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不動産担保ローンを断られたその理由は!?断られた際の対策6つを解説

不動産担保ローンを断られたその理由は!?断られた際の対策6つを解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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不動産担保ローンに申し込んではみたものの、審査に通らず融資を受けられなかった方もいるのではないでしょうか。不動産担保ローンはまとまった資金を比較的低金利で借り入れができる、メリットの大きい融資制度です。

しかし、金融機関によっては審査のハードルが高く、きちんとした対策を取らなければ審査に落ちてしまうでしょう。

そこで本記事では、不動産担保ローンの契約を断られる理由やその対策を紹介します。審査に通るためのポイントについても解説しているため、ぜひ参考にしてください。

不動産担保ローン
不動産担保ローン

不動産担保ローンを断られる理由7つ

不動産担保ローンを断られる理由7つ

不動産担保ローンの融資を断られたとしても、金融機関からは具体的な理由は聞かせてもらえません。しかし、一般的に不動産担保ローンを断られる理由は主に以下の7つが考えられます。

  • 返済能力に問題がある
  • 事業が安定していない
  • 提出書類に不備があった
  • 他社からの融資も受けている
  • 担保物件の評価が低い
  • 信用情報に問題がある
  • 担保物件の用途や状態に問題がある

1. 返済能力に問題がある

金融機関にとって重要な審査基準のひとつに「返済能力」が挙げられます。返済能力に問題があると判断される主な理由を、以下にピックアップしてみました。

  • 現在の収入が借入額に対して十分でない
  • 総返済負担率(年収に占める返済額の割合)が高すぎる
  • 他社からの借入が多すぎる

とくに、正規雇用ではない場合は収入の安定性も含め、厳しく評価されます。たとえば、個人事業主の場合は税務申告書や事業の収支計画の内容がしっかりしていないと、返済能力に問題ありと判断される可能性が十分にあります。法人の場合は役員報酬を低く設定しているケースでは、個人としての返済能力が十分にないとみなされることがあるようです。

2. 事業が安定していない

経営者や個人事業主の方が利用する場合は、事業の安定性が審査において重要なポイントとなります。不動産担保ローンは長期的な返済が求められるため、事業の継続性を重視されます。以下のケースに該当すると「事業が安定していない」と判断されるでしょう。

  • 売上や利益の変動が激しい
  • 起業して間もない
  • 赤字決算が続いている

事業が安定していないと判断されると、審査に通過できないといったことも十分に考えられます。経営面に不安を抱えている方は、不動産担保ローンと並行して他の借り入れ方法も検討しておくと良いでしょう。

3. 提出書類に不備があった

不動産担保ローンの申し込みをする場合は、必要書類の提出を求められます。金融機関によって必要になる書類は異なるものの、不動産担保ローンに関しては多くの書類を準備することになります。そのため、提出書類の不備は意外と起こりがちな問題です。

提出書類に不備があると審査に時間を要したり、虚偽の申告と判断されたりして審査落ちする可能性が高まります。不動産担保ローンの申し込み時に必要な書類については後述しているため、ぜひ参考にしてください。

4. 他社からの融資も受けている

すでに複数の金融機関から融資を受けている場合も、審査に通りにくくなります。他社からの融資を受けていると「返済ができなくなってしまうのでは」と、金融機関が貸し倒れを懸念するためです。

不動産担保ローンは審査の際に、他社借入額も含めた返済比率も判断材料とします。返済比率が高いほど貸し倒れリスクが上がることから、審査に通過するハードルが高くなります。

そのため、たとえ担保物件の価値が高評価を受けたとしても、借入件数や借入金額が大きい場合は融資を断られてしまう可能性が高まるでしょう。

5. 担保物件の評価が低い

不動産担保ローンはその名のとおり、担保物件の価値に基づいて融資を行います。そのため、担保物件の評価が低いと審査に落ちてしまいます。担保物件の評価額に左右される理由は、金融機関は利用者が万一に返済ができなくなった場合に、担保となっている不動産を売却して資金を回収するためです。評価額が低いと資金を回収できないため、審査に通過しにくくなってしまいます。

評価額が低くなる条件として、物件の価値だけでなく、抵当権の順番も見逃せません。担保物件が二番抵当権や三番抵当権に設定されている場合は、優先順位の高い抵当権者から先に回収されるため、評価が下がりやすくなります。

