使っていない土地を活用したいけれど、活用方法や相談先に悩んでいる方も多いでしょう。土地の活用方法は種類が多いため、活用の目的や特徴を把握して適切な相談先に相談する必要があります。
そこで本記事では、土地活用の目的に応じた相談先と選ぶポイント、スムーズに相談するための注意点を解説します。ご自身の土地に適した土地活用方法を見つけて、効果的な資産運用を行いましょう。
この記事を読んでわかること
- 土地活用の相談先は、得意分野や実績を踏まえたうえで、適切な相談先を選ぶ必要がある
- 土地の活用方法を相談したあとに、資金計画や税金対策を専門家に相談をすると良い
- 要望をまとめて土地の資料を用意してから相談すると、スムーズに話を進められる
土地活用にはどんな方法がある?
土地活用の相談先は、土地の活用方法によって変わります。土地の活用について相談する前に、どのような土地活用方法があるのかを知っておくことが大切です。
土地活用の方法には多くの種類がありますが、主な種類は以下のとおりです。
【土地活用の種類】
売る | 売却 |
貸す | 定期借地 |
自己活用 | 駐車場経営 |
賃貸アパート経営 | |
賃貸マンション経営 | |
トランクルーム経営 | |
太陽光発電 | |
オフィス経営 | |
老人ホーム経営 | |
サービス付き高齢者住宅経営 | |
デイサービス経営 | |
グループホーム経営 | |
店舗経営(コンビニなど) | |
商業施設経営(ショッピングモールなど) | |
共同活用 | 等価交換 |
土地信託 |
活用の目的や用意できる資金、土地の広さや形状などによって、選ぶ活用方法が変わります。活用方法の特徴を把握して、ご自身に最適な活用方法を選ぶ必要があります。
土地活用のひとつに不動産担保ローンという方法も
土地活用のひとつに、不動産担保ローンという選択肢があります。不動産担保ローンとは、不動産を担保にして融資を受けるローンです。
セゾンの不動産フリーローンは、1都3県のご自宅以外の保有財産を担保にしたローンです。不動産を担保にすることで、一般的な無担保ローンより高額な融資を低金利で借りられます。また、極度型ローンのためご契約は初回のみで、2回目以降はWEBサイトから繰り返し借入が可能です。資金の使い道は自由で、借入ごとに2つの返済方法から選べます。
使っていない土地の活用方法を迷っている方は、ぜひセゾンの不動産フリーローンをご活用ください。
土地活用の目的に応じた相談先
土地の活用方法が決まったら、目的に合わせた相談先に相談します。
土地活用に関する相談は、設計や建設、運営中の管理、資金繰り、税金などさまざまな相談内容に合わせて相談先を選ぶことが必要です。
一般的には、まず活用方法に合わせた相談先に相談します。土地活用の成功には地域性も重要なため、地域の特性や需要と供給、賃料水準などの市場分析をしたうえで、所有している土地に最適な活用プランの提案を依頼しましょう。
活用プランの提案を受けたら、プランに合わせた資金計画や税金について専門家に相談します。提案してもらった活用プランを持参すれば、プランどおりに運用するために必要なアドバイスをもらえるでしょう。
この章では、土地の活用方法ごとに適した相談先をご紹介します。
- 土地の売却や賃貸の相談は不動産会社
- 賃貸経営の相談はハウスメーカーや建築会社
- 変形地や狭小地での賃貸経営の相談は工務店
- 太陽光発電を検討する場合は専門会社か不動産会社
- 高齢者施設の相談は実績のある建設会社
- どんな建物が建てられるか知りたい場合は自治体の建築課など
相談先には得意分野があるため、相談したい内容を得意とする相談先を選ぶことが成功のポイントです。
土地の売却や賃貸の相談は不動産会社
土地の売却や賃貸を検討するなら、不動産会社に相談しましょう。
