独立開業の資金や事業の運転資金、介護資金など、まとまったお金が必要になったときに頼りになるのが「不動産担保ローン」です。不動産担保ローンは、所有する不動産を担保にするローンで、条件を満たせば低金利かつ高額な融資が受けられる可能性があります。
しかし、ご自宅の住宅ローン返済が残っている場合だと「この家を担保に追加でローンを組むことなんてできるのだろうか?」と、疑問に感じる方も多いでしょう。また、万が一返済できなくなった場合にどうなるのか、どのようなリスクがあるのかも気になるところです。
結論からいうと、住宅ローンの返済が残っている家でも、担保余力があり、第一抵当権者(住宅ローンの金融機関)の承諾が得られれば不動産担保ローンを利用できる場合があります。
この記事では、不動産担保ローンの基本的な仕組みをもとに、住宅ローン返済中でも利用できるのかを解説します。
利用するうえでのメリット・デメリット、実際に利用できるケースと難しいケースも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。


住宅ローン返済中の家を担保にお金は借りられる?

住宅ローン返済中の場合も、以下3つの要素について金融機関が定める一定の基準を満たせば、不動産担保ローンを利用できる可能性があります。
- 担保評価
- 抵当順位
- 返済能力
具体的にどのような基準を満たす必要があるのか、詳しく見ていきましょう。
一定条件を満たせば「不動産担保ローン」で融資を受けられる
住宅ローン返済中の家を担保にする場合、融資の可否は主に「担保余力がどのくらいあるか」と「第二抵当権の設定が可能か」によって決まります。
「担保余力」とは、金融機関が査定した不動産の現在の評価額から、住宅ローンの残高を差し引いた金額です。
例えば、現在の評価額が3,000万円の不動産で住宅ローン残高が1,800万円残っているケースでは1,200万円(=3,000万 - 1,800万)が担保余力となり、この範囲内で融資が検討されます。
「抵当権」とは、金融機関が融資をする際に、万が一返済が滞った場合に備えて、担保となる不動産を差し押さえて優先的に弁済を受ける権利のことです。
住宅ローンを組むとき、購入した家には金融機関の第一抵当権が設定されています。
「第二抵当権」を設定するには、通常、第一抵当権者(住宅ローンを提供している金融機関など)の承諾が必要です。
第一抵当権者は自らの債権保全を優先するため、第二抵当権の設定に慎重なケースもあります。そのため、金融機関によっては、現在の住宅ローンを借り換え・一本化して新たに第一抵当権を設定する提案が行われる場合もあります。
担保余力と第二抵当権によって金融機関の貸し倒れのリスクが減るため、不動産担保ローンで融資を受けられる場合もあるのです。
ただし金融機関によって対応は異なり、銀行は第一抵当権を自ら保有するケースが多く、他行が第二抵当を設定することに慎重な傾向があります。
一方で、貸金業法に基づく登録ノンバンクは第二抵当での融資実績も多く、条件次第で柔軟に対応可能です。
担保価値だけでなく申込者の返済能力も重要になる
不動産担保ローンの審査では、担保不動産の価値と併せて、申込者の返済能力が総合的に評価されます。不動産という強力な担保があっても、申込者本人に返済を継続していく能力がなければ融資は実行されません。
個人の場合は年収や勤務先、勤続年数といった属性情報や、過去のローン返済歴などを含む信用情報が確認されます。
信用情報とは、ローンやクレジットの契約内容や支払い状況を記録したものです。
延滞や債務整理などの履歴があると返済能力に懸念があると判断され、審査に通過するのは難しくなるでしょう。
法人が申し込む場合は代表者個人の属性に加え、事業の業績や事業計画の内容、将来性なども評価の対象になります。
たとえ担保価値が十分にあっても、事業の継続性に疑問符がつけば、融資を受けるのは難しいと考えられます。
住宅ローンと不動産担保ローンの違い

住宅ローンと不動産担保ローンは、どちらも不動産を担保にする点では共通している一方で、特徴には大きな違いがあります。
| 住宅ローン | 不動産担保ローン | |
|---|---|---|
| 資金使途 | ご自身が居住するための不動産の購入・新築・改築費用に限定 | 原則自由(事業資金、納税資金など) |
| 金利(年) | 変動金利:0.5〜1.0%程度 固定金利:2.0~4.0%程度 | 0.9〜15.0%程度 |
