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離婚後に妻が住む予定の家に住宅ローンが残っている場合どうすべき?懸念されるリスクの対処法

離婚後に妻が住む予定の家に住宅ローンが残っている場合どうすべき?懸念されるリスクの対処法
セゾンのくらし大研究 編集部

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夫が住宅ローンを組んでいる家に、離婚後も妻が住むことはできるのかと、疑問に感じている方も多いでしょう。

結論から言えば、住み続けることは可能です。しかし夫が家と住宅ローンの名義人である場合、妻が離婚後もそのまま家に住み続けるには、リスクに備える必要があります。

本記事では、夫名義の住宅ローンの残債がある家に、離婚した妻が住み続ける方法と注意点を解説します。この記事を読んでいただければ、リスクに備えるためにするべきことがわかり、離婚後も安心して生活できるでしょう。

この記事を読んでわかること
  • 離婚後も妻が住み続けることは可能だが、金融機関の許可がおりない恐れがある
  • 名義変更や借り換えによって、夫の滞納による強制退去のリスクを避けられる
  • 夫が組んでいる住宅ローンを完済したら、家の名義を妻に変更しておく
  • 離婚時に取り決めた内容は、公正証書にして残しておくと、法的な効果を持たせられる

セゾンのリースバック
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離婚しても持ち家に妻が住むことは可能!

離婚しても持ち家に妻が住むことは可能!

生活環境を変えたくないなどの理由で、離婚後も妻がそのまま持ち家に住み続けるケースは少なくありません。引っ越し費用がかからない、子どもの生活環境を変えずに済むなどのメリットがあります。

しかし、家や住宅ローンの名義が夫の場合はリスクがあると認識しましょう。

例えば、家の名義人である夫は妻に無断で家を売却できるため、妻は急に退去させられるリスクが常にあります。また、夫が住宅ローンの返済を滞納したために、家を差し押さえられ、妻が強制退去させられるリスクも忘れてはいけません。

なお、住宅ローンをすでに完済している場合、妻は財産分与として家の所有権を取得できます。妻が夫に代償金を支払って家の所有権を取得できるケースもあります。いずれの場合も、妻が住み続けるのであれば、家の名義は夫から妻に変更しておくことが大切です。

離婚した妻が住宅ローンの残債がある家に住み続けたい場合どうする? 

離婚した妻が住宅ローンの残債がある家に住み続けたい場合どうする?

離婚後も妻が住宅ローンの残債がある家に住み続けるには、5つの方法があります。

  • 賃貸借契約を夫と結んで妻が間接的に住宅ローンを返済する
  • 夫が住宅ローンの返済を続ける
  • 住宅ローンの名義を夫から妻に変更する
  • 妻がほかの金融機関で住宅ローンを借り換える
  • リースバックを利用して妻が住む

本章では、それぞれの具体的な方法と注意点を解説します。住宅ローンが残っている家に妻が住むことにはリスクがあるため、注意点をしっかりと把握してリスクを避けることが大切です。

賃貸借契約を結んで妻が間接的に住宅ローンを返済する

夫が家と住宅ローンの名義人である場合、夫と妻の間で家の賃貸借契約を結ぶのがひとつの方法です。夫が貸主、妻が借主となり、妻は夫に毎月賃料を支払います。住宅ローンの名義人である夫は、受け取った賃料からローンを返済するため、間接的に妻がローンを支払うことになります。

夫にとって、新しい生活を送りながら、もう住んでいない家の住宅ローンを返済するのは、経済的にも精神的にも負担が大きいです。しかし、妻から受け取った賃料を住宅ローンの返済に充てられれば経済的な負担を減らせるため、支払いを滞納するリスクを減らせます。

一方、妻にとって毎月の賃料を捻出するのは経済的に負担です。また、離婚後も夫と連絡を取り合わなければならないため、ストレスを感じる方もいるでしょう。しかし、賃貸借契約を結んでおくと貸主が借主を退去させるには相応な理由が必要なため、夫の都合で退去させられるリスクを軽減できるメリットがあります。

