大学の学費が払えないと、督促状が届き、退学や除籍になることもあります。大学の学費は高いため、これから進学する高校生やすでに在学中の方は、いつ経済的に困窮するかわからず、不安な方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、大学の学費が払えないときのリスクと対処法について具体的に解説します。さまざまな解決策があることがわかり、安心して大学生活を送れるでしょう。
- 学費が払えない場合、まずは大学に連絡して分納や延納、減額の可能性について相談することが大事。大学側も状況に応じて柔軟に対応する場合がある。
- 頼れる親戚がいる場合は、事情を説明して支援を求めるのも一つの手段。家族や親戚のサポートを得ることで、一時的な財政的困難を乗り越えられる可能性がある。
- 奨学金、国の教育ローン、銀行の教育ローン、カードローンなど、学費を支払うための様々な金融手段が存在し、これらのオプションにはそれぞれ金利や条件が異なるため、自分にとって最適な方法を選ぶために十分に比較検討することが重要。
大学の学費が払えない場合はどうなる?
大学の学費が払えないと、退学や除籍処分になるケースもあります。学費を払えると思っていても、収入の減少や急な出費で、いつ「授業料が足りない」といった状況に陥るかはわかりません。
まずは大学の学費が払えないと、大学側はどのような対応を取るのか解説します。
督促状が届く
学生が学費を払わない場合の対応は大学によって異なります。一般的には、学内の掲示板に名前が張り出されたり、通知状・督促状が届いたりします。
名前が張り出されると、周りの学生に知られ、噂が流れるかもしれません。また支払いがないと通知状が届き、一定期間を超えると督促状が届くこともあります。
退学や除籍になる
督促状に応じず学費を払わないと、退学や除籍処分になる可能性もあるでしょう。
退学とは「学生側が学校をやめること」です。その後学費を支払えば、復学できる大学もあります。退学扱いであれば「大学にいた」ことは証明できますが、なぜ退学したのか周りから質問されるかもしれません。
一方で除籍とは「大学側が学生を在籍生名簿から外すこと」です。退学と異なり、「退学証明書」や「在学証明書」などを発行してもらえない可能性もあるため、より世間からの評価が下がることもあるでしょう。
大学4年生になると就職活動は始まりますが、退学や除籍となると「大卒以上」の企業には応募できません。収入が下がったり、進路が狭まったりする可能性もあるため、学費の未納には注意しましょう。
そもそも年間にどれくらいの学費がかかる?
大学の学費は、「国公立」「私立文系」「私立理系」によって大きく変わります。学生1人の1年間の在学費用(授業料や教科書代など)や入学費用(学校納付金や受験費用など)は、以下のとおりです。
国公立 | 私立文系 | 私立理系 | |
1年間の在学費用 | 103.5万円 | 152万円 | 183.2万円 |
入学費用 | 67.2万円 | 81.8万円 | 88.8万円 |
加えてひとり暮らしの場合には、家賃や食費、水道・電気・ガス代などがかかります。
大学の学費が払えなくなった際にまず行うこと
万が一大学の学費が払えなくなった際には、以下の対応を取りましょう。
- 大学に分納・延納・減額を相談する
- 親戚に相談する
- 休学する
少しでも早い段階で相談したほうが解決の幅が広がる可能性があります。学費を払えないことで後ろめたい気持ちになるかもしれませんが、速やかに対応しましょう。
大学に分納・延納・減額を相談する
大学によっては学費の分納や延納、減額に応じてくれるケースもあります。
分納とは学費を何回かにわけて支払うことです。分納の回数や1回分の納付金額、納付期限を確認したうえで利用しましょう。前期・後期と期限内に学費を払えないときには、支払いを延長する延納が効果的です。
また減額について大学に相談することで、日本学生支援機構の「授業料等減免と給付型奨学金」を案内される可能性もあります。
親戚に相談する
祖父母に事情を話すことで、学費を援助してくれるかもしれません。お金を渡すとなると「贈与税がかかる」と心配する方もいると思います。
祖父母といった扶養義務者から孫へ生活費や教育費を渡したもののうち、「通常必要と認められるもの」について、贈与税は発生しません。
ただし数年分の生活費や教育費を一括で贈与し、それらが生活費や教育費に充てられなかった場合には贈与税の対象となるため、判断が難しいときには税理士に相談しましょう。
休学する
学費が払えなくなったら、休学し、アルバイトで学費を稼ぐ方法もあります。大学によっては休学中に在籍料がかかるケースもあるため、あらかじめ学生課に確認しましょう。
大学の学費が払えない場合の対処法
大学の学費を払えないときには、以下の対処法を検討してみましょう。