| 借入可能額 | 購入物件の価格の80~100%程度(上限1億円程度) | 担保評価額の60~80%程度 |
| 審査で重視されるポイント | 個人の信用力 | 不動産の担保力 |
| 借入期間 | 1〜50年程度 ※多くの場合、完済時年齢が80歳未満の上限あり | 3ヵ月〜35年程度 |
| 抵当権 | 原則として第一抵当権の設定が必要 | 第二抵当権以下でも対応可能な場合がある |
住宅ローンの用途は申込者ご自身が住むための家の購入や新築、リフォーム費用に限られます。
一方の不動産担保ローンは、原則として資金使途が自由です。事業の運転資金や設備投資、子どもの教育資金、納税資金など、さまざまな目的に活用が可能です。
ただし、その自由度の高さから、金利は住宅ローンよりも高めに設定される傾向があります。
また、審査で重視される項目が異なる点も、利用するにあたり着目すべきです。住宅ローンで重視されるのは、申込者の年収や勤務先といった「個人の返済能力」、特に年収に占める年間返済額の割合を示す「返済負担率」です。
一方の不動産担保ローンでは、申込者の返済能力に加えて「担保となる不動産の価値」も同等に重視されます。
すでに価値が確定している不動産を担保にするため、申込者の属性に多少不安がある場合も、担保価値が高ければ融資を受けられる可能性があります。
さらに、返済期間にも大きな違いがあります。住宅ローンは最長50年にわたり借り入れが可能といった長期の返済を前提としています。
それに対し、不動産担保ローンは商品によって1年といった短期から35年程度の長期まで、幅広い期間から選択できることが多いです。
これにより、借入額や資金計画に合わせた、より柔軟な返済プランを立てられます。
不動産担保ローンのメリット

不動産担保ローンには、他のローンにはないメリットがあります。
- カードローン等より金利が低く高額の借り入れに期待できる
- 返済期間を長期にわたり設定できる
- 総量規制の対象にならない
それぞれのメリットを理解し、ご自身の資金計画に合うか判断しましょう。
カードローン等より金利が低く高額の借り入れが期待できる
不動産担保ローンは、カードローン等よりも低い金利で高額の借り入れができる可能性があります。金利を低めに設定できる理由は、金融機関は不動産という担保があることで、貸し倒れのリスクを低く抑えられるためです。
| ローンの種類 | 金利相場の目安(年率) |
|---|---|
| 不動産担保ローン | 0.9〜15.0% |
| カードローン(銀行) | 1.5〜15.0% |
| カードローン(消費者金融) | 3.0〜18.0% |
例えば、500万円を5年間で返済する場合の総返済額を比較してみましょう。
| 不動産担保ローン | カードローン | |
|---|---|---|
| 金利(年率) | 5.0% | 15.0% |
| 毎月の返済額(元利均等返済) | 94,357円 | 118,950円 |
| 合計返済金額 | 5,661,331円 | 7,136,923円 |
このシミュレーションでは、総返済額に約148万円もの差が生まれます。金利が低い分、同じ金額を借りても総返済額を抑えられるのは大きなメリットです。
また、担保不動産の価値に応じて数百万円から数千万円単位、金融機関によっては数億円単位の高額な融資を受けられる場合もあります。
事業の設備投資など、まとまった資金が必要な場合にも活用しやすいでしょう。
返済期間を長期にわたり設定できる
返済期間を長期にわたり設定できる点も、不動産担保ローンのメリットです。信頼性の高い不動産という担保があるため、金融機関も長期の返済計画を許容しやすい傾向にあります。
商品によっては、最長で35年といった住宅ローン並みの返済期間を選択可能です。
返済期間を長くすることで、月々の返済額の負担を軽減できます。
例えば、1,000万円を金利(年)3.0%で借り入れる場合における、毎月の返済額と返済総額を見てみましょう。
| 返済期間 | 毎月の返済額(元利均等返済) | 返済総額 |
|---|---|---|
| 10年 | 96,560円 | 11,587,200円 |
| 20年 | 55,459円 | 13,310,160円 |
| 30年 | 42,160円 | 15,177,600円 |
返済期間を10年から30年に延ばすことで、月々の返済額は半分以下に抑えられます。
