蓄電池の設置に補助金を利用できると聞いて詳細が気になっている方も多いのではないでしょうか。設置後に後悔しないためにも、事前に設置するメリット・デメリット、補助金の詳細を確認しておくことをおすすめします。
この記事では、家庭用蓄電池の普及率が高い理由、設置するメリット・デメリット、補助金について詳しく解説します。蓄電池について詳しく知りたい方は、是非参考にしてください。
この記事を読んでわかること
- 蓄電池は万が一の備えになる、電気代を抑えられるので便利
- 蓄電池の設置には補助金を受けられるが、条件を満たしている必要がある
- 他のリフォームを同時に行えば、補助金の額を増やせる場合があるので要検討
家庭用蓄電池の普及率が高まっている理由
家庭用蓄電池の普及率が高まっている背景には、以下の4つの理由が挙げられます。
- 新型コロナウイルスの影響により在宅時間が増えた
- 防災対策に対する関心が高まった
- 電気自動車の普及率が高まった
- 蓄電池の設置をするのに補助金が受けられる
それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
1.新型コロナウイルスの影響により在宅時間が増えた
コロナ禍では、外出制限やテレワークといったようにライフスタイルが変化し、自宅で過ごす時間が長くなりました。
その結果、電気の使用時間が長くなったことや、電気の基本料金が上がっていることによる電気代の高騰で、家庭用蓄電池の設置を検討する家庭が増えました。
2.防災対策に対する関心が高まった
2011年の東日本大震災、2022年の福島沖地震だけでなく、自然豊かな日本はさまざまな大規模災害の影響を受けるリスクが高いです。
大規模災害が発生した場合、ライフラインが止まることも少なくありません。防災対策の観点からも家庭用蓄電池に対する関心が高まっていることも要因といえるでしょう。
3.電気自動車の普及率が高まった
ガソリン代の高騰や補助金や減税を受けられるなどの理由で、電気自動車の需要が高くなりました。家庭用蓄電池を設置していれば、自宅で電気自動車の充電に使用することも可能です。
また、現時点で電気自動車を所有していない家庭でも、将来的に電気自動車が普及することを考えて先に設置しておこうという考えから、家庭用蓄電池の設置が増加していると考えられます。
4.蓄電池の設置をするのに補助金が受けられる
家庭用蓄電池を設置する際はある程度の費用が発生します。しかし、政府は環境に配慮された工事を実施する際に補助金を受けられるようにサポートしており、家庭用蓄電池の設置においても補助金を受けることが可能です。
補助金を利用してお得に家庭用蓄電池を設置できるという状況も、家庭用蓄電池の普及率が高まったひとつの要因といえるでしょう。
蓄電池を設置するメリット・デメリット
家庭用蓄電池を設置すべきか悩んでいる方も多いでしょう。設置してから後悔しても手遅れなので、メリット・デメリットを事前にしっかり把握してから判断しましょう。
蓄電池を設置するメリット
蓄電池を設置するメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 電気料金を抑えられる
- 急な停電でも、蓄えた電気を使用できる
- 太陽光と組み合わせることで効率的に電気を使える
それぞれのメリットを詳しく解説していきます。
電気料金を抑えられる
電気料金は時間帯によって料金設定が異なっているケースが多いです。例えば、日中は高く、早朝や夜間は安くなっています。
蓄電池を設置している場合には、早朝や夜間などの電気料金が安い時間帯に蓄電し、電気料金の高い時間帯は蓄電された電気を使用します。
安い時間帯の電気を効率良く活用することによって電気料金を抑えられるでしょう。
急な停電でも蓄えた電気を使用できる
災害が発生した場合には、ガス・水道・電気などのライフラインが止まることも少なくありません。長時間停電になった場合でも、蓄電池があれば蓄えた電気を使用できるので安心です。
電気はライフラインの中では比較的復旧が早いですが、大規模災害では復旧までに時間を要します。万が一の事態が発生しても安心できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
太陽光と組み合わせることで効率的に電気を使える
太陽光発電システムは、発電するのみで太陽光発電で得た電気を使用できない場合は蓄えておくことができず効率が悪いです。
蓄電池を設置した場合は、余剰分の電気を蓄電池に蓄えられるため、効率的に電気を使用することができます。
太陽光発電システムの能力を最大限に発揮させるには、蓄電池の設置が欠かせないでしょう。
蓄電池を設置するデメリット
蓄電池を設置するデメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 蓄電池の価格が高い
- 蓄電池には寿命がある
- 設置場所を確保する必要がある
それぞれのデメリットについて詳しく説明していきます。
蓄電池の価格が高い
