リフォーム費用は工事を行う範囲により、金額が大きく異なります。例えば介護が必要な家族がいてリフォームをする場合、何にどこまで費用をかけてリフォームするか悩む方がいるかもしれません。このコラムではリフォーム費用の相場や安く抑える方法をご紹介します。
1.リフォームでかかる費用の種類
リフォーム費用には「工事に関する費用」と「工事以外の費用」の2種類があります。
1-1.工事に関する費用:材料費・施工費など
リフォーム費の1つ目は工事に関する費用で、リフォーム資材の材料費や工事を行う職人さんの施工費などが該当します。材料費や施工費は、どこをリフォームするのかによって金額が変わり、リフォーム規模が大きい場合や工事箇所が多い場合は金額が大きくなるのが一般的です。
1-2.工事以外の費用:設計費・仮住まい費用・引っ越し費用など
リフォーム費用の2つ目は工事以外の費用で、設計費や仮住まい費用、引っ越し費用などが該当します。工事以外の費用はかかる場合とかからない場合があります。小規模なリフォームであれば設計費がかからないことが多く、リフォーム工事中でも住み続けられるのであれば仮住まい費用や引っ越し費用もかかりません。
2.工事箇所別のリフォーム費用の相場
リフォームにかかる費用は工事箇所によって異なり、10万円以内でリフォームできる場合もあれば、100万円以上かかる場合もあります。リフォームを検討中の箇所がどれくらいの費用がかかるのか、リフォーム費用の目安を事前に確認しておきましょう。
2-1.水回り
一般的に需要の多いリフォームであるキッチンや浴室のリフォームは50~150万円、洗面所やトイレのリフォームは20~50万円が目安です。ただし、工事内容によってはそれ以下の費用で収まる場合やそれ以上の費用がかかる場合があります。
例えばキッチンのリフォームでは、コンロや食洗器の交換・設置のように30万円以内でできるものがある一方で、キッチン全体の交換や大規模な配管工事が必要になるリフォームの場合は100~200万円ほどの費用がかかるケースも少なくありません。なおガスコンロからIHへの交換費用の目安額は9~25万円程度です。
また浴室のリフォームでは、ユニットバスの交換だけであれば比較的安く済みますが、在来工法の浴室からユニットバスへの変更では解体費用がかかる場合もあり、床の張り替えや浴室暖房機の設置なども伴うと合計で100万円以上かかる場合があります。なおバリアフリー化で浴室内に店頭防止用の手すりを付ける場合は、数万円程度でリフォームできると考えておけば良いでしょう。
トイレのリフォームに関しては、工事内容が簡単であればそれほど大きな費用はかかりません。便器本体の交換であれば20万円程度でしょう。しかし、和式から洋式への変更やトイレ全体のリフォームでは50万円前後、またはそれ以上かかる場合もあります。
2-2.玄関
玄関のリフォームでは30~50万円程度かかるケースが多いですが、ドアの交換や玄関のタイルを張り替えるだけなど簡単な工事であれば30万円以内でリフォームできるケースもあります。
狭い玄関をリフォームによって広くする場合は、玄関ドアの交換だけでなく玄関全体のサイズを変更する工事が必要になるため、費用が高くなるのが一般的です。バリアフリー化で手すりを付けるだけであれば通常数万円程度、段差を解消して玄関スロープを設置する場合は40~50万円程度かかります。
2-3.外構
外構のリフォーム費用は、門扉の交換や照明の設置・交換、庭の植栽、ベランダの修繕など、簡単な工事であれば50万円以内で済むのが一般的です。新たにフェンスを設置するために基礎工事から行うケースでは、費用が高くなり50~100万円程度かかる場合があります。
また門扉の交換やフェンスの設置だけでなく、玄関扉までのアプローチを変更する場合は工事が大規模になるため、100万円以上かかるケースもあります。
2-4.寝室
寝室のリフォーム費用は、フローリングの張り替えなら10~20万円程度ですが、和室から洋室への変更といった床・壁紙・照明など寝室全体をリフォームする場合は100万円前後かかるケースもあります。
例えばご自身が高齢になり体への負担を減らしたい場合、段差がある和室から段差のない洋室に変えるリフォームがおすすめです。仮に6帖の和室を洋室にリフォームする場合、床を畳からフローリングに変えるだけであれば20~30万円程度で収まるケースもありますが、部屋全体を和室から洋室に変える場合は壁紙の変更費用や押入れをクローゼットに変更する費用もかかるため100万円近くになることもあるでしょう。
