近年、電子マネーの急速な普及により、私たちの日常生活でのキャッシュレス決済は、もはや当たり前となっています。手軽さと利便性を兼ね備えた電子マネーは、確かに魅力的なサービスですが、その手軽さゆえに使いすぎのリスクや、セキュリティ面での懸念など、注意すべき課題も存在します。
この記事では、電子マネーの利用を検討している方に向けて、以下の内容を詳しく解説します。
- 電子マネーの定義と種類
- 電子マネーのメリット・デメリット
- 利用前のチェックポイント
- 賢く使いこなす方法
- 電子マネーとクレジットカードの使い分け方
電子マネーのデメリットを理解し、適切な利用方法を身につけることで、リスクを最小限に抑えられます。金銭管理に不安を感じている方も、この記事を読めば電子マネーを賢く使いこなせるようになるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。


電子マネーとは
電子マネーとは、現金を使わずにスマホやカードなどで取引できる便利な決済手段です。ここでは、電子マネーの概要について以下の2つに分けて解説します。
- 電子マネーの守備範囲の変遷
- わかりにくい電子マネーをカテゴリー分けして整理
では順に見ていきましょう。
電子マネーの守備範囲の変遷
近年、キャッシュレス決済は急速に普及しており、電子マネーの種類や利用方法も多様化しています。
当初、電子マネーといえば先払い方式(プリペイド方式)を指すことが一般的でした。
しかし、時代とともに電子マネーの守備範囲は広がりを見せており、最近では後払い方式(ポストペイ方式)や即時決済方式(デビット方式)も電子マネーの一種として認識されています。
このため、現在では電子マネーは狭義と広義の2つの意味が存在しています。
- 狭義:先払い方式(プリペイド方式)のみ
- 広義:先払い方式(プリペイド方式)、後払い方式(ポストペイ方式)、即時決済方式(デビット方式)
電子マネーの多様化は、消費者の選択肢を広げるとともに、キャッシュレス社会への移行をさらに加速させる要因となっています。
わかりにくい電子マネーをカテゴリー分けして整理
電子マネーの普及に伴い、使いやすさは広く認知されたものの、各サービスの違いがわかりにくくなっています。その一因として、電子マネーのカテゴリー分けが複雑化していることが挙げられます。
そこで、この状況を整理するために電子マネーを4つの観点から分類してみました。
【系統別】
種類 | 代表的なカード |
---|---|
交通系 | Suica、PASMO、ICOCAなど |
流通系 | WAON、nanacoなど |
クレジットカード系 | iD、QUICPayなど |
QRコード系 | PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、d払いなど |
【支払いのタイミング別】
種類 | 特徴 |
---|---|
プリペイド型(先払い型) | 事前にチャージした金額内で支払う方式。オートチャージ機能※が付いているタイプもあり |
ポストペイ型(後払い型) | クレジットカードと紐づけて支払う方式 |
デビット型(即時決済型) | 銀行口座から利用時に即時引き落としで支払う方式 |
※オートチャージ機能:残高が一定額以下になると自動的にチャージされる機能
【決済ツール別】
種類 | 特徴 |
---|---|
スマホ決済(モバイル決済) | スマホやその他のモバイルを使用して支払う方法 |
カード決済 | 専用の端末にカードをかざしたり差し込んだりして支払う方法 |
【決済方法別】
種類 | 特徴 |
---|---|
非接触IC決済 | カードやスマホをかざして決済する非接触型決済方法 |
QRコード決済 | 店舗のQRコードをスマホで読み取ったり、店舗側がアプリのバーコードを読み取ったりする方式 |
オンライン決済 | インターネットを通じて支払う方法 |
これらの分類を理解して、自分に最適な電子マネーを見つけましょう。
電子マネー全般のメリット・デメリット
電子マネーは支払方法によって特徴が大きく異なりますが、ここでは電子マネー全般に共通するメリットとデメリットを紹介します。
- 電子マネー全般のメリット
- 電子マネー全般のデメリット
それぞれについて順に解説します。
電子マネー全般のメリット
- 財布を持ち歩く必要がないので身軽
- 現金よりスピーディーに決済できる
- 現金に触れないので衛生的