6.信用情報に問題がある

金融機関は申込者の信用情報を審査し、過去の借入状況や返済履歴を確認します。信用情報に問題があると判断されるケースは、主に以下のとおりです。

  • 61日以上または3ヵ月以上にわたり返済を滞納した
  • 債務整理の履歴がある
  • クレジットカードや消費者金融での延滞記録が残っている など

過去5〜10年以内に上記のようなトラブルを起こしている場合、信用情報機関に記録が残っている可能性があり、審査に通過しにくくなります。

7.担保物件の用途や状態に問題がある

担保物件の用途や状態にも注意が必要です。違法建築や老朽化が進んでいる物件は担保価値が大きく下がり、融資を受けることが難しくなります。

また、以下のような物件は売却の難易度が高かったり、法的リスクがともなったりすることから、担保価値は大きく下がる傾向があります。

  • レジャーホテル
  • パチンコ店やレジャー施設
  • 借地権付建物や底地権、再建築不可などの不動産
  • 別荘や遊休地
  • 競売で落札された不動産
  • 市街化調整区域内の不動産

担保価値が低いほど不動産担保ローンを利用しにくくなるため、場合によっては別の不動産を担保にすることも検討する必要が出てくるでしょう。

不動産担保ローンを断られた際の対策6選

不動産担保ローンを断られた際の対策6選

不動産担保ローンを断られた場合に、申し込み条件などを変更すれば審査に通る可能性があります。ここからは、不動産担保ローンを断られた際の対策を6つ紹介します。

  • 担保物件に近い金融機関を選ぶ
  • 融資希望額を減額する
  • 他社からの借り入れを完済しておく
  • 担保物件の変更・追加
  • 信用情報の改善
  • 専門家への相談

詳しく見ていきましょう。

1. 担保物件に近い金融機関を選ぶ

審査に通過する可能性を上げるためには、担保物件に近い金融機関を選ぶことです。金融機関は担保になる不動産を現地調査する必要があり、物件が遠方にあるときちんとした調査が難しくなります。

対照的に、担保物件の近隣にある金融機関であれば地域経済や不動産市場に精通しているため、より正確に担保価値を評価してくれる可能性があります。

2. 融資希望額を減額する

融資希望額を減額するのも、審査に通過するにあたり効果的な方法です。融資希望額を減額することで返済比率が下がり、審査に通りやすくなります。ひとつの目安として、返済比率を30%以下に抑えておくと審査に通る可能性が高まるでしょう。

担保となる不動産の評価額を超える融資希望額を設定していると、担保物件を売却しても資金の全額を回収できないリスクが生じます。このような事態になった場合、契約者は残額分の返済義務を負うことになります。一括返済を求められるケースもあり、応じられなければ債務整理を余儀なくされることもあるでしょう。

不動産担保ローンでは、担保物件の価値の6~8割程度が融資可能な上限となるのが一般的です。例えば、担保不動産の評価額が6,000万円の場合、融資可能な上限額は3,600万~4,800万円程度になります。これを超えないような融資希望額を設定することでより審査に通りやすくなるでしょう。

3. 他社からの借り入れを完済しておく

他社からの借り入れが多いと融資審査で不利に働くことから、申し込み前に少しでも返済しておくことが重要です。少しでも返済しておけば返済比率が下がり、審査に通過する可能性を挙げられます。

自分の借入状況を正確に把握し、借入先や残高、金利、毎月の返済額を整理します。そのうえで、金利の高い借入からを優先して繰り上げ返済を実施しましょう。

4. 担保物件の変更・追加

不動産を複数所有している場合は、担保物件の変更も検討してみるとよいでしょう。担保価値の高い不動産に変更することで評価額が上がり、融資を受けやすくなります。

例えば、当初提示していたものよりも築年数の浅い物件や、駅から近い物件、より都心部に近い物件を担保として提示することで、評価額が上がりやすくなるでしょう。

なお、金融機関によっては担保物件を複数提示することも可能です。そのため、複数の物件を所有している方は、追加で担保物件を提示することも有効な手段です。

5.信用情報の改善

不動産担保ローンを断られる原因のひとつに、信用情報の問題があります。信用情報を改善するためには、まず信用情報機関に開示請求を行い、自分の信用情報を確認することが重要です。開示請求はスマホやパソコンからでも可能です。

