古民家を長く住み続ける家として生まれ変わらせるために、リノベーションという方法があります。古民家リノベーションとは、古民家の良い部分は残しながら、建物の内部を最新化することです。
このコラムでは、古民家リノベーションの魅力や費用、失敗しないためのポイントについて解説しています。
この記事を読んでわかること
- 古民家は今では入手できない木材などが使われていて強度が高い家が多い
- 一方で断熱や耐震の工事が必要となるケースがほとんど
- 古民家リノベーションの費用には補助金や助成金が使える場合がある
- 古民家リノベーションは工事が始まってから想定外の費用がかかることもあるため多めに準備しておくと安心
古民家をリノベーションして暮らしを豊かに!
明確な定義はありませんが、古民家とは一般的には築50年経過した建物を古民家と指すことが多いです。譲渡や相続などで古民家を取得し、自身が希望するリノベーションを施すのも楽しみのひとつであり、住宅設備も新しくすることでこれからの住まいとして有効活用できます。
近年、古民家をリノベーション後に古民家レストランや宿泊施設として活用し、人気となるケースもあるほど、古民家の有効活用は注目されています。
古民家リノベーション5つの魅力
近年人気の古民家を、リノベーションして有効活用する5つの魅力についてご紹介します。
- 古い家ならではのレトロで風情ある雰囲気
- 古民家の良さを残しながら最新で快適な暮らしが手に入る
- 使われている木材の強度が高い
- 日本家屋の保存や自然保護につながる
- 固定資産税や補助金などのメリットがある
1.古い家ならではのレトロで風情ある雰囲気
古民家リノベーションは、古い家ならではの質感、土間・縁側などが醸し出すレトロな雰囲気が魅力的です。例えば、現代の住宅にはない土間や土壁などは、味があって趣深いものです。
レトロ風に仕上げた新築物件よりも、古民家は時を重ねてきたからこそ生み出す独特の落ち着いた雰囲気が魅力です。
2.古民家の良さを残しながら最新で快適な暮らしが手に入る
家の全体としては古民家ならではの良さを残しながら、リノベーションすることでキッチン・お風呂などを最新の設備に交換することで、快適な暮らしが実現できるでしょう。
3.使われている木材の強度が高い
築年数の古い古民家は、現在では入手困難になっている木材がふんだんに使われている場合があります。特に強度が高いケヤキやヒノキなどの木材が使われていることも多く、木造とはいえ強度の高い家が多いのが古民家の魅力です。
4.日本家屋の保存や自然保護につながる
味わい深い古民家をリノベーションして残すことは、希少価値のある日本家屋の保存、木材の自然保護につながります。関連して、地域活性化にもつながることがあり、周辺への効果も期待できる点が魅力です。
5.固定資産税や補助金などのメリットがある
固定資産税は、築年数で税額が決まっているため、既存の家屋をリノベーションすると、新築と比べて税金を軽減できる場合があります。ただし、増築した場合の固定資産税の解釈は自治体によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
また、古民家のリノベーションで行われることが多い耐震・断熱工事は、自治体や国の補助金制度を活用できるケースが多いです。こちらも自治体WEBサイト等で事前に確認しましょう。
古民家をリノベーションする時の注意点
古民家をリノベーションする時の注意点についてご紹介します。
- 耐震性に問題点はないか
- 耐熱性は充分か
- リノベーション開始後に追加工事が必要になるケースもある
1.耐震性に問題点はないか
耐震基準などが設けられていなかった時に建てられた古民家は、耐震性が低く、耐震補強工事が必要になるケースが多いです。
古民家では、現行の建築基準法における耐震基準を満たしていないことがほとんどのため、リノベーションをするにあたり、どの箇所に耐震補強をすれば良いのかは専門家の判断を仰ぎましょう。
2.断熱性は充分か
古い日本家屋は風通しが良いため、夏は過ごしやすいが冬は寒過ぎるというケースが多いです。全体として家屋の断熱性が低いため、断熱リフォームを施す必要性があります。
古民家の構造などによっては、現在主流となっている断熱材を使用できない場合がありますが、その際には断熱シートなどで対応できることがあるため確認しましょう。
3.リノベーション開始後に追加工事が必要になるケースもある
古民家は、工事前に予想していたよりも費用がかかるケースがあります。例えば、想定外の構造部分に工事が必要になる場合や、施主が材料にこだわり過ぎた場合です。
