意外と知らないNISAの上手な利用法(最新2024年から始まる新NISA制度も解説)

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意外と知らないNISAの上手な利用法(最新2024年から始まる新NISA制度も解説)

NISAとは、株の売却益や配当金が非課税になる制度のことです。税制優遇の大きなメリットがあるため、老後資金を増やすために運用する方が急増しています。このコラムでは、NISAとは何か、メリットと注意点についても初心者の方にもわかりやすくご紹介します。

1.NISAとは株式投資・投資信託などの運用益が非課税になる制度のこと 

NISAとは、少額投資非課税制度という税制優遇のことです。通常、株式投資や投資信託などの運用で得た利益には20.315%(所得税15.315%、地方税5%)の税金が課せられますが、NISAを利用すると運用益を非課税にすることができます。非課税となる利益は、毎年最大で120万円、期間は最大5年間です。

なお、NISA口座で保有されている商品が5年を超える場合は、6年目である翌年のNISA買付可能枠を使用して商品を移し換えること(ロールオーバー)を行うことで非課税期間を最大10年まで延長することができます。

NISAを始めるには証券会社などの金融機関でNISA口座を開設する必要がありますが、開設できるのは1人1口座のみです。開設後は金融機関を乗り換えることもできますが、年に1回しか変更できません。また変更する場合は、変更しようとする年の9月末までに、金融機関で変更の手続きを完了する必要があります。

1-1.非課税になる利益とは

NISAで非課税になる利益とは、NISA口座で購入した株や投資信託の配当金・分配金、および売却時の譲渡益です。商品は必ずNISA口座から新たに購入したものでなければならず、別の口座にある商品をNISA口座に移して運用することはできません。

購入できるのは年間で120万円まで、非課税期間は5年です。5年間で最大600万円まで、課税されずに購入できることになります。

2.NISA4つのメリット

NISAの最大のメリットは売却益などの非課税ですが、それ以外にもいくつかのメリットがあります。手続きにより非課税枠を延長でき、対象商品には、大きい値上がり益が期待できる投資信託も含まれているのもNISAの優れている点です。投資回数にも制限がありません。

これらNISAで得られる4つのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

2-1.売却益や配当金が非課税

NISA口座では、株式や投資信託が値上がりしたときに売却して得られた利益に対して課税されません。通常、株式投資などの運用で利益を得た場合、20.315%の税金が課せられます

しかしNISAの場合は株式を保有している間に得られる分配金や配当が非課税になるため、利益分も更に運用に回すことで複利運用が可能です。

例えば、年間で10万円の利益がある場合、通常の口座は23,150円の税金が徴収されます。NISAではその分も資産にできるため、その差は大きいといえるでしょう。

2-2.ロールオーバーできる

NISA口座は5年の期間限定であり、期間が終了すれば自動的に課税口座へと移されます。しかし、手続きにより、翌年以降の非課税枠に移して非課税期間をさらに5年間延長することが可能です「ロールオーバー」と呼ばれる制度で、ロールオーバーできる金額に上限はありません。

運用した利益を含めると120万円を超えている場合でも、全額を翌年のNISA口座に移すことができます。運用の利益が高い銘柄を非課税で10年間も運用できることになり、大きな利益を得られる可能性もあるでしょう。

【一般NISAの場合の仕組み】

2-3.投資信託も利用できる

NISAの運用対象商品には投資信託も含まれ、大きい値上がり益や配当が期待できます。価格変動による値下がりのリスクもありますが、値上がりしたときにうまく売却することで利益を得ることが可能です。

また株式や債券の投資には、まとまった資金が必要になりますが、投資信託の場合は1万円程度と少額から始められます。専門家により運用されるため、投資に慣れていない場合にも始めやすいのがメリットです。

2-4.投資回数に制限がない

NISAは上限金額以内であれば、投資の回数に制限がありません。購入する商品数にも制限がなく、こだわりの銘柄1つに絞って上限の120万円分を一括で投資することも、複数の銘柄に少額投資して投資のリスクを分散させることもできます。120万円の枠内で自由な投資が可能です

非課税期間中は途中売却も自由に行えますが、売却をしても一度利用した120万円の枠が元に戻ることはありません。

3.NISAの3つの注意点と対策

NISAはメリットの大きい制度ですが、利用時には注意点もあります。他の口座で損失が出た場合に損益通算ができないため、税金の負担が大きくなる可能性もあるといえます。

