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東京都心5区が不動産投資に強い?エリアの特徴や強みを徹底解説

東京都心5区が不動産投資に強い?エリアの特徴や強みを徹底解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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不動産投資において重要なことのひとつに需要が見込める地域の物件を買うことが挙げられますが、そういう意味では東京都心5区にある物件はやはり優れています。東京都心5区とは千代田区・中央区・港区・渋谷区・新宿区のことで、このエリアにある物件は根強い人気を誇るのが実情です。そこで今回の記事では、東京都心5区にある物件が不動産投資に向いている理由と、実際に投資をする際の注意点について詳しく解説します。

(本記事は2024年8月5日時点の情報です)

この記事を読んでわかること
  • 東京都心5区とは、不動産価格相場の高いエリアを指す言葉で、具体的には千代田区・中央区・港区・渋谷区・新宿区のことである
  • コロナ禍を経て、東京23区の中古マンションの価格は高騰から下落傾向に転じたが、東京都心5区に限って言えばその傾向はあてはまらない
  • 東京都心5区は都市開発が盛んに行われ、一定の就労者数が見込まれることから通勤に便利な物件は好まれやすい
  • ただし物件価格は高いため注意して取り組むこと
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そもそも東京都心5区とは?

そもそも東京都心5区とは?

そもそも東京都心5区とはどこのことを指しているのかについて解説します。

不動産価格相場の高い都心5区エリア

東京都心5区とは、不動産価格相場の高いエリアを指す言葉で、具体的には千代田区・中央区・港区・渋谷区・新宿区を指します。

これらの5つの区は、東京駅・品川駅・渋谷駅・新宿駅などの巨大ターミナル駅や繁華街、高級住宅地などが揃っている利便性・ステータス性の高い場所であるため、マンション相場や不動産価格も高いとされています。

都心5区以外にも都心3区・都心7区という分け方も

都心5区以外にも、マンション相場、不動産価格の高い場所として、不動産投資において重視すべきエリアを指す言葉としてさまざまな呼称があります。具体的にどこの区が含まれるかを知っておきましょう。

都心3区千代田区、中央区、港区
都心6区千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、文京区
都心7区千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、文京区、豊島区
東京18区東京23区から足立区、板橋区、北区、江戸川区、葛飾区を除いた地域

東京都心5区の不動産価格の現状は?

東京都心5区の不動産価格の現状は?

不動産分野の情報サービスを運営するマンションリサーチ株式会社の調査によると、東京都心5区は他地域と比べ不動産投資に強い傾向が見られます。

【最近の傾向】

  1. 東京23区全体:
    • 中古マンション価格が下落傾向
    • 在庫回転率が低下
    • 成約価格も下落気味
  2. 都心5区の特徴:
    • 港区を除き、価格下落傾向が緩やか
    • 千代田区、中央区、新宿区:価格下落物件数が減少
    • 渋谷区:価格は横ばい
  3. 具体的な数字:
    • 東京23区全体:中古マンション価格下落割合は約35%
    • 都心5区と江東区:価格下落割合は30%以下

これらのデータから、都心5区の中古マンションは比較的価値が保たれやすく、一定の需要が見込めるため、不動産投資に適していると言えるでしょう。

不動産投資で東京都心5区が強い理由

不動産投資で東京都心5区が強い理由

不動産投資において、東京都心5区が強い理由を一言でまとめると、「土地の利用価値が高いため、地価が下がらないから」です。つまり、その場所にビルやマンションを建てたい、建っているビルやマンションを使いたい、住みたいと考える事業者や個人が一定数いる以上、価値も下がりにくくなっています。

この傾向は数字にも表れていて、東京都と特別区部では2011年から2015年にかけて就業者が減少し、その後増加に転じたものの、東京都心5区に限っていえば増加が続いていました。