蓄電池を設置した場合に補助金を受けられますが、全額が補助されるわけではありません。蓄電池は高額なので、ある程度の自己資金が必要です。
電気代が上昇している昨今では、蓄電池の恩恵で電気代を抑えることで、設置にかかった費用を回収できる可能性が高いですが、必ず回収できるとは限りません。
蓄電池の恩恵が小さく、費用だけが無駄にかかる可能性もあるので注意してください。
蓄電池には寿命がある
蓄電池は一度設置すると、生涯使用できるというものではありません。年数の経過とともに蓄電池の性能が落ちるため、いずれは交換が必要です。
基本的には長期間使用できるものですが、故障した場合は予定よりも早く交換が必要になり、修理に多額の費用を要したことで費用対効果が下がる可能性がある点に注意しましょう。
設置場所を確保する必要がある
蓄電池を設置する際は十分な場所の確保が必要です。ただ単に場所を確保すれば良いというものではなく、安全性の観点からいくつか条件を満たさなくてはなりません。
新築住宅の場合、蓄電池の設置場所を確保したことで、居住スペースが狭くなった、間取りの変更が生じたといった問題が生じる可能性があることを理解しておきましょう。
【2023年】国からの補助金を紹介
2023年に蓄電池を設置した場合に国から受けられる補助金として、以下の3つが挙げられます。
- 電力需給ひっ迫等に活用可能な家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業(DR補助金)
- 蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業(DER補助金)
- こどもエコすまい支援事業
それぞれの補助金を詳しく見ていきましょう。
電力需給ひっ迫等に活用可能な家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業
電力需給ひっ迫等に活用可能な家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業とは、蓄電池導入促進を目的とした国が用意した補助金制度です。
再生可能エネルギーの導入促進と電力需給ひっ迫時でも利用できる電源を確保することが目的です。
補助金の額 | 上限60万円/台 |
申請期間 | 蓄電池アグリゲーター登録完了後~2023年12月22日(金) 12:00 必着 |
条件 | ・国が認めた事業者から購入すること ・国が性能を認めた蓄電池システムであること ・DRに対応可能な設備であること ・蓄電システムの購入価格と工事費の合計が目標価格以下であること ・補助金支給交付前に契約していないこと など |
補助金の額は蓄電池の初期実効容量や自費設置または第三者所有モデルなのかなどで異なります。
蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業
蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業とは、蓄電池などの分散型エネルギーリソースという技術によって、電気の安定供給や電力会社の配電の混乱を防ぐ目的として国が用意した補助金です。
補助金の額 | 上限60万円/台 |
申請期間 | 2023年7月18日(火)~2023年12月22日(金) 12:00 必着 |
条件 | ・国が認めた事業者から購入すること ・国が性能を認めた蓄電池システムであること ・DERの実証参加契約を締結すること ・蓄電システム購入価格と工事費の合計が目標価格以下であること ・補助金支給交付前に契約していないこと など |
補助金の額は蓄電池の初期実効容量や自費設置または第三者所有モデルなのかなどで異なります。
こどもエコすまい支援事業
こどもエコすまい支援事業とは、子育て世帯や若者夫婦世帯を対象にZEHレベル基準を満たしている新築住宅、省エネリフォームを行う全ての世帯を対象とした国が用意した補助金制度です。
補助金の額 | 64,000円/戸 |
申請期間 | 2023年3月31日~予算上限に達するまで(遅くとも2023年12月31日まで) |
条件 | ・国が認めた事業者から購入すること ・国が性能を認めた蓄電池システムであること ・設置工事後に補助金の申請を出すこと など |
蓄電池の設置だけでなく、同時に他の省エネリフォームをした場合には、リフォームの工事の種類に応じた補助金を加算できます。
地方自治体からの補助金を紹介
蓄電池の設置に対する補助金を用意しているのは国だけではありません。各自治体も蓄電池の設置に対する補助金を用意しています。
補助金の内容は自治体ごとに異なるため、どんな補助金が用意されているのかを確認しておくことが大切です。東京都、神奈川県、愛知県の補助金について詳しく説明していきます。
4東京都
東京都では、家庭における蓄電池導入促進事業、災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業を展開しています。家庭の太陽光発電における電気の自家消費の増大、非常時のエネルギー自立性の向上を目的として設置費用の助成を行っています。
