先日、東京都が私立高校の授業料を2024年度以降実質無償化する方針であると発表しました。都内在住のすべての世帯を対象とすることから、全国的にも注目されています。加えて、政府からは子どもが3人以上いる世帯では大学無償化とする案も発表されました。子どもがいるご家庭にとって、学費にいくらかかるのか把握しておくことは家計を健全に保つためにも重要です。
この記事では、子どもの学費が実際どのくらいかかるのかについて、目安をご紹介します。学費に備える方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
(本記事は2023年12月28日時点の情報です)
- 公立高校の平均年間学費は約52万円で、私立では約110万円
- 大学の初年度学費として国公立は約82万円、私立は約133万円
- 学費は教育費だけでなく、子どもにかかる費用全般のこと
- 学費に備える方法は学資保険など保険商品や奨学金の活用、教育ローン、教育資金贈与信託など
【学校別】学費の目安をチェックしよう!
必要となる学費は、進学先によってさまざまです。ここでいう学費とは、保護者が子どもの学校教育費及び学校外活動費のために支出した経費総額を指します。
私立と公立でかかる学費について、文部科学省「子どもの学習費調査」に基づき、中学校、高校、大学までそれぞれのステージに応じて目安となる金額をチェックしていきましょう。
中学校の学費の目安
文部科学省の調査によると、中学校で1年間にかかる学費は次の通りです。公立と私立にかかる学費として、およそ3倍の差があることがわかります。
なお、中学校3年間の総額を考える際には、以下の調査結果を3年分として目安にしてください。
- 公立中学校 538,799円
- 私立中学校 1,436,353円
高校の学費の目安
高校で1年間にかかる学費は次の通りです。なお、ここでの高校は全日制を想定しています。また、3年間通学する際は、以下の金額を3倍したものを目安としてください。
- 公立高等学校(全日制) 512,971円
- 私立高等学校(全日制) 1,054,444円
大学の学費の目安
大学の学費の目安については、国公立は「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」、私立は「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」からご紹介します。
国公立と私立の学費の目安
国公立大学と私立大学の1年間の学費の目安について、以下の表にまとめました。なお、入学料(入学金)の目安も提示していることから、本データでは入学初年度(1年次)の学費目安としています。
国立大学 | 私立大学 | |
---|---|---|
授業料 | 535,800円 | 904、146円 |
入学料(入学金) | 282,000円 | 249,985円 |
施設準備費 | なし | 181,902円 |
初年度の学費合計 | 817,800円 | 1,335,033円 |
学部による学費の目安
国公立大学では学部による授業料の違いはありません。一方、私立大学の場合は学部により授業料に差があります。
また、医学部や歯学部、薬学部など一部の学部は6年制であることも背景に、在学期間中の学費総額は高額になる傾向が見られます。
学部 | 授業料 | 入学料 | 施設設備費 | 合計 |
---|---|---|---|---|
文科系学部 | 815,069円 | 225,651円 | 148,272円 | 1,188,881円 |
理科系学部 | 1,136,074円 | 251,029円 | 179,159円 | 1,566,262円 |
医歯系学部 | 2,882,894円 | 1,076,278円 | 931,367円 | 4,890,539円 |
学費以外にかかる費用もある!
一般的に、学費については子どもの成長に応じて発生する費用の総額というイメージがあるかもしれません。学校の授業料以外にかかる費用のうち、主なものをご紹介します。
- 教科書代
- 制服代
- 通学費(交通費)
- 受験料
- 下宿費・住居費
- 一人暮らしの生活費
教科書代や制服代は、進学先によって差があります。一方、通学費(交通費)は、進学先が決まった時点であらかじめ想定しやすいでしょう。毎日発生する費用なので、長期的なマネープランに組み込んでおくと安心です。
受験料は、受験前の1度のみ発生します。ただし、複数の志望校を受験する場合には、事前に費用を確保しておきたいところです。
また、特に遠方の大学受験を希望する場合には、受験料に加えて受験のための旅費や宿泊費も必要です。関連して、自宅外通学をする場合には、下宿費や住居費、一人暮らしの生活費などが別途必要になるでしょう。
前述の学費総額の目安と共に考えてみると、自宅外通学で私立大学へ進学する場合、ある程度まとまった資金準備をしておく必要があります。
早めに準備しておこう!学費を貯める方法は?
