更新日
公開日

投資の神様も愛した複利とは?複利の効果を得るためのポイントとおすすめの投資信託を紹介

投資の神様も愛した複利とは?複利の効果を得るためのポイントとおすすめの投資信託を紹介
セゾンのくらし大研究 編集部

執筆者
セゾンのくらし大研究 編集部

豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

複利という言葉を聞いたことはあっても、具体的な仕組みまではご存じない方もいらっしゃるかもしれません。複利には良い複利と悪い複利があり、使い方によっては敵にも味方にもなります。とはいえ、複利の良し悪しといわれても、いまいちピンとこない方も多いのではないでしょうか。

  • 「投資には複利という概念があるらしい。詳しく知りたい」
  • 「複利は実は恐ろしいと聞いたけれど、どうなんだろう?」

そのような疑問に対し、このコラムでは複利の効果や活用方法、複利の歴史を解説します。複利の仕組みをきちんと知ることにより、今後の資産運用において複利を有効活用できるようになるでしょう。複利をぜひ、味方につけて資産形成に役立てていきましょう。ぜひ最後までご覧ください。

資産運用の強い味方!複利の仕組み

まず複利の仕組みを知ることが重要です。ここでは、資産運用における複利の効果について解説します。

複利とは?

複利は金利の一種で、元本と利益の合計額にさらに利益が付く仕組みのことです。

複利による効果

複利効果とは、複利の力を活用して資産を増やす効果のことです。最初に投資した元本から生じた利益(分配金や運用益など)を再投資することで、利益が利益を生んで「雪だるま式」に資産が増えていきます。この現象が「複利効果」です。

複利による効果について詳しくはこちらの記事「複利の効果で資産運用に大きく差がつく!おすすめの投資信託や複利を得るポイント等を解説」もご覧ください。

恐ろしい?負の複利効果

資産運用をするうえで心強い味方になってくれる複利ですが、使い方を間違えると恐ろしい負の連鎖を引き起こすリスクがあります。その最たる例が借金です。

資産運用において複利は、利益が利益を生み「雪だるま式」に資産を拡大させるという効果があります。しかし、その仕組みは借金についても同じなのです。借金の場合、膨らんでいくのは利益ではなく利息です。「借金の利息がさらに利息を生み、どんどん借金が増えていく」という悪循環に陥ります。

複利も仕組みは同じですが、使い方を間違えると怖い敵にもなり得るという側面を持っているのです。このように、複利には恐ろしい一面があることを理解しつつ、資産運用においては上手に活用していきましょう。

複利の歴史と偉人

複利の歴史は長く、アインシュタインや豊臣秀吉の複利に関するエピソードが残っています。また、投資の神様ともいわれるウォーレン・バフェットも、複利を活用して資産を築き上げました。私たちも複利の恩恵に預かるべく、その歴史を振り返ってみましょう。

ウォーレン・バフェット

ウォーレン・バフェットは、複利を活用して資産を築き上げた偉大な投資家の1人で、「投資の神様」「オマハの賢人」とも呼ばれている人物です。

彼が経営する「バークシャー・ハサウェイ」社の2022年1月の時価総額は約1兆ドル(約100兆円)に迫り、彼自身の個人資産も2021年に1000億ドル(約10兆円)を超え、世界で資産1000億ドルを持つ6人目の人物となりました。このように驚くべき資産を持つバフェットですが、その彼も複利の力を活用して資産を築き上げたのです。

バフェットが唯一、公認している伝記のタイトルは「スノーボール」。スノーボールとは「雪だるま」のことですが、複利が雪だるまに例えられることに由来しています。本のタイトルからも、複利をどれほど愛しているかが分かるでしょう。

また、バフェットは「できる限りくっつきやすい雪を見つけ、その雪をできる限り長く坂を転がすことだ」という言葉を残しています。これは、利益を上げる高収益の優良銘柄をくっつきやすい雪に例え、その優良銘柄を長く持つことで複利の恩恵(効果)を受けることができるという意味です。