補助金の額 | 機器費と工事費の4分の3(上限1,500万円) |
申請期間 | 令和5年5月29日~令和6年3月29日まで |
対象者 | ・所有する対象機器を都内の住宅に設置する個人または法人 ・所有する対象機器を他の物の東京都内の住宅に設置するため当該住宅の所有者等に貸与する個人または法人 ・その他マンション管理組合の管理者および管理組合法人並びに住宅供給事業者 など |
神奈川県
神奈川県では、自家消費型再生可能エネルギー発電設備を設置する事業を展開しています。再生可能エネルギー(自家消費を目的とする)発電設備もしくは当該設備と併せて導入する蓄電システム等の導入に必要な経費の一部の補助を行っています。
補助金の額 | 自家消費型再生可能エネルギー発電設備:6万円/1kW(上限1,000万円) 蓄電システム等:15万円/台(補助対象経費を上限) |
申請期間 | 令和6年2月29日(木曜日)まで |
対象者 | ・補助対象設備を所有する者 ・法人または青色申告をしている個人事業者 など |
愛知県
愛知県では、愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金を提供しています。温室効果ガスの排出を抑制、地球温暖化防止に寄与することを目的として、住宅用地球温暖化対策設備(太陽光発電施設、家庭用エネルギー管理システム、燃料電池、蓄電池など)を導入する個人に対して、市町村を通じてその経費の一部の補助を行っています。
補助金の額 | 間接補助対象事業者が設備の設置において要した経費に対し、補助事業者が補助するために要する経費の4分の1以内 家庭用燃料電池システム:10万円 家庭用リチウムイオン蓄電システム:10万円 電気自動車等充給電設備:5万円 |
申請期間 | 市区町村ごとに異なる |
対象者 | 戸建て住宅の場合は以下に該当すること ・自らが所有かつ居住する住宅に設備を設置する者 ・自らの居住用に供するための住宅の新築に合わせて設備を設置する者 ・第三者が所有する住居に居住する者で、当該住宅の設備の設置について所有者の承諾を受けている者 集合住宅の場合は以下に該当すること ・自らが所有する住宅に設備を設置する者 ・販売する事業者等によって、設備があらかじめ設置された住宅を取得しようとする者 ・第三者が所有する住宅に居住する者で、当該住宅の設備の設置について所有者の承諾を受けている者 など |
蓄電池設置のための補助金を活用する注意点!
蓄電池の設置についての補助金が提供されている場合でも、必ず利用できるとは限りません。受けたい補助金の条件に設置する機器の種類が該当し、導入時期や設置時期などが合う必要があるので注意してください。
また、購入者をだます悪質な事業者もいるため、適用要件を確認するほか、信頼できる事業者なのかしっかり確認しましょう。
セゾンのリフォームローンへご相談ください!
おすすめのポイントは3つ
- ・WEBで24時間365日申し込み可能
- ・最短2営業日で結果回答
- ・投資用物件にも利用可能
\セゾンのリフォームローン/
家庭用蓄電池の選び方のポイントを紹介
家庭用蓄電池であればどのような蓄電池でも良いというわけではありません。蓄電池によって以下の項目に差があるため、違いを確認しておくことが大切です。
項目 | 詳細 |
蓄電容量 | 電気を蓄えられる容量。容量が多いほうが良いが、費用が高くなる。 |
定格出力 | 安全に達成できる最大出力。定格出力が低い場合は、複数の機器を 同時に使えないので注意。 |
使用可能サイクル | 充放電可能な回数。サイクル回数が多いほうが良い。 |
設置場所 | 屋外型と屋内型がある。屋内型は故障リスクが低いが、 稼働音が気になる可能性がある。 |
機能 | ハイブリッド型、グリーンモード、遠隔監視システムなどのような機能が 備わっていると利便性が高い。 |
性能が高ければ良いというものでもないため、自分の使用状況や予算に合っているかなどをしっかり確認してから申し込みましょう。
蓄電池の設置にはリフォームローンの活用がおすすめ
蓄電池の設置に補助金を利用できると言っても、費用全額の補助を受けられるわけではありません。自己資金が不足している場合には、リフォームローンを利用するのも選択肢の1つです。
セゾンのリフォームローンでは、最長25年間、最高500万円までの融資を受けられます。来店不要、担保や保証人も不要でWEBで申し込めるのが特徴です。リフォームローンの利用を検討している方は是非ご相談ください。
セゾンのリフォームローンの詳細を知りたい方は以下をご覧ください。
おわりに
蓄電池を設置すれば、万が一の事態に備えられる、電気代を抑えられるなどの恩恵を受けられます。設置にかかる費用負担が心配な方も多いと思いますが、補助金を活用すれば、お得に蓄電池を設置できます。
しかし、蓄電池の設置で必ず補助金を受けられるとは限りません。設置する機器が決められている、申請期限が定められているなどの条件を満たしていなければ利用できない可能性があります。補助金の内容を調べて、利用できるかどうかを確認してから申し込みましょう。