自社・自分の商品・サービスを幅広く知ってもらうために、ホームページは有効なツールです。しかし、事業にも使えるホームページを作成しようとすると、依頼先や目的によっては数十万円~数百万円の費用がかかります。
この記事では、ホームページ作成費用がなぜそれだけ高額になるのか、費用の内訳も含めた理由を説明するとともに、上手に抑えるためのコツについて解説します。
- ホームページ作成費用は「誰に作成を依頼するのか」「何を目的にサイトを作りたいのか」で変動する
- ホームページの作成には、ディレクション費用、デザイン費用などの諸費用がかかり、これらが総費用を押し上げている
- ホームページを作成したら、ドメインの維持や更新などにかかる維持費が必要になる
- ホームページ作成費用を節約するには、制作自体は外部に依頼しつつ、更新作業や素材の用意は自社で行うなど配慮が必要


ホームページ作成費用の相場を決める二つの要因

ホームページの作成費用の相場は、以下の2つの要素により変動します。
- 誰に作成を依頼するのか
- 何を目的にサイトを作りたいのか
ホームページの作成費用の決まり方は、美容院でかかる費用に似ている部分があります。「ディレクター」「マネージャー」など、相応の経験・知識があり職位も高い美容師を指名する場合、指名料が必要なのが一般的です。また、単純なカットだけならそこまで金額は高くなりませんが、縮毛矯正やカラーリングなど、複雑かつ時間がかかる施術を望むなら、相応の金額は必要になります。
ホームページもこれと同じで、相応の知識・経験がある制作会社に依頼する場合は費用が高くなるでしょう。また、最低限必要な情報だけを盛り込んだホームページならそこまで費用はかさみませんが、高度な機能を求めるなら、比例して費用は高くなります。
依頼先別|ホームページ作成費用の相場

実際のところ、ホームページの作成費用の相場は、依頼先によっても大きく異なります。
ここでは、以下の3つの場合に分類し、詳しく解説しましょう。
- ホームページ制作会社に依頼する場合
- CMSで作成する場合
- フリーランスに依頼する場合
ホームページ制作会社に依頼する場合
1つ目の方法は、ホームページ制作会社に依頼することです。不慣れでも相談できたり、より良くするための改善提案や突発的なエラーの修復、また臨機応変に対応してもらえたりなど、さまざまなメリットがあります。
ただし、依頼先によっては数十万円~数百万円単位で費用がかかるため、ある程度資金に余裕がないと難しいのも事実です。
費用の相場 | ・小~中規模の制作会社:約10~300万円 ・大規模の制作会社:約100万円~ |
メリット | ・ホームページ制作に不慣れでも相談できる ・臨機応変に対応してもらえる |
デメリット | ・費用が高い |
CMSで作成する場合
2つ目の方法は、CMSで作成することです。CMSとは「Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システム」を略した言葉で、簡単に言うとホームページの管理・更新をするためのシステムを指します。
有名なCMSとしてWordPressがあり、個人のブログから企業サイトまで広く使われているため、名前だけは聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。
CMSのメリットとして、HTMLなどWebサイトを作成するための知識がなくても、比較的簡単にホームページを作成できることが挙げられます。また、FacebookやX(旧Twitter)などのSNSとも連動しやすいため、情報発信に力を入れていきたい場合にも向いている方法です。
ただし、CMS自体の使い方を覚えないと作成・更新はできません。また、テンプレートを元にホームページを作ることが多いため、自由度が高いデザインを求める方には向いていない部分もあります。さらに、サイバー攻撃の標的にされやすいため、パソコンやセキュリティ、Webの技術に詳しい担当者がいない場合は、導入も難しいのが事実です。
なお、費用についてですが、数万円程度の初期費用に加え、規模別のデザイン料がかかるため、以下の表も参考にしてください。
費用の相場 | ・CMS利用料:月額5,000円~30万円 ※上記に加えて、規模別にデザイン料などがかかる ・小規模サイトの場合(5ページ程度):30~100万円 ・中規模サイトの場合(15~30ページ程度):100~200万円 ・大規模サイトの場合(300ページ程度):500万円~ |
メリット | ・HTMLなどの専門知識がなくても比較的簡単にホームページが作成できる ・SNSと連動しやすい |
デメリット | ・CMS自体の使い方を覚えないと作成・更新はできない ・デザインの自由度が低い ・パソコンやセキュリティ、Webの技術に詳しい担当者がいない場合は、導入も難しい |
フリーランスに依頼する場合
3つ目の方法は、フリーランスに依頼することです。依頼するフリーランスは、クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングで探せます。また、個人としてホームページを開設していることもあるため、問い合わせてみると対応してくれるかもしれません。
フリーランスに依頼することの大きなメリットは、制作会社に依頼する場合と比べ、費用が大幅に抑えられることです。依頼するフリーランスや作成するホームページの内容によっても異なりますが、10~20万円程度で抑えられるでしょう。また、依頼先となるフリーランスの力量次第の部分はありますが、円滑にやり取りができ、臨機応変な対応も望めるのもメリットです。
一方で、フリーランスの力量次第で完成度は異なるため、品質の低いホームページが出来上がってくる可能性もゼロではありません。また、依頼先となるフリーランスが病気・けがで休業を余儀なくされたり、制作中にいきなり連絡が取れなくなったりして納期が遅れたり、途中で案件自体がキャンセルになるなどのトラブルも考えられます。クラウドソーシングを使うなら、過去の実績や評価を見て、依頼先を吟味しましょう。
費用の相場 | ・10~20万円 ※依頼内容によっても変動 |
メリット | ・制作会社に依頼する場合と比べ、費用が大幅に抑えられる ・円滑にやり取りができ、臨機応変な対応も望める |
デメリット | ・フリーランスの力量次第で完成度は異なる ・納期が遅れたり、途中で案件自体がキャンセルになったりなどのトラブルが起きうる |
目的別|ホームページ作成費用の相場