実際に彼自身も、優良銘柄を長期的に運用することにより、複利の効果を味方に付けて資産を築き上げたのです。

参照元: ついに日本に投資したバフェットが教えてくれる良い人生を送るためのメソッド | バフェット帝国の掟 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

アインシュタイン

特殊相対性理論を提唱し「20世紀最高の物理学者」とも評されるアインシュタインも、複利に関する言葉を残しています。ここでは、以下3つの言葉を紹介します。

  • 複利は宇宙で最も偉大な力
  • 複利は人類最大の発明
  • 知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う

1916年に残したとされるこれらの言葉ですが、特に3つ目の「知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う」は、100年以上経過した今でも十分に通用する内容です。

参照元: アインシュタイン博士曰く、「複利効果は人類最大の発明」 | 富裕層向け資産防衛メディア | 幻冬舎ゴールドオンライン (gentosha-go.com)

豊臣秀吉

戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した豊臣秀吉も、複利の絶大な効果を知る人物です。秀吉についても、複利に関する以下のエピソードが残っています。豊臣秀吉は、家臣の1人である「曽呂利新左衛門」に褒美を取らせることにしました。

秀吉に「褒美は何が良いか?」と尋ねられた曽呂利新左衛門は、少し考えて「1日目に米を1粒。2日目には2粒、3日目には4粒…」というように、米1粒から始めて前日の倍の米粒を30日間欲しいと申し出ました。秀吉は大した量にはならないと考えて、その申し出を快く受け入れました。しかし、日に日に増えていく米粒に驚き、慌てて別の褒美に変えてもらったとのことです。

もし、曽呂利新左衛門の申し出通りに30日間米を与えた場合、約5億3600万粒になる計算で、現在の基準に当てはめると約12トンです。たった1粒の米から12トンになることは、想像できないでしょう。こちらのエピソードも、複利の絶大な効果が分かるエピソードです。

参照元:秀吉をあわてさせた「ヤバい計算」 | とてつもない数学 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

複利の効果を得る3つの方法

現代の世界で、実際に複利の効果を得るには、どうしたら良いのかと疑問に思うかもしれません。本項では、複利の効果を得るための3つの方法を紹介します。この方法を参考に、ぜひご自身の資産運用に活用してみてください。

長期的な運用を行う

複利の効果を得るための1つ目の方法として、長期の資産運用があります。複利の効果は、時間と共に大きくなるという特徴があります。そのため、長期的な資産運用が必要になるのです。

具体例を考えてみましょう。例えば、元本100万円を投資信託に投資し、5%の利回りで運用したとします。最初の年の利益は5万円ですが、得た利益を再投資していくことで、翌年は約10.2万円、5年後は約27万円、10年後は約63万円と徐々に増えていきます。

このように複利の効果で利益は徐々に増えていくため、長期的な資産運用が重要になるのです。もちろん、投資環境によっては5%の利回りを達成するのが難しい年もあるでしょう。しかし、平均利回り5%であれば、同じような結果を得ることができます。利益が出にくい難しい相場の時があるかもしれませんが、資産運用を継続することが大切といえるでしょう。

運用益や分配金を再投資する

複利の効果を得るためは、元本を増やすことも重要な方法の1つです。資産運用で生み出した分配金や運用益などの利益を再投資することにより、元本を増やせます。元本の増加に従って、運用できる資産も増え、結果的に複利の効果を得やすくなるでしょう。

しかし、再投資による複利の効果を理解していても、実行できない局面が起こり得ます。例えば、ご自身の生活が忙しくなることで再投資を忘れてしまったり、相場状況の悪化で再投資をためらったりしてしまうケースです。

そこで、おすすめしたいのが「再投資型」の投資信託です。投資信託はファンドとも呼ばれ、投資のプロが投資家から集めたお金を株式や債券などに投資・運用する投資商品です。再投資型とは、分配金を支払う代わりに、資産運用で生じた利益を自動で再投資する投資信託の仕組みのことです。

再投資型の投資信託は自動で再投資されるため、ご自身で行う操作や手続きがなく、手間がかかりません。さらに、機械的に再投資を行うので、荒れ相場でも感情抜きに再投資ができます。投資初心者の方でも始めやすい、おすすめの複利です。

