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投資初心者は何から始めるべき?準備や投資対象の選び方・注意点を解説

投資初心者は何から始めるべき?準備や投資対象の選び方・注意点を解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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このコラムでは、投資初心者は何から始めることができるのか、段階を分けて解説しています。投資対象の選び方や準備、失敗を回避するために注意すべきポイントについてまとめました。ぜひ投資を始めるときの参考にしてください。

1.【投資初心者は何から始める?】投資対象を選ぶ

まずは、投資対象を何にするかを決めます。投資対象によって準備するものが異なるため、最初に明確にしておきましょう。パソコンやスマホだけで運用でき、なおかつ少額から投資できる対象であれば、初心者も始めやすいと考えられます。この条件を満たす投資としては、次の3つが挙げられるでしょう。

  • 投資信託
  • 株式投資
  • 個人向け国債

それぞれの投資の特徴や仕組みについて解説します。

1-1.投資信託

投資信託とは、投資家から集めた資金でファンド(基金)を作り、株式や債券などを購入して専門家が運用する商品のことです。ファンドでどの株式や債券を購入するか、どのような配分にするかについては、投資信託の商品ごとに定められています。

投資信託の商品価格(基準価額)が低いときに購入し、値上がりしたときに売却すれば、投資家は利益を得ることが可能です。また、投資信託では、決算の際に信託財産のなかから投資家に利益の一部を「分配金」として支払うことがあります。

分配金は保有する投資信託の口数に応じて支払われるため、多くの口数を保有していると分配金も比例して多くなります。投資信託の魅力としては、少額で始められるということが挙げられます。証券会社によっても異なりますが、100円程度の少額から投資できることもあります。

また、投資信託は積立ができる点も特徴です。毎月一定額を購入して積み立てていけるため、割高なタイミングでまとめて購入するリスクを回避できるでしょう。また、ひとつの商品に複数の株式や債券が含まれているファンドもあることが特徴です。

ある銘柄の株価が大暴落した場合、その銘柄だけを保有している株式投資家は打撃を受ける可能性がありますが、投資信託で考えた場合、ファンドを構成する1銘柄に過ぎないので、その会社の株価の影響は、株式投資家よりは価格影響が少ない場合もあります。

ただし、ファンド内に含まれる株式や債券の個々の価格変動から影響を受けにくいという点は、投資信託の注意点でもあります。株式は株価が高騰したときに売却すると利益も相応に大きくなりますが、投資信託では他の株式や債券の価格にも影響を受けるため、思ったほどに基準価額が伸びない可能性もあるといわれています。

1-2.株式投資

株式投資とは、企業が発行した株券を売買することで利益を得る投資方法です。株式の価格(株価)が低いときに購入し、高くなったときに売却すれば売買手数料や生じる税金を除いた差額を利益として受け取ることができます。また、株式は保有していることで「配当金」が支払われることや、「株主優待」を受け取れることもあります。

株式投資の特徴として、価格変動が大きくなることが多いという点が挙げられるでしょう。投資信託のように複数の株式や債券などでひとつの商品を構成しているわけではないため、投資信託に比べ企業の業績や評判などの影響をダイレクトに受ける傾向にあります。また、100株単位で売買することが基本のため、投資資金が高くなる傾向にある点も、注意が必要です。

1-3.個人向け国債

個人向け国債とは、国が発行している債券を使った投資方法です。投資期限が決まっているため、満期まで保有していると元本と利子を得ることができます。

個人向け国債は1万円から購入できるため、投資資金が少ない方にも適した投資方法です。また、個人向け国債は、購入するときに適用金利がわかっているのもメリットといえるでしょう。経済状況などにより情勢が変化したときでも少なくとも年0.05%(税引き前)の金利が保証されているのも特徴です。

ただし、国債発行後1年間は解約できないこと、株式投資や投資信託よりは期待できる利回りが少ない点に注意しましょう。元本割れのリスクを回避したい方、低利回りでも安全性を担保したい方には、適した投資方法といえます。