ホームページの作成費用の相場は、何のために作るのかという目的によっても大きく異なります。
ここでは、ホームページを作る主要な4つの目的別に、作成費用の相場について解説します。
企業サイトを作成する場合
企業サイトとは「何をしている会社なのか」を知ってもらうために作成する、会社概要・事業内容といった企業の基本情報を掲載するサイトです。英語の「コーポレートサイト」という表現で呼ばれることもあります。
いわば、企業の名刺代わりになるサイトでもあるため、イメージが適確に伝わるデザインにすることが重要です。また、セキュリティを備えるのはもちろん、状況次第では多言語対応などより拡充した機能も求められます。
【価格帯別の内容】
費用 | 内容 |
---|---|
100万円~ | 最低限必要な情報のみを盛り込んだ、テンプレート中心のデザインのページ |
150万円~ | この価格帯以上であれば、オリジナルデザインでの発注に対応可能な制作会社も散見される |
300万円~ | IR情報発信を見据えた機能、高いセキュリティ性など、高度な機能を求める場合、最低でもこの価格帯以上 |
ランディングページを作成する場合
ランディングページとは、そのページを見たユーザーに「商品を買う」「問い合わせをする」など、特定のアクション・購買行動を促すためのページを指します。チラシに近い役割を果たすページであるため、基本的にページ数は1ページで終わります。
チラシと同様、ランディングページもそれを見た人の目を引き、具体的な行動に移させるために作られるため、デザイン、コピーライティングを工夫しなくてはいけません。凝ったデザインを希望していたり、コンバージョン率(成約率)の高い制作会社に頼んだりする場合、相応の費用はかかります。
【価格帯別の内容】
費用 | 内容 |
---|---|
10万円以下 | フリーランス、中小規模のWeb制作会社に依頼し、テンプレートデザインでの作成が前提になる。自社でランディングページ制作ツールを導入するのも要検討 |
10~30万円 | フリーランス、中小規模のWeb制作会社に依頼する場合、構成案や個別デザインの作成を希望するなら、この位の予算は必要 |
30~60万円 | ランディングページ作成前の競合調査、構成案・原稿の作成まで任せたい場合は、中小規模のWeb制作会社でもこの位の費用が現実的 |
60万円以上 | 大手制作会社への依頼が可能。競合調査から改善サポートまで、ほぼすべての工程を任せられる・LP(ランディングページ)とは |
ECサイトを作成する場合
ECサイトとは、簡単にいうと「通販サイト」のことです。ECサイトを作る場合、どのような方法を使うかによっても予算が大きく異なります。予算を抑えたいなら、ASP型やモール型を前提に考えましょう。
ASPとは「Application Service Provider」のことで、簡単に言えば、ブラウザ上でサービスの管理画面から操作を行えば、ネットショップの編集や受注処理ができるシステムを指します。日本では「STORES」や「BASE」が有名です。一方、モール型とはブランドや店舗として出店し、受注を行う形のECサイトを指します。楽天市場やAmazonに出店する形でネット通販を受け付ける、と考えるとわかりやすいはずです。
自社に合ったECサイトを構築したい場合は、やや費用と時間がかかります。オープンソースといって無料で利用できるECサイトに必要な機能が備わったソフトを使ってECサイトを作るなら、比較的予算を抑えることが可能です。
また、有料とはなりますが、パッケージ型のソフトを使い、自社の状況に合わせてカスタマイズしてもらうことも考えられます。最も多額の予算が必要になるのが、フルスクラッチです。これは、ゼロから製造・開発を行う状態を指す言葉で、ECサイトの場合はヒアリングを行ったうえで、自社の要望や状況に合わせたシステムを作り上げていくことを指します。
【価格帯別の内容】
費用 | 内容 |
---|---|
10万円未満 | 自社もしくはフリーランスに依頼し、ASP型、モール型のECサイトを構築する |
10~100万円 | 中小の制作会社やフリーランスに依頼し、ASP型、オープンソース型のECサイトを構築する |
100~500万円 | 中小の制作会社に依頼し、パッケージ型、もしくはオープンソース型のECサイトを構築する |
500万円~ | この価格帯以上であれば、大手制作会社にフルスクラッチでECサイトの構築を依頼することも可能になる |
オウンドメディアを制作する場合
オウンドメディアは、ブログやコラム記事を中心にした、企業が自ら運営する情報発信のためのホームページです。ブログやコラム記事を通じ、顧客に対して製品・サービスに関する有益な情報を提供し、その製品・サービスが必要な際に選択肢に加えてもらうことを目的にしています。
オウンドメディアを立ち上げた後も、記事を追加したり、既存記事のリライト・アップデートをしたりすることが必要です。オウンドメディアを立ち上げる際は、これらの運用に関する費用が発生する点を踏まえ、広告費として割り当てる予算を考えましょう。
費用 | 内容 |
---|---|
10万円~ | 簡易的なブログ機能のついたCMS(コンテンツ入稿・管理システム)を導入し、デザイン・コンテンツ作成を自社で行う |
100万円~ | 制作会社に対し、デザインが凝っていて、かつ、機能の充実したCMSの導入を前提にしたオウンドメディアを発注可能 |
200万円~ | 制作会社に対し、オウンドメディアの戦略設計から立ち上げまでを一気通貫で依頼可能・オウンドメディアとは |
なぜ高い?ホームページ作成費用の内訳