月々の支出を平準化できるため、事業運営のキャッシュフローを安定させたい経営者や、家計に余裕を持たせたい個人の方に向いている手段と言えるでしょう。
ただし、返済期間が長くなるほど支払う利息の総額も増えるリスクがあります。
先述のケースでは、返済期間10年と返済期間30年の支払総額を比べると、最終的な返済総額には359万円もの差が生じる計算です。月々の負担と総返済額のバランスを考え、計画的に返済期間を設定しましょう。
総量規制の対象にならない
総量規制の対象にならない点も、不動産担保ローンのメリットです。
「総量規制」とは、貸金業法で定められたルールで、個人の借り過ぎを防ぐために、貸金業者からの借入合計額を年収の3分の1までに制限するルールのことです。
不動産担保ローンは、貸金業法施行規則第10条23号の2に定める『除外貸付』に該当するため、原則として総量規制の対象外です。
すでにカードローンなどで年収の3分の1近く借りている方でも、不動産担保ローンなら審査に通過すれば、追加で高額な融資を受けられます。高額な医療費や教育費など、まとまった資金が必要な場合に活用しやすいでしょう。
ただし、総量規制が適用されないからといって、無制限に借り入れができるわけではありません。
総量規制とは別に、各金融機関が独自の基準で申込者の返済能力を審査するため、返済能力を超えた貸し付けを受けるのは難しいと考えてください。
不動産担保ローンのデメリット・注意点

不動産担保ローンは資金繰りや家計管理の助けになる一方で、以下のようなデメリットや注意点も存在します。
- 事務手数料や登記費用などの諸費用がかかる
- 融資を受けるまでに時間がかかる
- 二番抵当での融資に対応していない場合がある
契約前に必ず確認し、ご自身の求める融資スピードや諸費用を含めた資金調達コストに見合っているか、慎重に判断しましょう。
事務手数料や登記費用などの諸費用がかかる
不動産担保ローンを利用する際には、金利以外にも事務手数料や登記費用などの諸費用がかかります。一例として、セゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」の契約時に必要な費用を紹介します。
| 費用の種類 | 目安 |
|---|---|
| 事務手数料 | 融資金額の1.65%以内 |
| 不動産調査料 | 融資金額の0.55%以内 |
| 印紙税 | 200円〜60万円 |
| 登録免許税 | 借入金額×0.4% |
| 司法書士報酬 | 3〜10万円程度 |
例えば1,000万円の融資を受ける場合、見込まれる諸費用の合計額は30万〜40万円程度です。
複数のローンを比較する場合は表面的な金利だけでなく、これらの諸費用を含めた総支払額を検討しましょう。
融資を受けるまでに時間がかかる
不動産担保ローンは、申し込みから融資実行まで銀行の場合は2〜4週間程度、ノンバンクでも最短3日〜1週間程度かかります。
カードローンのように、申し込みから最短当日で融資を受けられることはないと考えてください。
不動産担保ローンでは提出された書類の確認だけでなく、担保となる不動産の評価(現地調査や役所調査など)に時間がかかります。
資金が必要になるタイミングから逆算し、最低でも1ヵ月以上の余裕を持ったスケジュールで申し込むようにしましょう。
二番抵当での融資に対応していない場合がある
不動産担保ローンは、二番抵当での融資に対応していない場合があります。
抵当権の順位は、万が一の際に債権を回収できる優先順位を示しており、順位が低いほど、金融機関が貸し付けた資金を回収できなくなるリスクは高くなります。
そのため、リスク管理を厳格に行う銀行などでは、第一抵当権での融資を原則としており、住宅ローンが残っている物件(第二抵当権)への追加融資には消極的なケースが少なくありません。
一方で、ノンバンクなどは銀行よりも金利を高めに設定することでリスクをカバーし、第二抵当権での融資にも柔軟に対応していることが多い傾向にあります。
第二抵当での融資に対応していない金融機関によっては、代替案として現在の住宅ローンを全額借り換え、新規融資分と一本化するプランを提案される場合もあるくらいです。
この方法により、金融機関はリスクの低い第一抵当権を確保したうえで、融資を実行できます。
相談する際には手続きをスムーズに進めるために、ご自身のケースが第二抵当で対応可能なのか、あるいは一本化が前提となるのかを最初に確認することが重要です。
住宅ローン返済中でも不動産担保ローンを利用できる4つのケース

