クレジットカード決済を利用している方の中には、請求金額が支払えずに困っている方もいると思います。請求が払えなかった場合、後で大きなトラブルに発展する恐れがあるので注意が必要です。
この記事では、クレジットカードの請求が払えない場合にはどうなるのか、払えない場合のリスク、返済できない場合の対処法などを解説します。クレジットカードの請求が払えずに悩んでいる方は、是非ご参照ください。
この記事を読んでわかること
- クレジットカードの後払い方式は、支出を予測できない場合に困難を引き起こす可能性がある。
- 請求が支払えない場合、督促状が送られ、最終的に給与や財産が差し押さえられるリスクがある。
- このような問題を回避するために、適切な対処法を事前に把握しておくことが重要である。
クレジットカードの請求が払えない場合どうなる?
クレジットカードの請求が払えなくなった方の中には、払えないとどうなるのか気になっている方も多いと思います。
早めに対応することで、ペナルティを最小限に抑えられるため、払えない場合にどうなるのか事前に把握しておくことが大切です。
クレジットカードの請求を払えない場合の流れは、以下の通りです。
- 支払いがなかった旨の案内がくる
- 督促状が届く
- クレジットカードが使えなくなる
- 強制解約される
- 一括返済を求められる
- 給与や財産を差し押さえられる
支払いがなかった旨の案内がくる
クレジットカードは、一般的にカード会社が定めた請求日に、契約時に登録した金融機関の口座から自動的に請求金額が引き落とされます。
請求日に引き落としができなかった場合は、引き落としができなかった旨を利用者に伝えるために、はがき等の案内や請求金額を振り込むための振込用紙が送られてきます。
督促状が届く
案内が届いたにもかかわらず、請求額を払わない場合は督促状が届きます。督促状を無視していると内容証明が送られてきます。
督促状や内容証明は、次のステップに移行するための準備です。対応しなかった場合はペナルティの対象となるため、払えるのであれば早めに対応しましょう。
クレジットカードが使えなくなる
督促状や内容証明に記載されている支払期日を迎えたにもかかわらず、請求額を払っていない場合はクレジットカードが停止されます。つまり、クレジットカード決済を利用できなくなるということです。
クレジットカードによっては、初回の請求日に請求額を引き落とせなかった時点で利用できなくなるケースもあるので注意してください。
強制解約される
クレジットカードの利用が停止されても、請求額を払うことで利用を再開できる可能性があります。しかし、強制解約された場合は利用を再開できません。
クレジットカードを利用するには再度カードに申し込む必要がありますが、一度強制解約されたカードを再度申し込んでも審査に通らないでしょう。
一括返済を求められる
クレジットカードは、分割払いやリボ払いのように、複数回に分けて請求額を払うことができます。しかし、滞納が長期に渡ると、カード会社の請求権が保証会社に移行します。
保証会社に請求権が移行した場合、これまで認められていた分割払いが認められません。一括返済を求められて、さらに返済が困難になるので注意が必要です。
給与や財産を差し押さえられる
一括返済を求められたにもかかわらず返済に応じなかった場合、給与や財産を差し押さえられます。差し押さえは裁判所に認められている行為なので、回避することはできません。
大切な財産を失う可能性もあるため、差し押さえに発展する前に返済しましょう。
クレジットカードの請求が支払えない場合のリスク
クレジットカードの請求が支払えないという事態を軽く考えてはいけません。以下のようなリスクを伴うため、支払えなくなる前に何らかの対処をすることが重要です。
- 遅延損害金が発生する
- 信用情報に滞納したことが記録される
- 周囲にバレてしまう
- 新たなローンやカードの審査が通らない
- 財産を差し押さえられる
遅延損害金が発生する
従来の請求日までに利用代金を支払えない場合、1日ごとに遅延損害金が発生します。遅延損害金の計算方法は以下の通りです。
請求額×年利×滞納日数÷365
請求額の一部を返済しても、全額を返済しない限り毎日遅延損害金が発生するので注意が必要です。
信用情報に滞納したことが記録される
信用情報とは、クレジットカードやローンなどの申込情報、利用状況などです。個人信用情報機関に信用情報が登録されています。信用情報には滞納記録といったマイナスの情報も記録されます。
