家を担保にお金を借りられる「不動産担保ローン」は、低金利で高額な借り入れもできます。そのため、事業資金が不足したときや借り換えなど、さまざまな場面で資金繰りの課題を解決する手段として活用できます。
一方で、借入条件のわかりにくさや大切な資産を担保に入れることへの不安から、利用に踏み出せない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、不動産担保ローンでお金を借りるための条件や、利用する際のメリット・デメリットなどを解説します。
手続きの流れや審査に落ちたときの対処法も紹介しているため、利用を検討している方は参考にしてください。


家を担保にお金を借りる「不動産担保ローン」の審査条件

不動産担保ローンの審査では「担保評価」「所有権」「返済能力」の3要素を、総合的に判断します。
物件の評価額だけでなく収入や返済実績、登記の状況まで確認されるため、いずれかひとつでも条件を満たさない場合は融資額が減額されたり、審査に落ちたりする可能性があります。
担保にする不動産の価値がある
金融機関は、返済が滞った場合に担保不動産を売却して融資金を回収するため、その不動産にどれくらいの価値があるのかを慎重に評価します。
評価にあたっては、担保となる不動産の所在地や種類(土地・戸建て・マンションなど)、築年数、市場での価格などを多角的に調査し、「担保評価額」を算出します。
金融機関によって算出方法は異なるため、同じ物件であってもどの基準を用いるかによって評価額に差が出ることも少なくありません。
不動産の価値を評価する方法は複数ありますが、一般的には「積算価格(原価法)」と「収益還元法」が用いられます。
積算価格(原価法)
積算価格(原価法)は、土地と建物の価値をそれぞれ個別に算出し、それらを合計して不動産全体の評価額を出す方法です。
土地の評価額を算出する際には、一般的に以下のいずれかが用いられます。
| 価格の種類 | 概要 |
|---|---|
| 公示価格 | 国土交通省が毎年3月に公表している、1月1日時点の土地の評価額 |
| 基準地価 | 都道府県が毎年9月に公表している、7月1日時点の評価額 |
| 相続税路線価 | 国税庁が毎年7月に公表している、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートルあたりの価額(1月1日時点の価額) |
| 固定資産税評価額 | 市町村が3年に一度算出する、固定資産税の基準となる評価額 |
| 不動産鑑定評価額 | 不動産鑑定士が専門的な調査に基づき算出する価格 |
| 実勢価格 | 実際に市場で取引されている価格 |
建物は「再調達価額」を基に評価されます。
再調達価額とは、評価の対象となる建物と同一のものを、現時点で新築した場合にかかる建築費用のことです。
再調達価額に延床面積を掛けて、法律で定められた耐用年数(法定耐用年数)から築年数を引いた「残存年数」を掛けたものを法定耐用年数で割って計算します。
計算式は「再調達価格 × 延床面積 × 残存年数 ÷ 法定耐用年数」です。
収益還元法
収益還元法は、その不動産が将来どれくらいの収益を生み出すか、という観点から価値を評価する方法です。
不動産を賃貸に出した場合に得られるであろう年間の家賃収入(想定賃料)を算出し、不動産の評価額(現在価値)を決定します。
原則として申込者本人または親族が所有する不動産であること
不動産担保ローンでは、原則として申込者本人、またはその親族が所有している不動産を担保にする必要があります。
サービスによっては住宅ローンが残っている不動産も担保にできるものの、審査で不利に働くことは理解しておきましょう。
すでに住宅ローンなどで第一抵当権が設定されている場合、不動産担保ローン会社が新たに第二抵当権を設定するには、通常、第一抵当権者(住宅ローンを提供している金融機関など)の承諾が必要です。
第一抵当権者は自らの債権保全を優先するため、承諾が得られないケースもあります。そのため、金融機関によっては、既存の住宅ローンを借り換え・一本化して新たに第一抵当権を設定する提案が行われることもあります。
なお、抵当権とはローン返済が滞った際に、その不動産から優先的に弁済を受ける権利のことです。
また、夫婦や親子などで共有している不動産も担保にできます。しかし、共有者全員の同意が必要なうえに共有名義の場合は売却が困難になるため、評価は低くなる傾向があります。