住宅ローン返済中の不動産を担保にお金を借りるのはハードルは高いものの、可能なケースは存在します。以下のようなケースでは担保余力が生まれやすく、住宅ローンの返済中でも不動産担保ローンを利用しやすいでしょう。
- 頭金を多く支払った
- 完済が近づいている
- 繰り上げ返済をしている
- 購入後に不動産が値上がりした
上記のケースは、金融機関が申込者の信用力や担保価値を評価しやすい状況といえます。
頭金を多く支払った
頭金を多く支払った場合、融資を受けやすい状況が生まれます。
住宅購入時に頭金を多く入れると、その分だけ住宅ローンの借入額が少なくなり、十分な担保余力が確保できるためです。
例えば、4,000万円の物件を購入する際に、頭金を1,000万円入れたAさんと、頭金なし(フルローン)のBさんを比較してみます。
Aさんの場合、住宅ローンの借入額(残高)は3,000万円です。つまり、物件を購入した時点で 1,000万円(=担保評価額4,000万円 - 住宅ローン残高3,000万円)の担保余力があるため、不動産担保ローンを利用しやすい状況にあります。
一方、Bさんの住宅ローン借入額(残高)は4,000万円です。「担保評価額4,000万円 - 住宅ローン残高4,000万円 = 0円」となるため、物件購入時点では担保余力がありません。
そのため、すぐに不動産担保ローンを利用するのは難しく、申し込むのであればある程度返済を進めて住宅ローン残高を減らしておく必要があります。
また、借入額が少ないと月々の返済額も少なくなるため、返済能力にも余裕があると判断されやすくなります。
「頭金をしっかり準備している」という計画性が、信用力の面で評価される場合もあるでしょう。
なお、本項では、話を分かりやすくするため、購入価格=金融機関による担保評価額として計算しています。実際に担保余力を考える際は、担保評価額が物件購入額よりも低くなる点を考慮しましょう。
完済が近づいている
完済が近づいている状態も、融資を受けやすいケースのひとつです。
長年にわたって返済を続け、住宅ローンの残高が減少していると、大きな担保余力が生まれている可能性があります。
例えば返済期間35年、残高5,000万円の住宅ローンを組み、毎年200万円程度の元本返済を続けてきた場合、20年目の住宅ローン残高は約1,000万円です。
もし不動産の価値が購入時から大きく下落していなければ、最大で4,000万円程度の担保余力が生まれる計算になります。
これまで延滞なく返済してきたという長期間の実績が、申込者の信用力を客観的に証明する材料になることもあるでしょう。
繰り上げ返済をしている
繰り上げ返済をしている場合も、担保余力を生み出しやすいケースのひとつです。
繰り上げ返済は、支払った金額が利息ではなく元金の返済に充てられるため、ローン残高が効率よく減らせます。
大きな担保余力が生まれていること、計画的に返済を進めていることなどが、不動産担保ローンの審査では有利に働く可能性があります。
購入後に不動産が値上がりした
再開発や人気エリア化、インフラ整備などによって購入後に不動産が値上がりした場合も、担保余力が増加する可能性があります。
住宅ローンの残高は計画どおりに減っていく一方で、不動産の評価額が上昇するため、結果として担保余力が大きく増加するケースも少なくありません。
例えば、10年前に4,000万円で購入したマンションのローン残高が現在2,800万円だとします。もし、このマンションの現在の担保評価額が5,000万円に値上がりしていた場合の担保余力は2,200万円(=5,000万円 - 2,800万円)です。
このような物件は、金融機関から「資産価値が下がりにくい、優良な担保である」と評価され、審査で有利に働く傾向があります。
現在の不動産価値がどの程度なのか、試しに不動産会社や不動産鑑定士などに査定を依頼してみるのも良いでしょう。
住宅ローン返済中に不動産担保ローンを利用しにくいケース

住宅ローン返済中に不動産担保ローンを利用しにくいケースは、以下の4つです。
- 購入したばかりで住宅ローン残高がほとんど減っていない
- 不動産の評価額が購入時より下落している
- すでに他の借り入れが多く、返済負担率が高い
- 信用情報に延滞歴などがある
もちろん、これらのケースに当てはまるからといって、必ずしも利用できないわけではありません。しかし、改善の余地はあるのでご自身の状況が当てはまる場合は、申し込みの前に改善策を検討したほうが審査に通過しやすくなるでしょう。
