老後資金、ご家族の教育費などに充てるためなどの理由でお金を増やしたい場合、「資産運用=投資」は非常に有効です。しかし、やみくもに投資をしたところで、成果にはなかなか結び付きません。金融市場は変化し続けている以上、その変化に応じた対策を講じないといけないためです。成果を出すためには、やはり勉強することが重要だといえるでしょう。このコラムでは、投資の勉強の必要性と具体的な方法について詳しく解説します。
- 投資をするのに勉強は必須である
- 初心者は投資の書類を知って自分に適した方法からはじめるべき
- 投資の勉強をするには、新聞やニュース、コラムや動画、書籍などさまざまな方法がある
- 自分だけではわからないことを学ぶ、解決するためにはプロに相談するのも有効
そもそも投資するのに勉強が必要?
「そもそも投資するのに勉強が必要?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これに対しては「勉強すれば勝てるとは限らないが、勉強しないともっと勝てない」というのが答えです。
金融市場は変化し続けています。変化している以上、いつまでも同じ商品や戦略で結果が出せるわけではありません。昨日までは「勝てる」とされた戦略・商品であっても、明日になったら「勝てない」に変わることは往々にしてあります。
このような背景を考えると、投資の勉強をする=新しい商品や戦略を常にチェックすることは、柔軟な投資手法を考え、ご自身にとってベストな選択をするためには不可欠です。ただし、投資である以上損をする可能性はあるため「100%勝てるようになる」という商品や戦略も存在しないことを心得ておきましょう。
初心者は投資の種類から勉強しよう
「それなら、投資の勉強は何からはじめれば良い?」と思う方は、投資の種類を知ることからはじめてみましょう。これを含め、初心者のうちから知っておいたほうが良い知識として、以下の5つについて解説します。
投資の種類を知って自分に適した方法を知る
一般的に広く行われている投資の種類を知ってご自身に適した方法を考えてみましょう。
まず、株式投資とは「企業が資金調達のために発行する有価証券(株式)を証券会社を通じて売買し、売買益や配当金による収入を得ることを目指す投資」です。
債券投資とは「国・地方公共団体、企業等が、投資家からお金を借りるときの証書として発行される債券を購入し、利子を受け取る投資」です。
不動産投資とは「ワンルームマンションやアパートなどを購入し、希望者に賃貸することで収益を得る投資」です。
投資信託とは「希望者から集めた資金をひとつにまとめ、運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式・債券などの金融商品に投資・運用し、得られた利益を分配する商品」です。
暗号資産投資とは「暗号資産(仮想通過)を販売所で売買したり、利用者同士で取引をしたりして売買益を獲得することを目指す投資」です。
勉強する際は、興味のある投資手法から調べはじめても良いですが、徐々に広げていくことをおすすめします。ご自身が望むライフプランによっても、適した投資方法は異なるので、状況に応じて選べるよう知識は深めましょう。
リスクを知って投資への不安を減らす
リスクを知ることも、投資への不安を減らすためには重要です。リターンは「成果」、リスクは「収益の振れ幅」を表します。つまり、リスクが大きいとは「利益が大きくなる可能性もあれば、大損する可能性もある」ことです。何に投資するかによっても、リスクとリターンは異なるのであらかじめ理解しておきましょう。
そして、なぜリスクが生じるのか、そのリスクをどうコントロールすればリターンが得られるのかについて、しっかりとした知識が得られれば不安は軽減できます。
商品の選び方を知れば無理なく運用できる
基本的な知識を見つけたうえで、商品や銘柄を正しく選べれば、無理なく効果的に運用できます。ご自身で調べるのも良いですが、プロに相談するのもおすすめです。
オンラインFPショップ「セゾンのマネナビ」は予約から面談までオンラインで完結します。ご自身の予定に合わせて、好きな場所からご相談いただけます。
ファイナンシャルプランナーの指名もできるうえ、ご利用は何度でも無料です。納得がいくまで商品・銘柄の選び方やライフプランまで、さまざまな悩みをご相談いただけるので、ぜひ一度お問い合わせください。
長期的な目をもつ投資マインドを学ぶ
投資で成果を出すためには、長期的な視点を持てるよう投資マインドを学びましょう。投資で成果を出せない原因のひとつに、短期的な値動きに左右され、焦って売買することが挙げられます。
しかし「短期的に見れば損をしているけど、将来的に利益が出る可能性がある」と判断できれば、落ち着いて行動できるはずです。
投資で得た利益にかかる税金を学ぶ
投資で得た利益にも税金がかかるので、いざという時に困らないよう事前に把握しておきましょう。NISAやiDeCoなど非課税制度が使えるものもあるので事前に確認しておくことをおすすめします。
どうやって勉強すれば良い?投資の勉強方法
投資の勉強をする方法は、さまざまあります。ここでは一般的な方法として、以下の4つをご紹介します。
新聞やニュース
新聞やWeb・テレビ・ラジオのニュースを見ることで、経済関連の活きた情報をまとめて確認することができます。昨今は新聞のデジタル版が普及しているので、パソコンやスマートフォンアプリでも簡単に読むことが可能です。
