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定期保険とは?生命保険のひとつ|メリットや注意点を分かりやすく解説

セゾンのくらし大研究 編集部

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定期保険とは生命保険のひとつで、一定の期間における死亡や所定の高度障害状態といった万が一の事態に備える保険をいいます。基本的に保険料が掛け捨てで、毎月の保険料が安いことが特徴です。

今回は定期保険の特徴、メリット及び注意点などについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

1.定期保険とは保険期間が一定期間の保険

定期保険とは生命保険のひとつで、所定の高度障害状態や死亡などのリスクに備える保険です。「定期」という名前のとおり、保障される期間が決まっている点が特徴です。保険期間を10年、20年といったように年数で設定するものと、ある一定の年齢までとするものがあります。

定期保険のほとんどが、掛け捨て型の保険です。死亡保険には定期保険のほかに終身保険がありますが、こちらは貯蓄型の保険です。定期保険の特徴と、目的によって選択する掛け捨て型保険と貯蓄型保険について、それぞれの違いなどを解説します。

1-1.定期保険は掛け捨て型がほとんど

保険期間を一定期間とする定期保険は、ほとんどが掛け捨て型です。掛け捨て型の保険とは、支払った保険料が戻ってこない保険商品のことをいいます。一部、解約返戻金などが支払われるものもありますが、その金額はごくわずかといえるでしょう。

例えば、保険期間が20年の定期保険に加入した場合、20年経過後は保障がなくなり、それまで支払ってきた保険料が戻ってくることはありません。

定期保険は貯蓄性がなく、保険料は保障にのみ充てられる、シンプルな保険といえます。掛け捨て型の保険は保険料が戻ってこないため、抵抗を感じる方もいるかもしれません。しかしその分、終身保険に比べて保険料が割安であり、その点が最大のメリットといえるでしょう。

目的によって掛け捨て型か貯蓄型か選ぶ

保険には掛け捨て型と貯蓄型があるということをお伝えしてきましたが、目的に応じて、自身に合うほうを選ぶことが重要です。

掛け捨て型である定期保険は、比較的安い保険料で、一定期間における死亡や高度障害状態などのリスクに備えられます。万が一のリスクに備えるという保険本来の特性を踏まえると、非常に合理的な保険といえるでしょう。「今はお金に余裕がないけれど、リスクにはしっかり備えたい」という方にぴったりです。

一方で貯蓄型の保険は、ライフイベントに向けた資金づくりを可能にしてくれます。例えば、養老保険において、払込期間が60歳までという契約であった場合、60歳の満了後に受け取れる満期払戻金は、老後の準備や介護費用として自由に使うことが可能です。

保険を利用して少しでもお金を貯めたいと考える方や、保険に対してリスクへの備えと資産づくりの両方の役割を求める方におすすめです。なお解約返戻金とは、保険期間の途中で解約をした場合に受け取れるお金のことです。

それまでに払い込んだ保険料の一部が返ってくるというイメージです。一方で満期保険金とは、保険契約が満期を迎えた際に受け取れる保険金を指します。

1-2.定期保険の他に終身保険と養老保険がある

生命保険には大きく3種類あり、そのひとつがここまで説明してきた定期保険です。そのほか、終身保険と養老保険があります。

いずれも生命保険であるため、死亡などの万が一のリスクに備えられる点は定期保険と同じですが、終身保険は保障が一生涯続き、養老保険は保障と貯蓄を両立した保険であるなど、それぞれ特徴があります。ここからは、終身保険と養老保険の特徴について確認していきましょう。

終身保険の特徴

終身保険は保障が一生涯続くため、何歳で亡くなった場合でも保険金が支払われます。掛け捨て型の定期保険とは違い、保障が不要になった際にはそれまで支払い、積み立ててきた保険料の一部を解約返戻金として受け取ることが可能です。

解約返戻金は老後の準備金としたり、住居のリフォームに使ったり、自由に使うことができます。支払った保険料が戻ってこない掛け捨て型の保険はもったいないと感じる方に適した保険といえるでしょう。

終身保険の一つに、「定期保険特約付終身保険」という保険もあります。終身保険が主契約で、特約として定期保険をつけた保険のことです。一生涯にわたって死亡や重度障害などのリスクに備えながら、さらに必要な一定期間について保障を手厚くできます。

・養老保険の特徴

養老保険は、リスクに備えた保障とライフイベントなどに必要な貯蓄、どちらも兼ね備えた保険です。保険期間は一定期間であり、保険期間中に亡くなった場合は死亡保険金が、保険期間中に何ごともなく満期を迎えた場合には、基本的に死亡保険金と同額の満期保険金を受け取れます。

保険金と解約返戻金のどちらかは必ず受け取ることがメリットですが、保険料が比較的高いことに注意しましょう。

2.定期保険のメリット3つ

定期保険のメリットとして、次の3つの点が挙げられます。

  • 保険料を抑えられる
  • 必要な期間の保障を手厚くできる
  • 保険の見直しをしやすい

ある一定の期間のみを保障する掛け捨て型であるため、月々の保険料を安く抑えられることが一番のメリットといえるでしょう。それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。