購入したばかりで住宅ローン残高がほとんど減っていない
購入したばかりで住宅ローン残高がほとんど減っていない場合、融資を受けるのは難しいかもしれません。
住宅購入から日が浅く返済実績が少ない状態では、新たな融資の元手となる担保余力がほとんどないためです。
むしろ、物件価格に加えて登記費用などの諸費用も込みでローンを組んだ場合、ローン残高が不動産の評価額を上回る「オーバーローン」の状態になっている可能性さえあります。
また、住宅購入という大きなライフイベントの直後に新たな借り入れを申し込む姿勢が、金融機関から「資金計画が甘い」と見なされる可能性も否定できません。
このようなケースでは最低でも数年間の返済実績を積み、担保余力を確保することをおすすめします。
不動産の評価額が購入時より下落している
不動産の評価額が購入時より下落しているケースも、融資は難しくなるでしょう。
市況の変化や建物の経年劣化などにより、不動産の価値が購入時よりも下がってしまうと、担保余力は減少します。
特に、以下に該当する不動産は評価額が維持しにくく、ローン残高が評価額を上回るケースも少なくありません。
- 地方の過疎地域にある物件
- 旧耐震基準で建てられた建物
- 特殊な間取りの物件など
不動産担保ローンを申し込む前に、自分の物件の現在の価値がどの程度なのか、あらかじめ調べておくと良いでしょう。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」や民間の不動産ポータルサイトを活用すれば、近隣の売買事例からおおよその相場を調べられます。
すでに他の借り入れが多く、返済負担率が高い
すでに他の借り入れが多く、返済負担率が高い場合も審査通過は難しくなる可能性があります。
「返済負担率」とは、年収に占めるすべてのローンの年間返済額の割合を示したもので、審査で重視されるポイントのひとつです。
一般的に、この返済負担率が30~40%を超えると、返済能力に懸念ありと判断され、審査通過は難しくなります。
例えば、年収600万円の方が審査通過が難しくなる目安は、カードローンやフリーローンなどの年間返済額が合計180万円(返済負担率30%)を超えた場合です。180万円を月々の返済額に換算すると、月々15万円になります。
審査に通過しやすくするのであれば、新たに不動産担保ローンを申し込む前に他の借り入れを少しでも減らして返済負担率を改善しておくと良いでしょう。
信用情報に延滞歴などがある
信用情報に延滞歴などがある場合も、審査に通るのは難しいと考えられます。
過去にクレジットカードの支払い延滞や債務整理などの金融事故が信用情報機関に記録されていると「返済能力に問題あり」と判断されやすいためです。
たとえ価値の高い不動産を担保に入れたとしても、信用情報に問題があれば「約束どおりに返済してもらえない可能性が高い」と見なされ、審査に通らないケースも少なくありません。
ご自身の信用情報が不安な場合は、CIC(株式会社シー・アイ・シー)やJICC(株式会社日本信用情報機構)といった信用情報機関に情報開示を請求し、事前に内容を確認してみてください。
もし誤った情報が登録されている場合は、訂正を申し出ることも可能です。
不動産担保ローン申し込みから融資実行までの流れを5ステップで解説

一般的な不動産担保ローンでは、以下の流れで手続きが進みます。
- 金融機関への相談・仮審査申し込み
- 必要書類の準備
- 本審査・担保物件の調査
- 契約手続き
- 融資実行(入金)
手続き方法は金融機関によっても異なるため、あくまでも参考程度にしてください。
STEP1:金融機関への相談・仮審査申し込み
まずはWEBサイトや電話で金融機関にコンタクトを取り、現在の状況を伝えることからスタートします。相談時には、以下の情報を伝えられるように準備しておくとスムーズです。
- 担保にしたい不動産の概要(住所、面積、築年数など)
- 現在の住宅ローンの残高
- 借入希望額
- 資金使途
- 申込者の年収や職業
これらの情報をもとに、融資の可否やおおよその借入可能額、金利といった条件を判断する仮審査(事前審査)が受けられます。案件によって前後するものの、仮審査の結果は早ければ当日中、通常は数営業日以内に回答があります。
STEP2:必要書類の準備
仮審査に通過したら、本審査に向けて必要書類を準備します。必要となる書類は、申込者が個人か法人か、また金融機関によっても異なりますが、一般的には以下のとおりです。