- 利用額の0.5%~1%程度のポイントが付与される場合がある
- 送金機能がある場合、手数料不要で家族や友人間の送金が可能
- 支払履歴を確認できるため家計管理に便利
- 現金を使う機会が減ると銀行ATMに行く頻度が減る
- 現金の盗難や紛失を防げる
- 原則、支払時にサインや暗証番号入力の手間がない
- 記名式の電子マネーは、不正利用被害にあったとき補償を受けられる場合がある
このように、電子マネーには多彩なメリットがあります。なかでも、財布を持ち歩かなくても良い身軽さと、支払いがスピーディーな点に大きな魅力を感じている方は多いでしょう。
電子マネー全般のデメリット
- カードやスマホ紛失時などに不正利用される心配がある
- 無記名式の電子マネーは、紛失時に補償が受けられない
- クレジットカードと比較して加盟店が少ない
- 現金と比べてお金を使った感覚が薄いため使いすぎる恐れがある(特にポストペイ型やデビット型の場合)
- 停電時やシステム障害時に使えない
- 利用開始まで日数がかかる場合がある
- チャージ限度額やチャージ上限額が設定されている場合は高額利用できない
- 種類が多いため自分に合った電子マネーを選ぶのが大変
電子マネーは便利な決済手段ですが、これらのデメリットを理解したうえで、上手に使用しましょう。
【タイプ別】電子マネーのメリット・デメリット
電子マネーはタイプ別に特徴が大きく異なるため、3つの支払方式と2つの決済タイプを取り上げて、それぞれのメリットやデメリット、向いている方などを解説します。
- 後払い方式(ポストペイ方式)
- 先払い方式(プリペイド方式)
- 即時決済方式(デビット方式)
- スマホ決済タイプ
- カード決済タイプ
ここを読んで、自分に合った電子マネーを選ぶ際の参考にしてください。
後払い方式(ポストペイ方式)のメリット・デメリット
後払い方式(ポストペイ方式)は、クレジットカードと紐づけて決済する方式の電子マネーです。メリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・チャージの手間が不要 ・残高不足の心配が少ない | ・使いすぎてしまう心配がある ・返品やキャンセルの場合、返金に時間がかかる |
後払い方式(ポストペイ方式)の最大のメリットは、チャージの手間がない点でしょう。急な出費にも対応できる便利さが魅力です。その反面、お金を使っている感覚が希薄になるため使いすぎてしまう恐れがあります。
向いている方:計画的な支出ができる方、チャージの手間を省きたい方
先払い方式(プリペイド方式)のメリット・デメリット
先払い方式(プリペイド方式)は、あらかじめチャージした金額内で支払う方式の電子マネーです。現金チャージ以外にも、銀行口座やクレジットカード、デビットカードからチャージできるタイプや、オートチャージ機能が付いているタイプもあります。
メリット | デメリット |
---|---|
・使いすぎを防げる ・事前審査が不要 ・未成年でも使える ・クレジットカードや銀行口座を登録しなくても使える ・紛失してもチャージ金額以上の損失が出ない ・カードタイプは贈答用として利用できる | ・チャージ後に払い戻しできない ・加盟店が閉店した場合に使い切れない可能性がある ・チャージ方法が「現金チャージのみ」の場合、店頭でチャージしなければならない |
クレジットカードと紐づいていない先払い方式(プリペイド方式)は、利用開始時に事前審査なしですぐに使えるのが魅力です。
向いている方:計画的な支出を心がけたい方、クレジットカードが作れない学生や主婦の方
即時決済方式(デビット方式)のメリット・デメリット
銀行口座と連携して即座に引き落とされる即時決済方式(デビット方式)のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・チャージの手間がかからない ・残高不足の心配がない ・即口座残高に反映されるためお金の管理がしやすい ・キャッシュカード一体型の場合、海外ATMで現地通貨を引き出せるタイプもある | ・紐づけている銀行の残高以上の買い物ができない ・一部利用できない店舗がある |
即時決済方式(デビット方式)の最大のメリットは、リアルタイムで残高管理ができる点でしょう。ただし、口座残高が不足すると利用できなくなるため、預金残高を確認できるアプリとの併用がおすすめです。
向いている方:家計をしっかり管理したい方、クレジットカードの審査に通らなかった方