・注意:金融機関の許可がおりない可能性がある

この方法では住宅ローンの名義人である夫が家に住まないため、ローンを組んでいる金融機関の許可がおりない可能性があります。

住宅ローンは、居住する家を購入するための借入です。そのため、住宅ローンの名義人が家に住まなくなると契約違反となり、残債を一括返済するように求められる恐れがあります。

また、借入時に金利の優遇を受けていた場合は、妻が住む許可がおりたとしても、金利の引き上げなど何らかの条件がつく場合があるため注意しましょう。

夫が住宅ローンの返済を続ける

住宅ローンの名義人である夫が、そのままローンの返済を続ける方法があります。例えば、夫婦間に子どもがいて養育費が必要な場合、夫は妻に養育費を支払う代わりに金融機関に住宅ローンを支払うことが可能です。

家にそのまま住めるため、妻は新しい家に引っ越す費用負担や手間がかかりません。夫から養育費を受け取ることはできませんが、家の賃料を支払わなくても住めるメリットがあります。また、子どもにとっても、住む環境が変わらなければ、親の離婚で感じる負担を少しでも減らせるでしょう。

・注意:強制退去や一括返済を求められるケースがある

この方法では、夫が将来住宅ローンを返済しなくなるリスクがあります。住宅ローンの返済が滞ると、金融機関は家を競売にかけて資金を回収しようとします。競売で売却されると、妻は強制的に期日までに退去させられるのです。

また、住宅ローンは居住する家を購入するための借入であるため、住宅ローンの名義人である夫が家に住まなくなると、金融機関から一括返済を求められる恐れがあります。借入時に金利の優遇を受けていた場合は、金利引き上げなど何らかの条件を付けられる可能性もあるため注意が必要です。

なお、家の名義人は夫のままであるため、夫は妻に無断で住宅ローンを完済して家を売却できます。家の所有者が変われば、妻は新所有者へ家が引き渡される前に退去しなければなりません。

住宅ローンの名義を夫から妻に変更する

住宅ローンの名義を夫から妻に変更する

住宅ローンの名義が夫の場合、妻に名義を変更して、妻がローンを返済しながら住み続ける方法があります。

住宅ローンの名義を妻に変更できれば、妻は一括返済や強制退去のリスクを負うことなく、安心して家に住み続けられます。妻が夫と連絡を取り合う必要もありません。夫は住宅ローンの返済から解放され、新しい生活における経済的負担を減らせます。

・注意:妻に返済能力がないと名義変更できない

一般的に、返済中の住宅ローンの名義を変更するのは困難です。なぜなら、住宅ローンは、債務者の年収や勤続年数、勤務形態などを審査し、間違いなく返済できる能力があると判断した場合に融資しているためです。

妻に毎月安定した収入がなく、住宅ローンの返済能力がないと判断されると、名義変更はできません。また夫と妻が共有名義で住宅ローンを組んでいる場合は、二人で返済している金額をひとりで払えると認めてもらうのは困難でしょう。

ただし、金融機関が承認すれば、返済中の住宅ローンの名義を夫から妻に変更できる場合があります。妻に夫と同程度かそれ以上の年収があり、勤続年数や雇用形態など金融機関の審査を通過するための条件をクリアしているケースです。

住宅ローンの名義を妻に変更できたら、家の名義も妻に変更しましょう。そうすることで、妻は夫による家の売却など退去の不安なく家に住み続けられます。

妻がほかの金融機関で住宅ローン借り換える

妻が新たにほかの金融機関で住宅ローンを借り換えれば、夫の滞納や家の売却リスクがなくなります。

妻が新たに住宅ローンを組み、夫が返済中の住宅ローンを完済すれば、家の名義を妻に変更することも可能です。夫は家の所有権を失いますが、住宅ローンの返済義務がなくなり経済的負担を軽減できます。妻は住宅ローンの返済という経済的負担を負いますが、夫が滞納する心配や家を売却してしまう不安から解放され、安心して家に住み続けられるでしょう。