担保にする不動産の所有者は申込者本人ではなく、親族の場合でも申込は可能です。
ただし、その親族から担保提供の同意を得る手間が生じるため、できる限りご自身名義の不動産を担保にすることをおすすめします。
このように、担保にできる不動産は幅広いものの、以下に該当する場合は権利関係が不安定なため基本的に対象外となります。
- 税金の滞納などによる差押えの登記がある不動産
- 所有者が亡くなったにも関わらず名義変更が済んでいない相続未登記の不動産
担保にできる不動産の条件は提供会社によって異なるため、申込の前に確認しておきましょう。
申込者の返済能力がある
金融機関は申込者が安定的かつ継続的に返済できるかを判断するために、年収や職業、勤続年数などを審査の判断材料としています。申込者ごとの評価のポイントは、以下のとおりです。
| 申込者の属性 | 主な評価ポイント |
|---|---|
| 会社員・公務員 | 年収、勤務先、勤続年数、雇用形態 |
| 個人事業主・法人 | 事業年数、決算の状況、事業計画、代表者の信用情報、税金滞納の有無 |
特に事業者向けローンでは、事業の継続性と安定性が問われるため、少なくとも2期以上の確定申告や決算の実績があり、税金の滞納がないことが条件になります。
家を担保にお金を借りる「不動産担保ローン」の借入条件

不動産担保ローンの審査に通過しても、実際に借り入れできる金額の上限や金利などの条件は不動産の評価額や、すでに設定されている抵当権の順位などによって決まります。
借入可能額
借入可能額は、一般的に「不動産の担保評価額×掛目-既存ローンの残高」で計算します。
掛目とは、金融機関が独自に設定する割合のことで、不動産評価額の7〜8割程度が一般的です。
例えば、担保評価額が3,000万円、掛目が70%の不動産に住宅ローンの残高が1,000万円ある場合、目安となる借入可能額の上限は1,100万円(=3,000万円×70%−1,000万円)です。
多くの金融機関では、上限額(数億円程度)と下限額(50万円~100万円程度)がそれぞれ設定されています。
ただし、同じ物件であっても金融機関の評価方法や掛目の設定によって借入可能額は変動するため、あくまで目安として押さえておきましょう。
金利
適用される金利は、申込者の信用力や担保評価、融資期間などの審査結果に応じて個別に決定されます。金利タイプには「変動金利」と「固定金利」の2種類があります。
| 金利タイプ | 概要 |
|---|---|
| 変動金利 | 市場金利の変動に応じて、返済期間の途中で金利が見直されるタイプ |
| 固定金利 | 契約時に定められた金利が返済終了まで変わらないタイプ |
金利変動のリスクがない反面、固定金利のほうが変動金利より高めに設定されています。
ただし、変動金利の場合は市場金利が上昇する局面では返済額が増えるリスクがあるため、現時点での金利に囚われないことが重要です。
また、金利は金融機関によっても異なり、銀行、ノンバンク、消費者金融の順で高くなる傾向にあります。
ただし、申込者の属性や返済期間、担保評価によって実際の適用金利は変動するため、個別の確認が必要です。
資金使途
資金使途は原則として自由な場合が多くなっています。資金使途の一例を、以下に挙げてみました。
- 事業資金(運転資金・設備投資など)
- 教育資金
- リフォーム費用
- 医療費
- 納税資金など
また、複数のローンを一本化する「おまとめローン」や、より条件の良いローンに乗り換える「借り換え」などにも利用できます。
ただし、株式投資やFXの資金など、使い道に投機性がある場合は融資不可とする金融機関が多くなっています。
返済期間
返済期間は最長で20~35年と、長期にわたっての返済が可能です。返済期間を長くするメリットは、月々の返済額を抑えられて無理なく返済できることです。
ただし、支払う利息の総額が増えることに加え、変動金利の場合は将来の金利変動の影響を受けやすくなる点は考慮しなければなりません。
なお、多くの金融機関では完済時年齢の上限を80歳前後に設定しているため、申込時の年齢によっては希望する返済期間を設定できない場合があります。
保証人の有無
不動産という明確な担保があるため、基本的に保証人不要とする金融機関が多くなっています。ただし、以下のようなケースでは、保証人が必要とされることも少なくありません。