2-5.リビング
リビングのリフォーム費用は、壁紙や天井のクロスの張り替えだけであれば比較的安くおさまりますが、間取り変更や床暖房の設置など大規模なリフォームでは費用が高くなります。
10帖のリビングの壁紙や天井のクロスの張り替えは5~10万円程度、フローリングの張り替えは10~20万円程度の費用がかかると考えておきましょう。
また間取りを変更する場合、単に間仕切りを撤去または設置するだけなら30万円以内でリフォームできる場合がある一方で、間仕切りの撤去だけでなく耐震性を考慮した補強工事が必要になる場合だと50~100万円程かかる場合もあります。床暖房を設置する場合は坪数にもよりますが100万円前後の費用がかかると考えておけば良いでしょう。
2-6.床や壁紙の張り替え
床や壁紙の張り替え費用は使用する素材や面積で変わります。トイレなど狭い空間の壁紙の張り替えは5万円以内、6帖の部屋の床の張り替えは10万円以内、10帖の部屋の壁紙の張り替えは5~10万円が目安です。
複数の部屋や廊下、階段など、まとめて床や壁紙の張り替えをすれば統一感が出ますが、面積が広くなる分リフォーム費用が高くなります。
2-7.外装や屋根
延べ床面積が30坪程程度の戸建ての外装リフォームを行う場合、外装塗装は100万円前後、外装の重ね張り(カバー工法)は150万円前後、外装の張り替えは150~200万円前後がリフォーム費用の目安です。
延べ床面積が30坪程度の戸建ての屋根リフォームを行うと、屋根塗装なら50万円以内でできるケースもありますが、屋根を張り替えると100万円程度かかる場合があります。
なお外装や屋根のリフォーム費用は、塗装や張り替えの際に使う資材の種類によって金額が変わるため注意しましょう。
2-8.駐車場
庭をリフォームして駐車場にする場合、単に舗装するだけなのかカーポートタイプにして屋根と柱を設置するのか、あるいはガレージを設置するのかによってリフォーム費用の目安が変わります。
車1台分の駐車場を作る場合、舗装だけであれば砂利舗装工事で10~20万円程度、コンクリート塗装工事で30~40万円程度が目安です。カーポートを設置する場合は一般的に40万円前後の費用がかかることが多く、ガレージを設置する場合は200万円以上かかる場合があります。
3.フルリフォームでかかる費用の目安
長年住み続けた戸建てやマンションをフルリフォームする場合や、中古で購入したマンションをフルリフォームする場合、かかる費用の目安は築年数によって変わります。
築年数が浅ければ費用は比較的安く済みますが、築年数が古い場合はフローリングの修繕や経年劣化が進んだ設備の交換などが必要になり、リフォーム費用はどうしても高くなります。
3-1.戸建て
戸建てのフルリフォームでかかる費用の目安は約10~70万円/坪です。水回りの設備交換やフローリングの修繕などの内装工事と、屋根や外装の張り替えなどの外装工事のすべてを行う場合、30坪程度の戸建てであれば2,000~2,500万円程度のリフォーム費用がかかる場合があります。
なお築年数が浅ければ、設備の交換を行う箇所が少なく済むため費用は安くなりますが、そのときに交換しなかった水回りの設備などの経年劣化が進んだら再度リフォームが必要です。結果的にリフォーム工事を行う回数が増えて手間がかかり、費用が高くなることがあるため慎重に検討したほうがいいでしょう。
フルリフォームを行う場合は、費用だけでなく自身や家族のライフステージと照らして実施するタイミングを考えたうえでリフォームを行うことが大切です。
3-2.マンション
マンションのフルリフォームでかかる費用の目安は約20~60万円/坪です。3LDKのマンションで内装をすべて作り直すフルリフォームを行うケースでは700万円前後かかる場合が多く、内容によっては1,000万円以上かかる場合もあります。
なおマンションは戸建てに比べてリフォーム内容の選択肢が限られ、リフォームできるのはあくまで自室のみです。戸建てのように自由度は高くありません。
リフォームの選択肢が限られるなかであっても高額な費用をかけてマンションに住み続ける方が良いのか、それともリフォーム費用に充てる予定の資金やマンションの売却資金を戸建ての購入資金や老後を過ごす施設への入居資金として活用した方が良いのか、しっかりと検討してからリフォームを行いましょう。リフォームをする際には10年、20年後の生活を描き、リフォームの目的を明確にしておくことが大切です。