ここではさらに掘り下げて、不動産投資で東京都心5区が強い理由について考えてみましょう。

千代田区

千代田区は、東京の政治・経済の中心地として知られ、不動産投資においても高い潜在性を秘めています。

【具体的な特徴】

  1. オフィス需要:
    • 丸の内・大手町エリアには、東証一部上場企業の約3割が本社を構えています。
    • 2023年のオフィス空室率は1.5%と、23区平均の3.2%を大きく下回っています。
  2. 住宅事情:
    • 2023年の千代田区の人口は約68,000人で、10年前と比べて約20%増加しています。
    • 平均世帯年収は約1,100万円と、23区内でトップクラスです。
  3. 不動産価格:
    • 2023年の平均マンション価格は1平方メートルあたり約250万円で、23区内で最も高額です。
    • 2019年から2023年にかけて、不動産価格は年平均3.5%上昇しています。
  4. 開発計画:
    • 2027年完成予定の「トーチタワー」(高さ390m)を含む大規模再開発「常盤橋プロジェクト」が進行中です。
    • この開発により、オフィス面積が約15万平方メートル増加する見込みです。
  5. 交通の利便性:
    • JR東京駅の1日平均乗降者数は約50万人(2023年度)で、ビジネス拠点としての重要性が高いです。
    • 区内には13の鉄道路線が乗り入れており、交通アクセスが極めて良好です。

これらの要因から、千代田区での不動産投資は、高い需要と価値の上昇が期待できます。特に、東京駅や大手町駅周辺の物件は、ビジネス客向けの短期滞在施設やハイクラスな賃貸マンションとして高い収益性が見込めるでしょう。

中央区

中央区は、金融の中心地である日本橋を擁し、商業と居住の両面で魅力的な投資先となっています。

【具体的な特徴】

  1. オフィス需要:
    • 2023年のオフィス空室率は約2.8%で、23区平均を下回っています。
    • 日本橋エリアには多くの金融機関本社が集中しており、安定した需要があります。
  2. 住宅事情:
    • 2023年の中央区の人口は約17万人で、10年前と比べて約15%増加しています。
    • タワーマンションの建設が盛んで、高所得者向け住宅の需要が高いです。
  3. 不動産価格:
    • 2023年の平均マンション価格は1平方メートルあたり約200万円で、23区内で上位に位置します。
    • 2019年から2023年にかけて、不動産価格は年平均3%上昇しています。
  4. 開発計画:
    • 「日本橋再生計画」が進行中で、2035年までに約30の再開発プロジェクトが予定されています。
    • 日本橋川の上空を覆う首都高速道路の地下化計画も進んでおり、環境改善が期待されています。
  5. 交通の利便性:
    • 東京メトロ銀座線、日比谷線、東西線など、複数の地下鉄路線が乗り入れています。
    • 東京駅や羽田空港へのアクセスが良好で、ビジネス利用に適しています。

港区

港区は、高級住宅地とビジネス街が共存する独特の魅力を持つエリアです。

【具体的な特徴】

  1. オフィス需要:
    • 2023年のオフィス空室率は約3.0%で、プライムエリアでの需要が高いです。
    • 六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズなど、大規模複合施設が集積しています。
  2. 住宅事情:
    • 2023年の港区の人口は約26万人で、外国人居住者の割合が23区内で最も高いです(約10%)。
    • 高級マンションや大使館が多く、富裕層向け不動産の需要が高いです。
  3. 不動産価格:
    • 2023年の平均マンション価格は1平方メートルあたり約230万円で、23区内でトップクラスです。
    • 2019年から2023年にかけて、不動産価格は年平均3.8%上昇しています。
  4. 開発計画:
    • 虎ノ門・麻布台プロジェクトが2023年に完成し、新たなランドマークとなっています。
    • 2030年には「六本木五丁目西地区」計画が完了予定で、さらなる発展が期待されています。
  5. 交通の利便性:
    • JR山手線、東京メトロ南北線など、複数の路線が乗り入れています。
    • 羽田空港へのアクセスが良好で、国際的なビジネス拠点として機能しています。

渋谷区

渋谷区は、若者文化の発信地として知られ、IT企業の集積地としても注目を集めています。

【具体的な特徴】

  1. オフィス需要:
    • 2023年のオフィス空室率は約2.5%で、特にIT企業からの需要が高いです。
    • Googleやサイバーエージェントなど、大手IT企業の拠点が集中しています。
  2. 住宅事情:
    • 2023年の渋谷区の人口は約24万人で、若年層の割合が高いのが特徴です。
    • ファッショナブルな街として知られ、若手社会人向けの賃貸需要が高いです。
  3. 不動産価格:
    • 2023年の平均マンション価格は1平方メートルあたり約210万円で、上昇傾向が続いています。
    • 2019年から2023年にかけて、不動産価格は年平均4%上昇しています。
  4. 開発計画:
    • 渋谷駅周辺の大規模再開発が進行中で、2027年までに複数の高層ビルが完成予定です。
    • 「渋谷スクランブルスクエア」第II期工事が2024年に完了予定で、さらなる発展が期待されています。
  5. 交通の利便性:
    • JR山手線、東急線、京王線など、複数の路線が乗り入れる交通の要衝です。
    • 渋谷駅の1日平均乗降者数は約300万人(2023年度)で、23区内でもトップクラスの利用者数を誇ります。