- 融資額が大きい場合
- 申込者の収入や信用力に不安があると判断された場合
- 親族名義の不動産を担保にする場合
- 共有名義の不動産全体を担保にする場合
- 法人向け融資の場合
申込者以外の他人名義の不動産を担保にする場合は物上保証人、それ以外の場合は連帯保証人が必要とされるケースが一般的です。
物上保証人は責任の範囲が担保として提供した財産に限定されるのに対し、連帯保証人は契約者本人と同様に全財産をもって返済義務を負うという違いがあります。
家を担保にお金を借りるメリット

家を担保にお金を借りる不動産担保ローンには、他のローンにはない以下のメリットがあります。
- ビジネスローン等より低金利で借りられる
- 高額な資金調達ができる
- 返済期間を長く設定できる
- 総量規制が適用されない
担保を提供することで金融機関のリスクが軽減されるため、借り手にとっても有利な条件で資金を調達しやすくなるのが特徴です。ひとつずつ見ていきましょう。
ビジネスローン等より低金利で借りられる
不動産担保ローンは金融機関が担保によって貸し倒れリスクを低減できるため、無担保のビジネスローンなどに比べると多くの場合で金利は低めに設定されています。
無担保のビジネスローンの場合、上限金利が年15.0~18.0%に設定されていることが多いです。
例えば、300万円を5年間(60回払い)で借り入れた場合の返済額を比較してみましょう。
| 不動産担保ローン | ビジネスローン | |
|---|---|---|
| 金利(年利) | 5.0% | 15.0% |
| 毎月の返済額 | 56,000円 | 71,000円 |
| 5年間の返済総額 | 3,401,701円 | 4,292,714円 |
上記のシミュレーションでは、5年間の支払利息が約90万円の差になることがわかります。このように金利が低い分、返済総額を抑えやすいメリットがあります。
高額な資金調達ができる
無担保ローンでは借りられないような多額の資金を借りられる可能性があることも、不動産担保ローンの大きなメリットです。
不動産の評価額に応じて、数千万円〜数億円規模の融資に至るケースもあります。
事業の設備投資や工場の建設、不動産購入の頭金など、まとまった資金が必要な場面で活用できます。借入可能額の範囲内であれば、複数の目的に分けて資金を利用できるため、資金計画の自由度が高まるでしょう。
返済期間を長く設定できる
最長で30年以上の返済期間を設定できる場合もあり、月々の返済負担を抑えながら無理なく返済を進められる点もメリットです。
月々の返済額が少ないと手元に資金を残しやすくなるため、運転資金が不足した場合など、不測の事態にも対応しやすくなります。
返済計画に余裕が生まれることで、精神的な負担も軽くなるでしょう。
ただし、返済期間が長くなるほど利息の総額は増えるため、繰り上げ返済なども視野に入れながら返済計画を考える必要があります。
総量規制が適用されない
不動産担保ローンは、原則として、貸金業法で定められた「総量規制」の対象外です。
総量規制とは、個人の借り過ぎを防ぐために、貸金業者からの借入合計額を年収の3分の1までに制限するルールです。
不動産担保ローンは、貸金業法施行規則第10条の23第1項第1号に定める「除外貸付け」に該当し、総量規制の対象外となります。
そのため、総量規制に当たる金額以上の資金が必要な場合でも、不動産の担保価値や返済能力が認められれば借り入れできる可能性があります。
ただし、総量規制の対象外だからといって無制限に借り入れができるわけではありません。
金融機関は独自の審査基準に基づき、年収や返済負担率などを総合的に判断します。過剰な融資とみなされた場合は、融資を制限することもあります。
したがって、「年収の3分の1を超えて借りられる」とはいえ、審査内容によって可否が決まります。
家を担保にお金を借りる主なデメリット

メリットの多い不動産担保ローンですが、大切な資産を担保に入れることによるリスクも存在します。
- 返済できなければ家を失うリスクがある
- 融資を受けるまでに時間がかかる
- 契約時・返済時に諸費用がかかる
リスクを正しく理解し、契約については慎重に判断しましょう。
返済できなければ家を失うリスクがある
万が一ローンの返済が滞ると、金融機関は担保である不動産を売却して資金の回収を図るため、家を失うリスクがあります。
返済が滞った場合の一般的な流れは、以下のとおりです。