信用情報機関への開示請求

延滞や未納がある場合は速やかに完済し、返済記録を反映させましょう。信用情報の記録は5~10年程度は残ってしまうため、過去の信用履歴は短期的に改善できない場合もあります。そのため、新たな延滞や未払いを発生させないことが重要です。

6.専門家への相談

不動産担保ローンを断られた場合、不動産や金融の専門家に相談することで的確なアドバイスを得られます。専門家は審査落ちの具体的な原因を特定し、最善の解決策を提案してくれるでしょう。

例えば、提示した担保物件の評価額が低い場合、築年数の浅い物件や駅近の不動産への変更を提案されることがあります。ほかにも別の資金調達方法や柔軟な審査基準を持つノンバンクを紹介してもらえることもあり、融資条件の交渉についても専門的な助言が受けられるでしょう。

ただし、専門家に依頼する場合はコンサルティング費用などが発生する可能性があるため、これらの費用も考慮したうえで検討してください。

不動産担保ローンを断られた人が取るべき他の資金調達方法5つ

不動産担保ローンを断られた人が取るべき他の資金調達方法5つ

不動産担保ローンを断られた方が取るべきもうひとつの選択肢として、ほかの資金調達方法を検討することが挙げられます。不動産担保ローンは、数ある資金調達方法のひとつに過ぎません。

以下の資金調達方法があることは押さえておきましょう。

  • リースバック
  • 公的融資制度
  • クラウドファンディング
  • ビジネスローンの活用
  • ファクタリング

各方法の特徴を解説します。

1. リースバック

リースバックとは、自宅を売却してまとまった資金を得た後も、賃料を払うことでそのまま自宅に住み続けられる制度です。自宅の所有権はリースバック事業者に移るため、固定資産税や維持費用を負担する必要がなくなり、資金調達とコスト削減を同時に実現できます。

売却で得た資金には使用用途の制限がなく、事業の運転資金や納税などあらゆる用途で活用が可能です。また、住み慣れた家を離れる必要がないため、生活環境や人間関係も維持できます。

一方で、リースバック事業者から提示される賃料が割高になる可能性がある点は、デメリットになるでしょう。将来的に買い戻しをする場合でも、買い戻し価格が高額になる傾向があることから、長期的に見ると負担が大きくなることが考えられます。

2. 公的融資制度

金利の低い借り入れをするのであれば、公的融資制度も検討すると良いでしょう。公的融資制度とは、国や自治体が無利息または低金利で融資をする制度のことです。

公的融資制度には個人・事業者向けそれぞれで、さまざまな制度があります。事業者向けの場合は、日本政策金融公庫が実施している以下2つの制度が選択肢として挙がります。

  • マル経融資(小規模事業者経営改善資金)
  • 新規開業資金

日本政策金融公庫は他の金融機関が実施している融資と比べて低金利で融資を受けられるため、審査に通れば毎月の返済負担を軽減しやすくなるでしょう。

ただし、日本政策金融公庫の融資は融資実行までの期間が数ヵ月以上要することも多く、緊急の融資が必要な場合には不向きかもしれません。そのため、資金繰りに比較的余裕のある方向けの資金調達手段といえます。

マル経融資(小規模事業者経営改善資金)

マル経融資とは、商工会議所などから一定期間の経営指導を受けている小規模事業者が、経営改善に取り組むうえで必要な資金を借り入れできる制度です。

具体的な概要を、以下の表にまとめてみました。

利用条件商工会議所や商工会などが実施する経営指導を受けている小規模事業者で、指導先の長の推薦を受けた方
融資限度額2,000万円
返済期間・運転資金:7年以内
・設備資金:10年以内
利率(年)2.00%(2025年4月1日時点)
担保・保証人無担保・無保証人
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返済期間は設備資金の場合で10年以内と、不動産担保ローンに比べるとやや短いものの、金利は年1.45%と低めに設定されていることが特徴です。

