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相続の特別受益とは?持ち戻しの計算方法や主張するための証拠などわかりやすく解説

相続の特別受益とは?持ち戻しの計算方法や主張するための証拠などわかりやすく解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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この記事では「特別受益」について取り上げています。相続時に相続よりも前に贈与などがあった場合の特別受益に関して該当する事柄やどのような計算方法なのかなど、特別受益を主張する方法について解説しています。

1.相続時の特別受益はどういう事柄が該当するか

相続時の特別受益はどういう事柄が該当するか

まず押さえておくべきことは、特別受益とはどのようなものなのかということです。

特別受益とは、亡くなった被相続人から生前贈与や遺贈などで財産を受け継ぐべき一部の相続人が受けた利益のことです。これは生前贈与された分を特別受益として計算することで相続人間の不公平感を防ぐために定められています。

私たちは日常生活の中で家族から資金援助を受けたりすることは少なくありません。とはいえ家族間、特に兄弟姉妹の間で援助の金額が違うことは多く見られます。

資金援助を受けたとき・資金援助を行ったときは当たり前のことと思っていても、相続を迎えたときに特定の兄弟姉妹のみが多く援助されていることが明るみに出ることがあります。この金額の多い少ないは、相続を行ううえでトラブルになりかねません。

では実際にどのようなことが特別受益になってしまうのか、解説していきます。

1-1. 遺贈

遺贈とは遺言に沿って、その遺産の一部あるいは全てを譲ることをいいます。相続と似ているのですが違いは遺言を残す必要があるということです。また譲る相手は法で定められた相続人でなくても良く、特定の個人・法人でも可能です。

1-2.援助(生活費・起業・学資)

生活費はジャッジしにくいのですが、仕送りを受けていれば特別受益になります。起業時に資金援助を受けたときも特別受益にあたります。学資に関してはかかった学費によって特別受益が生じてきます。

簡単な例としては長男は大学まで進学しているが、次男は高校までの進学の場合、必然と4年間の学費に違いが生じます。また2人ともに大学に進学した場合、進学先が変わればかかる学費も違ってきますので、このときも特別受益とすることができます。

1-3.贈与(金銭・有価証券・金銭債権・自動車・不動産)

事前に金銭や有価証券・不動産などの贈与を受けた場合も特別受益となります。ここで掲げたもの以外にも財産価値のある美術品なども対象になります。

1-4.借地権の設定・承継

借地権は毎月定期的な収入が生じ、更新時にはまとまったお金を借地権者が得られるので、承継した場合には、特別受益になります。

1-5.無償で家に居住させていた(親と同居を除く)

生活費とも関連してくるのですが、生活費をまったく入れずに住んでいる場合も対象です。

1-6.養子縁組で養親が居宅を用意

養子縁組を組んでおり、養親が住まいを用意したときには特別受益になります。この場合は実子に住まいを用意していない場合となります。

1-7.持参金(婚姻・養子縁組(実親))

子どもが結婚するとき、持参金や結婚式の費用を親が負担することもあるでしょう。この場合も特別受益になります。子どもが複数いる場合は、全員に同じ金額を渡すのもトラブル防止につながります。また養子縁組として旅立たせるときの支度金なども特別受益になります。

1-8.遺産の無償利用

例えば親が所有する建物(アパートやマンションなど)に賃貸借契約を結ぶことなく子どもが住んでいた場合は、特別受益となる可能性があります。

1-9.生命保険金

基本的に死亡保険金は受取人の固有の財産になります。また遺産分割の対象でもありません。そのため生命保険金は原則、特別受益になりません。

ただし、子どもが複数いるときで相続財産が生命保険のみであった場合、特定の子どものみが受け取る割合が極端に多いときには特別受益として考慮される可能性があります。

1-10.死亡退職金

生命保険金と同じであり、基本的に遺産分割の対象ではないため特別受益にはなりません。ただし一部の相続人だけが多額の死亡退職金を受け取った場合は、特別受益とみなされる可能性があります。

2.特別受益の持ち戻しを行った際の計算方法

特別受益の持ち戻しを行った際の計算方法

特別受益があった場合、手元にある財産だけで相続を分けるのは不公平となってしまいます。そのため「特別受益の持ち戻し」を行って財産を調整して計算することになります。

2-1.計算方法の考え方・計算式、計算例

特別受益の持ち戻しは、すでに受け取っている生前贈与などの財産を相続財産に加えます。そしてその金額に応じて具体的な相続分を計算し、計算後の特別受益者の相続分から特別受益分を差し引くという方法を取ります。

言葉だけでは分かりにくいと思いますので、具体的な計算例で確認していきましょう。

例えば相続財産が3,000万円あり、子ども3人(A、B、C)のみが法定相続人だった場合です。生前にAとBがマイホーム購入資金としてそれぞれ1,200万円の贈与を受けていたときにはどうなるのでしょうか。

まず特別受益を考慮しない場合の計算例を確認してみましょう。

Aの相続分:3,000万円×1/3=1,000万円
Bの相続分:3,000万円×1/3=1,000万円
Cの相続分:3,000万円×1/3=1,000万円

この場合はA、B、C、それぞれが同額の1,000万円ずつ財産を相続することになります。

では、特別受益の持ち戻しをした場合の計算例を確認してみましょう。

この場合の財産は3,000万円+持ち戻し分1,200万円×2人分=5,400万円になります。

Aの相続分:(3,000万円+1,200万円+1,200万円)×1/3-1,200万円=600万円
Bの相続分:(3,000万円+1,200万円+1,200万円)×1/3-1,200万円=600万円
Cの相続分:(3,000万円+1,200万円+1,200万円)×1/3=1,800万円

特別受益の持ち戻しを行った場合、AとBの相続財産は600万円ですがCは1,800万円になります。

2-2.遺留分が出る場合の計算例

遺留分は、遺言によっても奪うことのできない遺産の一定割合の留保分のことです。法律で決められている遺留分は子どもの場合、相続分の1/2です。

財産は総額5,400万円であり、A、B、Cの相続分はそれぞれ5,400万円×1/3=1,800万円であり、遺留分は1,800万円×1/2=900万円です。

AとBの相続財産600万円<遺留分900万円、Cの相続財産1,800万円>遺留分900万円となります。この結果からAとBは、相続時に受け取ることができる金額は遺留分以下に留まることが分かります。

一方Cは特別受益の持ち戻しの計算をしたことで、本来受け取るべき相続財産を手にできるようになるのです。

3.特別受益を主張するにはどうすれば良いか

特別受益を主張するにはどうすれば良いか

ほかの相続人に特別受益があることをどのように主張すれば良いのでしょうか。

3-1.客観的に証明できる証拠を集める

例えば資金援助を受けた兄弟姉妹がいる場合には、当時の親名義の銀行預貯金通帳や定額貯金の払い戻しを証する資料などを準備する。家をもらっている方がいるときには、不動産の全部事項証明書や家の評価に関する書類(路線価図や査定書等)を準備しましょう。

3-2.遺産分割協議で話し合う

相続人全員が集まって、遺産分割方法について話し合う「遺産分割協議」で特別受益を主張し、話し合いましょう。

3-3.遺産分割調停を家庭裁判所に申し立てる

遺産分割協議で話がまとまらないときには、家庭裁判所へ「遺産分割調停」を申し立てるという方法があります。遺産分割調停をすると、裁判所の調停委員が当事者の間に入って話を進めてくれるので、解決しやすいですし裁判所から解決案を示してもらえるケースもあります。弁護士を立てなければ費用もあまりかからず、数万円程度で済むことがほとんどです。

おわりに

おわりに

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