スマホ決済タイプのメリット・デメリット
スマホ決済には、スマホをかざして決済する非接触IC決済と、QRコード決済の2種類があります。
メリット | デメリット |
---|---|
・スマホをかざすだけで決済できる ・複数の電子マネーをスマホ1台で管理できる ・スマホを紛失しても遠隔でロックをかけられる ・自宅で使用開始手続きができる ・残高やポイントの確認がアプリで簡単にできる ・キャンペーンなどでポイント還元率がアップする場合がある | ・電波が悪いと使えない ・充電が切れると使えない ・機種によりアプリが非対応の場合がある ・多種類インストールすると使い分けが難しくなる ・スマホの操作が苦手な方にはハードルが高い |
スマホさえあれば決済できるので非常に便利な方法ですが、古い機種をお使いの方はアプリが対応していない可能性があります。不安な方はあらかじめ推奨動作環境をチェックしましょう。
向いている方:新しいサービスを積極的に取り入れたい方、ポイント還元を重視する方
カード決済タイプのメリット・デメリット
カード決済タイプの電子マネーは古くからある決済方法で、幅広い年齢層で利用しやすいのが特徴です。
メリット | デメリット |
---|---|
・かざすだけで決済できる ・スマホより扱いが簡単 ・スマホがなくても使える | ・無記名式の場合、紛失時のリスクが高い ・数百円程度の初期費用が発生するケースがある ・読み取り部分が磁気不良を起こすリスクがある ・発行の際は加盟店で手続きする必要がある(Webで手続きできる場合もあり) ・持ち歩くのを忘れる場合がある |
カード決済タイプの電子マネーは、誰でも簡単に使える点が魅力です。また、電池切れの心配がないのも大きな安心材料となるでしょう。一方で、紛失すると不正利用される可能性が高いため、取り扱いには十分な注意が必要です。
向いている方:スマホ操作が苦手な方、スマホの充電の持ちが悪い方、幅広い世代の家族で共有したい場合
電子マネーのデメリットを利用前に回避!3つの注意点とは
電子マネーにはデメリットがあるものの、注意すれば回避できる問題でもあります。ここでは、電子マネーを利用する前に注意すべき3つのポイントを解説します。
- 利用可能な店舗
- チャージ方法
- 紛失時や盗難時の補償内容
これらを事前に確認しておくと、スムーズに利用開始できます。
利用可能な店舗
電子マネーを使おうとしたら、加盟店ではなく使えなかったという経験がある方も多いのではないでしょうか。
特に地方の小さな店舗や古くからある商店街などでは、電子マネーに対応していないケースが多々あります。現金とは異なりどこでも使えるわけではないので、自分の生活圏内で使える店舗を事前に確認しておくと安心できます。
また、よく利用するオンラインショップが使用したい電子マネーに対応しているかどうかも調べておきましょう。
チャージ方法
次に気をつけたいのが、チャージ方法です。先払い方式(プリペイド方式)の電子マネーを使うには、あらかじめ残高をチャージしておく必要があります。
クレジットカードとの連携や、銀行引き落とし、オートチャージなどご自分が使いたい支払方法が可能かどうかは必ず確認しておきましょう。
また、現金でチャージする場合は、チャージ可能なコンビニなどが立ち寄りやすい場所にあるかどうかも重要なチェックポイントです。
紛失時や盗難時の補償内容
最後に押さえておきたいのは、万一の際の補償内容です。電子マネーを紛失したり、盗まれたりした場合の補償上限額や適用条件を確認しておきましょう。
また不正利用されたときの対応手順や、不正利用防止のためのセキュリティ機能の有無まで確認できれば、より安心です。
電子マネーのデメリットを理解して賢く使いこなす3つの方法
ここでは、電子マネーのデメリットを最小限に抑え、賢く使いこなすための3つの方法を紹介します。
- 利用履歴を定期的にチェックする
- 予算を決めて使う
- セキュリティ対策を万全にする
これらの方法を実践することで、電子マネーをより安全かつ効果的に活用できるでしょう。
利用履歴を定期的にチェックする
まずは、電子マネーの利用履歴を頻繁に確認する習慣を身につけましょう。多くの電子マネーは、スマホアプリやウェブサイトから簡単に利用履歴を確認できます。
週に1回程度、決まった曜日に確認するなど、定期的なチェックを心がけることが大切です。これにより、不正利用を早期発見できるだけでなく、自分の支出傾向を把握するのにも役立ちます。