新規開業資金

新規開業資金とは、女性や若者、シニアの方や廃業歴等があり創業に再チャレンジする方などの起業を支援する融資制度です。創業から7年までの事業者が対象となります。

具体的な概要を以下の表にまとめてみました。

利用条件新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
融資限度額7,200万円
(うち、運転資金は4,800万円)
返済期間・運転資金:10年以内
・設備資金:20年以内
利率(年)性別や国籍、事業内容によって異なる
担保・保証人話し合いのうえで決まる
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融資限度額が最大7,200万円と、高額な借り入れにも対応していることが特徴です。ただし、運転資金については4,800万円までと上限が低めに設定されています。運転資金としての活用を検討されている方は、把握しておきましょう。

3. クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の方から資金調達する方法です。クラウドファンディングで資金を集めるには、実施する事業に対して多くの方の共感を得る必要があります。

とくに、地域活動や社会貢献を目的とした事業は多くの方から支持されやすく、必要な資金を集めやすいでしょう。

クラウドファンディングのメリット

  • 金融機関で断られても資金調達できる可能性がある
  • 商品やサービスの宣伝になる

クラウドファンディングは従来の融資審査とは異なり、共感を集められれば金融機関に頼らず資金を得られます。

一方で、どれほど共感を得られるような事業内容でも、発信が不十分であれば目標とする資金を集めるのは難しくなります。その際は、クラウドファンディングに関する知見を持ったコンサルタントなどに相談して進めていくのも選択肢のひとつでしょう。

4.ビジネスローン

ビジネスローンは法人経営者や個人事業主を対象とした、事業資金専用のローンです。公的融資や銀行融資と比較すると、申し込みの手軽さや融資スピードが速いことが特徴です。担保や保証人を必要とせず、短期間での資金調達を希望する事業者に適したローンといえます。

ビジネスローンのメリット

  • 融資スピードが速い
  • 原則無担保・無保証人で申し込み可能
  • 手続きが簡単

一方で、ビジネスローンの融資上限額は数十万円~数百万円、多くても1,000万円程度と少額であることが多いため、大規模な資金調達には向いていません。そのため、少額であっても早急に借り入れしたい人向けの手段といえます。

5.ファクタリング

ファクタリングとは、事業者が持つ売掛債権を支払期日前にファクタリング会社に買い取ってもらうサービスです。売掛債権から手数料を差し引いた金額を受け取れます。

例えば、売掛債権が100万円でファクタリング会社の手数料が10%の場合、事業者は90万円{=100万円×(100-10)%}を即座に受け取れることになります。ファクタリングを利用することで、売掛金の期日より前に資金を調達できるため、資金繰りの改善が期待できます。

ただし、ファクタリングは売掛債権の金額内でしか資金調達ができません。調達希望金額が売掛債権の金額を超えてしまう場合には、別の資金調達方法を同時に利用する必要があるでしょう。

不動産を活用した資金調達はセゾンファンデックスの事業者向け不動産担保ローンをご活用ください

不動産を活用した資金調達はセゾンファンデックスの事業者向け不動産担保ローンをご活用ください

不動産担保ローンでは、創業して間もない企業や赤字決算が続いている企業の場合は、審査に通りにくい傾向があります。加えて、提供する不動産の担保価値が低い場合も審査は厳しいものになるでしょう。

経営状況に不安を抱えていたり、不動産の担保価値が低かったりする場合は、セゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」をご検討ください。

本ローンは独自の審査基準を設けており、赤字決算や創業間もない企業でも、事業計画や返済計画を考慮して融資の審査を行います。実際に、赤字決算の企業でも融資が実行された実績が多数あります。担保不動産においても、すでに抵当権が設定されている物件でも担保余力を最大限の評価に努めています。

実際にセゾンファンデックスの事業者向け不動産担保ローンであった事例を、いくつか紹介します。

【利用者の困りごと】

  • 直近2期の決算は赤字だったが大口の受注が入り、黒字転換
  • 資材仕入れ資金として1,000万の融資を受けたい
  • 今までは銀行から融資を受けられたが、リスケジュール中(返済条件を期間限定で変更中)のため、メインバンクはもとより公的融資機関にも断られた

【セゾンファンデックスの不動産担保ローンで解決】

・新たに事業計画書を提出し、これまでの経営成績よりも今後の返済能力・計画を重視した審査のおかげで運転資金を借りられた
・大型受注の仕入れ~工事も滞りなく終わり、売上・営業利益とも大幅に増え、黒字転換
・メインバンクのリスケジュールも終了し、現在は正常取引として扱われるようになった
・黒字転換したことにより、セゾンファンデックスの融資は返済期間を短縮して完済できた