クレジットカード会社や金融機関などは、審査時にこれらの信用情報を参考にしているため、審査に通りにくくなるという点に注意してください。
周囲にバレてしまう
カード会社からの請求を無視した場合には、周囲にバレる可能性が高まります。その理由は、滞納が長期化すると、勤務先や自宅への電話や訪問などがあることがあるためです。
給与や財産の差し押さえまで発展した場合は、給与を差し押さえるために会社に連絡が入り、財産を差し押さえるために関係者が自宅を訪問します。
周囲にバレるのを回避したい方は、差し押さえまでに速やかに支払いましょう。
新たなローンやカードの審査が通らない
長期滞納の場合や強制解約の場合は、個人信用情報機関にこれらの内容が登録されます。金融機関やカード会社は、申込者が信頼できる人物かどうかを判断する際に、個人信用情報機関の内容を確認します。
もし、個人信用情報機関に滞納情報や強制解約の情報が記録されていた場合、滞納する可能性が高い人物であると判断されて審査に通りません。
将来的にクレジットカードを作成したい、住宅ローンを契約したいと思っても、滞納が原因で新規に契約できない可能性があるので注意が必要です。
財産を差し押さえられる
遅延しても請求額を支払うことができれば問題ありませんが、もし支払うことができなかった場合は給与や財産を差し押さえられる可能性があるので注意が必要です。
給与を差し押さえられるケースでも全額を差し押さえられるわけではありませんが、生活への影響を避けられません。また、財産の差し押さえでは、大切な財産を差し押さえられる可能性もあることを理解しておきましょう。
クレジットカードの返済ができない場合にまず行うこと
クレジットカードの請求を払えない場合、放置していても状況は悪化するだけです。少しでも状況を改善するには、早期に対策を講じることが重要です。
クレジットカードの請求を払えない場合に、まず行うこととして以下の2つが挙げられます。
- 滞納する前にカード会社に相談
- 支払い方法を変更
滞納する前にカード会社に相談
請求日(引き落とし日)までに口座にお金を入金することが困難だとわかった場合は、すぐにクレジットカード会社に相談することが大切です。その理由は、事前に相談すれば、引き落とし日の再設定や請求金額の変更を行ってもらえる可能性があるためです。
何も相談しないまま請求日を迎えて引き落としができなかった場合は、滞納扱いとなるため、何かしらのペナルティが発生する可能性があります。しかし、事前に相談して再設定された引き落とし日までにお金を入金できれば、ペナルティの発生を回避できるでしょう。
支払い方法を変更
一回払いの請求には対応できないものの、分割払いであれば対応できるという方もいると思います。そのような方は、支払金額の変更期日を迎える前に自身で一括払いから分割払いやリボ払いに切り替えることで滞納を回避できるでしょう。
変更期日を過ぎているケースでも、クレジットカード会社に相談すれば支払方法を変更してもらえる可能性があるので、諦めずにまずは相談してみましょう。
引き落とし日を過ぎた場合でも分割できることも
引き落とし日を過ぎた場合は滞納扱いとなるため、利用者の信頼度は低下します。そのため、分割が認められていた場合でも、一回払いによる支払いに切り替えられてしまうこともあります。
分割で支払えないものを一回払いで対応するのはほぼ不可能です。しかし、クレジットカード会社へ相談することで、再度分割払いができる可能性があります。滞納によって給与や財産の差し押さえを回避するためにも、クレジットカード会社へ相談してみましょう。
分割返済の相談以外の対処法
カード会社に分割返済について相談するという方法以外にも、以下の4つの対処法が挙げられます。
- 家族や親戚に相談する
- カードローンを利用する
- 生命保険の契約者貸付や従業員貸付などを活用する
- 不用品の売却や質入れを行う
家族や親戚に相談する
引き落とし日までにお金を準備できなかった場合は、支払いが完了するまでの日数分の遅延損害金を支払わなくてはなりません。
また、信用情報に傷が付くことによりクレジットカードやローンなどの新規の申し込みが困難になるでしょう。家族や親戚に相談してお金を用意できれば、滞納を回避できるでしょう。
カードローンを利用する
事前にカードローンを申し込み、カードローンで借りたお金をクレジットカードの支払いに充てるのも選択肢のひとつです。