さらに、廃棄処分費がかさむ、床・壁などの劣化が発覚して追加工事が発生するなども想定されます。そのため、当初の見積もりよりも多めに費用を準備しておくと安心です。
失敗しない古民家リノベーション!3つのチェックポイント
古民家リノベーションを失敗しないために心得ておきたい3つのポイントについてご紹介します。
- 工事期間や予算に余裕があるか確認する
- バリアフリーリフォームを検討する
- 利用できる補助金制度などはあるか確認する
1.工事期間や予算に余裕があるか確認する
古民家のリノベーションでは、前述したように現行の建築基準法などを満たしていない場合がほとんどです。そのため、耐震性チェックなどの調査に時間がかかり、一般的な住宅リフォームよりも工事期間が長くなる可能性があります。
追加工事により想定していた予算よりもコストがかかることもあるため、リフォームのスケジュールや予算は余裕をもって見積もっておくことがおすすめです。
2.バリアフリーリフォームを検討する
古民家の造りは、急な階段があったり、部屋の中に段差があったりすることもあります。また、土間のある古民家も多く、その場合は家の中に高い段差が生じていることもあるため、バリアフリーの観点でリフォーム箇所をチェックした方が良いでしょう。
古民家を改修し長く居住することを考えているのであれば、将来のためにバリアフリー化も同時に検討することをおすすめします。
3.利用できる補助金制度などはあるか確認する
古民家をリフォームする時に利用できる補助金制度をチェックしましょう。リフォームやリノベーションの工事を始める前に、国や各自治体の補助金制度をチェックするのがおすすめです。主な補助金対象工事は、耐震・断熱、介護(バリアフリーリフォーム)、省エネなどがあります。
以下は各種補助金の一例です。これらの補助金制度は、リフォームやリノベーションを依頼する専門会社へ相談してみましょう。または、自治体の担当窓口でも相談可能です。
- 介護保険による助成(要支援または要介護認定を受けた人が対象で上限20万円)
- 耐震診断や耐震改修、ブロック塀の除去にかかる助成(地方自治体単位で実施)
- 環境省などによる断熱改修の助成・補助金(窓、外壁、屋根などの断熱改修などが対象)
古民家リノベーションにかかる費用は?
古民家リノベーションにかかる費用の目安についてご紹介します。リノベーション前の古民家の状態や広さ、立地などさまざまな要件によって費用が変わってくるため、以下で挙げる金額は一般的な相場としてご参照ください。
- 施工内容によって費用もさまざま
- 【事例別】リノベーションの費用相場
1.施工内容によって費用もさまざま
施工内容、建物の状態によって、リノベーションやリフォームの費用は大きく異なり、古民家の広さや、どの程度の範囲までリノベーションを行うのかによっても違います。
また、前述のように古民家改修では想定外の費用がかかることがあるため、見積もりの費用よりも多めに準備しておくと安心です。
2.【事例別】リノベーションの費用相場
古民家リノベーションやリフォームでよくある事例について、費用相場の一例をご紹介します。
- 築60年超の古民家フルリフォーム 2,250万円
- 築123年の古民家フルリノベーション 3,750万円
- 築130年の古民家再生リフォーム 410万円
古民家のリノベーションやリフォーム資金にお困りなら、ローンを活用しよう
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古民家をリノベーション後、居住を目的とした賃貸に出す場合にもセゾンのリフォームローンを利用できます。民泊やペンションとしての利用を目的としたリノベーションには利用できないのでご注意ください。
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セゾンの不動産フリーローンは“極度型”のローンであるため、初回のご契約(限度額設定)後は、WEB(または電話)での申し込みで、借り入れが可能です。資金使途が自由で、借入限度額が2,000万円以上10億円未満なので、古民家のリノベーションだけでなく、事業性資金としてや投資資金としてもご利用いただけます。
おわりに
近年注目されている古民家は、今では入手できない木材をふんだんに使っていることもあり、希少性が高く、リノベーションをして活用したい方が増えています。築年数が古いため、予想以上に費用がかかることがありますが、事前に調査し、あらかじめ備えておくと安心です。
また、国や自治体の補助金制度が使えることもあるため、積極的に活用しながら古民家ライフを楽しみましょう。