| 申込者 | 必要書類 |
|---|---|
| 個人・個人事業主 | ・本人確認書類 ・収入証明書(源泉徴収票・確定申告書) ・納税証明書 ・担保不動産関係書類(登記済権利証もしくは登記識別情報、固定資産評価証明書、公図、地積測量図、建物図面など) |
| 法人 | ・代表者の本人確認書類 ・会社の登記簿謄本(履歴事項証明書) ・決算書 ・納税証明書 ・事業計画書 ・担保不動産関係書類(登記済権利証もしくは登記識別情報、固定資産評価証明書、公図、地積測量図、建物図面など) |
取得に時間がかかる書類もあるため、早めに準備しましょう。
STEP3:本審査・担保物件の調査
提出された書類や信用情報をもとに、金融機関が本審査を実施します。この段階で、申込内容に虚偽がないか、返済能力に問題ないかが詳細に確認されます。
審査の際には、金融機関または提携の不動産鑑定士が、担保となる不動産の調査を行うケースが一般的です。法務局での権利関係の調査や役所での法令上の制限の確認を実施するほか現地に赴いて物件の状態や周辺環境を調査し、正確な担保価値を算出します。
案件によって前後するものの、本審査にかかる期間は通常1~2週間程度です。
STEP4:契約手続き
本審査に無事通過すると融資額や金利、返済期間といった最終的な契約条件が金融機関から提示され、条件に合意すると契約手続きに進みます。
金融機関の窓口で「金銭消費貸借契約」と「抵当権設定契約」を結ぶケースが一般的です。契約書に署名・捺印をするため、実印や印鑑証明書などが必要になります。
司法書士が同席し、抵当権設定登記に関する説明や手続きを代行することもあります。
STEP5:融資実行(入金)
契約手続き後、司法書士が法務局で抵当権の設定登記を行います。登記手続きの完了を金融機関が確認したのち、指定した銀行口座に融資金が振り込まれます。
契約から実際の入金までは、数日~1週間程度かかるのが一般的です。
融資が実行された後、契約内容に基づいて返済が開始されます。通常は融資実行の翌月、または翌々月から第一回目の返済がスタートします。
ローン返済中に不動産担保ローンの審査を通過するコツ

住宅ローン返済中という状況で少しでも有利に審査を進めるために、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 借入希望額を現実的に設定する
- 返済原資を明確にする
- 既存の借入残高を減らしておく
- 複数の金融機関を比較する
金融機関から評価されやすくなるよう、申し込み前に準備を進めておくことをおすすめします。
借入希望額を現実的に設定する
借入希望額は現実的な金額に設定しましょう。希望額が低いほど返済負担率が下がり、審査で有利になる可能性があります。
「借りられるだけ借りたい」という姿勢ではなく、事業計画やライフプランに基づき、本当に必要な金額だけを申し込む姿勢が「堅実な資金計画を持っている」と評価されます。
まずは必要最低限の金額で申し込み、着実に返済実績を積んでから、将来的に追加融資の相談をするのも良いでしょう。
返済原資を明確にする
借りたお金をどのように返済していくのか、その返済原資を明確にしておくことも審査では重要です。
特に事業性資金として借りる場合は事業計画書などで「この融資によって事業の売上がどのように増加し、その利益からどのように返済していくのか」と具体的に説明できると、金融機関も融資実行を検討しやすくなるでしょう。
既存の借入残高を減らしておく
他にカードローンなどの借り入れがある場合は、申し込む前に少しでも残高を減らしておくと審査で有利に働くことがあります。
借入総額を減らすことで返済負担率が改善し、金融機関が設けている審査基準をクリアしやすくなるためです。
特に、複数の会社から借り入れている「多重債務」の状態は審査でマイナスの印象を与えやすいため、借入件数を減らすだけでも印象が良くなることがあります。
もし、不動産担保ローンを他の借り入れを一本化する目的で利用する場合は、申し込みの際にその旨を明確に伝えましょう。
複数の金融機関を比較する
不動産の評価額や審査の基準は金融機関によって大きく異なるため、複数の金融機関を比較しましょう。
一般的に、銀行は金利が低いものの審査は厳格な傾向があり、ノンバンクは銀行に比べて金利は高めであるものの、第二抵当権での融資や申込者の状況に応じて柔軟な審査が行われる傾向があります。
