋の中に干さなければなりません。外に干せないのは不便と感じている方も多いのです。
移動に時間がかかる
タワーマンションの高層階に住めば、エレベーターを使わざるを得ません。タワーマンションではエレベーターを使う方が多く、時間帯によっては混雑します。特に、多くの住人が利用する朝の時間は、すぐに移動ができず困ることがあります。
タワーマンションでは、「すぐ近くのコンビニに行くだけでも往復30分かかる」といったことが起こってしまいます。急いでいるときにすぐ移動できないのは思いのほか不便です。
維持費や管理費の高さ
タワーマンションには、コンシェルジュが常駐していたり、充実した共用設備があったりするため、管理費が高額です。
国土交通省が行った「平成30年度マンション総合調査」によると、1戸当たりのマンション管理費の平均は、マンション全体では月10,862円です。しかし、20階建以上のマンションに限ると、15,726円となっています。
1戸当たりの修繕積立金についても、マンション全体の平均は月11,243円ですが、20階建以上のマンションでは月12,305円です。タワーマンションではかかるコストが割高になることがわかります。
なお、ほとんどのタワーマンションは築年数が浅く、大規模な改修にかかる費用は予測できません。修繕時期が近づくと、修繕積立金が値上げされることも考えられるでしょう。
地震は上層階ほど揺れる傾向にある
高さのある建物は、振動を外に逃がすため、敢えて弾力性を持たせた構造になっています。そのため、タワーマンションの高層階では、地震の際の揺れが大きく、長く続く傾向があります。
高層階では、強風や台風の際にも揺れを感じることが多いです。揺れが苦手な方がタワーマンションの高層階に住めば、後悔することがあるでしょう。
共用施設が充実しすぎる傾向
タワーマンションの魅力として、ジムやプール、パーティールーム、シアタールームなどの充実した共用施設があります。
ただし、こうした共用施設は、使いたいときにいつでも使えるとは限りません。規模の大きなタワーマンションでは、共用施設の予約がなかなか取れないことがあります。家族の記念日にパーティールームを利用したいと思っても、競争率が高ければ、抽選で外れることが多いでしょう。
共用施設をあまり使わない方は、無駄に高額な管理費を支払っている気にもなります。タワーマンションのメリットである充実した共用施設も、デメリットに感じられることがあるのです。
高層階と低層階で格差を感じる
タワーマンションは、高層階ほど購入金額が高くなるのが一般的です。低層階に住んでいる方は、格差を感じてしまうことがあります。
気にしなければいいのかもしれませんが、実際に格差を感じている声が多いのも事実です。憧れのタワーマンションに住んでも、低層階だと居心地が悪く感じることがあります。
タワーマンションのメリット
タワーマンションに住めばどんなデメリットがあるのかを説明してきました。とはいえ、やはり多くの方が憧れるタワーマンションですから、魅力がたくさんあることには違いありません。多少のデメリットがあっても、メリットのほうが大きければ、タワーマンションに住みたいでしょう。
これからタワーマンションの購入を検討している方は、メリットとデメリットを比較して決めるのがおすすめです。ここからは、タワーマンションのメリットを説明します。
眺望
多くの方がタワーマンションに憧れるのは、その眺望からでしょう。タワーマンションの高層階なら、周囲の景色をさえぎるような建物もありません。
戸建て住宅や一般的なマンションなどからは見られない風景を毎日眺めることができます。タワーマンションでは大きな窓がついていることが多いため、眺望を思う存分堪能できるでしょう。
ただし、タワーマンションの眺望は、高層階と低層階で差があります。眺望を満喫したいなら、高層階に住む必要があります。低層階では近くに建物があり、それほど見晴らしが良くないことも。
日当たり
タワーマンションは、日当たりの良さも魅力です。高層階はもちろんですが、低層階でも一般的なマンションと比べて日当たりが良くなっています。
タワーマンションの1階部分は、住居スペースではなく、天井の高いエントランスであるところが多くなっています。最も低い階でも一般的なマンションの3階くらいなので、日光が入りやすい構造です。
タワーマンションは敷地が広く、近接した建物もありません。通常なら敬遠されがちな北向きの住戸でも、明るい部屋が多くなっています。
豊富な設備とサービス
タワーマンションには、ジムやシアタールーム、ゲストルーム、展望室、ラウンジなどの共用施設があります。最近は在宅勤務が増えたため、コワーキングスペースを設けるタワーマンションも登場しています。こうした共用施設を利用できることは嬉しいでしょう。