不動産会社では、売却金額や高く売る方法、売却の手続き、賃貸する際の注意点など、的確にアドバイスしてもらえます。不動産取引は専門的な知識が必要なため、不動産会社に仲介を依頼することにより安心して取引できるでしょう。
ただし、担当者によって資産運用の知識が異なるため注意が必要です。ファイナンシャルプランナーが勤務している不動産会社の場合は、土地の売却や賃貸と合わせて、資産運用や税金の相談もできます。
賃貸経営の相談はハウスメーカーや建築会社
マンションやアパートなどの賃貸経営の相談先には、ハウスメーカーや建築会社があります。比較的規模の小さいアパートやマンションの場合はハウスメーカー、規模の大きなマンションの場合は建築会社に相談してみましょう。
土地に合わせた設計プランを作成してくれるうえに、賃貸経営をする際の収益や必要な費用、利回りの見積もりも依頼できます。大手のハウスメーカーや建築会社であれば、グループ内に管理会社や不動産会社を持っている場合も多いため、設計から建築、竣工後の管理、メンテナンス、将来の売却まで全て一貫して任せられます。
変形地や狭小地での賃貸経営の相談は工務店
土地の形状によっては、ハウスメーカーや建築会社では引き受けてもらえないケースがあります。
変形地や狭小地にアパートなどを建てて賃貸経営したい場合は、工務店に相談すると良いでしょう。工務店は、ハウスメーカーのように建物が規格化されていないため、土地に合わせた独自のプランを提案してもらえます。建物の仕様にこだわりのある工務店ならば、外装や内装をおしゃれに仕上げることも可能です。
ただし、変形地や狭小地は土地の中で建物を建築できる面積が限られるため、上手に建物面積を確保したり設計を工夫したりしなければなりません。そのため、プランの作成が難しく、建築価格が高くなる傾向があります。建築費用を含めた収支や利回りをよく検討することが大切です。
太陽光発電を検討する場合は専門会社か不動産会社
太陽光発電システムを利用した土地活用は、郊外の広くて周囲に建物がない土地に向いています。太陽光発電を検討する場合の相談先は、不動産会社か専門会社です。
不動産会社に相談する場合は、不動産会社が取引している専門会社を紹介されるケースが多く、安心して依頼できます。売却など他の活用方法と並行して検討できるため、選択肢が広がるメリットもあります。ただし、仲介手数料がかかる場合があるため注意しましょう。
専門会社に直接相談する際には、信頼できる企業かをよく検討しなければなりません。まれに悪徳事業者が含まれているケースがあるため、しっかりと口コミや実績を調べてから相談しましょう。
太陽光発電は企業によって取り扱っているメーカーが決まっている場合が多いため、複数の企業に相談すると、システムや費用をしっかり比較できます。
高齢者施設の相談は実績のある建設会社
近年高齢化が進んでいるため、高齢者施設の経営による土地活用は安定した収益を期待できます。
高齢者施設の相談先は、実績のある工務店やハウスメーカー、建築会社がおすすめです。高齢者施設は、建築に際し法規定があったり特殊な設備が必要だったりするため、知識と経験のある企業に相談すると安心だからです。自治体によっては補助金や助成金があるため、地域の情報に詳しい企業に建築費用や資金計画を併せて相談できると良いでしょう。
どんな建物が建てられるか知りたい場合は自治体の建築課など
活用方法を決める前に、まずどのような建物が建てられるか知りたい場合は、自治体の建築課などに問い合わせると良いでしょう。
土地の活用や建物の建築は、建築基準法などさまざまな基準や規制により、建築できる建物が制限されています。自治体の役所には、土地の活用や建物の建築について指導や確認を行う部署があります。
建築課など担当の窓口では、所有する土地の規制や建築できる建物について、丁寧に教えてくれるでしょう。土地の活用方法を検討する前に自治体に問い合わせれば、所有する土地で希望の活用方法が可能かを判断できます。
税金や資金計画に関しての相談先は?