参照元:財務省「個人向け国債窓口トップページ」

2.【投資初心者は何から始める?】投資用口座を準備する

投資信託や株式は、証券会社に投資用口座を開設して投資を始めます。証券口座を保有していない方は、口座開設の手続きを行いましょう。近年、オンラインで口座開設できる証券会社も多いため、平日の日中に窓口に行けない方でも簡単に開設が可能です。次の手順で、投資用口座の開設から投資まで進めていきましょう。

  1. 投資用口座を選ぶ
  2. 投資用口座を開設する
  3. 投資額を入金する
  4. 利益を確定させる

それぞれの手順をわかりやすく解説します。

2-1.投資用口座を選ぶ

証券会社によって投資の際に発生する手数料や使い勝手、口座保有者が利用できるサービスの種類などが異なります。また、株式に関しては、どの証券会社でもすべての上場銘柄を購入できますが、投資信託は証券会社によって扱っている商品が異なるため注意しましょう。

購入したい商品が決まっているときは、その商品を扱っている証券会社で口座を開設しましょう。また、手数料も比較しましょう。手数料が低めに設定されていると、購入・売却がしやすくなります。ネット証券は比較的手数料が低いため、手数料の低さに注目して選ぶときにおすすめです。

また、店舗型の証券会社のなかには、オンラインだけで利用できる証券口座と、窓口でも利用できる証券口座から選択できることもあります。この場合もオンラインに限定されている証券口座のほうが手数料は低く設定されていることが多いため、手数料にこだわるときは間違えずに選びましょう。

NISA口座を活用する

投資用口座は一般口座と特定口座、NISA口座(一般NISA、つみたてNISA(※))から選択できることがあります。一般口座は投資家自身で損益計算を行う必要がある口座です。一方、特定口座は損益計算を証券会社が実施し、年に一度、年間取引報告書を交付してくれます。

また、特定口座は「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」を選択でき、「源泉徴収あり」を選ぶと、年間取引報告書の交付に加え、納税まで証券会社が行ってくれます。確定申告する必要もないため、投資初心者にも利用しやすい点が特徴です。

一方、NISA口座は枠内投資なら利益が非課税になります。株式や投資信託による投資の利益は、通常は20.315%の税金がかかるため、、NISAの上限内の金額で投資を行うのであれば、NISA口座を上手に活用するのもおすすめです。

ただし、NISA口座は一人1つしか開設できない点に注意が必要です。また、利益に対しては非課税になりますが、手数料がかからないわけではありません。NISA口座をより上手に活用するためにも、手数料が低めの証券口座を利用するようにしましょう。なお、未成年者が開設できるジュニアNISAもあります。投資可能な時期は2023年に終了し、2024年以降はジュニアNISA口座内では投資信託や株式などを新規購入できません。

参照元:国税庁「株式・配当・利子と税」金融庁「ジュニアNISAの概要」

2-2.投資用口座を開設する

証券会社と口座の種類を選んだら、いよいよ投資用口座の開設です。口座を開設する際には、運転免許証などの本人確認書類とマイナンバーがわかる書類などが必要になります。

ほとんどの証券会社で証券口座の開設は無料でできます。異なる証券会社で複数の口座を開設することも、もちろん可能です。ですが、NISA口座はひとつのみですので注意しましょう。また、NISA口座を開設するときは証券会社側で税務署に届け出を行います。申し込みから開設までに数週間かかることもあるため注意が必要です。

参照元:国税庁「NISA及びつみたてNISAの手続に関するQ&A」

2-3.投資額を入金する

口座を開設後、投資資金を入金します。証券会社によって入金方法が異なるため確認しておきましょう。オンライン入金なら、手数料無料で利用できることが多いです。インターネットバンキングサービスを利用できる銀行口座と紐付けておくと、入金の手間を削減でき、投資チャンスを逃しにくくなります。

