ETCはETCカードを差し込んだ車載器を搭載した自動車なら、料金ゲートを通過するだけで窓口とのやり取りなしにスムーズに料金所を通過できる制度です。ETCにはお得なETC割引があり、時間帯や日付によって割引料金が適用される場合があります。よく利用する道路でETC割引時間がいつなのか知っておくと、よりお得に利用できるでしょう。今回はETC割引がいつどんな場合に適用されるのかをまとめました。
(本記事は2024年3月11日時点の情報です)
- 高速道路の主なETC割引は休日割引、深夜割引、平日朝夕割引の3つで、平日朝夕割引のみ事前登録が必要
- 利用者に合わせたETC割引制度として、ETC2.0割引、大口・多頻度割引、障がい者割引がある
- ETCマイレージサービスに登録すれば、ETC利用料金に応じてポイントが還元される
- NEXCO3社は地域限定で一定区間の高速料金を定額にする高速周遊パスを販売している
- ETCカードをつくるなら「セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digital」がおすすめ
ETC割引の種類
ETCを利用すると区域や日時などによって、高速道路利用料金の割引が受けられる場合があります。例えば、休日割引は休日に高速道路料金を割引で利用できる制度で、お出かけや旅行にうれしいサービスです。
他にも平日朝夕割引や深夜割引など誰でも使える割引や、大口割引や障がい者割引など、特定の人が対象になる割引があります。
それぞれの割引制度によって適用される条件が異なるため、自分が対象者にあたるかをよく理解し、賢く利用しましょう。
主要な3つのETC割引
ここからは、高速料金のETC割引についてわかりやすく紹介します。
休日割引
休日割引は土日や祝日に高速道路を走行した際の料金が、30%割引になる制度です。対象車種が限られ、対象となる道路が東京、大阪を除く地方部のみですが、お出かけや旅行に便利な制度といえるでしょう。
対象となる車種
対象車種は普通車、軽自動車、二輪自動車です。マイクロバスなどの中型車やバス、トラックなどの大型車、特大車は割引の対象外なので注意しましょう。
対象となる道路
東京と大阪を除くNEXCO東日本、中日本、西日本の高速道路と、宮城県道路公社が管理する仙台松島道路が割引の対象です。割引の適用は地方部に限られ、東京や大阪近郊は対象外なので注意しましょう。
対象となる利用日時
割引対象となる日時は土曜日、日曜日、祝日ですが、土日祝日をまたぐ利用も割引の対象に当たります。例えば、金曜日に高速道路に入り土曜日に高速道路から降りた場合は、休日割引制度の対象です。
同様に日曜日に高速に入り月曜日に高速道路から出た場合も、休日割引の対象になります。また、土日祝日中に都市部と地方部の道路を両方通行した場合は、地方部の利用分のみが休日割引の対象になります。
なお、GW、お盆、年末年始の対象外期間はカレンダーに応じて毎年異なります。詳しくはNEXCO各社の公式WEBサイトなどでご確認ください。
割引率
休日割引の割引率は30%です。例えば長野ICから水戸ICまで高速道路を通行した場合、通常のETC料金は6,290円ですが、割引後は4,400円になります。
深夜割引
深夜割引は午前0時から午前4時までの間に通行した高速道路の利用料金が、30%割引になる制度です。2023年1月NEXCO東日本が発表したプレスリリースでは、2024年度中に深夜割引の適用時間帯を「0時~4時」から「22時から5時」に拡大する予定とされています。気になる方はNEXCOの発表をチェックしてみましょう。
対象となる車種
全ての車種が深夜割引の対象です。
対象となる道路
NEXCO東日本、中日本、西日本のNEXCO3社が管理している全国の高速道路と、宮城県道路公社が管理する仙台松島道路が深夜割引の対象道路です。
なお、京葉道路、第三京浜道路、横浜新道、横浜横須賀道路は割引対象外になります。
対象となる利用日時
深夜割引の対象となる利用日時は、毎日午前0時~午前4時の間です。これは対象時間内をまたぐ場合も割引の対象となります。そのため午前0時から午前4時まで走行した場合はもちろん、午前2時に高速道路に入り午前5時に高速から出た場合や、23時に高速に入り午前2時に高速から出た場合も割引対象です。
割引率
深夜割引の割引率は30%です。適用要件は入口料金所をETCゲートを通って走行していることで、入口料金所と出口料金所を通過した時刻で割引が適用されるかを判断されます。
ただし、ご利用距離に関係なく一律の料金を支払う高速国道の区間(均一料金)と、均一区間以外の高速道路を連続して走行する場合は、それぞれの区間ごとに割引適用かどうか判断されます。
