更新日
公開日

お年玉でできる金融教育!子どもに教えるお金の大切さと使い方

お年玉でできる金融教育!子どもに教えるお金の大切さと使い方
横山 光昭

監修者

株式会社マイエフピー代表取締役

横山 光昭

株式会社マイエフピー代表取締役。家計再生コンサルタント。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の問題の抜本的解決、確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの相談件数は23,000件を突破。各種メディアへの執筆・講演も多数。著書は85万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計340万部となる。個人のお金の悩みを解決したいと奔走するファイナンシャルプランナー。

ワクワクするお正月、子どもたちにとって最大のイベントのひとつが「お年玉」です。まとまったお金を手にする貴重な機会を、単なるお小遣いとして終わらせるのはもったいないと思いませんか?

本記事では、ファイナンシャルプランナ―の横山さんにインタビューを行い、お年玉をきっかけに、子どもたちにお金の大切さや賢い使い方を教えるためのヒントを、具体的な事例を交えてご紹介します。楽しみながらお金について学べる「金融教育」の第一歩を踏み出しましょう。

子どもの金融教育、何歳からはじめるべき?

子どもの金融教育、何歳からはじめるべき?

お正月はお年玉など、子どもが普段よりも大きなお金をもらうことが増える時期です。お年玉を預かる親側として、子どもの金融教育について、いつからどのように始めるべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

ファイナンシャルプランナーの横山さんによると、お金についての教育をはじめるのは小学校2年生から3年生頃(9-10歳)が最も適齢であるといいます。この年齢になると、お金の価値や物の価格について理解し始め、自分の考えを表現できるようになるからです。たとえば、買うものが本当にその値段に見合うのか、高すぎる買い物をしていないかなど、物の価値と価格の関係を考えられるようになり、同じような商品でも値段が異なる理由や、お得な買い物の仕方を理解し始めるきっかけになります。

また、お金の使い方について、親や周りの大人と積極的に意見交換できるようになったり、自分の考えをまとめ、目標を立てて行動に移すことができるようになります。

金融リテラシーマップとは?

金融リテラシーマップとは?

子どもに金融教育をはじめるにあたって、まずは何から、どんなことを話したらいいのか難しいですよね。実は、小学生から高齢者まで、それぞれの年齢層において、その時期に必要な金融スキルを具体的に示した「金融リテラシー・マップ」というものがあります。「金融リテラシー・マップ」は、金融経済教育推進機構によって作成され、国民一人ひとりが自立的で安心かつ豊かな生活を実現するために必要な金融知識や判断力を育成することを目的とした、年齢層別の金融教育の指針です。

「家計管理」「生活設計」「金融知識の理解」「金融に関する情報を適切に収集し、判断するための能力」など、主に4つの分野に分けられ、それぞれの分野において、年齢層に応じた具体的な金融リテラシーの目標が設定されています。

たとえば、小学生は「お金の価値や基本的な管理方法を学ぶ」、中高生は「より複雑な金融商品や契約についての理解を深める」、社会人は「キャリアプランや資産形成など、将来を見据えた金融計画を立てる」、といったように、ライフステージに応じた教育目標が設定されています。

主に学校、自治体、金融機関など、さまざまな教育機関や団体が金融教育を行う際の指針として活用されていますが、インターネット上で無料で読むことができるので、参考にしてみるのも良いでしょう。

お年玉をもっと楽しく!子どもとお金の話をしてみよう

お年玉をもっと楽しく!子どもとお金の話をしてみよう

お金は、私たちの生活を豊かにする大切なものです。でも、ただお金があれば幸せになれるわけではありません。お金の使い方によって、私たちの生活は大きく変わります。

たとえば、欲しいおもちゃをすべて買ってしまうと、後で本当に必要なものが買えなくなってしまうかもしれません。反対に、お金を貯めて大きなものを買うこともできます。お金について学ぶことは、将来、大人になったときに、自分の人生を自分で切り開いていくための大切な力になります。

親子でお金の使い方や価値について話し合うことで、子どもはお年玉をより意味のある形で活用できるようになります。楽しく話し合う場を作り、将来につながるお金の使い方を考えるきっかけを与えましょう。

お金の大切さを伝える

まずは、お金の基本的な役割について教え、生活を支えるために必要なこと(NEEDS)や、欲しいものを得る(WANTS)ためにお金が大切だということを伝えます。お金がどのように稼がれ、使われるかを具体的に説明し、親自身がどのようにお金を大切に扱っているかを例にして話すと、子どもにとっても理解しやすくなります。

NEEDS: 生活に必要なもの(食料、衣服、住居など)

WANTS: 欲しいもの(おもちゃ、ゲーム、お菓子など)

どちらも大切ですが、優先順位をつけて考えることの大切さを伝えましょう。

また、お金には現金、電子マネー、クレジットカードなど、さまざまな形の利用方法があることを説明します。スーパーでの買い物、おやつ選びなど、日常生活の中でお金がどのように使われているのかを具体的に説明します。小学校低学年には、お店屋さんごっこなど、ロールプレイングを通して、お金のやり取りを体験させるのもおすすめです。