発注先や目的によっても異なる部分はありますが、ホームページを作るのには数十万円~数百万円かかるのが一般的です。ホームページを作るには、以下の費用がかかるため、結果的に高くなります。
ここでは、それぞれの費用について、解説します。
ディレクション費用
ホームページを作るために制作会社に発注する場合、Webディレクターと呼ばれる進行管理役がプロジェクトの進捗管理や全体指揮を行うことになります。ディレクション費用とは、Webディレクターにかかる人件費のことです。
ディレクション費用は、ホームページ作成費用に10~30%上乗せした分、もしくは「Webディレクター1日あたりの単価 × 作業日数」で求めた額を払うことになります。なお、Webディレクター1日あたりの単価は4~6万円が一般的です。
デザイン費用
デザイン費用とは、ホームページに載せるための画像の選定・作成、レイアウトの決定など、デザイン作業を行うための費用を指します。具体的な費用はページ数、写真・画像の選定、デザインの複雑さによっても異なりますが、トップページの場合は8~16万円が相場です。
CMS導入費用と利用料
CMS導入費用とは、ホームページ作成に合わせて、CMSを導入する場合に発生する作業にかかる費用を指します。CMSとは、Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システム」の略で、ホームページの構築・管理・運用を行うためのシステムのことです。
導入に当たって初期費用がかかる他、月額で利用料がかかるのが一般的な費用形態となっています。月額利用料は、利用できる機能やプレビュー(閲覧)数によって変わるため、仕組みを契約時に確認しましょう。
コンテンツ制作費用
オウンドメディアとしてホームページを作ったり、ホワイトペーパー(自社の商品・サービスの紹介をお役立ち情報とともにまとめたもの)をダウンロードできるようにしておいたりする場合、それらのコンテンツ制作にかかる費用も必要です。
記事としてコンテンツを作る場合は1記事数万~10万円程度の費用が必要です。記事以外のコンテンツに関しては、10円/字以内など文字数に応じて費用が決まります。また、写真の撮影を行う場合、数万円程度の費用が発生するのが一般的です。
ホームページは作成後も維持費が必要