- 督促
⇒電話や郵便で返済を求める連絡が来ます - 期限の利益の喪失
⇒滞納が続くと、分割で返済する権利を失い、残りのローン全額の一括返済を求められます - 任意売却または競売
⇒不動産担保ローンの返済が滞ると、第一抵当権者が優先して債権回収を行い、残った分から第二抵当権者が回収します。任意売却で債務整理ができない場合は、裁判所を通じて競売による強制売却に移行するケースもあり、結果として自宅を失うおそれがあります。競売は市場価格よりも3〜5割ほど低い価格で落札されることが多く、売却後に債務が残る可能性もあります - 残債の回収
⇒競売で不動産が売却され、その代金がローンの返済に充てられます
競売になると市場価格よりも3~5割程度安い価格で売却される可能性が高く、家を売却してもローンが全額返済できないリスクがあります。
住む場所を失うだけでなく借金だけが残るという事態も起こりえるため、絶対に延滞しないようにしてください。
融資を受けるまでに時間がかかる
不動産担保ローンは、融資を受けるまでに時間がかかる点がデメリットです。
申込後、金融機関は不動産の価値を正確に評価するため、現地調査や法務局の窓口で登記事項の確認などを行います。また、融資を実行する前には、法務局で抵当権を設定する登記手続きが必要です。
これらの手続きには一定の時間を要するため、一般的に申し込みから融資実行まで銀行の場合は2〜4週間程度、ノンバンクでも最短3日〜1週間程度かかります。
急な資金需要には対応しにくいため、利用を検討する際はスケジュールに余裕を持って申し込みましょう。
契約時・返済時に諸費用がかかる
不動産担保ローンでは、借入金利とは別にさまざまな諸費用がかかります。
諸費用はサービスによって異なるものの、一例としてセゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」における主な費用と発生するタイミングは以下のとおりです。
| 発生タイミング | 費用の種類 | 目安(※) |
|---|---|---|
| 契約時 | 事務手数料 | 融資金額の1.65%以内 |
| 不動産調査料 | 融資金額の0.55%以内 | |
| 印紙税 | 200円〜60万円 | |
| 登録免許税 | 借入金額×0.4% | |
| 司法書士報酬 | 3〜10万円程度 | |
| 返済中 | 中途解約手数料 | 返済元金の3.0%以内 |
| 完済時 | 抵当権抹消費用 | 1物件につき1,000円 |
これらの諸費用は、融資額から差し引かれる形で支払う場合も多いため、実際に手元に必要な金額が残るか事前に確認しましょう。
家を担保にお金を借りる際の手続き方法

不動産担保ローンを利用する際の、具体的な手続き方法を解説します。事前に流れを把握し、必要な書類を準備しておくことで、手続きをスムーズに進められるでしょう。
必要書類
一般的な不動産担保ローンの申込に必要な書類は、以下のとおりです。
| 申込者 | 必要書類 |
|---|---|
| 個人・個人事業主 | ・本人確認書類 ・収入証明書(源泉徴収票・確定申告書) ・納税証明書 ・担保不動産関係書類 |
| 法人 | ・代表者の本人確認書類 ・会社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書) ・決算書 ・納税証明書 ・事業計画書 ・担保不動産関係書類 |
契約時には、上記の書類に加えて印鑑証明書や住民票などが必要となります。書類に不備があると手続きが滞る原因になるため、事前に何が必要かを確認し、最新のものを準備しておきましょう。
融資実行までの流れ
一般的に不動産担保ローンの手続きは以下の流れで進みます。
- 仮審査
- 申し込み
- 本審査・物件調査
- 契約・抵当権設定(登記)
- 融資実行
不動産の現地調査や登記手続きには時間がかかるため、利用を検討する際は、余裕を持ったスケジュールで申し込む必要があります。手続きをスムーズに進めるため、以下の書類を事前に準備しておくとよいでしょう。
- 登記簿謄本(登記事項証明書)
- 確定申告書や決算書
- 納税証明書
- 公図や測量図、建物図面
不動産担保ローンの審査通過率を高めるコツ

不動産担保ローンを利用するためには審査がある以上、通過できるか不安に感じる人もいるでしょう。審査に不安がある場合でも、以下のポイントを押さえることで通過率を高められる可能性があります。