また他の口座で保有している金融商品を移動できない、確定申告で損失を繰り越すことができないという点も把握しておかなければなりません。

ここでは3つ注意点と、対処法についてご紹介しましょう。

3-1.損益通算できない

NISA口座は他の口座と損益通算ができません。

複数の口座で投資をしていて損失を出した場合、通常であれば利益の出ている口座と合わせた損益通算ができます。一方で利益が出ていて課税される場合でも、他の口座の損失と相殺して税金の支払いを軽減することが可能です。

しかし、NISA口座はこのような損益通算ができないため、他の口座で利益が発生した場合、NISA口座で損失があっても相殺はできません。利益に対する税金を支払うことになり、NISA口座にすることでかえって税の負担が重くなるという結果になります。

このようなことを避けるには、他の口座を損失の出にくい守りの投資用にして、NISA口座は高い利益を目指して攻めの投資をするなどの使い分けをすることがポイントです。

3-2.口座間移動できない

NISA口座では、他口座から金融商品を移動することはできません。

現在運用している商品を、新たに開設したNISA口座に移して運用するという利用はできないことになります。口座にある商品はそのままに、NISA口座では新たに資金を出して購入することが必要です。

またNISA口座で保有している商品を他の口座に移動することも、同様にできません。

3-3.繰越控除できない

NISA口座で損失を出した場合、確定申告の「繰越控除」の利用はできません。繰越控除とは、株式の売却などで損失が出た場合に、損失分を3年間繰り越しできる制度です。3年の間で利益が出た際、損失を相殺して税金を抑えることができます。

非課税のNISA口座は損失も税務上ないものとみなされるため、繰越控除は適用されないのです。

NISA口座は利益が出なければ非課税の恩恵を受けられないため、損失を出さないようにする工夫が必要です。異なる商品を複数組み合わせてリスク分散を図るなど、安定した利益を目指す投資方法を選ぶのが良いでしょう。

4.NISAは3種類ある

2021年現在、NISAには3つの制度があります。一般的に「NISA」と呼ばれている「一般NISA」に加え、2018年からスタートした「つみたてNISA」、20歳未満が対象の「ジュニアNISA」の3種類です。それぞれ、仕組みや対象者、メリットが異なります。

ここでは、3つの制度について見ていきましょう。

4-1.一般NISA

通常、単に「NISA」と呼ばれている場合は「一般NISA」のことを指します。日本国内に住む20歳以上であれば加入でき、2023年まで利用できます。非課税の期間と投資枠の上限が定められ、投資方法には決まりがありません。

投資の対象となるのは​​上場株式と投資信託で、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託証券)も含まれます

・期間は最長5年間

一般NISAの非課税期間は投資した年から最長5年間で、ロールオーバーを利用することで最大10年間の利用が可能です。

2023年で終了予定ですが、2020年の税制改正により、2024年から制度が見直されて5年間延長されることになりました。新しく始まる新NISA制度の内容は、この後の項目で詳しく説明します。

・非課税投資枠は120万円

一般NISAで非課税になる上限額は毎年120万円までと定められています。非課税の枠は翌年に繰り越しできず、100万円しか使っていない場合でも20万円分を翌年に繰り越すことはできません。

投資できる額は制限されていますが、投資で得た売却益や配当、分配金は制限なく非課税になります。投資信託では少額から始められる商品もあり、NISAは少額投資から始めたい初心者に最適な制度です。

4-2.つみたてNISA

つみたてNISAは2018年にスタートした新しい制度で、「長期投資・積立投資・分散投資」を対象としています。年間の非課税枠は40万円で、非課税となる期間は20年間です。

対象となる金融商品は、金融庁が定める条件をクリアした公募株式投資信託とETF(上場株式投資信託)に限定されており、どれも手数料が低く、少額を長期間かけて積み立てるのに適した商品ばかりです。

つみたてNISAは月100円からと少額でも投資でき、いつでも引き出せるという特徴があります。非課税枠を長期間利用でき、時間をかけて運用できるのもメリットです。

4-3.ジュニアNISA

一般NISAやつみたてNISAは20歳以上が対象ですが、ジュニアNISAは20歳未満の未成年を対象にした制度です。子どもの将来に向けた資金づくりを目的としており、口座開設や実際の運用は子どもの両親や祖父母などの親族が代理で行う場合が多くなります。

年間の非課税枠は80万円で、非課税になる期間は最長5年間です。教育資金を最大400万円まで非課税で運用できることになります。

運用の対象商品は一般NISAと同じで、5年の期間が経過した場合はロールオーバーも可能です。制度は2023年で終了しますが、終了後も一定条件をクリアすれば、20歳になるまで非課税で商品を保有することができます。

5.2024年から始まる新NISA制度とは

税制改正により、2024年から新NISA制度が始まることになりました。一般NISAは2023年から2028年、つみたてNISAは2037年から2042年までそれぞれ5年間、期間延長されることになりました。