・注意:妻の収入が低いとローン審査に通らない

住宅ローンを組む際には、金融機関による審査を受けなければなりません。収入や雇用形態、勤続年数などが審査され、問題なく返済できると判断されると融資を受けられます。

離婚前に夫の扶養を受けている場合や正規雇用ではない場合は審査に通りにくい傾向があるため、注意が必要です。

また、夫と妻の共有名義で借りていた住宅ローンを妻ひとりのローンに借り換える場合、妻がひとりでも返済できることを金融機関に示さなければ審査に通らず融資してもらえない恐れがあります。離婚前から正社員で働き始めるなど、審査に通るための対策を講じておきましょう。

リースバックを利用して妻が住む

離婚後に妻が家に住むために、リースバックを利用するのもひとつの方法です。

リースバックとは、家を売却した後に売主と買主が賃貸借契約を締結し、売主がそのまま住み続ける契約のことです。リースバック会社が家を買い取って買取金額を支払い、そのまま家を売主に貸します。売主は受け取った資金で住宅ローンを完済し、以降は買主に毎月賃料を支払って継続して住むことが可能です。

売却して得た資金で夫が組んでいる住宅ローンを完済できるため、妻は強制退去や一括返済のリスクを負わずに家に住み続けられます。離婚後に夫婦でやり取りする必要がないのもメリットです。

夫は住宅ローンの支払いから解放されて、新しい生活の経済的負担を減らせます。妻は毎月リースバック会社に賃料を支払わなければなりませんが、元の住宅ローンの名義を変更したり新しい住宅ローンに借り換えたりする必要がないため、返済能力や雇用形態を気にしなくても良いメリットがあります。

・注意:家の売却時に住宅ローンを完済しないと利用できない

リースバックを利用するには、返済中の住宅ローンを完済して、家についている抵当権を抹消しなければなりません。抵当権がついていると所有権の移転ができないためです。

もし住宅ローンの残債が売却額を上回っている場合、オーバーローンとなり残債を完済できません。オーバーローンの場合、通常の方法では売却できないため、任意売却との組み合わせて売却することを検討しましょう。

任意売却とは、オーバーローンであっても、ローンを組んでいる金融機関の許可をもらい売却する方法です。売却額と残債の差額を売却後もローンとして返済し続けることにより、抵当権を抹消できます。

金融機関から任意売却の許可がもらえれば、リースバックとの併用も可能です。

・離婚時に家を売って住み続けるなら「セゾンのリースバック」へ

リースバックを利用して妻が離婚後も家に住み続けるなら、セゾンのリースバックがおすすめです。

セゾンのリースバックは最短2週間で契約できるため、離婚に伴う家の売却手続きを早く終わらせられます。家の査定費用や契約の事務手数料は無料で、賃貸時の礼金も不要です。

離婚時に家を売って妻がリースバックを利用する場合は、ぜひセゾンのリースバックをご検討ください。

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離婚後も夫名義の家に妻が住むならリスクに備えよう

離婚後も夫名義の家に妻が住むならリスクに備えよう

離婚した妻が、住宅ローンの残債が残っている夫名義の家に住む方法を解説しました。いずれの方法でもリスクはあるため、事前にしっかり対策をしてリスクを軽減することが大切です。

そこで本章では、リスクに備えるためにやるべき事前準備を解説します。

  • 家の価値を調べる
  • 家や住宅ローンの名義を確認する
  • 住宅ローンの残債額や契約内容を確かめる
  • 家の名義変更を検討する
  • 離婚協議の内容を公正証書に残しておく

