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定期借家契約は期間が定められた契約!仕組みやメリットを解説

定期借家契約は期間が定められた契約!仕組みやメリットを解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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定期借家契約とは期間が定められた賃貸借契約です。このコラムでは定期借家契約の仕組みやメリット、普通借家契約との違いについて解説します。それぞれの仕組みや制度の目的を理解することで、自身のライフプランに合った選択ができるでしょう。

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定期借家契約とは期限が定められた賃貸借契約

定期借家契約とは、契約の期限が定められた賃貸借契約です。一般的な普通借家契約の場合は、賃貸借契約書に2年などの契約年数が記載されているものの、借主が引き続き住むことを希望すれば、契約更新となり継続して住み続けられます。

しかし、定期借家契約は普通借家契約と異なり、当初の期間が経過した時点で賃貸借契約が終了します。

ここからは、定期借家契約について以下の2つを解説します。

  • 定期借家契約の仕組み
  • 定期借家契約にする貸し手側の目的

定期借家契約の仕組み

定期借家契約は、当初の契約期間が経過した時点で、借主が引き続き住むことを希望したとしても契約は終了します。例外として貸主と借主の双方が納得している場合は「再契約」という形で引き続き住み続けられます。

普通借家契約の場合は借主側の権利が強いため、賃貸借契約において貸主は正当な事由がない限り、借主を追い出すことはできません。正当な事由として、例えば、貸主の住まいがなくなり、その家に住まなければならないことなどが挙げられます。

定期借家契約は普通借家契約と比較すると、貸主側の権利が強い契約といえるでしょう。

定期借家契約にする貸主側の目的

国土交通省の令和2年度「住宅市場動向調査報告書」によると、三大都市圏における民間賃貸住宅のうち、定期借家契約はわずか2.5%です。

 引用:国土交通省:令和2年度「住宅市場動向調査報告書

民間賃貸住宅で定期借家契約にしている割合はわずかですが、貸主側は以下のような目的で定期借家契約にしているケースが多いです。

  • 今は貸しているが将来的に利用したい
  • 借主側にずっと居座られたくない
  • 貸すか貸さないかの主導権は持っておきたい

転勤で自宅が空き家になるため、その一定期間を貸したいといった目的がある場合は定期借家契約は便利な契約といえます。また、普通借家契約では借主の権利が強いため、借主がトラブルなどを起こした際も簡単には追い出せません。

一方、定期借家契約であれば、契約期間が満了した際は、借主は出ていく必要があります。なお、借主が継続して住みたいという意向であれば状況に応じて再契約が可能です。

このように臨機応変に対応しながらも、貸主が主導権を持てる契約が定期借家契約です。

定期借家契約と普通借家契約の違い

定期借家契約の概要について解説しましたが、契約終了時の対応以外にも普通借家契約との違いは複数あります。これから解説する定期借家契約と普通借家契約の違いを明確にし、どのような特徴があるのかを理解しましょう。それぞれの違いは以下のような内容です。それぞれについて解説します。

  • 契約期間
  • 解約方法
  • 契約成立の要件
  • 契約更新

契約期間

普通借家契約の契約期間は1年間以上で上限はありませんが、一般的に2年と定めている契約が多いです。なお、1年未満で設定した際には、期間の定めのない契約とみなされ、契約の当事者はいつでも解約の申し入れができます。

一方、定期借家契約の場合は、契約期間に定めはありません。半年や1年といった短い期間での契約を結ぶことも可能です。

解約方法

普通借家契約の場合は、「半年以内の解約は賃料の1ヵ月分の違約金がかかる」といったような早期解約違約金などの内容を定めるのが一般的です。一方、定期借家契約は、通常であれば中途解約ができません。

しかし、借主の転勤や療養、介護といった正当な事由がある場合は、中途解約の申し入れが可能ですが、残りの契約期間中の賃料を支払う必要があるので、契約条項により、そういった場合の取り決めは異なります。

契約成立の要件

普通借家契約は、一般的に書面で契約を交わしますが、口約束であっても民法上は成立します。しかし、定期借家契約では、公正証書等の書面によって契約を交わす決まりがあるのです。

また、「契約更新はなく、契約期間の満了によって契約が終了する」などその旨を記載した書面を交付して説明する必要があります。

契約更新

普通借家契約は、契約期間満了時に手続きを行わなければ契約に基づき自動的に契約が更新されます。貸主が更新を断るのは、貸主がその家に住まなければならないといった正当な事由がない限り認められません。一

方、定期借家契約は1年以上の契約の場合、貸主は契約満了の1年前から6ヵ月前までに契約終了の旨を通知する義務があります。なお、契約更新はありませんが、貸主と借主の双方が合意することで再契約できますので、継続して住むことも可能です。

定期借家契約の3つのメリット

普通借家契約と定期借家契約における契約上の違いを解説しましたが、実際に住むにあたってどのようなメリットがあるのかを理解しなければなりません。本章では定期借家契約の3つのメリットについて解説します。

