キャリアアップやワークライフバランスの充実のために転職を考えたとき、気を付けたいのが資金不足。順調に転職できても、思った以上に手取りが少なくなったり、最初の給与の振り込みが実は2ヵ月後で所持金がピンチ!なんてことも。
経験者の具体的な体験談から、資金不足に陥らないための準備と、もしものための対策を考えておきましょう!
1.給与よりも、ワークライフバランスを重視。手取り金額の落とし穴とは?
転職時に思いもよらない資金不足を経験した30代の既婚男性に聞いてみました。男性は深夜まで残業が続く企業に勤務。仕事にはやりがいがあり、社内のポジションも順調に昇進していましたが、子どもが生まれて家族が増えたことで、仕事のあり方を見直すようになりました。
「遅くまで残業をすることが当たり前の社風。夜遅くからの打ち合わせも頻繁で、自分一人だけで働き方を変えることは難しい。子どもの寝顔しか見ることができない生活よりも、もっとこの子の成長に関わりたいと考え、ワークライフバランスが取りやすい会社への転職を考え始めました。」
2.順調に転職先決定!給与ダウンも織り込み済みだけど…
奥様が仕事をしている共働きだったこともあり、給与よりも働きやすさや休みの取りやすさを重視して転職活動をスタート。給与条件に強くこだわらなかったこと、キャリアや経験のある即戦力が求められている業界だったこともあり、トントン拍子に活動は進み、内定を得ることができました。
「前職は給与基準が高く、業績に応じたボーナスがあり、役職手当も付いていたので、年齢の割には高給でした。転職を決めた会社では、前職よりも年俸が30万ほどダウンの提示を受けたのですが、ひと月平均にすると、2〜3万程度のダウン。それまで忙しくて外食ばかりだったこともあり、早めに帰って夕食を家で食べれば充分カバーできるだろうと思っていたんです。」
3.知らなかった!控除金額は前職の給与額で計算される!
しかし、その目論見は、転職して最初の給料日で早くも崩壊。健康保険や厚生年金などの社会保険料は3ヵ月、住民税は1年間、前職の給与額をもとに計算されることを知らなかったために、控除後の支給金額はまさかの数字になっていたのです!
「給与明細の手取り金額を見て、本当にビックリしました。前職での給与明細のイメージから、額面の80%前後が手取り金額だろうと思っていたのですが、前職の給与額で計算された社会保険料や住民税を差し引かれた手取り金額は、想定よりも低かったんです!子どもの保育園の保育料も、前職のボーナス込みの年収で計算された金額なので、低い手取り金額から高い保育料を支払わねばならず…。引っ越しをしたばかりで貯金もあまりなかったので、急に苦しいやり繰りになってしまいました。知っていれば、引っ越しを先延ばしにしたのですが…。」
転職をすると、加入している健保組合によって健康保険料の料率が異なることも。転職直後の手取り金額を把握して、資金計画を立てておきましょう!
転職を考え始めたら、資金の準備もお忘れなく。
4.転職活動の長期化で資金不足!あわてて派遣社員として働き始めたものの…?
職場の人間関係に悩み、転職を考えた20代の未婚女性に聞いてみました。女性は人間関係の煩雑さに耐えきれず、退職を決意。まだ年齢が若かったこともあり、転職先はすぐに決まるだろうと楽観的に考えていましたが、思うように進みませんでした。
「とにかく辞めたくて転職先が決まらないままに退職してしまったんです。貯金を切り崩しながら、転職活動をしたのですが、なかなか決まらなくて…。貯金が尽きてしまったので、いったん正社員は諦めて、派遣社員として働きながら、転職活動を続けようと考えました。」
5.大ショック!働いた当月に給与が支払われない!
藁にもすがる思いで派遣会社に登録に行くと、無事に派遣先が決まりました。ようやくこれでひと息付ける…と思ったのもつかの間、衝撃の事実が!
「給与の振込が、稼働月の月末で締めて、翌月末の振込みだったんです!これまで正社員の経験しかなく、働き始めた最初の月の給料日には振り込まれるものだと漠然と思い込んでいたので、ショックが大きかったです。」
振込日については、契約時には説明があったはずですが、多くの契約説明を一度にされるので、聞き落としてしまうことも。また、派遣会社によっては前払い制度があったり、半月ごとの締めで稼働スタートの当月に支払われる会社もあるのですが、そこまで検討する余裕がなかったそうです。
6.転職活動は資金不足の不安を解消し、気持ちを落ち着けることが大切
転職活動はスムーズに進むとは限らないので、充分に生活費を確保しておきたいもの。生活費の不安から、急場しのぎの派遣社員やアルバイトで働いても、思うように収入が入らず、ますます転職活動どころではなくなってしまいます。
なかなか希望するような転職先が決まらないときは、気持ちを落ち着けて転職についてもう一度考えてみましょう。転職先のターゲットを広げてみたり、これまでとは違う転職サイトからアプローチをしてみるなど、作戦を変えてみると、思わぬ成果が上がることもありますよ。
転職を考え始めたら、資金の準備もお忘れなく。