運用コストを削減する

元本を増やして複利効果を得るために、運用コストを抑制するのも効果的な手法の1つです。

複利の効果を得るためには元本を増やすことが重要ですが、コストばかりかかってしまっては、元本は増えず効率的に複利のパワーを活かすことができず、投資元本を増やすことができません。つまり、複利効果を最大限活用するのもコストを見直し収益率を高めることが重要といえます。なお、資産運用にかかるコストには以下のようなものがあります。

  • 購入時にかかる手数料
  • 売却時にかかる手数料
  • 保有期間中にかかる手数料(信託報酬等)
  • 利益にかかる税金

紹介した4つのコストを削減するため、運用する証券会社によって異なる購入時の手数料、売却時の手数料を比較したり、投資対象が同じようなファンドの場合には、信託報酬等が低いほうを選ぶなど細かいところまで気を配りながら投資をしていきましょう。

「再投資型」投資信託の活用

購入手数料は、再投資型の投資信託を活用することで削減できます。投資信託を購入する場合、一般的に購入手数料を支払うことになります。しかし、再投資型の投資信託の場合、自動で再投資する分の購入手数料は原則としてかかりません。購入手数料の費用を資産運用に回せるでしょう。

また、そもそも購入手数料がかからないノーロード型のファンドも多く取り扱いされていますので、ノーロード型のファンドを活用して再投資型で買付を進めていくのも良いでしょう。この場合、分配金での再投資、余剰資金での追加購入時などでも購入手数料をかけず運用することが可能です。

ファンドによっては、購入時に分配金を「再投資」にするのか、または「受取り」にするのかを選択できますので、「再投資」を選択するようにしましょう。

再投資型の投資信託について詳しくはこちらの記事「投資信託で再投資を行うメリットが分かる!複利効果や再投資型の投資信託について解説」もご覧ください。

つみたてNISAやiDeCoの活用

分配金や運用益などの利益に対しては、本来は20.315%の税金が課せられます。しかし、つみたてNISAやiDeCoを活用することで分配金や運用益に対する税金を非課税にできます。

まず、つみたてNISAでは投資信託から支払われる分配金や運用益、自動再投資にかかる税金が非課税になります。非課税で保有できる期間は投資を開始した年から20年間で、非課税投資の限度額は年間最大40万円です。

次に、iDeCoもつみたてNISAと同様に分配金などの利益に課せられる税金が非課税になります。iDeCoについては、ご自身が所属している会社によって利用できるか条件が異なったり、原則60歳まで資産を引き出せなかったりと制限はありますが、利益に対する税金が非課税になる有効な節税対策の1つです。

つみたてNISAやiDeCoのどちらか片方、もしくは条件によっては、両方を利用できる場合は、複利効果を最大限活用できます。いずれにしても、本来20.315%課される税金が免除になる制度ですので、まだ利用されていない方はぜひ活用してみましょう。

つみたてNISAについて詳しくはこちらもご覧ください。

関連記事:つみたてNISA(積立NISA)の仕組みとは?運用のメリットや失敗しないための対策も解説

iDeCoについて詳しくはこちらもご覧ください。

関連記事:iDeCoの上手な始め方|メリットとデメリットについても解説!

おわりに

このコラムでは、複利を得るためのポイントや仕組み、複利の歴史と偉人の関係などについて解説しました。複利を得るためのポイントを理解して適切に運用することで、複利はあなたの心強い味方になってくれるはずです。

複利の効果を得るために、節税ができるつみたてNISAやiDeCoを活用するのもおすすめです。ご自身で資産運用をするのが難しければ、投資信託を通して投資のプロに任せる方法もあるでしょう。いずれにしても、莫大な資産を築き上げた投資の神様ウォーレン・バフェットも複利を活用して財を成しています。その複利を活用して資産を増やすためにも、まずは少額からでも投資を始めてみてはいかがでしょうか。若いうちから時間と複利を味方に付けてしまいましょう。

よく読まれている記事

みんなに記事をシェアする