一般NISAは、2階建ての仕組みに変わるのが大きなポイントです。新NISA制度について、詳しく見ていきましょう。

5-1.2階建てになる

新NISA制度では非課税枠が120万円から122万円に増え、5年間で最大610万円が非課税になります。仕組みは2階建てになり、1階では20万円の範囲内で金融庁の基準を満たす投資信託を選ぶことが必要です。

安定的な資産形成を目的としており、対象は長期・積立・分散投資に適した商品とされています。具体的には、現行のつみたてNISAの対象商品と同じです。

2階では102万円の範囲で非課税になり、現在の一般NISAの対象になる商品のうち一部を除いたものが対象です。

原則として1階の枠を使わなければ2階を購入することはできません。ただし、1階の20万円の枠を使い切る必要はなく、最低投資金額の積み立てを行うことで2階の枠が使えます。

また2023年までにNISA口座を開いているケースや投資経験がある場合は、1階を使わず2階のみを使うこともできます。2階のみを使う場合に投資できるのは個別株だけで、投資信託やETF、REITなどへの投資をしたい場合は先に1階を使う必要があります。

5-2.2階部分の一部は除外

2階の枠は基本的に現行の一般NISAで購入できる商品が対象になり、日本株式や外国株式などの上場株式、投資信託、ETF、REITなどの購入が可能です。

ただし、新NISAではこのうち、高リスク・高リターンであるレバレッジの高い投資信託や上場廃止になりそうな株式、上場廃止基準に該当する恐れのある監理銘柄は除外されています。

5-3.一般NISAからロールオーバーする場合

2023年の時点で一般NISAの口座を利用しており、2024年に新NISAに移動する際の手続きはやや複雑です。まず、移動する金額が122万円の枠を超えている場合は全額を移動できます。122万円に収まる場合は先に2階の102万円を埋め、不足する場合に1階の枠を使います

例えば、一般NISAの口座に110万円ある場合、先に2階の102万を使い、残りの8万円は1階の枠を使用するということです。

一般NISAの口座にあるのが2階の102万円に満たない場合は、1階を使ってから2階を使うという、新NISAの基本ルールが適用されます。

例えば、100万円を移動する場合、2階には2万円分の枠が残りますが、次に使うのは1階部分です。つまり、1階で積み立て投資を使った後に、2階の枠である2万円を使うことになります。

5-4.2028年の終了後はつみたてNISAへ移動可能

新NISAは2028年で終了しますが、1階で運用していた資産は2042年まで運用できる「つみたてNISA」へ移動できます。

ただし、移動する資産額は購入時の価格です。新NISAの運用により30万円だった資産が100万円に増えていても、移動できるのは30万円だけです。つみたてNISAには40万円の非課税枠があるため、残り10万円分は新たに積み立て投資することができます。

5-5.ジュニアNISAは終了する

ジュニアNISAは延長の予定がなく、2023年で終了します。ジュニアNISAの場合、口座開設者が18歳になるまで払い出しできませんが、2024年以降は制限がなくなり、18歳にならなくても税金を徴収されることなく払い戻せます。

5年の期間が終了すると「継続管理勘定」という移管専用の勘定が設けられ、成人するまで課税されることなく保有することが可能です。

参照元:

金融庁https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa/overview/index.html

金融庁https://www.fsa.go.jp/frtc/kikou/2019/20200203_P32-35.pdf

6.つみたてNISA口座の開設方法

つみたてNISAを始めるには、証券会社や銀行など、NISAを扱う金融機関で専用の口座を開設する必要があります。初めて口座を開設する金融機関の場合は、「証券総合口座」も一緒に開設しなければなりません。NISA口座で購入した金融商品が非課税期間を終えたあと、課税口座として移管するために利用します。

口座は、一般口座と金融機関が税金を計算してくれる特定口座の2種類があり、特定口座は更に「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」から選べます。確定申告の手間を省きたい場合は、特定口座の源泉徴収ありを選ぶと良いでしょう。

開設には申請書類のほか、本人確認書類とマイナンバー確認書類が必要です。申請のあと税務署で二重開設ではないかを確認するため、開設までに2〜3週間かかります。

おわりに

NISAは、株式投資、投資信託などの売却益や配当金が一定額まで非課税になる制度です。5年間で600万円までが対象になり、通常であれば20.315%の税率で課せられる税金の支払いを免れます。手続きにより期間は5年延長でき、最大で10年間の非課税が可能です。2024年から始まる新NISAの制度も視野に入れながら、NISAでお得な資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。

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