更新日
公開日

既往歴ってどこまで書くべき?記載例やおすすめ生命保険・サービスも解説

既往歴ってどこまで書くべき?記載例やおすすめ生命保険・サービスも解説
セゾンのくらし大研究 編集部

執筆者

セゾンのくらし大研究 編集部

豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

既往歴があると生命保険に入れないかもしれないと、不安な人もいるのではないでしょうか。保険会社は加入者間の公平性を保つ目的で健康な人と既往歴のある人の加入条件に差をつけるため、場合によっては保険に加入できないケースもあります。

この記事では日常で既往歴を書く場面や生命保険加入時の既往歴の告知の方法、既往歴のある人が保障を確保する方法などを解説します。

既往歴があっても生命保険に加入したい人は、ぜひ参考にしてください。

この記事を読んでわかること
  • 既往歴とは過去に患った病気で現在は治癒している状態を指し、生命保険加入時などで記載が必要となる重要な個人の健康情報。
  • 生命保険加入時の既往歴の告知については一般的に過去5年以内の病歴を記載する必要があり、告知を怠ると契約解除などの重大な問題が発生する可能性がある
  • 既往歴がある人でも生命保険に加入できる方法として、特別条件付き契約、引受基準緩和型保険、無選択型保険などの選択肢がある
セゾンのマネナビ
セゾンのマネナビ

既往歴(既往症)とはどんな意味?記載が必要な場面は?

既往歴(既往症)とはどんな意味?記載が必要な場面は?

既往歴は過去に患った病気の記録を指し、既往症は過去に患った病気そのものをさしますが、実質的にはほぼ同じ意味として使われています。なお、既往症が治癒した病気であるのに対し、持病は現在治療中の病気という意味です。

最初に、既往歴の記載が必要な3つの場面を紹介します。

生命保険に加入する際

生命保険に加入する際、被保険者の既往歴の告知は非常に重要です。既往歴は保険会社が被保険者の健康リスクを正確に評価し、適切な加入条件を設定するために必要不可欠な情報だからです。

例えば、同じ30歳の会社員であっても糖尿病の既往歴がある人とない人では、将来の健康リスクが大きく異なります。生命保険は加入者同士で支え合う相互扶助の仕組みであるため、リスクに応じた公平な保険料設定が求められるのです。

保険会社は告知内容に基づいて、通常の契約が可能か、割増保険料が必要か、あるいは特定の疾病を保障対象外とするかなどを判断します。このように、既往歴の告知は、すべての加入者が公平に保険サービスを利用できるようにするための重要な情報となっています。

健康診断で問診票を記入する際

定期健康診断や人間ドックでは、問診票に記入された既往歴は重要な情報です。既往歴は、医師が適切な検査や診断をするための重要な手がかりとなるためです。既往歴についての詳細かつ正確な情報があると、過去にかかった病気や治療歴が現在の健康状態にどのように影響しているかを理解しやすくなります。

さらに、健康診断では家族の既往歴についても問われる場合があります。これは、遺伝的背景や生活環境が似ている家族の病歴が、受診者の将来的な疾病リスクを予測する重要な手がかりとなるためです。

このような情報によって医療機関はより適切な診断が可能となり、受診者自身の健康維持にもつながります。

履歴書を作成する際

就職や転職活動で必要となる履歴書には、一般的に健康状態を記入する欄が設けられています。この欄は、雇用主が応募者の健康状態を把握し、適切な業務内容や職場環境を検討するために活用されます。特に業務に支障がないことを示すためには、「良好」と記載するのが一般的です。持病や既往歴がある場合でも、現在の健康状態が業務に影響しないのであれば「良好」と記載して問題ないでしょう。

一方で、通院が必要な持病や業務上配慮が必要な場合は、その旨を正直に記載する必要があります。虚偽の記載は信頼関係を損なう可能性があるため避けましょう。履歴書の健康状態欄は、適材適所のための重要な情報源となるのです。

生命保険の告知時に既往歴はどこまで書くべき?書き方は?

生命保険の告知時に既往歴はどこまで書くべき?書き方は?

生命保険に加入する際は、被保険者の健康状態を告知しなければなりません。被保険者に既往歴がある場合、何年前のどのような病気までを申告しなければならないのでしょうか。ここでは、告知書における既往歴の書き方を解説します。

既往歴はどこまでさかのぼって書く?