新宿区

新宿区は、商業・オフィス・住宅が混在する多様性に富んだエリアで、安定した投資先として人気があります。

【具体的な特徴】

  1. オフィス需要:
    • 2023年のオフィス空室率は約3.2%で、大企業の本社や官公庁が多く集まっています。
    • 西新宿の高層ビル群は東京を代表するビジネス街となっています。
  2. 住宅事情:
    • 2023年の新宿区の人口は約35万人で、多様な国籍の住民が暮らしています。
    • 高級住宅地の神楽坂から、学生向けの賃貸が多い高田馬場まで、多様な住宅需要があります。
  3. 不動産価格:
    • 2023年の平均マンション価格は1平方メートルあたり約190万円で、上昇傾向にあります。
    • 2019年から2023年にかけて、不動産価格は年平均3.2%上昇しています。
  4. 開発計画:
    • 「新宿駅西口地区開発計画」が進行中で、2029年までに新たな超高層ビルが完成予定です。
    • 歌舞伎町の再開発も進んでおり、2023年には「東急歌舞伎町タワー」が開業しました。
  5. 交通の利便性:
    • JR新宿駅の1日平均乗降者数は約350万人(2023年度)で、世界一の乗降客数を誇ります。
    • 地下鉄や私鉄など、13路線が乗り入れる日本最大級のターミナル駅があります。

東京都心5区で不動産投資するときの注意点

東京都心5区で不動産投資するときの注意点

東京都心5区での不動産投資は魅力的な反面、やり方次第では思うように利益が挙げられないこともあるので注意しなくてはいけません。具体的に意識したい注意点として、以下の5つについて解説します。

都心への需要減の可能性

1つ目の注意点は、都心への需要減の可能性が指摘されることです。2020年初頭から日本を含めた全世界で新型コロナウイルス感染症が流行し、感染防止策の一環としてリモートワークの導入が広く呼びかけられました。

2024年現在は一応の収束状態にあることから、原則オフィスへの出社に戻す企業がある一方で、従業員の利便性等の観点からリモートワークを継続する企業もあるのが実情です。

このような背景があるため、今後都心のオフィスや住まいへの需要が減少していくことは十分に考えられます。それでも、都心のオフィスへの出社の必要があったり、利便性の高い暮らしをしたいと考えたりする人がいる以上、一定の需要は見込めるはずです。リモートワークに適したネット環境や防音設備の導入など、住む人の働き方の変化に対応しやすい環境を整えると、空室率を抑えるのに役立ちます。

経営戦略は長期で立てる

2つ目の注意点は、経営戦略は長期で立てることです。都心5区は特に地価や物件価格が高くなるため、利回りが低くなりがちになります。

つまり、投資額を回収できるまで長い期間が必要になるため、短期的な値動きにとらわれず、長期的に見て実行可能かつ着実に回収できる計画が必要です。事前に不動産会社とシミュレーションを行い、どのように経営戦略を立てるべきかを相談しましょう。

物件価格が高いので融資額や返済額をしっかり考える

3つ目の注意点は、物件価格が高いので融資額や返済額をしっかり考えることです。東京都心5区の場合、地価や物件価格が高い以上、用意できる頭金の額次第ではローンが高額になる可能性も出てきます。

ローンの審査に通ったとしても、途中で返済できなくなったなら、最終的には物件を手放さざるを得なくなるかもしれません。一度延滞・滞納をしてしまうと、他のローンの一括返済を求められたりなどさまざまな弊害が及ぶため注意が必要です。ローンは無理なく返済できる前提で計画を立てましょう。

管理費・修繕費の資金も確保しておく

4つ目の注意点は、管理費・修繕費の資金も確保しておくことです。タワーマンションを含めたマンションなどの集合住宅の一室を投資用物件として所有する場合、入居者の有無に関係なく管理費や修繕積立金を毎月支払わなくてはいけません。