2-4.利益を確定させる

気になる投資信託商品や株式を購入します。購入後はこまめに価格を確認し、適切なタイミングで売却して利益を確定させましょう。なお、購入・売却には手数料がかかることがあるため、値上がり幅が少ないときは、手数料と相殺されてしまい利益が生じないこともあります。

市場が開いているときは常に価格が変動する株式とは異なり、投資信託の価格は1日に1回しか変動しません。また、売却を申し込むときには実際の取引価格がわからない点にも注意が必要です。売却を申し込んだ後でその日の基準価額が計算されるため、予想よりも売却額が少ない可能性もあります。

税金についても確認する

売却によって利益が生じたときには、税金が課せられます。源泉徴収ありの特定口座なら、確定申告・納税手続きが不要なため、手間を省きたい方は検討しましょう。また、ご自身で確定申告・納税手続きをする場合は、源泉徴収なしの特定口座が利用しやすいです。年に一度取引報告書を発行してもらえるため、取引数が多い場合も税計算がしやすくなります。

3.【投資初心者は何から始める?】利益の仕組みを知る

投資における利益の仕組みは大まかにキャピタルゲインとインカムゲインの2つに分けられます。それぞれの仕組みについて、詳しく見ていきましょう。

3-1.キャピタルゲイン

キャピタルゲインとは、売買による利益を指します。例えば、株式投資であれば、保有している株式を売却して獲得した利益はキャピタルゲインです。キャピタルゲインは資産を手放すことによって得られる利益ともいえるでしょう。

株式や投資信託を売却すると、それらの権利を手放すことになります。そのため、今後は保有していた株式や投資信託から利益を得ることができません。なお、売却により損失が確定することもあります。この場合はキャピタルロスと呼び、利益はないため税金も発生しません。

3-2.インカムゲイン

インカムゲインとは、保有することで得られる利益を指します。例えば、投資信託なら分配金、株式なら配当金や株主優待はインカムゲインにあたります。インカムゲインは、資産を保有し続けることで繰り返し得られる利益ともいえるでしょう。

分配金や配当金を受け取っても、売却せずに保有し続けるなら、また時期が来れば分配金や配当金を得ることができます。なお、キャピタルゲインやインカムゲインは他の投資にも存在します。

例えば、不動産投資では、不動産を売却して得た利益はキャピタルゲインです。また、賃貸物件として運用しているときは、インカムゲインに相当する家賃収入を得られます。

4.【投資初心者は何から始める?】リスクについて学ぶ

投資を始める前に、リスクについて学ぶことが大切です。失敗例やリスク軽減のコツについて見ていきましょう。

4-1.初心者が陥りやすい投資の失敗例

株式を購入するときには、発行元の経営状況や最近の株価の動向などを調べておくことが必要です。また、投資信託では投資方針を記載した目論見書(もくろみしょ)をしっかりと読んでから購入します。下調べをせずに株式や投資信託を購入すると、下落が続くなどの思わぬ損失を被ることにもなりかねません。

また、売買のタイミングを読み違えることもよくある失敗です。特に投資信託は売却時に取引価格がわからないため、予想よりも利益が低くなることもあります。長期的に投資を行い、知識と経験を身に付けていきましょう。

4-2.元本割れがある投資商品は慎重に扱う

価格が購入時よりも下がり、損失が生じることを元本割れ(がんぽんわれ)と呼びます。株式や投資信託は、いずれも元本割れのリスクがある投資商品です。慎重に投資を行うようにしましょう。ただし、途中で売却すると利益が減る、手数料によってはトータルで損失が生じる可能性もあるため注意が必要です。

4-3.リスク軽減のコツは長期・分散・積立

投資リスク軽減のコツは、余裕資金で行うことです。特に元本割れのリスクがある商品は、余裕資金以外で行わないようにしましょう。また、長期にわたって資産を分散して、積立でコツコツと取り組むことも投資リスクを軽減するコツです。

5.予算を決めて慎重に投資を始めよう

投資にはリスクがつきものです。特に元本割れのリスクがある投資商品は、資産を失うことにもなりかねません。予算を決め、余裕資金で投資を行いましょう。

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