生命保険の告知では、一般的に過去5年以内の既往歴について記載が必要です。特に以下の項目は申告が求められます。

  • 最近3ヵ月以内の医師による診察・検査・治療・投薬
  • 過去5年以内の7日以上の入院歴
  • 過去5年以内の手術歴

ただし、保険会社によって告知を求める期間は異なる場合があるため、告知書の質問項目を注意深く確認する必要があります。

また、がんなどの重大疾病や継続的な治療が必要な病気に関しては、5年以上前の既往歴であっても告知が必要になる場合があります。迷った場合は自己判断せず、加入予定の保険会社に確認するようにしましょう。

既往歴はどんな病気を書く?

生命保険の告知では、以下のような病気やケガについて記載が必要です。特に、最近3ヵ月以内に医師による診察や投薬を受けた場合、過去5年以内に7日以上の入院歴がある場合は、申告が求められます。

  • 心筋梗塞
  • 脳梗塞
  • 肺気腫
  • 悪性腫瘍
  • 糖尿病
  • 高血圧症

また、ケガで通院治療や手術を受けた場合も、既往歴として記載が必要です。症状が軽いと自己判断せず、治療や手術を受けた場合は必ず申告しましょう。なお、告知が必要な疾病の範囲は保険会社によって異なるため、告知書の質問項目を確認することが重要です。

告知が不要なものは?

生命保険や医療保険の加入時、一過性で後遺症のない病気については告知が不要とされる場合があります。具体的には以下のような病気や症状が該当します。

  • 完治している風邪・インフルエンザ
  • 花粉症
  • アレルギー性鼻炎
  • 水虫

これらは短期間で完治し、将来的な健康リスクが低いと判断されるため、通常は告知の対象外となります。ただし、保険会社によって基準が異なる場合があるため、迷った際は事前に保険会社や代理店に確認しましょう。

既往歴の書き方の例は?

告知書では、「はい」「いいえ」で答える告知事項に「はい」がある場合、詳細記入欄に具体的な内容を記入するのが一般的です。既往症についても、詳細記入欄に情報を記入します。以下は、告知書の詳細記入欄の項目と記載内容の一例です。

【告知書の詳細記入欄の記入例】

病気やケガの名称または症状急性虫垂炎
診察・検査・治療・投薬の期間2020年2月1日~2020年2月20日
入院した期間2020年2月1日~2020年2月10日
手術の有無有り(2020年2月)
手術名・部位・受傷部位虫垂切除術
検査結果・治療内容・投薬状況・経過完治(終診年月日:2020年3月20日)

既往症については、ありのままを記入するようにしましょう。

既往歴ありでも加入しやすい生命保険

既往歴ありでも加入しやすい生命保険

既往症がある場合、健康体の人と同じ条件での生命保険加入は難しい場合があります。

しかし、以下のような契約方法や保険種類によって、加入できる可能性があります。

【既往歴がある場合の生命保険1】特別条件付き契約

既往歴がある場合でも、特別条件をつけることで通常の生命保険に加入できる可能性があります。特別条件とは、被保険者の健康状態や過去の病歴などに応じて保険会社が付保する条件です。主な特別条件には以下の4種類があります。

条件の種類内容
特定疾病・特定部位不担保既往歴のある病気や部位に関連する疾病を、一定期間(通常1~5年)または全保険期間、保障対象外とする
例:狭心症の既往歴がある場合、心臓に関する疾病を不担保に
特定障害不担保約款に定める特定の障害状態になった場合、高度障害保険金の支払いや保険料の払込免除をしない
例:視覚障害の既往歴がある場合、視力に関する障害を不担保に
保険金削減加入後の一定期間(通常1~5年)に支払事由が発生した場合、保険金から一定の割合を削減して支払う
特別保険料通常の保険料に上乗せして割増保険料を支払う
(健康状態に応じて割増率が決定される)

【既往歴がある場合の生命保険2】引受基準緩和型保険(限定告知型保険)

引受基準緩和型保険(限定告知型保険)は、通常の生命保険では加入が難しい既往歴がある人でも簡単な告知で加入できる保険商品です。

告知項目は通常3~5項目程度と少なく、例えば「過去2年以内にがん・心筋梗塞・脳卒中で入院や手術を受けていない」といった基本的な項目のみの確認となります。

ただし、以下のような特徴や制約があります。

  • 保険料は通常の生命保険より高い
  • 契約後1年間は給付金が50%程度に削減されることが多い
  • 保障内容が通常の保険より限定的
  • 加入できる保険金額に上限がある