- 銀行とノンバンクの違いを理解して選ぶ
- 担保物件を変更する
- 他社の借り入れを整理する
自分の状況に合わせて最適な金融機関を選んだり、申し込み内容を工夫したりしましょう。
銀行とノンバンクの違いを理解して選ぶ
不動産担保ローンは、銀行とノンバンク(信販会社や消費者金融など)で取り扱っているものの、両者には審査基準やサービス内容に違いがあります。
| 銀行 | ノンバンク | |
|---|---|---|
| 融資対象 | 個人・法人 | 主に法人 |
| 審査基準 | 厳しい | 比較的柔軟 |
| 金利 | ノンバンクより低め | 銀行より高め |
| 融資スピード | 2〜4週間程度 | 3日〜1週間程度 |
| 担保の範囲 | 所有者名義の不動産のみ | 親族名義の不動産や第二抵当も対応可能 |
| 借入・完済時の年齢制限 | 70〜80歳前後まで | 制限なしの場合もあり |
一般的に、銀行は低金利な分、申込者の返済能力や不動産の担保価値を厳しく審査します。
一方のノンバンクは銀行に比べて金利がやや高めですが、審査基準が柔軟で、融資までのスピードが速いことが特徴です。
赤字決算の事業者や住宅ローンが残っている(第二抵当になる)場合など、銀行の審査に不安がある方は、ノンバンクの不動産担保ローンを検討するのもひとつの方法です。
例えば、セゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」は銀行とは異なる基準で審査を行っています。過去には、決算内容だけでなく担保評価を総合的に判断したうえで融資に至ったケースもあります。
担保物件を変更する
申し込んだ不動産の評価額が希望融資額を下回る場合、評価額の高い他の不動産に変更してみてください。希望する金額の融資を受けられるケースもあります。評価額が高い不動産の例として、都市部にある物件や立地や形状の良い土地などが挙げられます。
ご自身が保有している不動産では難しい場合は、配偶者や親族が所有する不動産を担保に提供してもらうのもひとつの方法です。
ただしその場合は担保提供者の同意が必須であり、万が一返済できなくなった際には、その親族が不動産を失うことになるため、慎重に検討してください。
また、担保提供者が実質的に返済を負担している場合は、贈与とみなされる可能性があり、贈与税が課される場合もあります。税務上の扱いはケースにより異なるため、事前に税理士など専門家へ相談するのが安全です。
他社の借り入れを整理する
カードローンやキャッシングなど、複数の会社から借り入れがあると「資金繰りに困っている」という印象を与えてしまい、審査に不利に働く可能性があります。
複数の借り入れがある場合は、おまとめローンなどを利用して借入件数を減らす、繰り上げ返済をするなど、信用状況を改善してから再挑戦するのもひとつの方法です。
借入状況を整理した事実はCICやJICCといった指定信用情報機関に登録されるものの、情報が反映されるまでには1〜2ヵ月程度かかる場合があります。
申し込みは、情報が更新されたのを確認してから行うとよいでしょう。ご自身の状況については、指定信用情報機関へ開示請求をすることで確認できます。
不動産担保ローン以外の資金調達方法を検討する

不動産を担保に入れることに不安を感じる方や、審査に通らなかった方は、ほかの資金調達方法も選択肢に入れましょう。個人向けと事業者向けで、適切な資金調達方法が異なるため、それぞれチェックしてください。
<個人向けの資金調達方法>
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| リバースモーゲージ | 自宅を担保に、生存中は利息のみを返済し、死亡後に自宅を売却して元金を一括返済する高齢者向けのローン |
| リースバック | 自宅を売却して現金化し、その後は賃貸契約を結んで家賃を払いながら同じ家に住み続ける方法 |
| カードローン | 担保・保証人不要で、利用限度額の範囲内で自由に借り入れできるローン |
「リバースモーゲージ」と「リースバック」の違いは、自宅の所有権の有無にあります。
リバースモーゲージは、所有権を持ったまま自宅を担保にお金を借りるローンです。一方のリースバックは自宅の売却に伴い所有権を移転し、その後は家賃を払って住み続けます。
事業者向けの場合は、主に以下2つの方法があります。