土地の活用方法が決まったら、資金計画や税金について、お金の専門家に相談しましょう。
お金の専門家は土地の活用方法の専門家ではないため、決まった活用プランを持参して具体的に相談するとスムーズに相談できます。また、相談料は無料の場合もあれば有料の場合もあるため、料金や予約方法を前もって確認しておきましょう。
ここでは、資金計画や税金対策を相談できる相談先をご紹介します。
- 税理士
- ファイナンシャルプランナー
- 金融機関
- 弁護士や司法書士
それぞれに得意分野があるため、特徴をしっかりと理解して、相談の目的に合った相談先を選ぶ必要があります。
税金に関することは税理士
税金に関することは税理士に相談しましょう。
土地活用をするとお金が動くため、現在の資産状況や活用のプランから、どれくらいの税金がかかるのか、どのように節税すれば良いのかを確認することが大切です。また、節税の条件を満たす活用方法など、専門的な知識と経験からアドバイスをもらえれば、節税しながら効率的な土地活用が可能になります。
資産全体の相談はファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは、幅広い知識を持っているため、土地活用を含めた資産全体にアドバイスをもらうのに向いています。他の所有資産や投資などと併せた収支を検討する際に相談すると、効率的な資産運用のアドバイスがもらえます。また、土地活用の方法を相談した相談先から出してもらった活用プランが現実的かどうか、客観的に判断してもらうことも可能です。
融資が必要なケースは金融機関
土地活用に融資が必要な場合は、金融機関に相談しましょう。
金融機関には、土地活用や相続、資産運用について相談できる、コンサルティングの窓口が置かれている場合があり、客観的な立場からアドバイスがもらえます。普段利用している金融機関や、土地活用に利用できるローンに積極的な金融機関に相談すると良いでしょう。
銀行とのつながりがあれば、融資が必要になった際にスムーズに話を進められます。融資を含めた専門的なアドバイスをもらいながら、失敗しない土地活用を行えるでしょう。
法的な相談なら弁護士や司法書士
法的な相談は、弁護士や司法書士が相談先となります。
相続登記など登記手続きで困ったら司法書士に相談しましょう。また、最寄りの法務局でも、登記に関する無料相談を行っている場合があるため、WEBサイトなどで確認しておきましょう。
また、土地活用において法的トラブルに発展しそうな場合は、迷わず弁護士に相談しましょう。例えば、相続による権利関係では近親者の間でトラブルになるケースが多いため、感情的になって話し合いが進まない場合もあります。ご自身で解決できなくても弁護士なら中立の立場で解決してくれるでしょう。
最寄りの弁護士会や自治体で無料相談を行っている場合があります。所有している不動産の最寄りの自治体に確認してみましょう。
土地活用の相談先を選ぶポイント
土地活用を成功させるには、信頼できる相談先を選ぶことが重要です。親身になって最適なプランを提案してくれる相談先かどうかを見極めなければなりません。そのために、複数の企業に相談し、選ぶポイントに沿って比較し判断する必要があります。
相談先を選ぶ際に押さえておきたいポイントは、以下のとおりです。
- これまでの土地活用の実績
- 担当者の対応力
- 提示されたプラン内容
本章では、各項目ごとに詳しく解説します。
これまでの土地活用の実績
相談先を選ぶうえでいちばん心配なのは、提案される活用プランの根拠でしょう。過去に土地活用の実績がある企業ならば、今までの経験をもとにプランを作成していることがわかり、現実的に実行可能なプランだと判断できます。ご自身で所有している土地と同じくらいの広さや立地の土地を活用した実例を見せてもらえれば、土地活用のイメージを持ちやすいでしょう。
担当者の対応力
土地活用をすると、市場調査や活用プランの提案、設計、建築、経営、資金繰り、節税対策など、相談先と長く付き合うことになります。トラブルなくスムーズに土地活用を進めるためには、担当者の人柄や誠実さ、ご自身との相性も大切です。