そして、管理費・修繕費には管理・修繕業務に従事する人の人件費や事業運営上の経費も含まれるため、物価や賃金が高い都心部ではどうしても高くなりがちです。管理費・修繕費が払えなければ最終的には物件を手放さざるを得ない以上、ローンの返済も含めて無理なく払い続けられる金額かを考えましょう。

東京都心5区で不動産投資を始めるステップと法律・税制の注意点

東京都心5区で不動産投資を始めるステップと法律・税制の注意点

不動産投資を始める際には、以下のステップを踏むことをおすすめします。また、法律や税制面での注意点も押さえておくことが重要です。

不動産投資を始めるための具体的なステップ

  1. 資金計画の立案
    • 自己資金の確認:最低でも物件価格の20%程度を用意
    • 融資の検討:金融機関での審査に備え、年収や勤続年数などの確認
  2. 投資目的の明確化
    • 長期的な資産形成か、短期的な収益獲得か
    • 賃貸運用か、売却益を狙うかの決定
  3. 物件情報の収集と分析
    • 不動産ポータルサイトやエージェントの活用
    • 立地、築年数、賃料相場、周辺環境の調査
  4. 物件の選定と内見
    • 複数の物件を比較検討
    • 実際に物件を見学し、周辺環境も確認
  5. 収支シミュレーション
    • 予想される収入と支出を詳細に計算
    • 空室率や修繕費用なども考慮
  6. 専門家への相談
    • 不動産仲介業者、税理士、弁護士などに相談
    • 契約内容や税務上の影響を確認
  7. 売買契約の締結
    • 重要事項説明書の確認
    • 契約条件の交渉
  8. ローンの契約と資金決済
    • 金融機関との融資契約
    • 売主への代金支払いと所有権移転
  9. 物件の管理運営
    • 自主管理か管理会社委託かの決定
    • テナント募集と入居者管理

注意すべき法律・税制面での情報

  1. 建築基準法
    • 用途地域や建ぺい率・容積率の確認
    • 耐震基準の適合性チェック
  2. 区分所有法
    • マンション投資の場合、管理規約の確認
    • 大規模修繕や建て替えに関する規定の把握
  3. 借地借家法
    • 賃貸借契約の更新や解約に関する規定
    • 定期借家契約と普通借家契約の違いの理解
  4. 不動産取得税
    • 物件購入時に課税(税率:住宅 3%、その他 4%)
    • 軽減措置の確認(例:新築住宅の場合)
  5. 固定資産税・都市計画税
    • 毎年1月1日時点の所有者に課税
    • 東京都の標準税率:固定資産税 1.4%、都市計画税 0.3%
  6. 所得税・住民税
    • 不動産所得として申告が必要
    • 経費の適切な計上と青色申告の活用
  7. 相続税・贈与税
    • 将来の相続を見据えた資産設計
    • 不動産の評価方法の理解
  8. 消費税
    • 新築物件購入時や賃貸経営の際に注意
    • 課税事業者となる可能性の検討
  9. 宅地建物取引業法
    • 重要事項説明の確実な受領
    • 仲介業者の資格や登録の確認
  10. マンション管理適正化法
    • 管理組合の運営状況の確認
    • 長期修繕計画の内容チェック

これらの具体的なステップと法律・税制面の情報を押さえることで、東京都心5区での不動産投資をより確実かつ効果的に進めることができます。特に、税制面での知識は将来の収益に大きく影響するため、専門家への相談も検討するとよいでしょう。

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都心5区で不動産投資をする場合にネックとなるのが、物件価格が高くなりがちであることです。自己資金だけで購入するのが厳しければローンを組む必要がありますが、自営業だったり、永住権を持っていなかったりなどの理由で金融機関から断られることは往々にしてあり得ます。

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おわりに 

東京都心5区の不動産投資は、立地の良さから安定した需要が期待できる魅力的な選択肢です。特に、千代田区・中央区・港区・渋谷区・新宿区といった都心エリアにあるマンションは、借手がつきやすい点で投資に適しています。

しかし、東京都心5区での不動産投資には注意点もあります。高額な物件価格や管理費、修繕費に加え、将来的な需要の変化も考慮する必要があります。そのため、長期的かつ実現可能な経営戦略を立てることが非常に重要です。

東京都心5区で不動産投資を成功させるには、不動産会社や金融機関の担当者と綿密に相談し、慎重に計画を立てることをお勧めします。適切な物件選びと資金計画により、都心の不動産投資で安定した収益を得る可能性が高まるでしょう。

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