ゴミ屋敷の片付けは、一見難しく思えるかもしれません。しかし、実は適切なコツや方法を知れば誰でもトライできますし、お金がなくても片付けは可能です。
このコラムでは、ゴミ屋敷の片付けに必要なステップを詳しくご紹介し、自力での片付け方法、専門業者への依頼、費用対策などを解説します。家をきれいに片付けて生活環境を改善したい方は、ぜひ参考にしてください。
- ゴミ屋敷は、物の多さ・捨てられない状態・病気や認知能力の低下などが原因で発生し、放置すると近隣住民に迷惑をかけるリスクがある
- 自力で片付けるコツは「入口から一部屋ずつ確実に片付け、取っておく物と捨てる物を仕分けて、売れるものは売る」こと
- 自力での片付けが難しい部分は、見積もりを取った上で専門業者へ依頼する
ゴミ屋敷になる原因と放置するリスク
環境庁の調査によると、直近5年度(平成30年度〜令和4年度)のゴミ屋敷事案の認知件数は、全国合計5,224件に達しました。市区町村の単位では、全体の約38.0%(661の市区町村)がゴミ屋敷事案を認知しています。
そんなゴミ屋敷の発生には複数の原因があります。また、放置した場合には、住人だけでなく地域社会にも悪影響を及ぼす可能性があるため、しっかり対処しなくてはなりません。
ここからは、ゴミ屋敷になる原因と放置するリスクを詳しく見ていきましょう。
参照元:環境庁 | 令和4年度「ごみ屋敷」に関する調査報告書 P4
ゴミ屋敷になる原因
ゴミ屋敷になる原因は、定期的な整理や適切なゴミ処理がなされていないことです。その背景には、さまざまな要因が絡み合うケースもあるため、1つずつ確認しておきましょう。
物が多い
物を多く購入したり、捨てることに抵抗があると、自然に物が増えてしまいます。物のない時代を知る高齢世代は、捨てることに抵抗があるケースも多いです。
物が捨てられない
物を捨てることに抵抗がなくても、掃除の時間が作れずにゴミが溜まるケースも少なくありません。 具体的には、仕事が忙しい方・生活が不規則な方・夜勤などでゴミを出す時間に起きられない方などは、ゴミが溜まる危険があります。
病気や認知能力の低下が原因のことも
身体的な病気で体力がない・ 心の病気で掃除の意欲がわかない・ 高齢者などで認知機能が低下しているなどの場合、 部屋の掃除やゴミ捨てができなくなるケースがあります。心の病気や認知能力の低下が原因の場合は、ゴミ処理だけでなく、医療面での支援も必要です。
ゴミ屋敷を放置するリスク
ゴミ屋敷を放置すると、ご自身や周囲に様々な悪影響が及ぶ可能性があります。
悪臭や害虫の原因になる
ゴミ屋敷は悪臭や害虫の発生源となります。食べかすが残った弁当箱には、腐敗・細菌が発生します。また、食べ残しはネズミやゴキブリを引き寄せ、病原菌を運んでしまうかもしれません。
ケガや健康被害のリスクが高くなる
ゴミ屋敷は物が散乱しているため転倒しやすく、高齢者にとっては大変危険です。また、不衛生な環境は病原菌やウイルスの繁殖、アレルギーなどのリスクを高めます。
近隣住民に迷惑がかかる
ゴミ屋敷は、悪臭・ 景観の悪化などによって近隣住民に迷惑がかかり、近隣の土地価格に影響を及ぼすケースもあります。また、火事や放火のリスクも増加するため、行政からの指導や命令が入る可能性があるでしょう。
ゴミ屋敷を片付けるお金がないときの対処法
ゴミ屋敷を片付ける際、お金がないケースでは、自力で片付けることが基本です。自力での片付けが難しい部分は、専門業者に依頼すると良いでしょう。
また、一部自治体では、支援制度が設けられている場合もあるため、 上手に活用してください。
自力で片付ける
お金がないケースでは、自力で片付けをスタートします。
以下の表をチェックして、自力での片付けが難しい場合は専門業者への依頼や自治体制度の活用も検討してください。
自力で片付け可能なケース | 自力での片付けが難しいケース |
---|---|