ホームページは一度作成したら終わりではなく、新しい記事の公開や、古い情報の変更・削除などの更新作業が必要です。
それらの更新作業にかかる費用も含め、ホームページの維持費として発生する費用について詳しく解説します。
ドメイン費用
ドメイン費用とは、ホームページのアドレスを取得し、使い続けるための費用です。以下の3つの費用が必要になりますが、金額や管理サービスによって異なるため、事前に確認しましょう。
- 取得登録料:1,000~2,000円(初回契約時に発生)
- 更新料:1,000~数千円(年単位で発生)
- 移管料:1,000~3,000円(ドメインを他の管理会社に移す際に発生)
なお、企業がドメインを取得するなら、信頼性の高さという意味で企業のみが取得できる「.jp」「.co.jp」の方が望ましいです。ただし、企業・個人問わず使える「.com」に比べると費用が高くなるため、後述するサーバーのレンタル費用とセットで使えるプランを使うなど、節約できる方法がないか調べてみましょう。
サーバーのレンタル費用
ホームページを作る際は、サーバーを用意しなくてはいけません。サーバーとはネットワーク上に設置されたデータの保管場所のことです。ユーザーがブラウザを通じてホームページにアクセスした場合、サーバーに保管されたデータがブラウザ上に表示される仕組みになっています。

自社でサーバーを用意することもできますが、導入費用がかかる上に、トラブルに備えて詳しいスタッフが必要になるため、すべての会社でできる方法ではありません。そのため、特に中小企業の場合は、サーバーを月額数百円~数千円でレンタルするのが一般的です。
ページを更新する際の費用
完成したホームページの更新を含めた運営を外部に依頼する場合は、作業料として費用がかかります。具体的な金額は更新の内容によっても異なりますが、数千円~数万円程度が一般的です。一方、自社で作業を行う場合は、CMSの利用料のみを払えば問題ありません。
SEO対策の費用
SEO対策とは、Googleなどの検索エンジンで自社のホームページが上位表示されるよう、さまざまな施策を講じることを指します。
ホームページは自社で作成し、SEO対策を行うコンサルティング会社に施策の立案、実行を依頼するといったケースも珍しくありません。費用の目安は月額10万円~となっていますが、どのような施策をどれだけ実行するかによっても異なる部分があります。
少しでも安くしたい!ホームページ作成費用を抑える4つのコツ

自社・自分でホームページを作成すれば費用を抑えることはできますが、時間と手間がかかるうえクオリティーが低くなる可能性があります。売上アップなど効果の見込めるホームページを望むなら、多少お金がかかってもプロに頼みましょう。
ここでは、プロにホームページ作成を頼みつつも、費用を節約できる方法を解説します。
目的を決めてホームページ制作を始める
1つ目のコツは「目的を決めてホームページ制作を始める」ことです。ホームページを作る目的をはっきりさせてから作らないと、不要な機能や作業が追加になり費用があがる原因になりかねません。
まずは会社概要や事業紹介など最低限のページから始めて、足りない機能を随時追加すると余計な費用を抑えられます。
画像やロゴなどの素材は自分で用意する
2つ目のコツは「画像やロゴなどの素材は自分で用意する」ことです。これらの素材の用意まで制作会社に依頼した場合、その分作業が増えるため費用も高くなります。
自社で用意できる写真、ロゴ、動画を用意しておくと、制作会社が行う作業が減るため、費用を抑えることが可能です。
CMS制作のみ依頼して自分で更新する
3つ目のコツは「CMS制作のみ依頼して自分で更新する」ことです。CMSを利用すると、専門知識がない場合でも簡単にコンテンツの追加・編集ができるようになるため、更新を外部に依頼する必要がなくなります。その分費用が減らせるうえに、最新情報をすぐに反映することが可能です。
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おわりに
ホームページ自体は自分・自社で作ることも十分可能です。しかし、前述したように費用対効果が決して高いとは言えないため、必要に応じてプロに頼み、上手に費用を抑えましょう。たとえ数十万円の費用がかかったとしても、それを上回る売上につながれば広告としての効果は十分に見込めます。
また、ホームページの出来は依頼先の力量にも左右されるのが事実です。フリーランスも含め、依頼先の担当者と綿密にコミュニケーションを取り、自社のサービス・商品の魅力が伝わるホームページを作りましょう。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。