【利用者の困りごと】

  • 父親から相続した借地権付き建物は店舗兼自宅として使用中
  • 借地権の更新のタイミングで大規模なリフォームをしたが予算を大幅にオーバーし、地主に支払うリフォームの承諾料と借地権の更新料が不足
  • 地元の信用金庫からは、借地権付き建物を担保に融資はできないと断られた
  • 返済期間を長くすることで、月々の返済額を抑えた借入れをしたい

【セゾンファンデックスの不動産担保ローンで解決】

・セゾンファンデックス独自の担保評価により、借地権付き建物ではあったものの、リフォーム済みであるため担保評価が出て融資実行してもらえた
・地主に承諾してもらい、セゾンファンデックス基準の評価で建物に担保権を設定を承諾もらえた
・返済期間は借地権の残存期間内である20年に設定し、月々のご返済額を抑えることができた

もし、事業運転資金の調達でお悩みの方は、セゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」を検討してみることをおすすめします。

不動産担保ローンの審査に通るためのポイント5つ

不動産担保ローンの審査に通るためのポイント5つ

不動産担保ローンの審査に通るためのポイントを5つ紹介します。

  • 提出書類に不備が無いようにする
  • 的確な事業計画書を作成する
  • 面談に備える
  • 正確な情報提供を心掛ける
  • 良好なコミュニケーション

審査時間を最短で済ませられる可能性もあるため、ひとつずつ押さえておきましょう。

1. 提出書類に不備が無いようにする

不動産担保ローンの審査を受ける際には、申し込みや契約に必要な書類を、正確に準備する必要があります。必要書類のなかには市役所や区役所、法務局での手続きが必要となる書類も含まれており、不備があると審査が開始されなかったり、進捗が遅れたりすることが考えられます。

不動産担保ローンで必要になる主な提出書類は、以下のとおりです。

本人確認書類住民票や運転免許証のコピーなど
収入を証明する書類確定申告書、源泉徴収票、法人の場合は決算書など
担保不動産に関する書類不動産登記簿謄本、地積測量図、構図、建物図面
金融資産を証明する書類預金通帳の写しや証券口座の残高証明書など
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なお、金融機関ごとに必要となる提出書類が異なるため、あらかじめ確認しておき、不備がないように提出しましょう。

2. 的確な事業計画書を作成する

不動産担保ローンの審査を有利に進めるためには、信頼できる事業計画書と返済計画を作成することが重要です。とくに赤字決算の場合であっても、しっかりとした事業計画書を用意すれば審査に通る可能性は高まります。

事業計画書を作成する場合の注意点は、以下のとおりです。

  • 伝えるべきことを端的に伝える
  • 図表などを使って見やすく仕上げる
  • 数字の根拠を記載する
  • リスクへの対応策を明記する

具体的で説得力のある計画書を作成することで、事業の信頼性と将来性を金融機関に効果的に伝えられ、不動産担保ローンの審査に通りやすくなるでしょう。もし、自分で事業計画書を作成することに不安を感じる場合は、税理士や中小企業診断士などの専門家に依頼するのも選択肢のひとつです。

3. 面談に備える

申し込みから融資の実行まで、オンラインで完結できる金融機関も少しずつ増えてきました。しかし、融資審査の際に対面での面談を実施する金融機関は一定数存在します。面談では、きちんとした受け答えができることや、発言に矛盾や誤りがないように注意しながら、自社の経営ビジョンや計画をわかりやすく説明することが求められます。

とくに、融資が必要な理由や具体的な返済計画については、熱意と誠意を持って伝えることが重要です。単に「資金が必要」と伝えるだけでなく、資金の活用方法や事業を成長させるまでのビジョンを具体例や数値を交えて説明することで、金融機関の信頼を得やすくなります。

そのほかの面談対策として、身だしなみもきちんと整えておきましょう。スーツなど清潔感のある服装を心がけることも大事です。

4.正確な情報提供を心掛ける

不動産担保ローンの審査では、申込者が提供する情報が審査において重要な判断材料となります。そのため、虚偽の申告は審査落ちの大きな原因になる可能性があるため、必ず正確な情報を提供してください。