ただし、返済目途が立っていないにもかかわらず、カードローンを利用するのは意味がありません。カードローンを利用するのは、返済目途が立っている場合のみにしましょう。
カードローンでおすすめするのはセゾンカードのクレディセゾンが発行している「MONEY CARD」です。
MONEY CARDは、全国のコンビニ・ATMで利用できるほか、指定の銀行口座に最短数十秒で振り込みが完了します。また、利用用途は自由なので事業用途の資金調達も可能です。
マネーカードについて詳しく知りたい方は下記サイトをご確認ください。
MONEY CARDについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
生命保険の契約者貸付や従業員貸付などを活用する
契約者貸付制度とは、生命保険に加入している場合に受け取れる返戻金の一部を借りることができる制度です。
従業員貸付制度とは、会社員が会社から融資を受けられる制度です。従業員の雇用環境を充実させる福利厚生の一環で提供されており、借りやすいように金利が優遇されています。
上記の制度を利用すればクレジットカードの支払いの滞納を回避できるでしょう。
不用品の売却や質入れを行う
不用品を売却または質入れしてお金を確保するのも選択肢のひとつです。使う予定のないブランド品を売却して現金化すれば、支払いに充てることが可能です。
手放したくない品物の場合は質入れによって資金を作ることもできます。ただし、質入れの場合には期日までにお金を返さないと品物を質屋に回収されてしまうので注意してください。
どうしても資金を用意できない場合は債務整理を検討
資金を確保できるように試みたものの、資金を確保できずクレジットカードの代金を払えない場合は債務整理を検討します。最後に債務整理とは何なのかを詳しく見ていきましょう。
債務整理とは?
債務整理とは、正当な手段で借金の減額や免除を経て債務(借金)を減らすことです。債務整理には以下の3つの手段があります。
- 任意整理
- 自己破産
- 個人再生
任意整理
任意整理とは、弁護士が債権者との仲介役を担い、交渉を経て利息の免除や返済期間の変更といった月々の返済負担の軽減を認めてもらうことです。
元金が減るわけではなく、交渉に応じてもらえない可能性がある点に注意が必要です。
自己破産
自己破産とは、裁判所を介して債権者に債務の返済が困難であることを認めてもらい、債務の全てを免除してもらうことです。
債務は免除されるものの、基本的に財産を全て処分されてしまう点に注意が必要です。
個人再生
個人再生とは、裁判所を介して債権者に債務の大幅な減額を認めてもらうことです。任意整理よりも返済負担を軽減できますが、自己破産のように債務が全くなくなるわけではありません。
一部の財産を処分される点に注意が必要です。
債務整理のメリット・デメリット
債務整理を選択することが、最適な選択肢とは限らない可能性があります。債務整理を選択してから後悔しないためにも、債務整理のメリット・デメリットを事前に把握しておくことが大切です。
メリット
債務整理のメリットは以下の2つです。
- 債務が減額されるまたは免除される
- 弁護士に依頼した時点で督促が止まる
債務整理を選択して債権者が交渉に応じた場合、利息が免除される、債務が減額されるなどの恩恵を受けられます。そのため、返済負担を軽減できる点は大きなメリットです。
また、弁護士に依頼した場合は、依頼した時点で督促が止まります。そのため、督促による精神的な負担も軽減できるでしょう。
デメリット
債務整理のデメリットは以下の2つです。
- 手続きに費用がかかる
- 信用情報機関に登録される
弁護士に依頼する際は、報酬を支払わなくてはなりません。支払いが困難な状況になっていることを考えると、費用を捻出するのはなかなか容易ではないでしょう。
また、債務整理を選択すると、信用情報に債務整理を行った旨が登録されてしまいます。そのため、新たにローンを組むことや、クレジットカードを申し込むことができなくなる点に注意が必要です。
おわりに
クレジットカードの引き落とし日に利用代金を引き落とせなかった場合は、督促状が送られてきて、最終的には給与や財産の差し押さえに発展する可能性があります。
また、遅延損害金が発生したり、信用情報に傷が付いて新規にローンを組んだりクレジットカードを申し込んだりしても審査に通らなくなる可能性があるので注意してください。
何も対応せずに放置しても状況が悪化するだけです。払えずに困っている方は、現時点で選択できる対処法がないか考えて早めに行動に移しましょう。