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婚約指輪も投資目線でオーダー!マヂカルラブリー・村上さんが考える、資産形成との向き合い方

婚約指輪も投資目線でオーダー!マヂカルラブリー・村上さんが考える、資産形成との向き合い方
セゾンのくらし大研究 編集部

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セゾンのくらし大研究 編集部

豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

2020年のM-1グランプリで第16代王者に輝いたお笑いコンビ・マヂカルラブリーの村上さん。お笑いだけにとどまらず、バラエティ番組への出演やラジオパーソナリティなど、幅広いフィールドで活動の場を広げています。

近年は投資や資産運用にも積極的に取り組み、将来は「FIRE(経済的自立と早期リタイア)」を目指しているという村上さん。しかし、若い頃は目の前の生活に精一杯で、あまりお金について考える機会がなかったそう。

収入が増えた今、「金銭感覚は変わった?」「家族との暮らしの中で大切にしているお金の使い方は?」など日々仕事に勤しむ村上さんに、お金との向き合い方についてうかがいました。

《インタビュー》

マヂカルラブリー 村上の画像

お笑い芸人

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マヂカルラブリー 村上

1984年生まれ、愛知県出身のお笑い芸人。法政大学文学部卒業後、2007年にピン芸人として活動していた野田クリスタルさんとお笑いコンビ「マヂカルラブリー」を結成。2020年開催の「M-1グランプリ」で「M-1」第16代王者の座につき、一躍全国区の人気芸人に。近年は松井証券のYouTube番組などを通じて投資・資産運用について学び、自身でも実践中。将来的にはFIRE(経済的自立と早期リタイア)を目指している。

芸人生活苦節10年、下積み時代のお金の価値観

お笑い芸人になる前は、お金に対してどんなイメージを持っていたのでしょうか?

学生の頃は「お金は親がくれるもの」みたいなイメージでした。大学生になって親元から離れ、一人暮らしを始めたときも親が仕送りや家賃の支払いをしてくれたため、お金を「大事だ」とか「ほしい」と強く思ったことはなくて。アルバイトは人生経験のために経験したくらいで、生活のために働いたことがなかったんです。

その後、就職はせずにお笑いの道を志した村上さんですが、芸能活動を始めてから、お金の価値観に変化はありましたか?

めちゃくちゃありました。芸人になって10年間売れない時代を過ごしてきたんですけど、お金があればできること、なければできないことがたくさんあるんだな…と、お金がなくなって初めて気づきました。10円でも大事な時がある。「パンを買うか、タバコを買うか」の2択を迫られるたびに、お金の重みを痛感していました。

芸人として活動する中で初めてお金の大切さに気づいたのですね。ちなみに、当時パンとタバコのどちらを選んでいたのですか?

ほとんどタバコでした(笑)。ご飯はよく先輩が飲みに連れて行ってくれていたので、なんとかなったんです。

お金がなくて困った経験があるので、スーパーで割引シールが貼ってあるものがあればいまだにそれを選ぶし、ボールペンや服は安いものでいい。自分のものに関しては、当時と価値観は変わっていません。

芸人生活苦節10年、下積み時代のお金の価値観

自分のものにはお金をかけないというお話ですが、村上さんにとってお金をかけた方がいいと考えているものはなんですか?

現在妻と暮らしていますので、共同で使用する家具や家電、生活用品にはどんどんお金を使っています。家に人を呼ぶ機会が増えて、「ちょっといい暮らしをしているな」と思われたい気持ちが出てきました(笑)。あと時計は資産になるので、いいものを購入しています。

投資はギャンブルじゃない。正しい知識を身につけてリスクを減らした資産運用を

松井証券のYouTubeチャンネル『資産運用!学べるラブリー』への出演は、お金を学ぶ機会になっているんじゃないかと思われます。学ぶ前と後で、お金に関する考え方に変化はありますか?

子供の頃から、親に「お金は銀行へ預けておけば安心」という教育を受けてきたので、なんとなくずっとそう思っていたんです。でも、お金の学びを深める中で、「銀行に預けていても物価が上がれば実質資産価値が減っている」ことに衝撃を受け、今すぐ投資を始めなくてはいけないという焦りが芽生えました。

たとえば、銀行に1万円を預けていて、そのときは100円のジュースが100本買えたとします。でも、10年後に物価が上昇して、ジュースが130円になったら、76本しか買えません。つまり、お金の価値が下がって、実質資産も減っている。だから、今後もお金を運用して、物価の上昇にも対応できるようにしておきたいです。

資産運用について学ぶ前と後で、お金に対する価値観にどのような変化があったと感じていますか?