平日朝夕割
ETC平日朝夕割引は、通勤や通学に便利な平日の朝と夕方のETC利用料金が割引になる制度です。休日割引と深夜割引はETCを利用するだけで自動的に割引が適用になりますが、平日朝夕割を利用するためには、ETCマイレージサービスへの事前登録が必要になります。
ETCマイレージサービスは、年会費や登録料が無料のお得なサービスです。ETC料金でポイントが貯まり、貯まったポイントは高速道路利用料金にあてることができます。
対象となる車種
全ての車種が平日朝夕割の対象となります。
対象となる道路
平日朝夕割は東京と大阪近郊を除くNEXCO東日本、中日本、西日本の高速道路と、宮城県道路公社が管理する仙台松島道路が割引の対象です。また東京、大阪近郊の他、第二神明道路、第二阪奈道路、関門トンネルも対象外とされているので注意してください。
対象となる利用日時
対象となる利用日時は祝日を除いた月曜日~金曜日までの平日で、午前6時~午前9時、夕方17時~20時の間です。割引対象時間をまたぐ利用も割引対象になります。また、割引対象時間内に一度高速を降り、もう一度高速に乗った場合、2回目の走行は割引対象外です。
割引率
平日朝夕割の割引率はETCカードの1ヵ月の利用回数に応じて異なり、割引対象期間の通行料金のうち、最大100㎞相当分に適用します。100㎞以上走行した場合、100㎞を超えた分は割引がないので注意しましょう。
1ヵ月の割引対象となる利用回数は、5~9回までと10回以上で異なります。1ヵ月の間、朝夕割引対象時間帯に高速を利用した回数が5~9回までの場合、通行料金のうち最大100kmまでを約30%還元され、10回以上の場合は約50%還元されます。なお、1ヵ月の利用回数が5回に達しない場合、割引は適用されません。
利用料の還元は、翌月20日にETCマイレージサービスのポイントとして付与され、次回のETC料金に充当できます。
利用者に合わせたETC割引
ETC割引には利用者に合わせた割引制度もあります。ご自分が対象かどうか確認してみましょう。
ETC2.0割引
ETC2.0割引はETC2.0を利用する人向けの割引制度です。ETC2.0とは、自動料金収受システムの他に、道路渋滞情報や走行情報を送信したり受け取ったりする機能を付加したETCのことで、従来の渋滞情報システムVICSよりも広範囲の渋滞情報を受信できるメリットがあります。
ETC2.0割引は、高速自動車国道の普通区間の料金水準を割引します。例えば、入間~境古河間の区間では、通常のETCでは2,180円のところ、ETC2.0では1,850円です。
ETC2.0割引は限定された区間のみに適用され、対象道路は圏央道の茅ヶ崎JCTから海老名南JCTまで、海老名から木更津JCTまでと、新湘南バイパスの藤沢から茅ヶ崎JCTまでの区間です。また、東海環状自動車道も対象道路になります。
大口・多頻度割引
大口・多頻度割引は、運送会社などを対象とした高速道路料金の割引制度です。NEXCO東日本、中日本、西日本のNEXCO3社の要件を満たして申請をし、貸与されたETCコーポレートカードを使用することで高速道路料金が割引になります。割引は契約単位での割引や、車両ごとの割引を選ぶことができます。
障がい者割引
障がい者割引は障がいを持つ人が日常的に通勤、通学、通院などの目的で高速道路を利用するための割引制度です。事前に障がい者手帳を申請した市町村の福祉窓口やオンラインで申請を行うことで、高速道路利用料金が50%割引されます。
利用目的や対象自動車には一定の要件があるため、気になる場合は役所の福祉窓口などに問い合わせてみましょう。
その他、区間限定のETC割引
各都市高速と地方の連絡道路や高速道路など、特定の区間でETC割引が適用されるケースもあります。
NEXCO東日本エリアでは首都高速の外環道迂回利用割引、アクアライン割引、千葉外環迂回利用割引、NEXCO中日本エリアには湘南バイパスや八王子~高井戸間などのETC割引があります。
西日本エリアには大阪都心部流入割引、広島呉道路連続利用割引があり、九州では福岡の都市高速の特定エリアでETC割引があるため、お得に利用できるでしょう。
アクアライン割引はETC搭載車に大きく通行料が割引される制度。割引率は平日か土日祝日かで違い、土日祝日でも時間帯や上り線下り線、車種などで割引料金が異なります。普通車では通常料金3,140円のところ、平日のETC割引料金は800円と大変お得です。
区間限定割引は紹介したものの他にもあります。NEXCO各社のホームページなどで詳細を調べてお得に利用してみましょう。
「ETCマイレージサービス」は登録がおすすめ