プランが適正なものであっても、担当者と合わなければ活用はうまくいきません。また、トラブルがあった際に誠実に対応してくれる相談先と担当者でなければ、信頼関係を築くのが困難でしょう。長いスパンでの付き合いを考慮し、担当者の人柄を見極めましょう。
提示されたプラン内容
相談先から提案されたプランが、市場調査や分析に基づいてしっかりと練られた活用プランであることを確認します。
検討する際には、以下の内容を確認すると良いでしょう。
- 設計から竣工までのスケジュールに無理がないか
- 建築費用などの金額に妥当性があるか
- 建築後の運用の収支計画は現実的か
設計から完工までのスケジュールを確認しておくと、竣工した建物の確認や建築費を支払う日程の目安をつけられます。
2月や3月など賃貸の需要が高まる時期に竣工できれば、新築物件としてアピールできるため部屋が埋まりやすく、竣工時から満室で稼働することも可能です。
また、建築費の支払いは企業ごとに支払う時期や金額が異なるため、しっかり確認しましょう。融資を受ける場合は金融機関との調整も必要になるため、資金調達のスケジュールを合わせられるか確認しなければなりません。
建築費用の比較も大切です。建築費用を検討したくても、1社の見積もりだけでは判断する基準がわかりません。複数の相談先に相談することで、見積もりを比較でき建築費用が妥当なのかを判断できます。
建築後の運用の収支計画もしっかりと比較しましょう。建築後に経営を始めてみると、想定の収支どおりにならないこともあります。それに備えて、現実的な金額を想定した収支計画を立てることが大切です。
土地相談をスムーズに行うために
土地活用の方法と相談先を決めたら、具体的な準備をしましょう。資料を持って相談に行くだけでは、効率の良い相談はできません。
相談をスムーズに行うために準備するべきポイントは、以下のとおりです。
- 土地に関する書類を準備しておく
- 相談先の得意分野を知っておく
- ご自身の要望をまとめておく
本章では、ポイントごとに詳しく解説します。
土地に関する書類を準備しておく
土地活用の相談をするには、土地に関する書類が必要です。土地の権利証や登記簿謄本、測量図などを用意しておくと、相談がスムーズに進みます。
土地の権利証や登記簿謄本には、土地の面積、所有者、地番など土地の詳細が記載されています。測量図は、土地の周囲の長さや面積を測った書類です。登記簿謄本と測量図は法務局で取得できます。
相談に行く前に、必要な書類を相談先に確認しておくと良いでしょう。どのような書類かよくわからない場合や法務局に行けない場合は、前もって相談先に伝えておくのがおすすめです。また、土地を取得した際の書類などを保管していれば、持参しましょう。
相談先の得意分野を知っておく
相談先には得意分野があるため、ご自身が希望する土地活用方法に合った相談先を選ぶとスムーズに話が進みます。相談先によっては、すべての土地活用を手がけているわけではありません。相談に行く前に、得意分野や経験のある分野を調べておくと良いでしょう。
ご自身の要望をまとめておく
相談する際には、ご自身の要望をまとめて優先順位をつけておくと、話がスムーズに進みます。
例えば、建物の仕様にこだわらず建築費を抑えたい、建築費はかかっても入居者が喜ぶように内装や設備を充実させたいなど、要望によってプランも変わってきます。
どのようなプランにしたいのか、優先順位をつけてまとめておくと担当者に伝わりやすく、要望に沿ったプランを作成してもらえるでしょう。
おわりに
使っていない土地を活用するには、活用方法の特徴を理解して、所有している土地に合った活用方法を選ぶ必要があります。具体的な活用プランは、選んだ活用方法を得意とする相談先に相談して提案を受けましょう。
現実的な収支計画や効果的な節税対策は、お金の専門家に相談することをおすすめします。信頼できる相談先を見つけて、スムーズに相談を進められれば、土地活用を成功させることができるでしょう。