将来の学費へ備える主な方法として、次の5つをご紹介します。
【学費を貯める方法】
- 学資保険
- 貯蓄型保険
- 定期預金
- 財形貯蓄
- つみたてNISAなどの資産運用
学資保険
学資保険とは、契約者を親、被保険者を子どもにした教育費に備えるための保険商品です。子どもの成長に応じて祝い金が受け取れるほか、満期時に一時金としてまとまったお金を受け取ることもできます。学資保険の祝い金や満期金は、保険加入時に設定できます。
学資保険の一番のメリットは、契約者が死亡または高度障害状態になった場合には以降の保険料が免除されることです。保険料を支払わなくて良くなりますが、保険契約は有効に満期まで継続します。つまり、万が一の時は保険料の支払いは免除される上、子どものために確実に資金を遺すことができるわけです。
貯蓄型保険
子どもの学費を確保する目的で生命保険を活用する場合、前述した学資保険以外の商品もあります。これは、貯蓄型保険で資金を確実に貯めておく方法です。
貯蓄型保険には、養老保険や終身保険、個人年金保険などがあります。解約返戻金が貯まっていく仕組みの保険を指すため、掛け捨ての定期保険は貯蓄型保険には当たりません。
これに関連して、貯蓄型保険は生命保険商品の中でも、保険料が割高になる傾向があります。
定期預金
定期預金は、銀行の預金のひとつです。普通預金はいつでも引き出せ、流動性に優れています。一方、一般的に金利は低いです。定期預金は普通預金よりも金利が少し高いのが特徴ですが、満期時期を迎えるまで原則として預金の引き出しはできません。この仕組みを利用し、子どもの成長に合わせて満期時期を設定した定期預金を活用する方法もおすすめです。
財形貯蓄
勤務先に財形貯蓄制度があれば、一般財形を活用して子どもの学費を確保する方法もあります。財形貯蓄は給与天引きで自動的に先取り貯金ができるため、確実に資金確保が可能な貯蓄方法です。
また、一定の範囲内で毎月の貯蓄額を設定できるため、世帯のライフプランにあわせて無理なく積立が可能です。また、通常の積立に加えて、ボーナス時にも任意の金額を上乗せすることもできます。
NISAなどの資産運用
NISAなどの資産運用を活用し、子どもの学費を確保する方法もあります。長期的に毎月一定額をコツコツ積み立てることができる「NISA(つみたて投資枠)」は、少額ずつ分散して投資できるのが特徴です。リスク低減効果も期待できるため、教育資金を確保する方法として好まれています。
まずは専門家に相談するのもおすすめ!
ここまで紹介した方法が一般的ではありますが、どの方法がご自身にとって最適であるか悩んだら、専門家に相談するのも選択肢のひとつです。
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学費が準備できないときはどうする?
ここまでご紹介したように、学費を準備する方法はニーズに応じてさまざまです。しかし、どうしても学費が準備できない場合もあるかもしれません。ここからは、そのような場合に検討したい4つの方法を解説します。
【学費が準備できないときに検討したい方法】
- 奨学金を利用する
- 教育ローンを利用する
- 祖父母からの援助は教育資金贈与信託を検討
- カードローンを利用する
奨学金を利用する
奨学金制度については、日本学生支援機構の奨学金が広く知られていますが、自治体や教育機関独自で用意しているものもあります。いずれの奨学金も返済義務は子どもにあるため、のちに子ども自身の給与などから返済していかなければなりません。
奨学金の特徴は、在学中の返済は無利息である点です。一方、申込時期が限定されている点、入学前には奨学金を受け取れないため使いにくい点はデメリットといえるでしょう。
教育ローンを利用する
教育ローンには、国が実施している「教育ローン(教育一般貸付)」や、銀行など民間の金融機関が設けている教育ローンなどがあります。奨学金と異なり、借り入れ後の返済義務者は保護者です。また、教育ローンの申し込み時における審査は、保護者の所得などを基準とします。
教育ローンのメリットは、入学前にも利用できる点です。受験準備資金や、入学前に引っ越しをする場合の費用にも充当できます。一方、奨学金よりも教育ローンは金利が高い点はデメリットといえるでしょう。
祖父母からの援助は教育資金贈与信託を検討
祖父母から孫に対して教育資金の援助がある場合、贈与税対策になります。その際に利用したいのが「教育資金贈与信託」です。
通常、贈与税の基礎控除額は年間110万円までですが、祖父母から孫への教育資金贈与であれば、非課税措置が適用されるため、最大1,500万円まで贈与税が課税されません。
適用要件や詳細に関しては、税理士や信託銀行などの専門家へ相談することをおすすめします。
カードローンを利用する
急な出費に対応するためには、カードローンの利用も選択肢のひとつです。
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学費の準備を忘れていて、急に現金が必要になった場合には、「MONEY CARD GOLD」を検討してみてはいかがでしょうか。
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おわりに
子どもの学費に備えるためには、早めの対策が非常に大切です。学費を準備するための方法はさまざまありますが、ご家庭にとって無理なく長期的に継続できる方法を検討しましょう。急な出費やどうしても手元資金に不安がある場合は、「MONEY CARD GOLD」のご利用も検討してみてください。