「投資はギャンブル性のある怖いもの」というイメージがずっとあったんです。でも、極力リスクを抑えた形でも運用していくことが可能だと学びました。

もっと早く知っておけば良かったのに!みたいな知識はありますか?

少額投資です。たとえば100円からでも始められる投資信託もあります。若い頃に「投資が怖くない」と知っていれば、当時無駄遣いしていたお金で資産運用ができていました。今振り返ると、少し後悔しています。

投資はギャンブルじゃない。正しい知識を身につけてリスクを減らした資産運用を

現在、どんな資産形成を行っているのでしょう?

株以外ですと、金や宝石、時計など、手元に残る資産を購入しています。物として家にあると安心できるんです。

たとえば、妻と結婚するときに贈った婚約指輪は、ブランド品を買おうか迷っていたんです。しかし、ブランドの価値が下がれば指輪の価値も下がってしまう可能性があるため、その選択肢を保留しました。

一方で、ダイヤモンドはちゃんと選べば資産価値が見込めるという話を聞いたんです。そこで、知り合いの宝石商に探してもらったダイヤモンドを使って、婚約指輪をオーダーメイドしました。投資的な感覚で婚約指輪をつくったことになりますね。妻が喜んでいるかどうかはわからないのですが(笑)。

「損をしている」と気づくことが、お金を学ぶための第一歩

結婚を機にマンションをご購入したとお聞きしました。なぜ賃貸ではなく、購入を選んだのでしょうか?

賃貸は出費が増える一方で資産にはなりません。一方、持ち家は将来資産になるので、購入しました。

これまで住んでいた賃貸マンションで支払った費用を計算してみたら、1年単位で計算しても早く家を購入しておけば良かったと後悔するほど多額のお金を使っていたんです。

「損をしている」と気づくことが、お金を学ぶための第一歩

家の購入は大きな買い物のため、覚悟が必要だと思います。村上さんはどうやって購入に踏み切ったのでしょうか?

お金の心理的なブロックを外すためには、まず興味を持って、「自分は損をしているのかも」と気づくことが大切な気がしています。そうすると、自ずと動くようになるんじゃないかな、と。

僕は大人になってから損をしたことに気づきました。同じような人間を増やさないためにも、高校生ぐらいから資産形成の勉強ができる場を作るべきだと思っています。

パートナーと相談しながらお金のことを考える

結婚によって、お金に関する価値観は変わりましたか?

僕はギャンブルが趣味でもあるんですけど、結婚式の計画中に大負けして、一瞬「引き出物のグレードを下げようかな」なんて考えがよぎっちゃったんです。でも、そんな自分に嫌気が差して…「家族を悲しませたくない」って気持ちが大きくなったんですね。1人だったら、今でもボートレースに手持ちの全額を突っ込んでいたかもしれません。

家族に対する思いが、価値観の変化につながったのですね。パートナーとお金について相談することはありますか?

以前、テレビ番組『ダウンタウンDX』(読売テレビ)で金塊を購入する企画がありました。当時の金の価値は100gで100万円だったんです。番組が用意してくださった100、500、1000gの3つの中から購入する企画で、思い切って1000gの金塊を購入しようと思っていました。

でも妻が「いったん100gで様子を見て、価値が上がりそうだったら追加で買えばいいんじゃない」と提案してくれ、そうしました。約1年半で140万円ほどの価値になったので、現在追加購入を検討しています。

この金塊は、たまに取り出して眺めちゃいますね。「重たいな!ちゃんとここにあるな!」って(笑)。

パートナーと相談しながらお金のことを考える

ちなみに、パートナーと金銭感覚は合っていますか?

僕よりは堅実ですが、感覚は似ていると思います。大きな買い物のときは相談し合って、家計が回るかどうかを妻がしっかり考えてくれるので、自然にブレーキがかかる状態です。ありがたいですね。

悠々自適な生活が、心に余裕をつくる

最後に、村上さんはなぜ「FIRE(経済的自立と早期リタイア)」を目指しているのでしょうか?

趣味みたいな感覚で仕事をして、悠々自適に過ごす。それが実現できれば、心にも余裕ができて、人徳も得られるんじゃないかと思っています。

今後、お笑いの仕事もどうなるかわからないじゃないですか。だからこそ自分の力でお金を生み出せるっていう強みが、より仕事を楽しむためにも必要なんじゃないかと考えています。

「FIRE」を実現するために、今後取り組みたいことを教えてください。

今後は配当がしっかりある成長企業株の投資額を増やしていきたいですね。いまだに「安い株を購入して、短期間で2倍にならないかな〜」みたいなことを考えてしまうので(笑)。まずは、そんな夢想を止めるところから始めてみます。

(取材・執筆協力=サトウリョウタ 撮影=栃久保誠 編集=ノオト)

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