2-1.保険料を抑えられる

定期保険の最大のメリットは、保険料を安く抑えられる点にあるといえるでしょう。亡くなった場合や高度障害を負った場合に受け取れる保険金額が同じ水準である場合、一般的に定期保険の保険料は終身保険の保険料より安い傾向にあります。定期保険には解約返戻金や満期保険金の制度がないためです。

毎月の保険料を安く抑え、その分生活費として使いたいという方におすすめです。

2-2.必要な期間の保障を手厚くできる

定期保険のメリットとして、その期間に必要な保障を手厚くできることも挙げられます。ライフステージの変化によって、重視するポイントも変わり続けるといえるでしょう。

その点、定期保険は、子育て期間中の親の死亡保障を手厚くする、集中的に預貯金をすることを目的に保険料の安い保険に加入する、というように柔軟に対応できる点も魅力です。

2-3.保険の見直しをしやすい

保険の見直しをしやすい点も、定期保険のメリットです。生活や家族構成の変化に応じて、必要な保障は変わってきます。そのため10年更新型などの定期保険に加入し、更新のタイミングで保険を見直すといった対応もおすすめです。

終身保険と異なり解約返戻金がないため、解約のタイミングによって大きく元本割れをしてしまうこともありません。保険期間中の見直しもしやすいといえるでしょう。

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3.定期保険の注意点3つ

定期保険の注意点として挙げられるのは、以下の3つです。

  • 満期がくると保障を失う
  • 更新によって保険料が上がる
  • 掛け捨て型が多く、貯蓄性がほとんどない

保険期間の満期以降は保障を受けられなくなる点、保険を解約してしまうとこれまでと同じ条件では加入できない点などに留意しましょう。それぞれの内容について詳しく解説していきます。

3-1.満期がくると保障を失う

定期保険の注意点の1つ目は、定期保険はあくまでも一定の期間中において保障する保険であるため、満期や更新できなくなる年齢を迎えた際は、その後一切の保障を受けられなくなることです。

生涯にわたって不測の事態に備え、安心を手に入れたいという方にはおすすめできません。継続した保障を受けることを希望する場合は、終身保険への加入を検討しましょう。

3-2.更新によって保険料が上がる

定期保険は、保険期間が満了した後は自動更新されるのが一般的です。しかし、年齢などによって保険料が決まるため、たとえ保険金額が変わらなかったとしても、更新後の月々の保険料が上がってしまうことに注意しましょう。

仮に解約するような場合でも、解約後は同じ条件での加入は難しくなります。同じ保障内容を受けられる保険の場合、30歳で加入するよりも40歳で加入したほうが保険料が高くなってしまうためです。

3-3.掛け捨て型が多く、貯蓄性がほとんどない

定期保険は掛け捨て型のタイプが多く、貯蓄性がほとんどない点にも注意しましょう。定期保険の多くは掛け捨て型であり、解約返戻金があったとしても、とても少ない傾向にあります。

保険で万が一のリスクに備えつつ、貯蓄もしていきたいという方には不向きといえるでしょう。定期保険は終身保険や養老保険に比べて保険料が安いことが多いため、保険と貯蓄を切り分け、貯蓄は貯蓄でしっかり行っていくことをおすすめします。

4.定期保険には定期保険(平準型)の他、逓減定期保険、収入保障保険などがある 

一般に定期保険と言えば平準型ですが、中には、逓減(ていげん)定期保険や、収入保障保険と呼ばれる保険もあります。収入保障保険は知っていても、逓減定期保険の名前は聞いたことがないという方もいるでしょう。

いずれも時間の経過によって徐々に受け取れる保険金額が少なくなっていく点が特徴です。ここでは、逓減定期保険と収入保障保険の特徴をそれぞれ解説します。

4-1.逓減定期保険の特徴

逓減定期保険は契約開始時に受け取れる保険金がもっとも高く、時間の経過とともに減少していく定期保険です。保険料は掛け捨てで、保険金は一括で受け取ります。一般的な定期保険よりも保険料が安いことが特徴です。

被保険者が早くに亡くなった場合、幼い子どもなどの遺された家族の生活を支えるためには、充分なお金が必要です。しかし、子どもの独立などにより遺される家族の人数が減っていくにつれ、必要なお金は少なくなります。保険金が減っていくというとややネガティブな印象ですが、実は理にかなった保険ともいえるでしょう。

4-2.収入保障保険の特徴

一方で収入保障保険は、被保険者が亡くなった場合に、遺族が毎月のお給料のように保険金を受け取れる保険です。被保険者が契約直後に亡くなった際の保険金額がもっとも高く、徐々に少なくなっていく点は、逓減定期保険と同じです。

保険金を毎月受け取る方法のほか、一括での受け取りも可能であり、そのフレキシブルさでも人気を集めています。

収入保障保険は定期保険の一種でありながら、保険期間が20年、あるいは30年といったある程度長期間の保険です。長期間の保障に備えられる、合理的な保険を探している方に適した保険といえるでしょう。