ある銀行で希望の条件が出なくても、別のノンバンクでは融資が承認される、といったケースは珍しくありません。
ただし、短期間に複数の金融機関に申し込みを行うとその情報が信用情報機関に記録され、「お金に困っているのでは」と見なされる可能性があります。
相談や仮審査は複数同時に進めても基本的に問題ないものの、本審査の申し込みは段階的に進めたほうが良いでしょう。
また、審査が甘いことを過度にアピールする事業者や、法外な金利を要求する違法な事業者は一定数存在します。
間違って利用することがないように、事前に金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で正規の事業者かを確認しておきましょう。
住宅ローン返済中に不動産担保ローンでお金を借りた方が注意すべきポイント

無事に融資を受けられた後も、以下の点には注意が必要です。
- 返済不能になると自宅を失うリスクがある
- 返済負担が重くなる
- 家の売却手続きが複雑になる
不動産担保ローンで融資を受けた場合、住宅ローンと不動産担保ローンの両方の返済が必要になる点には特に注意してください。
返済不能になると自宅を失うリスクがある
不動産担保ローンの返済が滞ると、最終的に担保である自宅を失うリスクがあります。返済が困難になった場合、一般的に以下の流れで手続きが進みます。
- 電話や郵便などで督促
- 期限の利益の喪失
⇒ローン全額の一括返済を求められる - 任意売却または競売
- 残債の回収
不動産担保ローンの返済が滞ると、第一抵当権者が優先して債権回収を行い、残余分から第二抵当権者が回収するのが原則です。
一括返済が難しい場合、金融機関は担保不動産を売却して債権を回収します。まずは「任意売却」によって市場価格に近い金額での売却を目指しますが、成立しなければ競売による強制売却に移行します。
競売は市場価格よりも低い価格で落札されることが多く、結果として家を失ううえにローンだけが残るリスクもあります。
こうした事態を避けるには、何よりも無理のない返済計画を立てることが重要です。返済が苦しくなった場合は、滞納する前にすぐに金融機関に相談しましょう。
状況によっては、自宅を売却してまとまった資金を得ながら、賃料を払って自宅に住み続けられる「リースバック」の活用を検討しても良いでしょう。
返済負担が重くなる
住宅ローンと不動産担保ローンの二重の返済が必要になるため、返済負担が重くなるリスクもあります。借入額が多くなると、収入が減少したときに返済継続が困難になるケースも少なくありません。
契約前に、二つのローンを合わせた毎月の返済額が、収入に対して無理のない範囲に収まっているかを、綿密にシミュレーションしておきましょう。
また収入減少に備えて、働けなくなったときに給付金・保険金を受け取れる「就業不能保険」や「所得補償保険」への加入を検討するのも、ひとつの方法です。
家の売却手続きが複雑になる
家の売却手続きが複雑になる可能性も考慮しておきましょう。
将来、何らかの理由で自宅を売りたくなった場合、抵当権が二つ設定されている状態のために手続きが複雑になる可能性があります。
例えば、住宅ローン返済中に自宅を売却する際には、設定されているすべての抵当権を抹消しなければなりません。
しかし、不動産担保ローンを借りている場合、抵当権を抹消するには原則として住宅ローンと不動産担保ローンの残債をすべて完済する必要があります。
資金に余力がなければ、自由に自宅を売却できなくなる可能性があることも、理解しておきましょう。
住宅ローン返済中でも相談可能!セゾンファンデックスの事業者向け不動産担保ローン

「住宅ローンが残っているけれど、事業資金を調達したい」「銀行に相談したが、良い返事がもらえなかった」という事業者様は、セゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」をご検討ください。
セゾンファンデックスのローンは、不動産の担保力を重視した柔軟な審査が特徴で、住宅ローン返済中の物件(第二抵当を含む)に対する対応実績もあります。
※資金使途・担保内容・審査結果により、ご利用可否や条件は異なります。
自己所有の物件だけでなく、家族や親族が所有する不動産でも担保として提供可能です。
申し込みから審査結果の回答までは最短3営業日(目安)と、スピーディーに対応しています。年間申し込み件数は7,000件以上と、多くの事業者様に選ばれています。
まずはご自身の物件にどれくらいの担保余力があるのかを、無料相談で確認してみてはいかがでしょうか。