それぞれについて、見ていきましょう。

家の価値を調べる

不動産会社に査定を依頼し、家の売却額がどれくらいになるかを確認しましょう。財産分与をするためには、家の価値を知っておく必要があるためです。また、オーバーローンかアンダーローンかがわかるため、今後の売却方法を具体的に検討できます。

家の売却額は立地や築年数、管理の状態などを考慮して算出されます。管理状態により価格が下がることもあれば、周辺環境の変化により価格が上昇することもあると考えましょう。

売却額がいくらかによって対応が異なるため、離婚前に確認しておくことが大切です。

家や住宅ローンの名義を確認する

離婚手続きの前に、家と住宅ローンの名義人が誰なのかを確認しておきましょう。

家の名義人とは家の所有者のことで、住宅ローンの名義人とはローンを組んでいる債務者のことです。家の名義人と住宅ローンの名義人は基本的に同じですが、異なるケースもあります。

家の名義人は法務局に備えている登記簿(登記簿謄本・登記事項証明書)で確認できます。

誰が名義人かによって方法やリスクが異なるため、家と住宅ローンの名義人を確認するのは重要です。

住宅ローンの残債額や契約内容を確かめる

住宅ローンの残債がある家を売却する場合、残債や契約内容の確認が重要です。特に、以下の項目をしっかりと確認しましょう。

  • 住宅ローン残債が売却額を下回る(アンダーローン)か、上回る(オーバーローン)か
  • 妻が連帯保証人になっていないか
  • 賃貸住宅として貸し出すことを、契約で認めているか

リースバックの利用など、家の売却を視野に入れる場合は、住宅ローン残債と売却額を比較して、アンダーローンなのかオーバーローンなのかを確認しましょう。オーバーローンの場合は通常の方法では売却できないため、任意売却を検討する必要があります。

夫が住宅ローンの名義人の場合、妻が住宅ローンの連帯保証人になっているケースが多く、仮に夫が返済を滞納すると、離婚後でも妻に返済の催促がくる恐れがあります。妻がリスクを避けるためには、離婚時に連帯保証人を変更しなければなりません。

また、住宅ローンは住む家を買うための借入であるため、ローンの契約において賃貸に出すことを認めていないケースが多いです。離婚後の対応については、一度金融機関に相談してみましょう。

家の名義変更を検討する

住宅ローンの名義と家の名義は別のものです。住宅ローンの名義を妻に変更しても、家の名義は自動的には変わりません。

夫が家の名義人のままだと、夫は妻に無断で家を売却した場合、妻は対抗できず、退去しなければなりません。妻が安心して家に住み続けるためにも、家の名義人を妻に変更することを検討しましょう。

離婚協議の内容を公正証書に残しておく

離婚協議の内容を公正証書に残しておく

離婚時に取り決めた内容は、公正証書に残しておきましょう。

公正証書とは、当事者の依頼により公証人が作成する公文書のことです。公正証書にしておくと、記載された内容に法的な効力が生まれます。口約束では後日トラブルになった際に解決できない恐れがありますが、公正証書として記録しておくことで法的に解決することも可能です。

毎月の家賃が振り込まれない、養育費として支払われるはずの住宅ローンの返済が滞っているなど、トラブルを避けられるメリットがあります。公正証書には、夫が住宅ローンの支払いを継続することや、住宅ローンを完済したら家の名義を妻に変更することなど、家に関する取り決め事項を記載しましょう。

おわりに

離婚後も妻が家に住み続けることは可能です。夫が組んでいる住宅ローンの残債がある場合は、賃貸借契約を結ぶ方法や夫が返済を継続する方法により、妻が住み続けられます。

妻に収入があれば、ローンの名義変更や借り換えも検討しましょう。しかし、どの方法にも住宅ローンの一括返済や強制退去のリスクがあるため、リスクを軽減するための対策が必要です。家の売却を視野に入れる場合は、リースバックという選択肢もあります。本記事の内容をもとに対策を講じ、安心して生活できる状態を作りましょう。

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