事実と異なる情報を提供した場合、信用を失うだけでなく、審査全体が不利となる恐れがあります。例えば、収入や既存の借入状況、不動産の現状に関する情報を正確に伝えることで、金融機関は適切な判断ができ、スムーズに審査を進めていけるでしょう。

5.良好なコミュニケーション

不動産担保ローンの審査を順調に進めるためには、金融機関との良好なコミュニケーションが欠かせません。金融機関との信頼関係を構築することで、審査にプラスの影響を与えられるでしょう。

例えば、担当者からの質問や確認事項に対して、迅速かつ誠実に対応することが重要です。とくに、メールや電話での連絡には迅速に返信することで、金融機関に信頼感を与えられます。また、不明点がある場合には積極的に問い合わせを行い、必要な情報を的確に提供する姿勢が求められます。

不動産担保ローンの審査の流れ4ステップ

不動産担保ローンの審査の流れ4ステップ

不動産担保ローンで融資を受けるにあたり、どのような流れで審査を進めるのか気になる人は多いでしょう。不動産担保ローンの審査は、以下4つの手順で進められます。

  • 申し込み
  • 仮審査
  • 本審査
  • 契約・融資実行

ひとつずつ見ていきましょう。

1. 申し込み

不動産担保ローンの申込方法は金融機関によって異なります。店舗窓口での申し込みに加え、インターネット申し込みが可能な場合もあります。事前に対応方法を確認し、自分に合った方法を選ぶと良いでしょう。また必要書類をあらかじめ準備しておくことで、手続きを円滑に進められるでしょう。

2. 仮審査

申し込み後、最初に仮審査が行われます。仮審査では、申込者の基礎的な情報がチェックされます。

  • 収入状況
  • 他の借入状況
  • 信用情報(過去の返済履歴や延滞状況など)
  • 担保不動産の種類(住宅、事業用など)
  • 担保不動産の所在地(立地や市場価値が審査に影響します)

仮審査では基本的な適格性が判断され、一般的には数日以内、事業者によっては最短即日で通知されます。問題がなければ次の本審査へ進みます。

3. 本審査

仮審査を通過した後、本審査が行われます。本審査では、担保不動産や申込者に関する情報がより詳しく精査されます。重点的に確認される内容は、以下のとおりです。

  • 担保不動産の現地調査
    ⇒路線価や固定資産税評価額などの指標を基に決定。物件によっては、専門の鑑定士による現地調査あり
  • 返済能力の有無を判断
    ⇒提出書類に記載されている年収や職業、勤続年数などを元に返済能力があるか判断する。また、信用情報機関への照会を通して過去の借入状況や返済履歴も確認し、問題がある場合は審査結果に影響を及ぼす
  • 提出書類の再確認
    ⇒提出された書類に虚偽や不備がないかを精査する。誤りがあると審査が遅延したり、融資が不承認となる可能性あり

本審査の期間は、銀行の場合で3週間から1ヵ月程度、ノンバンクでは数日から1週間程度が目安です。

4. 契約・融資実行

本審査に通過した後は契約書を交わし、いよいよ融資の実行です。金融機関と融資実行日を調整し、契約書に署名・押印を行うことで契約が正式に成立します。その後、融資金額が指定の口座に入金され、資金の受け取りが完了します。

きちんと対策を講じれば不動産担保ローンで賢く資金調達ができる

不動産担保ローンには審査が設けられているため、通過しなければ利用できません。審査に通過しなかった理由は開示されないものの、以下に該当する方は基準を満たしていない可能性があります。

  • 返済能力に問題がある
  • 事業が安定していない
  • 提出書類に不備があった
  • 他社からの融資も受けている
  • 担保物件の評価が低い
  • 信用情報に問題がある
  • 担保物件の用途や状態に問題がある

融資を断られた場合は希望融資額の減額や、担保物件の変更を検討しましょう。不動産担保ローンはきちんと対策を講じれば審査に通る可能性を高められ、まとまった金額の資金を調達できます。

もし、創業して間もない方や赤字決算が続いている方、担保物件に問題を抱えている方は、独自の審査基準で柔軟に対応してくれるセゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」をご検討ください。少しでも早く資金を調達できるように、最短3営業日で融資に対応しています。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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