欲しいものを買う、貯金する、人にあげるなど、お金の使い方は様々であり、お金を稼ぐためには時間や労力が必要であること、お金には限度があることを伝えましょう。

お金の増やし方

お金を増やす方法は、大きく分けて貯金投資の2つが挙げられます。貯金は、最も基本的なお金の増やし方です。銀行口座に一定額を預けることで、お金が増えていきます。一方、投資は、株式や債券、不動産など、様々な資産を購入することで、その資産の価格上昇によって利益を得る方法です。

区分貯金投資
安全性高い低い
リターン低い高い(場合がある)
期間短期~長期中長期~長期
知識少ないある程度の知識が必要

貯金と投資は、それぞれメリットとデメリットがある点を伝え、お金を貯めて大きなものを買う、あるいは時間を投資してスキルを身につけるなど、お金と時間との関係性を考えさせます。

お金の使い方を考えさせる

もらったお年玉をどう使うか、子ども自身に考えさせる時間を作ります。欲しいものを買う、貯金する、寄付するなど、さまざまな選択肢を提示し、選択肢のメリットとデメリットを一緒に考え、子どもが自分で判断できるようにサポートします。子どもが小さいうちは、実際に子どもが決めた内容でお金を使い、使ってみた結果どうだったのかを一緒に確認することも学びにつながります。たとえば、欲しいものを全部買ってしまったら、後で本当に必要なものが買えなくなってしまうかもしれません。反対に、お金を貯めて大きなものを買うこともできます。考えるだけでなく、実際に行動に移してみることも大切です。

また、簡単な家計簿をつけると、お金の流れを可視化し、お金の使い方について意識を高めることができます。将来やりたいことや欲しいものと、お金の使い方を結びつけることで、お金の大切さを実感できるようにします。

子どものお年玉、どうするのが正解?

子どものお年玉、どうするのが正解?

お年玉の使い道、悩んでいるご家庭も多いのではないでしょうか。「全額使わせてしまうのは心配」「でも、全く使えないのもかわいそう」そんな悩みを解消してくれるのが、お年玉の半分を貯金し、半分を子どもに任せる「半分ルール」です。

お年玉の半分を貯金に回すことで、子どもたちは将来の目標のために貯めることの大切さを学びます。「将来、欲しいゲームを買うために貯めているんだ!」「大学に行きたいから、少しずつ貯めていくんだ!」など、具体的な目標を設定することで、貯めることの喜びを実感できるでしょう。

残りの半分は、子どもたちが自由に使えるようにしましょう。自分で選んだおもちゃを買ったり、友達と遊びに行ったり、お金を使う経験を通して、お金の価値を肌で感じることができます。小学生の場合、まだ自分でお金の価値を理解するのは難しいかもしれません。そこで、親が一緒に考え、具体的な例を挙げながら説明してあげることが大切です。

「今すぐ欲しいもの」と「将来欲しいもの」のリストを作り、それぞれのリストを見て、どれを優先するかを一緒に考えることもおすすめです。視覚的にわかりやすい工夫をすることで、子どもたちはよりお金に興味を持ち、計画的に使えるようになります。お年玉は、子どもたちがお金の基礎を学ぶ絶好の機会です。半分ルールを活用し、親子のコミュニケーションを深めながら、お金の知識を習得していきましょう。

金融教育には年齢に合った書籍の活用も

金融教育には年齢に合った書籍の活用も

お子様へお金の大切さを教えたいけれど、どこから手をつければいいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?実は、子ども向けのお金の本は、子どもだけでなく、大人にとっても学びの多い一冊です。

小さな子どもにも理解できるように、シンプルでわかりやすい言葉や、マンガ形式のもの、お金の仕組みが図やイラストを使ってわかりやすく説明されています。また、貯金や投資、お金の歴史など、お金に関する基本的な知識を楽しく学ぶことができます。年齢が低い子どもには、図やイラストが多く、言葉が簡単なものがおすすめです。

お金の歴史に興味があるのか、投資に興味があるのかなど、子どもの興味に合わせて選ぶと、より楽しく学ぶことができます。ぜひ、お子様と一緒に読んで、お金の大切さを学び、豊かな未来を築いていきましょう。

まとめ:お年玉をきっかけに、豊かな未来へ

まとめ:お年玉をきっかけに、豊かな未来へ

子どもの金融教育は、決して早すぎるということはありません。幼いうちからお金に触れさせ、お金の大切さや使い方を教えることは、将来、子どもが自立して生きていく上で非常に重要なことです。大切なのは、お金について一方的に教えるのではなく、子どもと一緒に考え、話し合い、体験を通して学ばせてあげることです。

「どうしてこのおもちゃが欲しいの?」「将来、どんな大人になりたい?」など、お金の話から、子どもの夢や考えを引き出すことができるかもしれません。お金の話は、難しいことではありません。親御さんも、この機会に一緒に金融について学びなおしてみてはいかがでしょうか。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

よく読まれている記事

みんなに記事をシェアする