<事業者向けの資金調達方法>
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| ビジネスローン | 無担保・無保証人で借りられる事業者向けローン |
| ファクタリング | 売掛債権(請求書)をファクタリング会社に売却して、早期に現金化する方法 |
ビジネスローンは融資までのスピードが速いことが特徴ですが、金利は不動産担保ローンよりも高めです。
ファクタリングは売掛債権を現金化する仕組みなので、借り入れではありません。
最短即日で資金調達できるケースも少なくありませんが、取引条件によっては、手数料を年利換算すると数十%〜100%に達する場合もあります。
それぞれの特徴を理解し、自分の目的に合った方法を選びましょう。
不動産担保ローンの利用条件に関するQ&A

不動産担保ローンの利用を検討するにあたり、よくある質問とその回答をまとめました。
借りられる可能性はあるものの、不動産の評価額から住宅ローンの残高を差し引いた価値の範囲内での借り入れとなります。
例えば、不動産の評価額が5,000万円で住宅ローン残高が4,000万円の場合、借入可能額は1,000万円です。
この場合、住宅ローンを借りている金融機関が第一抵当権者となり、新たにお金を借りる金融機関は第二抵当権者となります。
金融機関によっては、債権回収のリスクが高まる第二抵当権での融資には消極的な場合もあるため、申し込みは極力控えたほうが良いでしょう。
一般的には、申し込み時の年齢が70歳前後、完済時の年齢が80歳前後を上限としています。
年齢制限がない金融機関も一定数あるものの、高齢での借り入れは返済期間が短くなりやすいため、月々の返済額が大きくなる傾向があります。負担が大きくなりすぎないよう、無理のない返済計画を立てましょう。
定期的な返済が必要になるため、無職の方や年金収入のみの高齢者など、安定した収入がない場合は基本的に審査は厳しくなります。
ただし、担保不動産から家賃収入を得ている場合や、無職であるもののすぐに再就職の見込みがある場合などは、金融機関が個別に判断し、融資を検討してもらえる場合もあります。
主に「不動産の担保価値が低い」「信用情報に問題がある(いわゆるブラックリスト状態)」など、審査条件のいずれかが金融機関の基準を満たさなかったためと考えられます。
多くの金融機関では審査に落ちた具体的な理由は開示されません。
再度申し込む際は審査に通過しないと考えられる原因をひとつずつ見直し、担保物件の変更や借り入れの整理などをしてからにしましょう。
契約者が死亡した場合、ローンの返済義務はその契約者の相続人(配偶者や子など)に引き継がれます。
相続人がローンを相続し、返済を継続するのであれば家を失うことはありません。
もし相続人が返済できない場合や、ローンを含めた財産を相続したくない場合は、「相続放棄」という手続きを家庭裁判所で行います。相続放棄をした場合はローンの返済義務はなくなるものの、家を含むすべての財産を相続する権利も失います。
審査に不安がある方向けの「事業者向け不動産担保ローン」を検討してみよう

不動産担保ローンは、低金利で高額な資金調達ができる手段です。しかし、返済できなければ大切な家を失うリスクがあり、不動産の担保評価や所有権によっては審査に通過できないケースもあります。
審査条件に不安がある場合は、セゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」も選択肢のひとつです。
セゾンファンデックスの不動産担保ローンは、不動産の担保力を重視した独自の審査基準を採用しており、決算内容にかかわらず相談できる場合があります。赤字決算やリスケ中など、他の金融機関では融資が難しい状況でも相談の余地があります。
金利は年3.15〜9.9%、融資額は500万円から最大5億円までと幅広く、法人や代表者ご自身の不動産だけでなくご親族が所有する物件も担保にすることが可能です。
事業資金や借り換え、納税資金など幅広い目的に対応しています。ご自身の不動産や資金使途に応じた条件を確認するため、専門スタッフへの無料相談を活用するのも一案です。
※記載の条件は2025年12月時点。
※本記事は一般的な制度解説であり、契約時には各社条件を確認してください。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。