既往歴がある人にとっては選択肢のひとつですが、費用対効果を十分に確認したうえで契約するようにしましょう。

【既往歴がある場合の生命保険3】無選択型保険(無告知型保険)

無選択型保険は健康状態に関する告知や医師の診査が不要で、基本的に誰でも加入できる生命保険や医療保険です。既往歴や現在の健康状態に関係なく契約できるため、通常の保険に加入が難しい人にとって有力な選択肢となります。

ただし、無選択型保険にはいくつかの特徴や制約があります。まず、リスクが高い分、通常の保険よりも保険料が割高に設定されています。また、保険金や給付金の上限額が低く、高額な保障を求める場合には適していません。さらに、契約日から一定期間内に病気で死亡した場合には、保険金ではなく払い込んだ保険料相当額が支払われる場合もあります。

このように、無選択型保険は加入のハードルが低い一方で、保障内容や費用面での制約が多いため、契約前に十分な検討が必要です。

既往歴がある人の生命保険に関するQ&A 

既往歴がある人の生命保険に関するQ&A 

既往歴がある人の生命保険に関する、よくある質問に回答します。

既往歴を記載しないとどうなる?

生命保険の申し込み時に告知書に既往歴を正しく記載しない場合、重大な問題が生じる可能性があります。虚偽の記述や告知漏れが発覚すると、保険金が支払われない、または契約が解除される可能性があります。そのため、申し込みにあたり、正確な告知をすることが非常に重要です。

既往歴がある際に最初に考えるべき生命保険は?

既往歴がある場合でも、まずは通常の生命保険への加入を検討しましょう。特別条件(特定疾病不担保や特別保険料など)がつく可能性はありますが、条件を見てから加入するかどうかを判断できます。

通常の保険への加入が難しい場合や、提示された特別条件に納得できない場合は、次の選択肢として引受基準緩和型保険を検討し、最終的な選択肢として無選択型保険を考えるという順序で検討するのが賢明です。

生命保険の審査にとおらない場合の対策は他にもある?

生命保険の審査に通らなかった場合、一定期間経過後に再度申し込む選択肢があります。例えば、保険会社が「過去5年以内の既往歴」を審査基準としている場合、その期間が経過すれば引き受けてもらえる可能性があるからです。

また、健康状態が改善した場合や治療が完了した場合も、再度の申し込みで加入できる可能性があります。

生命保険の悩み相談ならFPを指名できる「セゾンのマネナビ」 

生命保険の悩み相談ならFPを指名できる「セゾンのマネナビ」 

生命保険の悩みを相談したいなら、オンラインFPショップの「セゾンのマネナビ」がおすすめです。「セゾンのマネナビ」は生命保険だけでなく、投資信託・債券・株式、住宅ローン、不動産売買など、お金に関する幅広い悩みに無料で相談できるサービスです。100名以上在籍するブロードマインド株式会社のファイナンシャルプランナー(FP)の中から、相談内容に合ったFPを指名できます。例えば、既往症がある方の生命保険加入についても、専門知識を持つFPが親身に対応してくれます。

さらに、スマホから簡単に即時予約ができ、相談は何度でも無料。忙しい方でもスキマ時間を活用して気軽に相談できます。生命保険の選び方や加入のポイントに迷ったら、「セゾンのマネナビ」を活用して、プロのアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか?

セゾンのマネナビの詳細はこちら

セゾンのマネナビ
セゾンのマネナビ

おわりに 

既往歴とは過去に患った病気で現在は治癒している状態を指し、生命保険加入時などに重要な情報となります。一般的に生命保険加入時は過去5年以内の既往歴を中心に正確な告知が必要で、虚偽申告や告知漏れは告知義務違反となる可能性があります。

既往歴がある場合でも、特別条件付き契約や引受基準緩和型保険、無選択型保険などに加入できる可能性があり、それぞれの特徴を理解したうえで判断すると良いでしょう。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

株式会社クレディセゾン提供(運営会社セゾンファンデックス)
株式会社クレディセゾン提供(運営会社セゾンファンデックス)

よく読まれている記事

みんなに記事をシェアする