コンシェルジュサービスが受けられるところもあります。コンシェルジュが常駐していれば、宅配便の取次ぎをしてもらったり、タクシーの手配をしてもらったりできます。
セキュリティ
人の出入りが頻繁にあるタワーマンションは、セキュリティを重視しており、安心して暮らせます。防犯カメラやオートロックシステムはもちろん、オンラインセキュリティシステムで24時間管理されているところや、警備員が見回りをしているところもあります。
資産価値が高い
タワーマンションには、資産としての価値もあります。将来的にマンションの売却を考えている方にも、タワーマンションはおすすめです。
値段があまり下がらないので、売却するときにも高く売れるのです。というのも、中古のタワーマンションが高く売れるのは、新築のタワーマンションが高すぎて敬遠されることがあるからです。
特に、共用設備の充実しているタワーマンションは人気があるため、資産として保有しておくだけでも価値があります。
タワーマンション購入時のポイント
タワーマンションのメリットとデメリットについて説明してきました。タワーマンションにもデメリットはあるとはいえ、やはりメリットに魅力を感じる方も多いでしょう。
タワーマンションを購入して後悔しないために、選び方のポイントを知っておくことが重要です。購入時に選び方を間違えなければ、デメリットを抑えてタワーマンション暮らしを満喫できます。
ここからは、タワーマンション購入時に注目しておきたいポイントを説明します。
洗濯物事情
タワーマンションでは、安全性や外観上の理由から、洗濯物をベランダに干すことが禁止されていることが多くなっています。洗濯は毎日のことなので、外に干せないと不便に感じることがあります。タワーマンション購入時には、洗濯物をどうするかを考えておきましょう。
物件によっては、乾燥機が備えつけられていたり、浴室乾燥機能がついていたりする場合があります。乾燥設備が利用できるマンションを選ぶと便利です。自分で乾燥機を購入するなら、その分の予算も確保しておきましょう。
なお、洗濯物はすべてクリーニングに出すという方は、部屋まで衣服を取りに来てくれるサービスがあるか確認しておくのがおすすめです。
移動時間を想定する
大規模なタワーマンションでは、エレベーターが混雑していて、マンション内の移動に時間がかかることがあります。エレベーターの台数を確認しておきましょう。同じ値段で同じ規模のマンションなら、エレベーターの台数が多いほうが安心できます。
ただし、エレベーターは台数が多ければいいというものでもありません。エレベーターの速度が遅いと、やはり移動に時間がかかってしまいます。内覧に行ってエレベーターに乗ったときには、速度にも注意しておきましょう。
共用施設の充実度
タワーマンションで暮らす醍醐味ともいえるのが、充実した共用施設です。ライフスタイルによって、必要な施設は変わってきます。ですが、同じ値段を支払うのなら、より充実しているほうを選びたいものです。内覧に行った際、できればすべての共用施設を見ておきましょう。
ジムやスカイラウンジ、ゲストルームはチェックすることが多いかもしれません。しかし、実際によく利用するのは、ゴミステーションや宅配ボックスです。特に、留守にすることが多い方は、宅配ボックスがたくさんあるかどうかを確認しておくと良いでしょう。
災害時の対策と避難経路・設備
日本は災害の多い国なので、住居を選ぶときに災害対策の確認は欠かせません。マンションの居住者用に非常用物資を用意している防災用の倉庫があるかを確認しましょう。定期的に防災訓練が行われているか、災害時の行動マニュアルが整備されているか等も確認しておくと良いでしょう。
内覧に行ったときには、避難経路や設備のチェックも必要です。住戸から非常階段への行き方や、避難はしごの位置を確認しておきましょう。
高層階と低層階の違いを理解する
一口にタワーマンションといっても、高層階と低層階では事情が変わってきます。タワーマンション購入の前に、自分が何を重視したいのかを整理しておきましょう。
眺望がメリットになるのは高層階で、低層階にとってはメリットにはなりません。また、移動に時間がかかるのは主に高層階で、低層階ではあまり関係ないこともあります。
同じタワーマンションでも、高層階か低層階かで、購入金額が異なります。例えば、眺望にこだわりがない方なら、低層階を選べばコストを抑えられます。
おわりに
タワーマンションのメリット、デメリットを詳しく見てきました。充実した暮らしができるタワーマンションを購入したいという方は多いでしょう。マンション購入の際には、資金面のプランニングも重要です。
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