・部屋の広さが3DK以内 ・水回りが機能している ・家の中で日常生活は送れている | ・3DKを超える広さ ・水回りが機能していない ・物が多く足の踏み場がない(日常生活を送ることが困難) ・ケガ・病気・障害などを抱えている ・ゴミ屋敷が遠方にある ・片付けのための手間・時間が取れない |
必要な部分だけ専門業者に依頼する
片付けで難しい部分がある場合は、 専門業者に依頼して片付けてもらいましょう。 すべてをプロに依頼するのではなく、可能な範囲を自力で片付けてから依頼すると、費用を抑えられる可能性があります。
自治体の制度を活用する
現在、条例等を制定している市区町村数の約25%が、ゴミ屋敷に対する支援措置を規定しています。支援内容は自治体ごとに異なりますが、 支援の具体例は以下の通りです。
- 福祉的観点からの支援
- ごみの撤去処分などに対する経済的支援・補助
- 廃棄物の収集・運搬・処分 など
参照元:環境庁 | 令和4年度「ごみ屋敷」に関する調査報告書 P15〜16
ゴミ屋敷を自分で片付けるコツ
ゴミ屋敷の片付けは、闇雲に始めると、効率的に進めることができません。そこで、以下3つのコツを押さえて進めましょう。
【ゴミ屋敷を自分で片づけるコツ】
- 入口から始めて一部屋ずつ確実に片づけていく
- 取っておく物と捨てる物を仕分ける
- 粗大ごみは解体して売れるものは売る
入口から始めて一部屋ずつ確実に片づけていく
片付けは家の入り口付近(玄関側の部屋)から始めます。一部屋ずつ順番に片付け、あちこちで作業をしないようにすると効率的です。通常は作業に数日かかり、体力も消耗します。
取っておく物と捨てる物を仕分ける
はじめに、明らかにゴミと判断できる物(コンビニ弁当の容器、空き缶、ペットボトル、紙類、賞味期限切れの食品)を処分しましょう。
次に、不用品を「取っておく物」と「捨てる物」に分けます。その際「1年間使用していない物は処分」などの基準を決めておくのがおすすめです。
ただし、不用品でも売れそうなブランド品などは捨てずに、後で査定に出すと良いでしょう。
粗大ごみは解体して売れるものは売る
お金をかけずに粗大ごみを処分する場合は、解体して可燃ゴミや不燃ゴミに出す方法があります。また、リサイクルショップでの引き取り・買取が可能なケースもあります。
フリマサイトやアプリを活用して売却する、もしくは無料で引き取ってくれる人を探す方法も有効でしょう。無料譲渡でも、有料で捨てるよりお得です。
専門業者への依頼費用を抑えるコツ
専門業者への依頼費用を抑えるコツは、以下の3点です。
- 複数の業者から見積もりを取る
- 買取りも行ってくれる事業者を探す
- 粗大ごみを自力で自治体運営のゴミ処理センターに持ち込む
それぞれのコツについて詳しく見ていきましょう。
複数の業者から見積もりを取る
専門業者へ依頼する際は、複数社から見積もりを取り、リーズナブルな業者を選ぶと良いでしょう。
ただし、「格安」という理由だけで業者に依頼するとトラブルに巻き込まれるケースもあるため、信頼できる業者を選んでください。
格安という理由だけで判断しない
明確な理由のない格安業者は「後で追加料金を請求する」「ゴミ処理の方法に問題がある」などの、 悪徳業者の可能性もあります。
費用が相場よりも安い場合は「広告費を抑えている」「少人数作業」など、理由を明記しているか確認してください。
同時に、免許・許可はあるか、複数のユーザーが好意的な評価・口コミを残しているかもチェックしましょう。
費用相場を確認しておく
ゴミ屋敷の片付け費用は、おおよそ間取りに比例します。具体的な費用相場は、以下の表の通りです。
間取り | 費用相場 |
---|---|
1R・1K | 5万円前後 |
1DK・2K | 5~10万円 |
1LDK・2DK・3K | 10~15万円 |
2LDK・3DK・4K | 15~20万円 |
3LDK・4DK | 20万円前後 |