株価は、国内外での大規模災害・戦争・政変だけでなく、特定の企業に関するニュースが発表されたときにも大きく変動します。株式のデイトレードなど、短期での売買の判断が必要な投資をしている場合は、できるだけ早めに情報を入手して売買の判断をしなくてはいけません。いつでも確認できる体制を整えておくと良いでしょう。
証券会社や金融会社が運用するコラム
証券会社・金融会社、官公庁や業界団体が運用するWebサイト上のコラムを読むのも、非常に勉強になります。例えば、金融広報中央委員会の公式サイト「知るぽると」では、投資(資産形成)を含めたお金に関するコラムを無料で読むことが可能です。
YouTubeの動画やアプリのシミュレーション
YouTubeの動画やアプリのシミュレーションを見るのも、非常に勉強になります。投資初心者でも興味を持ってもらえるよう作りこんであるものも多いので、飽きずに勉強することが可能です。
例えば、日本証券業協会の公式チャンネル「はじめての資産運用講座」では、基本的な知識をQ&A形式で解説する動画や、バラエティ番組でもおなじみの「桐谷さん」(元将棋棋士・投資家の桐谷広人氏)によるレクチャーなど、さまざまな動画を通じて投資について学べます。
初心者向けの書籍
初心者向けの書籍も広く出回っています。ファイナンシャルプランナーや証券アナリストなどの専門家がわかりやすく投資について解説しているので、好みに応じて選びましょう。
【初心者向け】投資の勉強ができる本5選
投資に関する本は、初心者向けだけに限っても膨大な数が出版されています。ここでは、その中でも「ベストセラー」「バイブル」と呼ばれる名書を5つご紹介しましょう。
お金をとことん増やしたい人のための「資産運用」超入門
【主な特徴】
書籍タイトル | お金をとことん増やしたい人のための「資産運用」超入門 |
出版社 | ディスカヴァー・トゥエンティワン |
著者 | ファイナンシャルアカデミー (著・編集)、泉 正人 (監修) |
値段 | 1,650円(税込) |
大手投資スクール・ファイナンシャルアカデミーが編著を担当した初心者向けの投資の本です。株式・債券・商品・不動産・現預金・投資信託などあらゆる資産運用について、必要な基礎知識を網羅しています。図解を用いるなど、初心者にも読みやすい工夫を凝らしているので、最後まで飽きずに読めるでしょう。詐欺など、投資にまつわるトラブルについても注意喚起を促すなど、これから投資をはじめたい方なら読んで損はない本です。
図解 はじめての資産運用(お金のきほん)
【主な特徴】
書籍タイトル | 図解 はじめての資産運用 (お金のきほん) |
出版社 | 学研 |
著者 | 大竹のり子 |
値段 | 1,317円(税込) |
著名女性ファイナンシャルプランナーの大竹のり子氏が手掛けた投資の入門書です。フルカラーで図解やイラストもふんだんに用いているので「文字ばかりの本は苦手」という方でも読みやすい仕上がりになっています。「お金を増やすには?」といった、投資以前のシンプルな話からはじめているため、まったくの投資未経験の方でも順次知識を積み上げていくことが可能です。
株・投資信託・iDeCo・NISAがわかる 今さら聞けない投資の超基本
【主な特徴】
書籍タイトル | 株・投資信託・iDeCo・NISAがわかる 今さら聞けない投資の超基本 |
出版社 | 朝日新聞出版 |
著者 | 泉美智子 |
値段 | 1,320円(税込) |
株・投資信託・iDeCo・NISAの4つの金融商品を中心に解説した投資の入門本です。イラストや図解をふんだんに使い、わかりやすく仕上がっています。投資にまつわる税制や投資をするうえでの注意点などもていねいに解説されているので、ちょっとした投資事典代わりにも使えるでしょう。初心者はもちろん、ある程度経験がある方でも復習用に手元に置いておきたい一冊です。
世界一やさしい 株の教科書 1年生
【主な特徴】
書籍タイトル | 世界一やさしい 株の教科書 1年生 |
出版社 | ソーテック社 |
著者 | ジョン・シュウギョウ |
値段 | 1,628円(税込) |
日本およびマレーシア・ベトナムを拠点に活動する経営コンサルタント、ジョン・シュウギョウ氏の著書です。ここまで紹介した他の本とは違い、この本ではあくまで「株式投資」に特化しています。ファンダメンタル分析・テクニカル分析や銘柄選び、投資戦略の立て方など、実際に株式投資をするうえで必要な知識もかみくだいて解説しているのが特徴です。「まずは株式投資をしっかり勉強したい」という方にもおすすめできます。
敗者のゲーム
【主な特徴】
書籍タイトル | 敗者のゲーム[原著第8版] |
出版社 | 日本経済新聞出版 |
著者 | チャールズ・エリス |
値段 | 2,200円(税込) |
投資の基本的な知識だけでなく、投資哲学も身に着く本としてご紹介します。世界100万部の超ベストセラーとなった本の日本語訳です。投資の成功は、「自ら取り得るリスクの限界の範囲内で、長期的な投資計画や資産配分方針を入念に策定し、市場の動向に左右されず、徹底的にその方針を守り抜く」ことを説き、具体的な方法として「インデックス・ファンド」への投資を提唱しています。初心者はもちろん、プロ級の方にも広く役に立つ内容の名著です。
おわりに
勉強したからといって投資に勝てるとは限らないのも事実です。しかし、勉強しなければ勝てる確実はさらに下がります。大切なお金をつぎ込んで投資をする以上、確かな知識に基づき、勝てる方法を見極めたうえで取り組みましょう。本や新聞を読んだり、動画を見たりする努力も必要ですが、プロに聞いてみるのも活きた知識を取り込むために非常に重要です。自分だけではわからなかったことでも「そうだったのか」と一気に疑問が氷解するかもしれません。