具体的には、スケジュール管理アプリに「〇〇の利用履歴をチェック」と予定を入力したり、リマインダーを設定したりすると良いでしょう。
予算を決めて使う
電子マネーは現金とは異なり、残高が目に見えにくいため使いすぎてしまうリスクがあります。
そこで、月ごとや週ごとに利用限度額を設定し、それを超えないよう意識してみましょう。具体的には「食費や日用品の購入に月5万円」というように金額を決めることで、支出を管理しやすくなります。
特に使いすぎる傾向のある方は、先払い方式(プリペイド方式)の電子マネーでチャージ金額に制限を設け、支出はその範囲内で行うように心がけましょう。
また、家計簿アプリを活用すれば、より効果的に支出をコントロールできます。例えば、株式会社マネーフォワードが提供する家計簿アプリ「Money Forward Me」なら、クレジットカードや銀行の利用明細を自動で取得し、項目別に分類までしてくれます。
自分に合ったツールを見つけ、できるだけ手間をかけずに賢く家計を管理しましょう。
セキュリティ対策を万全にする
最後は、電子マネーを安全に利用するためのセキュリティ対策です。基本的なことですが、カードやスマホは絶対に紛失しないよう気をつけましょう。
スマホのセキュリティを高めるには、以下の5つの対策が有効です。
- 指紋認証や顔認証などの生体認証の設定
- 2段階認証の設定
- スマホで「探す」アプリを設定(遠隔操作でロックをかけられる)
- IDやパスワードの使いまわしをしない
- 不審なメールのリンクは開かない
これらの対策を行うことで、より安心して電子マネーを利用できます。
電子マネーvsクレジットカード!メリット・デメリットを踏まえた使い分け戦略
電子マネーと並んでよく使われている決済手段として、クレジットカードがあります。両者の主な違いは、決済方法の仕組みにあります。
- 電子マネー:プリペイド型、ポストペイ型、デビット型の3種類
- クレジットカード:カード会社が一時的に立て替え、後日まとめて利用者の銀行口座から引き落とす仕組み。1回払いのほか、分割払い、リボ払いなど支払方法を選択可能
最近はクレジットカードと電子マネーの違いがわかりにくくなっています。その理由として「電子マネーにクレジットカードが紐づいていることが多い」「クレジット機能と電子マネー機能の両方を兼ね備えたカードが増えている」などが挙げられます。
それぞれの特徴を踏まえた使い分け方の例をご紹介しましょう。
- 日常的な少額決済→電子マネー(理由:支払いがスピーディー、使いすぎを防ぎやすい)
- 高額な買い物やネットショッピング→クレジットカード(理由:限度額が大きい、ポイント還元率が高い場合がある、ショッピングサイトでは電子マネーに対応していない場合がある)
- 公共交通機関の利用→電子マネー(理由:交通系ICカードなら改札がスムーズ)
- 電子マネー非対応の店舗→クレジットカード(理由:クレジットカードは電子マネーより対象店舗数が多い)
電子マネーとクレジットカードにはそれぞれメリット・デメリットがあるため、状況に応じて賢く使い分けましょう。
なお、電子マネーとクレジットカードを連携させると、ポイントの2重取りなど双方のメリットを活かした使い方が可能になります。ぜひ、自分に合った使い方を模索してみてください。
電子マネーの支払いに困ったら!セゾンファンデックスの「かんたん安心カードローン」と「かんたん安心フリーローン」
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それぞれの特徴を見てみましょう。
かんたん安心カードローン
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かんたん安心フリーローン
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おわりに
電子マネーは日々の買い物をスムーズにし、時間の節約にもつながる便利なツールです。
しかし、使いすぎの心配や不正利用の恐れといったデメリットも存在します。これらを軽視すると思わぬ落とし穴に陥る可能性があるため、デメリットを踏まえた対策を心がけ、賢く使いこなしましょう。
現金やクレジットカード、電子マネーを上手に使い分けて、無駄のない支出管理を実現させてください。
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