4LDK以上 | 20万円以上 |
相場を大幅に下回る見積もり額を提示する業者については、 理由を精査してください。 なお、上記の金額はあくまでも目安です。
不用品の量が非常に多い場合、 不用品の搬入や車両の出入りが難しい場合、その他特殊な事情がある場合などは、 上記よりも費用が高額になる可能性があります。
買取りも行ってくれる事業者を探す
ゴミ回収業者の中には、清掃と不用品回収だけでなく、買取りも実施しているケースもあります。
売れそうな物がある場合は、買取りを実施する業者を選ぶことで、片付け費用の一部を捻出できるかもしれません。
粗大ごみを自力で自治体運営のゴミ処理センターに持ち込む
自治体運営のゴミ処理センターにゴミを持ち込むと、業者に回収してもらうより、安く処理できます。 車などゴミを運搬する手段がある方、近所にゴミ処理センターがある方などは、ぜひ利用を検討しましょう。
ゴミ屋敷を片付けるお金がない場合はローンも検討
ゴミ屋敷を片付けるお金がない場合は、以下のような方法を検討してください。
- 分割払いできる事業者を探す
- 身内に費用を借りる
- ローンを組む
- リースバックを行う
ここからは、それぞれの方法について解説します。
分割払いできる事業者を探す
分割払いに対応している業者を選べば、まとまったお金がなくてもゴミ屋敷の片付けが依頼できます。
分割払いの際は、クレジットカードと現金のどちらに対応しているか、月々の支払額は具体的にいくらか事前に確認してください。
身内に費用を借りる
費用が工面できない時は、親族にお金を借りる方法もあります。
「ゴミ屋敷から脱却したい」「再びゴミ屋敷にならないようにする」といったことを伝え、同時に 返済の見通しについても話しておくと良いでしょう。
ローンを組む
分割対応の事業者が見つからない・親族からお金を借りられないといったケースでは、金融機関からお金を借りる方法もあります。金融機関によって金利・借入限度額などが異なるため、条件を満たし、信頼できる金融機関でローンを組むことが大切です。
クレディセゾンのカードローン「MONEY CARD GOLD(マネーカードゴールド)」は、安心してご利用いただけるカードローンです。 資金の利用目的に制限がないため、ゴミ屋敷の片付けにもご活用いただけます。 借入限度額は最大300万円です。
全国のコンビニやATMで利用でき、ATMの利用手数料は無料です。ONLINE即振込サービスもあり、申し込みから最短数十秒で指定の口座に入金されます。入出金手数料・振込手数料は、いつでも0円です。
「MONEY CARD GOLD」は新規契約・ご利用で最大2ヶ月分の利息が実質0円になりますので、まずは申し込んでみてはいかがでしょうか。
MONEY CARD GOLDについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
リースバックを行う
リースバックは、自宅を不動産会社に売却し、その後、同じ物件を賃貸として借りる仕組みです。自宅の売却代金を得ながら、家賃などを支払いながら自宅に住み続けられます。
リースバックで得た売却資金の一部をゴミの撤去費用に充てることで、ゴミ屋敷の問題が解決できます。
ただし、リースバックすると自宅の所有権がなくなり、家賃や敷金・礼金などの費用が発生する点にはご留意ください。
おわりに
ゴミ屋敷は、近所の方に迷惑をかけたり、 強制代執行される可能性があるため、放置は禁物です。自力でできる範囲で片付けを行い、 残りは専門業者に依頼すると良いでしょう。お金がない場合でも、分割払いできる事業者を探す・身内に費用を借りる・ローンを組むなどの対処法があります。さらに、故人宅であれば遺品整理も検討してみてください。
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