不動産担保ローンに関するQ&A

不動産担保ローンに関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
どのようなサービスであっても「審査が甘い」「絶対に借りられる」ということはありません。
無担保ローンに比べると、不動産という担保がある分、申込者の属性などに対して柔軟な審査が行われる傾向はあります。
しかし、どの金融機関でも必ず申込者の返済能力や信用情報の審査が行われます。返済能力がないと判断されれば、融資は実行されません。
返済不能になった場合に、担保である自宅を失うという大きなリスクがあるためです。安易に利用して返済計画が破綻すると、生活の基盤を失いかねません。
また、金利のほかに事務手数料や登記費用などの諸費用が必要になるため、利用する前に考慮しておきましょう。借り入れのコストが大きい商品を選ぶと、資金繰りや家計に悪影響を及ぼすリスクがあります。
借入可能額は、不動産の担保余力と申込者の返済能力によって総合的に決まります。
一概にいくらとは言えませんが、ひとつの目安となるのは担保評価額の60〜80%から住宅ローン残高を差し引いた金額になります。正確な金額を知りたい場合は、金融機関の仮審査を受けてみるのもひとつの方法です。
具体的な審査通過率は示せませんが、一般的に仮審査(事前審査)に通過した場合、本審査も通過する可能性は十分にあります。
ただし、本審査で提出した書類の内容が仮審査の申告内容と相違があった場合は本審査で否決される可能性もあります。また、担保物件の現地調査の結果、評価額が想定より低かった場合も本審査に通過するのは難しくなるでしょう。
主に以下のような理由が考えられます。
- 担保余力がない(住宅ローン残高が多い、または不動産の評価額が低い)
- 返済負担率が高い(年収に対して借入希望額が多すぎる、他の借り入れが多い)
- 信用情報に傷がある(過去に延滞や債務整理の履歴がある)
審査に通らない理由は教えてくれないため、申し込む前に審査落ちの要因を解消しておくと良いでしょう。
リバースモーゲージを検討してみると良いでしょう。リバースモーゲージは主に高齢者向けの制度で、自宅を担保に生活資金などを借り入れ、契約者死亡時に不動産売却で返済する仕組みです。
ただし、住宅ローン残債がある場合は原則利用不可の点に注意しましょう。
また融資とは異なるものの、今の家に住み続けたいのであればリースバックも検討してみてください。
リースバックでは一旦自宅を売却し、売却先と賃貸契約を結ぶことで、売却後も同じ家に住み続けられます。
ただし、リバースモーゲージ・リースバックとも資金使途が生活資金に限定される、契約者が亡くなった際に不動産を売却して返済するなど、不動産担保ローンとは性質が大きく異なります。
また、いずれも住宅ローンが残っているオーバーローンの状態では利用が難しい点も、デメリットのひとつです。
オーバーローンの状態でお金が必要な場合は、不動産の売却も選択肢に入れなければならないでしょう。
住宅ローン返済中の家でも「不動産担保ローン」で借り入れは可能

住宅ローンの返済が残っている家でも「担保余力」があり、申込者の返済能力に問題がなければ、不動産担保ローンを利用して資金を調達することは可能です。
不動産担保ローンを利用すると、低金利で高額な融資を受けられる可能性がある一方、返済不能になると自宅を失うというリスクもあります。メリットとデメリットを十分に理解し、無理のない返済計画を立てることが重要です。
また、資金調達の方法は不動産担保ローンだけではありません。状況によっては、住宅ローンの借り換えやリースバックなど、他の選択肢が適している場合もあります。
急いで資金が必要な状況かもしれませんが、焦りから安易な判断をするのは禁物です。まずは、ご自身の不動産にどれくらいの担保余力があるのかを、金融機関に相談するところから始めてみましょう。
柔軟かつスピーディーな資金調達方法をお探しの事業者様は、セゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」をご検討ください。
※記載の条件は2025年12月時点。
※融資条件・金利・審査結果は、担保内容・返済能力等により異なります。
※資金使途は事業・納税・設備投資などの事業性資金に限られます。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。