高速料金の割引制度は利用できる区間や日時が決まっており、使いたいときに割引が使えるとは限らないのが難点です。そんな方に裏技のように重宝されているのが、「ETCマイレージサービス」です。
ETCマイレージサービスでは、高速道路のETC利用料金に応じてポイントを貯めることができます。貯まったポイントは翌月20日にETC利用料金に利用できる還元額として付与されるため、ETCをよく利用する方はぜひ登録しましょう。
登録や利用料は無料で、ETCマイレージサービスの公式ホームページから新規登録ができます。平日朝夕割引の利用にはETCマイレージサービスの登録が必須です。平日も休日も関係なく還元額を利用できるお得な制度なので、ETCカードをつくったら積極的に活用しましょう。
ETC割引時間はどうやって確認している?チェックしてお得に利用を
ETC割引制度は0時~4時など時間帯で区切られていたり、特定の区間が対象外だったりと適用になる、ならないの線引きがあります。
そのため、料金所などのチェックポイントを通過した時点で割引制度が適用されるかどうか判定しています。ここではETC利用料金のチェックポイントとして料金所とフリーフローアンテナについて解説します。
料金所で確認
通常ETC料金は入口の料金所と出口の料金所の通過時間から算出されています。例えば、ETC搭載車が高速道路の入口料金所を通過した時点で、深夜割引などの対象になるかどうか判断されるのです。また高速道路の出口料金所で、入口から出口までの区間の料金が確定します。
フリーフローアンテナで確認
入口や出口で料金所がない場合は、フリーフローアンテナと呼ばれるアンテナとの通信によってETC料金が算出されます。フリーフローアンテナは料金所がない入口や出口で利用されているETC無線通信用のアンテナです。高速道路に入った時間や出た時間、走行した区間を記録してETC利用料金を確定します。
ETC割引はチェックポイントを通過しなければ割引対象とならないため、料金所のない高速道路の入口や出口を通行している場合でも、ETC車載器からETCカードを抜かないように気をつけましょう。
ETC周遊割引活用で高速道路をお得に利用できる
高速道路を管理するNEXCO東日本、中日本、西日本のNEXCO3社は高速道路をお得に利用できるETC周遊割引を販売しています。
利用したい場合はNEXCO各社のホームページから事前に日時を指定し申し込み、情報を入力するだけです。登録の際は住所、氏名、電話番号の他にETCカード番号やETCカードの有効期限が必要なので注意しましょう。お出かけや旅行の際は、前もって登録しておくのがおすすめです。
NEXCO東日本のドラ割
NEXCO東日本は北海道や東北、北関東や千葉、新潟、信州などのエリアで周遊パス「ドラ割」を販売しています。
例えば、「信州めぐりフリーパス」は2日間か3日間か選んでパスを購入しておくと、首都圏と名古屋エリアのどちらかの出発点から長野県の周遊エリアの高速道路料金が定額になります。
NEXCO中日本の速旅
NEXCO中日本が提供する「速旅」は、高速道路周遊パスのみの単品販売に加えて、高速道路周遊パスと観光施設入園券やお買い物券、宿泊商品券がセットになったプランなど、多彩なラインナップが魅力です。
静岡県の「御殿場プレミアム・アウトレットドライブプラン」では、出発地に合わせた高速道路周遊パスとアウトレットモール内で使えるお買い物券、クーポンシートがセットで購入できます。
NEXCO西日本のドライブパス
NEXCO西日本の「ドライブパス」は、特定期間の高速道路周遊パスがあり、平日に利用すればETCマイレージサービスのポイントを15%上乗せするキャンペーンが行われています。「ぎゅぎゅっと九州まんきつドライブパス」では、北部九州、南部九州、西部九州、九州全域から選べるパスを購入可能です。
ETCカードをつくるならSAISON CARD Digitalがおすすめ
お得にETC割引を利用するには、クレジットカードに紐付けてETCカードを発行するのがおすすめです。
「SAISON CARD Digital」は、年会費が無料で、カード番号がプラスチックカードに記載されないナンバーレス仕様でセキュリティも安心なクレジットカードです。また、ETCカードの発行も無料でできます。
セゾンカードが手元にあれば、インターネットや電話からETCカードに簡単に申し込みいただけます。申し込み後、最短3日後にETCカードを自宅へ発送いたします。
おわりに
高速道路を走行するときは、お得で便利なETCを利用するのがおすすめです。ETCを利用すれば、料金所で現金を受け渡す手間が減り、特定の時間や区間などで割引も受けられます。ETC割引を利用してお得で快適に高速道路を利用しましょう。