- 奨学金
- 国の教育ローン
- 銀行の教育ローン
- カードローン
借りられる金額や利息などはそれぞれ異なります。不明な点があったら各機関に問い合わせましょう。
奨学金を活用する
大学に進学する場合、多くの学生が奨学金を活用しています。奨学金には、「給付型」と「貸与型」の2種類があります。気になる奨学金があったら、募集要項で家計条件や金額などを確認しましょう。
給付型奨学金
給付型奨学金とは、授業料やひとり暮らしの生活費など、大学生活にかかるお金をもらえる制度です。借りているわけではないため、利息や返済の心配がいらず、学業に集中できるのが魅力です。
日本学生支援機構では2020年4月から、高等教育の修学支援新制度として「給付奨学金」と「授業料・入学金の免除または減額」を始めました。
世帯収入や資産の要件に該当し、学ぶ意欲があると判断されれば、原則毎月支給金額が口座に振り込まれます。例えば住民税非課税世帯で国公立大学・自宅通学であれば月額29,200円です。
受験生だけではなく、在学中の学生も申し込めるため、学費の支払いが難しくなったら検討しましょう。
他にも団体や大学独自のものもあります。支給金額やレポートの提出有無などを募集要項で確認しましょう。
貸与型奨学金
日本学生支援機構の貸与型奨学金では在学採用も行っており、利息のない「第一種」と利息のある「第二種」があります。
貸与額は国公立・私立、自宅・自宅外によって異なり、第一種で国公立大学・自宅通学であれば、通常の月額20,000円、30,000円、45,000円から選択できます。第二種は月額20,000円〜120,000円の10,000円刻みで利用可能です。
上記の貸与額はあくまで基本で、学部などによって変動します。
国の教育ローンを活用する
将来の返済が心配であれば、親に教育ローンを組んでもらえるか相談してみましょう。
日本政策金融公庫の国の教育ローン(教育一般貸付)は、借入限度額が350万円で、自宅外通学者などであれば450万円に増額します。金利は固定で原則年2.25%です。返済期間は18年以内のため、毎月の返済を抑えられるでしょう。日本学生支援機構の奨学金との併用も可能です。
銀行の教育ローンを活用する
銀行の教育ローンは、できるだけ早く教育資金を用意したい方におすすめです。金利や借入金額などは銀行によって異なり、500万円まで借りられる銀行もあります。国の教育ローンは固定金利ですが、銀行の教育ローンは固定か変動か選べます。奨学金や国の教育ローンよりも自由度が高いのが魅力です。
銀行の教育ローンは学生本人だけではなく、親や祖父母も利用できるケースもあります。親や祖父母にお願いしたい場合には、早めに相談しましょう。
カードローンを活用する
カードローンとは専用のカードを作成し、カードを使って銀行やコンビニのATMから現金を引き出せるサービスです。学生でも安定した収入があり、年齢要件を満たしていれば、学生本人が申し込めるケースもあります。ご自身で申し込めない場合には、親や祖父母に相談してみましょう。
ここではカードローンのメリットや注意点について解説します。
カードローンのメリット
カードローンを使うことで、最短即日でお金を借りられるため、学費の支払い期限が近づいているときに重宝します。また教育費以外にも使えるため、生活費に充当するといったことも可能です。最寄りのATMで引き出せるのも魅力です。
カードローン使用の際に注意したいこと
カードローンの金利は年3.0%〜15.0%と、奨学金や国のローン、銀行の教育ローンよりも高くなります。簡単に借りられるため、借り過ぎる恐れがあるので早めに返済するなど、計画的な利用を心がけましょう。
おすすめのカードローン
最後におすすめのカードローンを紹介します。
MONEY CARD
セゾンカードローンの「MONEY CARD(マネーカード)」はカードを持っていれば、申し込みから最短数十秒で指定の口座に振り込まれ、全国のコンビニATMで気軽に利用できます。
AMTは何度利用しても無料で、無駄な手数料を支払う必要もないため、ぜひセゾンカードローンの「MONEY CARD」をご利用ください。
MONEY CARDについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
おわりに
大学の学費が払えないと、退学や除籍処分になる可能性があります。払えなくなった際には、まず大学に相談し、分納や延納、減額ができないか聞いてみましょう。また親戚に相談したり、休学してアルバイトで稼いだり、奨学金、国の教育ローン、銀行の教育ローン、カードローンを活用したりするのもおすすめです。
カードローンであれば、カードが手元にあれば最短即日でお金を用意できるため、納付期限が迫っているときに役立ちます。金利や返済方法などに注意して賢く活用しましょう。