4.リフォーム費用を安く抑える方法
リフォーム費用を安く抑える主な方法は次の2つです。
- 異なるリフォーム施工事業者で見積りを比較する
- リフォーム箇所を見直して費用を抑える
費用をうまく抑えつつ必要なリフォームを行えば、老後の生活環境が快適になるとともに、高齢者の事故で比率の多い「自宅内での転倒」を未然に防ぐ効果も期待できます。
4-1.異なるリフォーム施工事業者からの見積りを比較する
リフォーム施工事業者によって、使う資材の種類や工事の方法が異なり費用が変わる場合が多いため、リフォームを行う際は複数のリフォーム施工事業者からの見積りを比較するようにしましょう。
他のリフォーム施工事業者の見積りと比較すれば、そのリフォーム施工事業者の見積りが高いのか安いのかが分かり、同じ資材・工事内容なのになぜか高いリフォーム施工事業者を選ばずに済んで余計な出費を抑えられます。
他社の見積もりを提示して価格交渉をすれば費用を安くできる場合もあるため、手間をかけてでも複数のリフォーム施工事業者から見積りを取り寄せ比較することが大切です。
4-2.リフォーム箇所を見直して費用を抑える
何から何までリフォームしようとすると費用が膨れあがってしまうため、優先順位の高い箇所のみリフォームして費用を抑えるのもひとつの方法です。ご自身やご家族の希望を踏まえて優先度の高い場所のみリフォームしておくだけでも、ニーズを満たせてその後の生活が快適になるでしょう。
例えばご家族の中に介護が必要な方がいる場合、玄関スロープを設置するだけでも介護が楽になりますし、浴室全体のリフォーム費用をかけるのが無理な場合でも、風呂場に手すりを設置するなど簡単なリフォームをすれば転倒防止にも役立ちます。
また2階建て以上の戸建てにおいて、すべての階でバリアフリー化をすると費用がかかりますが、1階だけでもリフォームをしておくと可動範囲が広がり生活がしやすくなります。フルリフォームが無理な場合は、工事箇所を絞ることで対応できないか検討しましょう。
5.リフォーム費用の資金調達方法
リフォーム費用の資金調達方法としては、例えば次のような方法があります。
- 補助金を活用する
- リフォームローンを活用する
リフォームに関する補助金制度を導入している自治体も多いので、リフォームをする際にはお住まいの自治体でどのような補助金制度があるのかを確認してみましょう。自治体の窓口やホームページ、または「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」にて確認できます。
またリフォーム費用が大きく一括して支払うのが難しい場合は、リフォームローンを活用して分割払いにするのもひとつの方法です。
一般的にリフォームローンは住宅ローンに比べて借入上限額が低いため調達できる資金は限られますが、住宅ローンとは審査の方法が異なるため住宅ローンよりも利用しやすい場合があります。
6.「セゾンのリフォームローン」の特徴について
リフォームローンを検討している方におすすめなのが「セゾンのリフォームローン」です。キッチン・水回り・オール電化・内装・外装・増改築・バリアフリーなどに対応しています。
6-1.融資期間が長い
一般的なリフォームローンでは融資期間が20年の商品が多く見られますが、セゾンのリフォームローンでは、融資期間が最長35年と長い点が特徴です。期間が長い分、毎年の返済額を低く抑えられるため負担が軽減でき、余裕をもった返済計画をたてることができます。
6-2.来店不要、全国対応。申し込みはWEBで完結
なお、セゾンのリフォームローンは、事業用物件は対象外ですが、住宅や投資用物件であれば物件の地域を問わず全国対応しています。また、申し込みはWEBで完結できるため来店不要で新たに口座を開設するなどの手間はかかりません。
7.リフォーム検討中なら「セゾンのフォームローン」がおすすめ
リフォームをするときにはしっかりと費用をかけて、自分が理想とする住環境を整えるようにしましょう。
リフォームする箇所を絞れば費用は抑えられますが、費用を抑えることを考えるあまりに、工事エリアを限定しすぎると、充分なリフォームができず後々に「費用をかけてでもリフォームをしておけば良かった」と後悔することがあります。
リフォーム費用に充てる資金を用意できない場合でも、リフォームローンを利用すれば解決できる場合があるため、セゾンのリフォームローンの活用をぜひ検討してみてください。