3つのメリットは以下のとおりです。それぞれについて解説します。

  • 賃料が割安なケースがある
  • 短期間の賃貸が可能なケースがある
  • 貸主からの解約は原則できない

賃料が割安なケースがある

定期借家契約の物件は、一般的な賃貸物件よりも賃料が割安なケースが多いです。契約が自動更新される普通借家契約と異なり、定期借家契約の物件は期間満了と同時に退去しなければなりません。

通常であれば住むか退去するかを選択できる賃貸物件ですが、定期借家契約ではその選択ができず、借主の負担が大きいことから、賃料が低く設定されていることが多いです。

短期間の賃貸が可能なケースがある

定期借家契約の住宅は、短期間の賃貸が可能なケースがあります。賃貸に住むのは長期的な居住目的だけではなく、建て替えやリフォーム、買い替え、期間限定の転勤など、一時的な住まいとしての利用を希望するケースも多いでしょう。普通借家契約は通常2年間の契約ですが、定期借家契約であれば短期間の契約が可能な物件もあります。

貸主からの解約は原則できない 

定期借家契約では、貸主からの中途解約も原則できません。そのため、契約期間中は貸主から急な退去を命じられる心配なく、安心して生活できるでしょう。

なお、1年以上の賃貸借契約の場合、契約満了の1年前〜6ヵ月前に契約終了の通知が来ます。もしも、再契約を希望するなら、このタイミングで貸主に打診してみましょう。

定期借家契約の2つの注意点

次に本章では定期借家契約で失敗しないために、定期借家契約の2つの注意点について解説します。定期借家契約の2つの注意点は以下のとおりです。それぞれについて解説します。

  • 中途解約は要件が厳しい
  • 再契約は期待できない

中途解約は要件が厳しい

定期借家契約は、一般的な賃貸物件よりも賃料が割安だったり、短期間の賃貸が可能だったりとメリットは多いものの、中途解約の要件は厳しいです。普通借家契約であれば中途解約について期間や違約金の額について明記されていることが多いですが、定期借家契約では、原則中途解約ができません。中途解約ができるのは、転勤や療養、介護といった正当な事由がある場合のみに限られています。さらに、残りの期間分の賃料を請求されるケースもあるため注意しましょう。

必ず再契約できるとは限らない

定期借家契約では、必ず再契約できるとは限りません。貸主と良好な関係を築いていたとしても、貸主側の事情もあるため、必ず再契約できる訳ではないのです。つまり、定期借家契約の物件は、長期的な住まいには適していません。

また、高齢の方が終の住処として賃貸物件を探すのであれば、定期借家契約では目的を達成できない可能性が高いでしょう。所有している自宅を売却して賃貸に住み替えようとしている方は特に注意しなければなりません。

定期借家契約は高齢者には厳しい契約?

また、高齢の方が終の住処として賃貸物件を探す際は、再契約ができない場合もある定期借家契約では目的を達成できない可能性が高いでしょう

相続問題だけでなく、老後の生活資金を確保するために自宅を売却して賃貸に住み替えようと考えている方も多いでしょう。そういう方は、特に注意しなければなりません。

また一方で、高齢の方には、別の問題もあります。高齢の方は年齢や安定した収入がないという理由から賃貸への入居を断られるケースもあるのです。そういった社会問題を解決する手段の1つとして有効なのがリースバックというサービスです。

リースバックとは、自宅を売却したあとに賃貸借契約を結ぶことで、賃料を支払いながら自宅に住み続けられる売却方法です。所有権は買主に移転しますが、売主は売却資金を得られることに加え、生活環境を変えずに住み続けられるため、現在の自宅を終の住処にできます。

しかし、一般的なリースバックは定期借家契約であることが多く、再契約に不安が残ります。リースバックを検討する方は、その契約が普通借家契約か定期借家契約かをしっかりと確認しましょう。

リースバックに興味がある方は、ぜひセゾンファンデックスの「セゾンのリースバック」をご検討ください。セゾンファンデックスのリースバックは普通借家契約であるため、売却後も安心して現在の住まいに住み続けられます。

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おわりに

定期借家契約は、期間の定めがある賃貸借契約です。普通借家契約とは異なり、自動的な契約更新は行われず、期間の満了を持って契約は終了します。しかし、貸主と借主の双方の合意があれば再契約という形で引き続き住み続けることが可能です。

定期借家契約は、借主の負担が大きいことから一般的な賃貸物件よりも賃料が割安に設定されていることが多いです。また、数ヵ月・半年といったように短期間の賃貸が可能な物件もあります。

このように、当初から一定期間しか住まないのであれば、定期借家契約はお得な契約ですが、終の住処のように長期間の住まいには適していません。それぞれのライフプランに合わせ、定期借家契約と普通借家契約のどちらが適しているのかを考えましょう。

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