また逓減定期保険と収入保障保険は、いずれも保険金額が徐々に減っていく点が共通しています。しかし、どちらか一方を選ばなければならないという場合、一般には収入保障保険のほうをすすめられることが多いようです。

保険金額が同じ場合、収入保障保険のほうが保険料が安い傾向があるためです。一括で保険金が支払われる逓減定期保険に対し、収入保障保険は毎月払いも選択できます。そのため、保険会社は残った資金を運用することが可能です。

また最近、多くの保険会社が収入保障保険を取り扱うようになってきたため、価格競争によって保険料が安くなったことも理由のようです。

5.定期保険に入っていたら年末調整を忘れずに!

定期保険に入っている場合、年末調整の手続きを忘れないようにしましょう。定期保険などの生命保険に加入している場合、年末調整で生命保険料控除を受けることで、税金が軽減される可能性があります。

ここでは、そもそも年末調整とは何か、また定期保険に加入している方が年末調整をするべき理由のほか、必要な書類など手続きに必要な基礎知識を解説していきます。

5-1.そもそも年末調整とは

年末調整とは、会社員などが1年間に源泉徴収された所得税額を正しく計算し直し、確定させる制度です。会社員の場合、毎月の給与や賞与から自動的に所得税が天引きされています。しかし、この額は概算であるため、正しい納税額ではありません。

そのため1年間に支払われた給与や源泉徴収した所得税、控除額を確認して、所得税の過不足を精算する必要があります。払いすぎていた税金は還付され、不足分は徴収されます。

控除とは、簡単にいうと差し引くということです。所得控除とは、課税の対象となる所得金額を減らせる制度を指します。

5-2.年末調整をするべき理由

定期保険などの生命保険に加入している場合、年末調整で所得控除が適用されます。所得控除の額が大きいほど納める税金が少なくなると理解しましょう。

所得控除は通常、会社が申請します。しかし、毎月給与天引きされている所得税額には、個人が加入する定期保険をはじめとした生命保険料などの所得控除額は含まれていません。

会社は従業員がそれぞれどのような保険に加入しているかということは把握していないためです。そのため、個人的に加入している保険の情報などを伝えるために、従業員は会社に申告書の提出をします。

5-3.必要な書類

年末調整を行う際、従業員が提出するのは「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」です。この申告書に、秋頃に加入先の保険会社から送付されてくる「生命保険料控除証明書」を添付して、一緒に提出しましょう。

いくつかの保険に加入している場合は、それぞれの保険会社から契約件数分送付されてきます。「生命保険料控除証明書」は、その年に加入している保険と支払う予定の保険料額の証明書にあたるものです。

複数の保険に加入している場合、そのすべてを添付して提出する必要はありません。生命保険料控除が適用される金額には上限があるためです。平成24年1月1日以後 に締結した契約においては、上限額は年間の支払い保険料額80,001円以上の場合で40,000円です。

5-4.一般生命保険料控除額の計算方法

生命保険料控除の対象となるのは、基本的に加入期間が5年以上 の保険契約であることに注意しましょう。加入期間が5年以内の場合、控除の対象にならない可能性があります。

生命保険料控除は平成24年に制度改正をしたため、平成24年以前の保険契約とそれ以降の保険契約は、控除される金額などが異なります。

ここでは、平成24年以降の新契約について確認していきましょう。

年間の支払い保険料控除額
20,000円以下保険料の全額
20,001円〜40,000円以下保険料など✕1/2+10,000円
40,001円〜80,000円以下保険料など✕1/4+20,000円
80,000円超一律40,000円

年間の保険料が80,000円超の場合、控除額は一律で40,000円です。

5-5.年末調整に間に合わない場合

年末調整の際に手続きを忘れてしまったり、書類の提出が間に合わなかったりした場合でも、生命保険料控除を受けることを諦める必要はありません。

翌年1月末までに確定申告を行えば、所得税を取り戻せます。生命保険料控除を申請するための確定申告は、控除する年の翌年以降5年以内であれば申告期間に関わらず、いつでも行うことができます。

おわりに

定期保険とは生命保険のひとつで、死亡や障害のリスクに備える保険です。保険期間が決まっている点、ほとんどが掛け捨て型の保険である点などが特徴です。

掛け捨て型であるため、終身保険にあるような解約返戻金はありません。しかしその分、保険料が割安であることが大きなメリットです。そのため保険料を抑えながら、万が一のリスクに備えたい方にとっては非常に合理的な保険といえます。

また保険期間が10年、20年あるいは一定の年齢までというように決まっているため、保障が必要な期間に備えを手厚くすることにも適しています。保険の見直しがしやすいこともメリットといえるでしょう。

保険料が掛け捨てであるため、「もったいない」と捉えられることもある定期保険ですが、割安な保険料で大きな安心を手に入れられます。金銭面にゆとりがないときにこそ、定期保険を上手に活用することをおすすめします。

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